森の小道、ヘニング・マンケルの『霜の降りる前に 上下』を読みながら

ヘニング・マンケルの『霜の降りる前に 上下』を読んでいる。ストーリーを追って早読みしているので、もう一度ゆっくり味わって読むことになるなあと最初からわかっているという読み方(笑)。今回はクルト・ヴァランダー刑事ものだけど、娘のリンダが登場して父と娘の共演であり競演である。

物語は初老の女性文化地理学者が年代物のベスパに乗って森へ入っていくところからはじまる。彼女は森の小道を探すのが趣味で、今日の目的地は湖と城の間にある森だ。ベスパを置いて歩いて森の中の道をいくと、人間の通った形跡のない小道があった。

ここんとこを読んでいたら羨ましくてしょうがない。すぐに彼女は何者かに殺されてしまうのだが・・・
本の感想はいずれ書くことにして。
今日は「森の小道」という言葉に反応してしまったので、小道の話。

子どもの時に母の実家の山梨県の農家の庭、その近くには小川があり泉があった。少し歩くと笛吹川の支流になる川があり小道があった。そこをぶらぶら歩くのが大好きだった。
豊中市内に住んでいたときは自転車で林っぽいまばらに木があるところまで行って、眺めて帰ってきた。まだ田んぼや畑があってレンゲやタンポポやスミレがいっぱいで小道を歩いて小さな川に出た。
泉北にいたころも散歩によく行った。丘があり池があり墓地があった。山野草の宝庫のような田んぼがあった。

ハイキングに行っても脇道が好きで帰れる範囲で寄り道していた。なんせ方向音痴なので迷ったら危ない(笑)。
秋の北八ヶ岳に登ったときはナナカマドに魅せられたなあ、そして少し雪が降ってきて森の中のキノコに雪が帽子のようだった。

なんかスウェーデンの森の風景がわたしの中の「田舎好き」を刺激していった。
(柳沢由美子訳 創元推理文庫 上下とも1100円+税)