第20回大阪翻訳ミステリー読書会 『さむけ』ロス・マクドナルド著

早くから課題書が決まっていたのになかなか読めず、というより、読むべき本の中に混ぜて積んだままだったのをようやく読んだ。ロス・マクドナルドの本は70年代になってミステリー読者に返り咲いたころに読み出して夢中になったが、最終的にはたいしたファンではなくなっていた。輝かしくロバート・B・パーカーのスペンサーが出てきて、ジョセフ・ハンセンの調査員ブランドステッターやマイケル・ナーヴァのヘンリー・リオスなどゲイの探偵、そしてヴィクなど女性探偵たちの新鮮さに興味が移った。あちこちで書いたが、目下の興味は北欧の捜査官たちに向いている。

今夜の「第20回大阪翻訳ミステリー読書会」は20名の参加者が熱心に『さむけ』について語り、ロスマクについてそれぞれ感じたところから語っておもしろかった。ベテランの読み手の人を別にして、たいていは今回はじめて読んだ人なので感想も新鮮だ。その感想の裏打ちをするベテラン読者がいるのがいい構図だった。読書会の醍醐味を主催者は味わったと思う。