今夜は特別夜更かし

昨日はケーキがどうのこうのと書いたが、お昼前に横浜の妹からバウンドケーキとクッキーの箱がとどいた。去年も送ってくれたのを、わたしが喜んだからと菓子工房に同じものを注文してくれた。自閉症者が働く菓子工房のお菓子は素朴な甘さだ。
お菓子を送れば姉が電話してくれる、と妹は笑う。それってわたしが身勝手みたいですね。ちょっと姉妹の考えに行き違いがあったせいだけどね。
さっそく3時のおやつに分厚く切って食べた。コーヒーとあってうまかった〜お腹がなかなか減らなくて困ったけど。
晩ご飯は10時過ぎだわ〜(9時に書いた)

晩ご飯をまたもやお腹いっぱい食べたら11時半だ。今夜はこれからが勝負笑 。ミナミのバー カリフラワーからの中継で好きなDJのプレイを見る。聞く。長い夜になる予感。

今夜もうちで夜更かし

昨夜は夜の9時から Contact Tokyo がストリーム配信した “Live from STUDIO X” を視聴していた。コロナのおかげで外出を控えている夫が聞きながら踊るんじゃないかと思っていたが、前半は食事の支度、後半はじっと座って見聞きしていた。こういう音楽を聞くのにはこういうスタイルなんだって。わたしは画面とテーブルをはさんで真正面の特別席に座って上半身を揺らして楽しんだ。

わたしはここ数年間クラブに行ってない。週に二度か三度は夜遅くというより翌朝帰ってくる夫といれ代わりに起きて一人ご飯を食べていた。音楽を聞くのも夫の買ってくるのを聞かせて頂いている 笑 。
昨夜は久しぶりに現場の音とDJたちの身振りにふれて楽しかった。画面を見ているとからだが自然に動く。わたしはハタチ過ぎてから60年代70年代とジャズを聞いて生き、40歳代の80年代にはパンク少女だったが、いまここにきて、DJがつむぎ出すクラブ音楽を聞いている。
コロナに好かれるらしい70歳代を過ぎて80歳代になって足がよろよろ、よろぼし(弱法師)状態であるが、上半身をゆすって上機嫌なんである。

アーサー・コナン・ドイル『緋のエチュード』

火曜水曜と2日かけて青空文庫でアーサー・コナン・ドイル『緋のエチュード』大久保ゆう訳(以前は『緋色の研究』)を読んだ。
読み出したら夢中になり読み通してしまったが、読み終わってなんでこれ読んだのかなって疑問がわいた笑。きっかけは「発達障害」の本3冊からドラマ『シャーロック』にいったんだった。いやー おもしろかったなあ。発達障害のシャーロックを堪能した〜 それから青空文庫を探して『緋色の研究』を見つけた。いまは『緋のエチュード』となっている。

なんせシャーロック・ホームズの物語を読んだのはこどものとき、おとなになってミステリファンになっていろいろ読んだが、コナン・ドイルは読んでなかった。本格物やハードボイルドやいろいろ読んでるのに、ホームズは子供向けと思っていたみたい。いますっごく楽しんで読んでほんまの本格物やんかと反省した。

〜第四章から引用〜
ホームズ「事件に関してはここまでだ、博士。ほら、種明かしした手品師は相手にされない。これ以上手の内を見せすぎると、君は僕のことを所詮ただの人と決めつけかねない。」
ワトソン「そんなことないよ。この世界でいちばん、探偵という仕事を厳密な科学にまで近づけている。」
ワトソンの独白 同居人は私の言葉や熱心な口ぶりが嬉しいようで、顔を赤らめた。自分の腕をほめられると弱いということが私にはとうにわかっていた。まるで、綺麗だよと褒められた少女のようだ。

