ピエール・ルメートル「死のドレスを花婿に」

なんかもう、すごい小説にぶちあたった。すぐ前に読んだ「その女アレックス」と「悲しみのイレーヌ」もすごかったが、「死のドレスを花婿に」には、もうなんていうか圧倒されてしまった。ルメートルすごい!
最初は女性主人公ソフィーの謎めいた存在と行動に引きずられて読んでいた。平穏な日々が壊れてソフィーを中心に転がるように事件が起き続ける。あれよあれよと驚きながら読んでいるうちに、ある男の作為でソフィーの人格や人生が否定されていく。

4つの章に分かれているのだが、読んでから意味がわかった。
内容について書いてしまうといけないので、すごくよかったとだけ書いておく。
ルメートルの作品は3冊読んだだけだけど、女性がものすごく強くて頑張るところが好き。3冊ともに内容について語ったらこれから読む人が困るというところがすごいです。
(吉田恒雄訳 文藝春秋 790円+税)