マーティン・マクドナー監督・脚本、フランシス・マクドーマンド主演『スリー・ビルボード』

見たかった映画をようやく見た。主演のフランシス・マクドーマンドはずいぶん前に『ファーゴ』(1996年コーエン兄弟制作)を見たっきり、というか他の作品を覚えていなくて、『ファーゴ』の印象ばかり強く覚えている。妊娠中の警察署長役でアカデミー主演女優賞を得た。最後のシーンで夫の絵が3セント切手の絵柄に採用されたと喜ぶシーンがよかった。それから21年経ってのアカデミー賞だからすごい。

アメリカ、ミズーリ州の片田舎の町で、娘をレイプされ殺された母親のミルドレッドは通りかかった町外れの道にそってでっかい広告看板を設置しようと考えた。広告会社にお金を払って建てさせたのは、「レイプされて、殺された」と娘の死を知らせ、「逮捕はまだ?」と問い、「どうして? ウィロビー署長」と警察署長にたたみかける3枚の文字広告看板。
ウィロビー署長は人格者で町の人たちから信頼されているが、末期がんで死を前にしている。署長の忠実な部下ディクソンは差別主義者でどうしようもないやつ。
ミルドレッドの生活ぶりが描かれる。だれにも妥協せず、自分の思いを通したいだけで突っ走る。

看板が焼かれ、署長は拳銃自殺し、広告会社のレッドは窓から投げられて大怪我し、警察署は火炎瓶を投げ込まれ、どんどん広がっていく被害のなかでミルドレッドは生きていく。