「Vic Fan Club News」の人気連載「コージー・コーナー」にシャーロット・マクラウド(1922-2005)「納骨堂の奥に」が紹介されていた。コージー・ミステリはあまり読まないが翻訳が懐かしい浅羽莢子さんだし買って読むことにした。著者も主人公のセーラ・ケリングの名前も昔から知っているけど読んだことがなかった。
なんてったってコージーだからとゆったり気分で読み出したら、なんだか様子が違う。すげえすげえと土日月と3日間で読み終えた。シリーズ第一弾である。次も読みたい。
ボストンの旧家の若奥様であるセーラは夫のアレクザンダー(従兄)と、姑(伯母)と古い大きな屋敷で暮らしている。アレクザンダーが41歳でセーラが19歳になる前に結婚した。いまも上品な夫を愛しているから不自由は感じていないが、お金の管理をまかせている夫からわずかな家計費しかもらっていない。
フレデリック大伯父が亡くなって、セーラは納骨堂へ来ている。
妻といっしょに埋葬されるのはいやだから自分だけケリング家の納骨堂へという遺言を実行するために納骨堂の中を見に来たのだ。
ボストンコモンの周りの古い墓地は全部史跡に認定されていてなにも動かせないが、壁際の納骨堂はケリング家のものなので利用できると役所から返事をもらった。
別の従兄ドルフが来て納骨堂の鍵を開けた。煉瓦の壁が立ちはだかっている。係員とケリング家の男たちが力づくで破ると、若い女の死体が目の前にあった。
(浅羽莢子訳 創元推理文庫 1,000円+税)