青空文庫でシャーロック・ホームズ

昨日はドラマを見るのを休んで気を入れて日記を書き、発達障害の本をあちこち読んだりしていたが、夜中に飲んだコーヒーが効きすぎて寝つきが悪くなった。トイレに何度も起きて今日は睡眠不足ぎみ。ぐずぐずしながらシャーロック・ホームズを青空文庫で探して読んでみようと思いついた。検索したら『緋色の研究』がちゃんとあった。図書カードは「緋のエチュード」となっている。

シャーロック・ホームズの物語を初めて読んだのは小学校6年生のときだ。父が古本屋で買ってきた本を兄弟姉妹が取り合うようにして読んだ。その後はそれぞれが買ったり借りたりして読んだと思う。それぞれミステリファンになったから。わたしは大人になってからは読んでいない。今日がはじめてだ。青空文庫を探したら挿絵付きのがあった。ラッキー。暖かい部屋でお茶しながらパソコンを見つめておおいに楽しんだ。

ローリー・R・キングの『シャーロック・ホームズの愛弟子』シリーズ(集英社文庫)が気に入っていたときが長くあって、コナン・ドイルでなく、ローリー・R・キングのホームズファンだった時期が長かった。ホームズが結婚したのには驚いたっけ。ホームズ54歳、メアリ・ラッセルは15歳!

『シャーロック』と発達障害

ついこの間だけど、夫が買ってきた香山リカの『「発達障害」と言いたがる人たち』(SB選書)をさきに読ませてもらっていたら、香山さんが岩波明の『発達障害』(文芸春秋)を勧めていたのですぐに買ってきてもらった。わたしは「発達障害」という言葉は常々気になっているが、「発達障害と言いたがる人たち」ではない。甥の一人が自閉症ということもあってずっと気になっている言葉ではある。

香山さんの本を読むのを途中でやめて岩波さんの本に移り「はじめに なぜあの人は「空気が読めない」のか?」を読み出した。なんとまあ、章の最初の言葉がシャーロックなのである。ベネディクト・カンバーバッチ演じるシャーロック。
我が家はずっと前から映画から遠ざかっている。ここで『シャーロック』を見ないでポカンと解説されているだけでいいのか。実は、ベネディクト・カンバーバッチが素敵なことはネットの記事でじゅうぶん知っている。写真だけ見ていても素敵だ。夫に「この映画を見ないで発達障害について語ったらあかんのとちゃう? Amazonプライムで探そう」といった。すぐに見つかったので、月曜日に『シーズン1-1緋色の研究 “A Study in Scarlet” 火曜日(昨日)にシーズン1-2 死を呼ぶ暗号 The Blind Bankerと、シーズン1-3 大いなるゲーム The Great Game の2本を見た。
シーズン1は2010年の作品である。10年前の作品とは思えない新しさと速さ。

携帯電話とノートパソコンが出てくるところでびっくりしたが、会話の中でもシャーロックのサイトとかいうし。ワトソンはブログを書いてるし。製作年はいまから10年前なのだからその当時の最先端がまだ通用している時に見られて幸せだった。

そして、全体のスピードに驚かされた。はやい、はやい、すごく展開がはやい。結着も早い。「わたしら遅れてるぅ」と思わず叫んでしまった。
今日は発達障害の本をもう一冊買ってきてくれた。本田秀夫『発達障害』(SB選書)。

本読みの原点

10日くらい前から久しぶりにドロシー・L・セイヤーズの『学寮祭の夜』を出して読んでいる。わたしの原点の二番目になる本だ。
一番目は『小公女』で、いまでもときどき「青空文庫」で読む。きつい仕事を終え汚い屋根裏部屋でセーラが疲れ果てて眠り込んだ頃合いをみて、隣家の使用人のインド人が入って暖炉に火をつけ、テーブルに食事を並べる。目が覚めたセーラがおどろき喜ぶところが大好き。

セイヤーズのほうは初めての訳本『大学祭の夜』をずっと抱いていたがボロボロになったので今年になってついに捨てた。浅羽莢子による新しい訳の『学寮祭の夜』も文庫本がずいぶん古びたがこればっかりは死ぬまで捨てることはない。何度も読んだ本だからどこを開いても会話やシチュエーションがわかっている。事件そのものよりも、女性と男性について考えさせてくれる本である。

サラ・パレツキーのヴィクシリーズは本箱の大きな部分をしめている。アメリカで最新作が出たが、その前の1作品が訳されていないのが残念だ。英語が読めたらええのになあ。

狭くて古くて汚いが好きな部屋

我が家は狭くて古くて汚い。一度用事で来た人が「料理写真を見て想像していた部屋と違う」と呆れていた。フェイスブックなどに出している料理の皿を白いテーブルに置いてあるのが豪華に見えてるんやって。写真を撮るだけの用途だからパソコン机の隅っこをきれいにして皿をのせて撮っているんやけど。