二人が最初に会ったとき、ワトソンに一目でアフガニスタン帰りだねといって驚かせたシャーロック。二人の仲はドラマのハドソン夫人の見方では恋人どうし。
作品ではワトソン博士がホームズとワトソンの物語を書いたんだけど、ドラマではワトソンはブログを書いてアップしている。

『シャーロック』と発達障害

ついこの間だけど、夫が買ってきた香山リカの『「発達障害」と言いたがる人たち』(SB選書)をさきに読ませてもらっていたら、香山さんが岩波明の『発達障害』(文芸春秋)を勧めていたのですぐに買ってきてもらった。わたしは「発達障害」という言葉は常々気になっているが、「発達障害と言いたがる人たち」ではない。甥の一人が自閉症ということもあってずっと気になっている言葉ではある。

香山さんの本を読むのを途中でやめて岩波さんの本に移り「はじめに なぜあの人は「空気が読めない」のか?」を読み出した。なんとまあ、章の最初の言葉がシャーロックなのである。ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック。
我が家はずっと前から映画から遠ざかっている。ここで『シャーロック』を見ないでポカンと解説されているだけでいいのか。実は、ベネディクト・カンバーバッチが素敵なことはネットの記事でじゅうぶん知っている。写真だけ見ていても素敵だ。夫に「この映画を見ないで発達障害について語ったらあかんのとちゃう? Amazonプライムで探そう」といった。すぐに見つかったので、月曜日に『シーズン1-1緋色の研究 “A Study in Scarlet” 火曜日(昨日)にシーズン1-2 死を呼ぶ暗号 The Blind Bankerと、シーズン1-3 大いなるゲーム The Great Game の2本を見た。
シーズン1は2010年の作品である。10年前の作品とは思えない新しさと速さ。

携帯電話とノートパソコンが出てくるところでびっくりしたが、会話の中でもシャーロックのサイトとかいうし。ワトソンはブログを書いてるし。製作年はいまから10年前なのだからその当時の最先端がまだ通用している時に見られて幸せだった。

そして、全体のスピードに驚かされた。はやい、はやい、すごく展開がはやい。結着も早い。「わたしら遅れてるぅ」と思わず叫んでしまった。
今日は発達障害の本をもう一冊買ってきてくれた。本田秀夫『発達障害』(SB選書)。

腰湯でマッサージ

去年の暮れ、お風呂から出られなくなった翌々日に浴槽専用の椅子を買ってきてもらった。わたしが入浴する時は浴槽内に置くようにしている。座ると上半身が寒いので、しょっちゅう肩に湯をかけるが温かいのはそのときだけ。タオルをかけてお湯をかけてもすぐに冷める。これには困った。

ふと思いついて「腰湯」と「半身浴」を検索してみた。
[半身浴が「ぬるいお湯にみぞおちまで浸かる」のに対し、腰湯は「熱いお湯(45℃前後)にへそまで浸かる」部分浴です。]とあったので、これだこれだと喜んだ。

やり方や理論が書いてあるが、以下は読んだ上でのわたしの自己流です。
45度のお湯は熱い湯が好きなのでオーケー。湯の中に椅子を置いて腰掛ける。もちろん上半身は寒いがちょっとしんぼう。
健康雑誌『わかさ』を読んでメモした絵「足底、アキレス腱、ふくらはぎ、太もも、大胸筋をはがす」を見ながら、各所を剥がすようにマッサージ。
15分くらいすぐに過ぎる。途中で湯から上がり体を洗い、また入って同じことを繰り返す。

