タチアナ・ド・ロネ原作、ジル・パケ=ブランネール監督『サラの鍵』

おんな友だちにいい映画だから見るようにと紹介されたのだが見てよかった。
世界的ベストセラーになったタチアナ・ド・ロネの小説を2010年映画化したフランス映画。残念ながら原作を読んでなかったのでこれから買って読むつもり。

サラ・スタルジンスキという女の子がベッドで弟とふざけているところから始まる。幸せな笑い声が響いているところへ警察がやってくる。母が相手をするが警官たちは問答無用で、父と母とサラを連行しヴェルディヴ(屋内競輪場)へ送り込む。1942年7月、ナチに占領されたフランス政府と警察がパリ市内に住むユダヤ人1万3千人を逮捕し、うち8000人をヴェルディヴに収容し、のちにアウシュヴィッツに送った。

一家3人はヴェルディヴに送り込まれる。サラは弟を納戸に隠し鍵を外からかけたため、ずっと弟を助けにいこうと思っている。トイレもなくなんの設備もない競輪場に収容されたユダヤ人たち。ひどい悪臭が立ちこめるところで過ごすが、次は臨時収容所に移され、男・女・子供と別にされる。

サラがもう一人の女の子と建物の外へ出ると、他の人たちはみんなアウシュヴィッツに送られてしまった後だった。弟を助けに行かなければと二人で脱走しようとする。若い監視人が鉄条網を持ち上げてくれ二人をくぐらせてくれた。必死で草原を走る二人は、ひととき小さな沼に体を浮かべて休息する。森を抜けて村へ出たがどこの家も助けてくれない。小屋に潜り込んで寝ているところを農家の夫婦に助けられる。
もう一人の女の子はジフテリアで死ぬ。警官が調べにやってきたがサラは匿われて助かる。
老夫婦はサラを服と帽子で男の子に変装させパリへ連れて行く。サラは自分のアパートへ行くとドアを鍵で開ける。そこで見たものは・・・

アメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)はフランス人の夫と結婚して安定した家庭だが、二人目の子供を妊娠している。いまさらの年齢で子供を持ちたくない夫と気まずくなるジュリア。
「ヴェルディヴ事件」についての記事を書くことになり取材をはじめる。