部屋に入ると入居40年のマンションだから壁は古びて剥がれているし床は汚れている。椅子の布部分には破れた箇所に古毛布などを巻いたりのせたりで、よその人が見たらビンボー丸出し。壁際はほとんど本棚だが、古びた背表紙がこっちを向いているから煤けた印象で読書好きでないとただの汚い棚に過ぎない。

わたしは日々部屋を見渡して良い部屋やなあといっている(笑)。テキトーに汚くて、本棚の本は選りすぐりだし。
それぞれの大きな机にそれぞれのmacがのっているのも得意。それと食卓と応接机を兼ねた木のテーブルも得意。50年くらい前に1ヶ月分の給料で買ったもの。いまは菜の花を挿した花瓶とみかんをのせたアフリカのざるがのっている。

思い出した。この部屋を借りたばかりの1979年末にロックマガジン社のイベントがあって、わたしらはそのためにも新町に住まいを借りようとしていたのだ。12月の末のことで、出演者をうちに泊めることになり、なんと11人が2部屋に雑魚寝した。ありったけの布団と敷物と寝袋を出してストーブをつけて寝たが、わたしは横になっていただけだった。翌日は阿倍野で終日イベントがあり、終わってから出演者をまた2人連れて帰って泊めた。

もう一度笠置へ行きたい

西六国民学校(小学校)1年〜4年の間に遠足で二度笠置へ行ったのを覚えている。二度とも天気が良くて空が青く、足元には草がいっぱい生えた広場に大きな石が何個かごろんと置いてあった。そこに行くまではお寺のようなところで、後醍醐天皇についての話があり、退屈しつつも偉い人だったということがわかった。
後醍醐天皇というと、そのときの大きな石を思い出す。そこでお弁当を食べたのも覚えている。風がそよいでいて友達と石の周りを鬼ごっこして遊んだ。ネットで調べたら、いまは笠置公園となっているようだ。

当時10歳としてそれからざっと75年経っているいま、死ぬまでに一度笠置に行っておきたいと思う。春か秋か、天気の良い日にタクシーを頼んで家の前から笠置まで走ってもらう。着いたら一休みしてお弁当を食べて風に吹かれる。なぜか笠置にはそよ風が吹いているような気がする。

そして同じ車で家にもどる。
途中で疲れたら喫茶店前で下ろしてもらって車を待たせてコーヒーを飲む。村松剛の『帝王後醍醐「中世」の光と影』の好きなところを拾い読みする。村松氏は右側の人で、わたしは左側だが、この本は別だ。

村上春樹『海辺のカフカ』を読書中(わたしの戦争体験記 78)

一度だあっと最後まで読んでいま再読中。一度目で見逃してしまったところが二度目でわかってよかった。
物語の中といっても最初のほうだが、主人公の田村カフカくんが出てこない章がある。もう一人の主人公ナカタサトルさんの子供時代の受難の物語である。ナカタさんは東京都から山梨県に集団疎開した5人のうちの一人である。物語の中のナカタさんは老人になっていて、社会保障のお金で生活していて、猫と話ができたり、東京都中野区の空からイワシやアジ、そして違う場所ではヒルを降らせる。

わたしはナカタさんと同じ時期に大阪市から縁故疎開で山梨県に疎開した。そして『海辺のカフカ』に描かれる事件の起きたときは山梨県にいた。
敗色濃い時期の国民学校5年生1学期のとき、体操の時間に女の先生が「女子は来週の体操時間は山に入って訓練しよう。アメリカ兵がおそってきたらナギナタでやっつける、貞操を守る訓練」といった。恐ろしい気持ちでいたらすぐに来週がやってきて体育の時間はいつもの体操だった。あんなにやれやれと思ったことはない。もしかして山に入ってなにごとか起こったらどうだったろう。女先生はナカタくんの先生のようなことになっていたかもといま思うのである。

前にも書いたが「コーシンチクチクノミが刺す お腹の周りを旋回中なり」という歌が流行った。コーシンは甲州と信州の略である。お腹の周りをノミがちくちくするくらいにコーシン地区にはアメリカの飛行機が飛んでいたということかと、いまになって思う。

村上春樹さんの本、読み終わったのとこれから読むのと

●読み終わった本
風の歌を聴け
1973年のピンボール
羊をめぐる冒険(上下)
ダンス・ダンス・ダンス(上下)
ノルウェイの森(上下)
ねじまき鳥クロニクル(123)
国境の南、太陽の西
旅行記 遠い太鼓

