アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本・音楽・製作『海を飛ぶ夢』

実在の人物ラモン・サンペドロの手記「地獄からの手紙」(1996)をもとにした映画(2004)で、全身不随の主人公が尊厳死を求めて闘う姿を描いている。

ノルウェー船の船員だったラモン(ハビエル・バルデム)は25歳のとき事故で首から下が不随となった。それ以来、父と兄夫婦とその息子の世話になって25年にわたり寝たきり生活をしてきた。自分自身で死ぬこともできず尊厳死を望むだけの毎日。
尊厳死団体のジェネが弁護士のフリア(ベレン・ルエダ)を紹介する。フリアは杖をつきながらも住み込んでラモンに接し、彼が文章や詩を書いているのを知る。口に咥えた棒で操作するパソコンと甥の協力で清書やプリントアウトしたものを嫂が大切に保管してあった。フリアは読むなり感動し本にしようと勧める。
ふたりは話したり仕事したりしていて、フリアがタバコを吸うとラモンが一服吸わせてくれと頼む。なんとも言えない色気があふれるシーン。
ラモンがそろそろと立ち上がり窓辺へ行く、それから海へ飛ぶ。ラモンとフリアは海辺で抱き合う。

フリアはラモンの家の階段で倒れる。実は大病を患っていて最終的には痴呆症になるとわかる。彼女はラモンの尊厳死に協力すること、自分も尊厳死の道を選ぶことを決心し、実行はラモンの本を出版したときと約束する。

フリア役のベレン・ルエダがすごく美しくて彼女を見ただけで満足だった。目尻に皺もあるのだけど上品な昔のハリウッド女優のような。

アレハンドロ・アメナーバル監督の作品は「オープン・ユア・アイズ」とショートフィルム「ルナ 月は見ていた」だけしか見ていない。もっと見たい。