これで腰湯終了。最後はシャワーでいっちょあがり。乾いたタオルが気持ち良い。最初は寒かったがどんどん温もってきて出る時にはいい気分になっている。

エースのジョーにしびれた60年安保のころ

今日1月21日に宍戸錠さんが亡くなられた。小林旭さんの奥様が亡くなられたばかりだしとてもさびしい。

出演映画の一覧表を見ていたら『銀座旋風児』のシリーズ名がたくさんあった。懐かしい。エースのジョーを初めて見たのはどの「旋風児」だったかな。すっごくおもしろく見たのを思い出す。あまりにもアホらしくて同行のSちゃんは「帰る」と腰を上げた。その手を引っ張って「もうちょっと」と座らせ、わたしはジョーを満喫した。「くみちゃんてもうちょっとインテリかと思ってた」といわれながら(笑)。
小林旭がスクリーンに派手に出てくるとジョーは敵役や相手役で出てきて、ふくらんだほっぺたがその場を支配した。わたしはジョーの笑顔が大好きだった。

そのころ、わたしは阪神電車の千船駅近くの小さな会社で事務員として働いており、仕事が終わると梅田へ出てコーラスや学習会や講演会や映画に行き、友達と会ってしゃべり、お好み焼きを食べ、カクテルを飲みにバーへいった。
60年安保の時期が近づき安保反対のデモがしばしばあった。わたしは労働組合に所属してなかったけど、友達の会社の労組のデモに参加させてもらってデモった。個人でデモに参加するのは困難な時代だった。「デモる青春、ジャズる青春」の言葉通りデモとジャズに明け暮れジョーのほっぺたに惚れて、アキラの笑顔に魅せられていた。

Sちゃんの父上が日活の株を持っていて入場券が届くとくれたので、梅田日活へしょっちゅう行っていた。帰りはすぐそばのお好み焼き屋でお好み焼きと焼きそばを食べた。お好み焼きにマヨネーズをつける食べ方のはしりだったと思う。そのあとカクテルバーに行って、お気に入りのバーテンダーのいるテーブルでカクテルをたのんだ。新作の「白雪」なんて名のカクテルがあったっけ(笑)。

砂澤ビッキさんの思い出

今日のツイッターで目にした巖谷國士さんのツイート。
【3月7日2時から札幌の北海道立文学館で、「砂澤ビッキと澁澤龍彦」という講演をする。無料。要予約。】

行きたいけど、当然、無理。

その代わりに砂澤ビッキさんの個展でお会いした時の思い出を書きます。
いま手元に『砂澤ビッキ作品集』という大判の本(株式会社用美社)がある。1989年10月発行で、たしか出たときに買ったように覚えている。
そのころ大阪の画廊での個展に行った。画廊には他の人はおらず、ビッキさんがおられてにこにこして迎えてくれた。北海道の話や今後の活動の見通しなど、ビッキさんの気になっている話題がどんどん出た。

木彫りの小品がたくさん展示してあった。値段がついているのがあったのでお金があれば買うのにと思ったが、うちらには無理。
わたしが作品を丁寧にうれしそうにゆっくり見ていると、「手にとって見て」といってくれ、小さな木彫りのトンボのような蝶のような虫のような作品を手に持たせてくれた。自分が持ってトンボが飛ぶように見せてくれたりした。「触ると手垢で汚れるから」といったら「それがいいんだ」と笑っていた。手にとって見てもらうのがいいんだって。
北海道出身の夫と旭川の話をして盛り上がり楽しそうだったのを覚えている。
帰るときは暖かい大きな手で握手して背中まで抱えてくれた。感激いまも忘れず。(SUNAZAWA Bikky 1931-1989)

ジョン・フォード監督『リオ・グランデの砦』

ずいぶん前に本屋で買った安いDVDのハードボイルド映画を何本か見た。その他に西部劇や恋愛ものもある。昨日取り出したのはジョン・フォード監督、ジョン・ウェイン主演の『リオ・グランデの砦』。なんと290円の値札が貼ってある。そして同じような西部劇がまだ数枚ある。どれも買ったときに一度は見ているが、それぞれおもしろいから置いてある。古色蒼然とした西部劇だけど人情味があり、相手役は美女でしっかりしていて言葉のやり取りも楽しい。白黒映画で画質もけっこういい。