●これから読む本
海辺のカフカ(上下)
色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上下)
短編集 女のいない男たち

わたしはずっと村上春樹は苦手やねんと言い続けてきた。いまから振り返ると最初に読んだ本も忘れているが、内容から「1973年のピンボール」だったかなと思う。うろ覚えで「ダンス・ダンス・ダンス」といっていたが間違いだった。

のちに友人が絶対いいから読めと読み終わった本を送ってくれたが読まずに返した。「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」「1Q84」。それなのに「騎士団長殺し」はタイトルに惹かれて、読んだら貸してねと頼んで読ませてもらった。それだってどんなことを書いてるのかな、なんて思いが強かった。
「騎士団長殺し」はタイトルがまず気に入った。井戸も気に入った。登場人物も気に入った。再読して返却したけどもう一度読みたい。きっと買って読むことになるだろう。

今回村上作品を何冊か読んで、いちばん気に入ったのは『ねじまき鳥クロニクル(123)』だ。言葉しか知らなかった「ノモンハン事件」について深く知ることができた。わたしは国民学校生のとき『奉天』で処刑された日本軍人についての本を読んで、もやもやしたものをずっと胸にもっていた。本書では村上春樹がノモンハン事件を伝えようとした強い意思を感じて感動した。ノモンハンで苦闘した間宮中尉がようやく帰国して、年老いてから若い女性と出会い野菜づくりに励んでいるところが大好きだ。

天気がいいから本を読もう

今日は良い天気だから読書の日にしようとテーブルに読みかけの本を出して並べた。安富歩『生きる技法』、家永三郎『太平洋戦争』、『別冊ele-king』第8号 MUTANT JAZZ。コーヒーとクラッカーのおやつで和みつつ、代わり番こに読んでいた。それぞれ内容が違って3冊とも興味津々で読めてよかった。まだみんな読み終えてないが。

ふと空を見たら、西の空が夕焼けになっていた。真っ赤に染まった西の空を見ながら、秋なんやなあとつぶやいた。
今年はいつまでも暑い。今日も昼間はTシャツ1枚で過ごしていた。いまもまだそのままのかっこだけど、さすがに二の腕が涼しくなったし足首が冷えてきた。薄手のカーディガンを着て背中の冷えを防ぎ、ふくらはぎサポーターで足を温めよう。それから晩ご飯で内側からも暖かくしよう。

それにしても最近日が短い。たまに近所に出て帰りは西日に当たってもすぐに日が落ちる。そしてあっという間に暗くなるので驚いてしまう。
西日のきつさがモンクのタネだった我が家の夏も終わってしまった。

読書熱どっかへとんでいけ

この1週間ほどハルキ熱の余波でよれよれだった。昨日は週に一度の整体院でこめかみのあたりが凝ってるのを揉みほぐしてもらった。今日は月に一度借りるマッサージチェアで1時間背中をマッサージしてきた。両方とも効いた〜 今日ようやく蘇った感じ。

いままで村上春樹の本を読む気がせーへんといって、タイトルが気に入った『騎士団長殺し』だけしか読んでなかった。先日、夫がなぜか数冊の文庫本を買ってきて読み出し、読むのがとまらないので読み終えた分を借りて読むことにした。『ノルウェイの森』から『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』まで。そしたらヒジョーにおもしろくて夢中になって読んだのはいいが、肩が凝り目がしばしばだ。それがおとといまで。
昨日から回復に向けてラクに暮らすように心がけているわけ。
なにか感想を書こうと思ったが、それは先に伸ばして印象だけを書いておこう。そのうち1冊ずつ書く気になると思う。

全体にストーリーがおもしろい。小説家だなあと思う。登場人物がよく死ぬ。

台風17号と読書

連休3日間といっても毎日が休みの高齢者には関係ないんだけど、ネットで天気予報をにらみながら、買い物に行く段取り(わたしが買い物に行くわけではないが)を考えたりしている。いうたら天気予報を調べるのが好きなだけやねんな。
たいそうな報道の上にそれをたいそうに聞きとるばあさん(笑)。
今回は3日間のいずれの日が風雨の犠牲になるのか、外へ遊びに行く予定がないのに、交通の心配をしていたりして。
いまは静かな大阪。夜中から明け方に大雨は降るんだろうか。
パーソナル天気予報を見たら明日は天気と曇りと傘マークが少しだけ。

この感じでは外への目配りはいらんようだから、読書に励もう。
いま読んでいる本は村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』(上)、おとといまで読んでいた本は同じく村上さんの『羊をめぐる冒険』(上下)。村上春樹さんの小説がこんなにおもしろいとは! これから読むのは『ダンス・ダンス・ダンス』(下)です。