四ツ橋電気科学館の屋上(わたしの戦争体験記 10)

四ツ橋筋と長堀橋通りが交差しているところの北側、いまはオリックスの建物があるところに同じようなかたちで電気科学館があった。わたしの1年生から4年生までの遊び場である。みんな学校から帰るとそれぞれ遊びに行った。カバンやランドセルを家に放り出すと走って四ツ橋へ向かう。電気科学館ビルの入り口には守衛さんがいるが、隠れて突入し階段に向かった。5階くらいまで部屋があったと思う。さっさと屋上へ上がるとすでに誰かが来ていて賑やかに遊んでいる。ビルの人たちは黙って遊ばせてくれてたみたいだ。帰りはそおっとおとなしく階段を降りた。

屋上のほとんどが地球の北半球になっており表面はタイルだったような気がする。プラネタリウムの部屋の天井の丸い面に合わせた天井の外側が屋上面だった。
裸足になって地球を駆け上がった。友達と抱き合ってつるつるごろごろ寝転んだり、落としっこしたりして飽きずに遊んだ。タイルの表面が気持ちよかった。

ビルは大阪大空襲で打撃を受けたものの残っていて、戦後には映画館の代わりになっていて、わたしも阪急沿線に住んでいるとき洋画を一度見に行ったことがある。文楽をやってたから見たと誰かがいってた。