騎兵隊とインディアンたちのリオ・グランデの砦で繰り広げられる攻防を丁寧に描く。騎兵隊の英雄ジョン・ウェインの妻がアイルランド系の美女モーリン・オハラで、一人息子を連隊から家に連れて帰ろうとする。息子は意地でも帰らない、騎兵隊で戦いたいという。

結局は全員でインディアン部隊をやっつけ砦を死守する。騎兵隊は善、インディアンは悪と割り切った考えで作られた映画だが、子供達の可愛らしさ、若者たちの率直さ、洗濯する女房たちの真面目さ等気持ちよく見られた。アイルランドの歌がたくさん歌われるところもよかった。

ハワード・ホークス監督『三つ数えろ』

先日ジョン・ヒューストン監督の『キー・ラーゴ』を見てよかったので、うちにあるDVDを探したら出てきた。原作はレイモンド・チャンドラーの『大いなる眠り』。戦後のなにもないときに阪急電車三国駅近い夜店の屋台で見つけたミステリ雑誌『宝石』に翻訳されていた。何度も読んだからハンフリー・ボガードとローレン・バコールのやりとりを口ずさめた。雑誌のほうはつい先頃まで押入れに置いてあったが、点検したら傷んでどうしようもないから捨てた。DVDは他のハードボイルド映画といっしょに保存用の箱に入っている。

父は戦前の映画のファンだったが、二番目の姉は戦後のアメリカ映画の熱烈ファンで、中学生のわたしはお風呂屋への往復など歩きながらストーリーや姉独自の解説を聞くのが好きだった。戦後アメリカ映画が上映されるようになり姉はウキウキと青春時代の最後を過ごし、話し相手はわたししかいなかった。その後、姉は結婚して子供を2人つくり彼女らが学校へ行くようになると深夜映画に熱中した。画質などという贅沢なことはいわずただストーリーを追い、スターの姿を追っていた。
わたしも父と姉の足跡を追って映画ファンになったが、時代がかわったこととわたしが理屈を好む性格ということもあって、映画批評やらヨーロッパ映画やらと窓口を広げていった。

ハワード・ホークス監督『三つ数えろ』はハンフリー・ボガードとローレン・バコールの演技にハードボイルドという覚えたての言葉がぴったりだった。映画館で見たか深夜映画で見たのかはっきりしないが夢中で見たことを覚えている。
かなり前になるがハリウッドの名画のDVDが街の書店で売っているのを知って買いに行った。1枚500円か1000円くらいだったので大枚はたいて20枚くらい買ったっけ。それらの中で「もう一度見る」という基準で何枚か残してある。話が長くなったが、『三つ数えろ』もその一枚である。

ジョン・ヒューストン監督『キー・ラーゴ』

近頃はネットと本に興味がいって映画を見ようという積極的な気持が起きてこない。昨夜はジョン・ヒューストン監督の『キー・ラーゴ』(1948)を見たのだが、それも村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読んでいた夫が登場人物の言葉から、『キー・ラーゴ』がいいらしい、どんな映画か見たいといいだしたので見ることになった。

この時代の映画は深夜映画でよく見た。いちばん気に入ったのは『飾窓の女』で、それこそ深夜にじっとひとりテレビの前で頑張っていたものだ。
なんの縁か『飾窓の女』は、エドワード・G・ロビンソンが学者の役で主演だった。
『キー・ラーゴ』では典型的な悪役を気持ちよく(?)演じている。

映画がはじまりハンフリー・ボガードとローレン・バコールの間にエドワード・G・ロビンソンの名前が入って物語がはじまった。
二人の新スターの間に老練な大スター、その相手にはクレア・トレヴァーが色気を残したちょっと歳のいった役で出ている。彼女はこの映画で助演女優賞を得た。ジョン・ウェインとの『駅馬車』は二人とも最高だった。
老練なふたりの俳優に対して新鮮なふたりの俳優は演技が根本的に違っていて、ちょっとした表情にも新しさがあって見とれた。