オタール・イオセリアーニ監督・脚本・編集・主演『素敵な歌と舟は行く』

ほんわかした映画が見たくてT氏のDVDの中からタイトルで選んで見た。1999年のフランス映画で、監督・脚本・編集・出演(主人公の父親役)のオタール・イオセリアーニはグルジア出身。

パリ郊外の広い森を持つ館に住む、酒飲みで鉄道模型愛好家であり妻がいないと広い庭に出てクレー射撃に興じる父親、館の中でコウノトリを放し飼いしている支配的な実業家の母親、年頃の息子と年の離れた娘が3人いる一家。
母は仕事で出かけるときは自家用ヘリコプターで飛び立つ。父は母がいないと射撃と酒で楽しむ。息子はスーツ姿で出て行き途中でカジュアルな服に着替えて街中へ。

もう一人の主人公である鉄道清掃員の青年は、タタミ半分くらいの空間に住んでいる。仕事着をスーツに着替えて知り合いにオートバイを借りて街を走り、カフェで働いている娘と仲良くなる。
青年ふたりが街で交差する。ぼっちゃんは家にナイショで浮浪者仲間を連れて帰り酒を飲ます。地下の酒蔵がすごい。浮浪者の中で年輩の一人が父親と飲んで仲良くなる。母が帰ってくると必死で逃がす。

ぼっちゃんのほうは身分を明かさずに不良仲間と銀行強盗グループの中に入りぱくられる。刑期が終ると刑務所に召使いがクルマで出迎える。家に帰る前にパリの街を走ると、あのカフェで娘さんがガラスを拭いている。出てきた夫は鉄道清掃員の青年だった。

館にもどると父親と浮浪者が酒びんを手に仲良く出て行く。帆船で館の側を流れるセーヌ川を下ってやがて海に出る。

見た映画は褒めたいけれど、この映画はわたしはあまり感心しなかった。よかったとだれもが言うやろと思うけど。どこか、なにか、ちゃうねん。