3月も読書の月

今日は起きたときは温いような気がしていたがそうでもないとそのあと気がついた。夕方になるとお尻のあたりが寒々とするのでカイロを貼った。これで毛糸のサポーターをつけたら真冬並みだわとサポーターはなし。もうちょっと寒さを感じたら出してはこう。と思っているうちにカイロとストーブのおかげか暖かく感じるようになった。寒さ暑さに敏感な高齢者ですから。パソコンの前に座ったら膝掛け毛布が用意してあります(笑)。

読む本がたくさんあって困る。自分の本を点検しては捨てているのに、姉のところから持ってきた本がある。その中から今夜はドナルド・キーン『百代の過客 日記にみる日本人』(上下 朝日選書)をあちこち読んでいる。この本に「和泉式部日記」の章があったので、自分の持っている古い岩波文庫『和泉式部日記』を出してきてあちこち読んだ。昔ずいぶん愛読したせいで本が傷んでいるのが懐かしい。

『帝王後醍醐』『吉野葛』など読みかけの本もいろいろある。図書館で借りた森山大道『遠野物語』はもう一度読むつもりだが、写真と文章の両方がすごい本だ。

ヘロン・カーヴィック『村で噂のミス・シートン』

先日翻訳者の山本やよいさんが本を送ってくださった。『村で噂のミス・シートン』って楽しそうなタイトルやなあ。著者はヘロン・カーヴィック、知らんなあ、はじめての名前だ。コージーブックスは以前かなり読んだが、最近はヴィク・ファン・クラブの会報に連載中の「コージー・コーナー」(書き手は影山みほさん)で紹介されるので、彼女の原稿だけで満足して本は読まずにすませていた。でも紹介文を読んでるから作者名はかなりおさえているのに、ヘロン・カーヴィックははじめて。紹介を読むとBBC制作のラジオドラマ『ホビット』でガンダルフを演じた俳優だって。どこかのんびりした感じはホビットと似通っているかも。

さっそく読みだすとすっごくおもしろい。
ロンドンの学校で美術の教師をしているミス・シートンは、亡母のいとこからケント州にあるコテージを相続した。明日から休暇3週間を過ごしに行く予定である。
その前日にオペラに行った帰り道で出会った男女の事件に巻き込まれる。なにげなく持っていた傘で女を刺した男をつついてしまったのだ。男は逃げていき女は殺されていた。
警官が二人やってきて話を聞く。その展開がおもしろくて本を離せなくなる。
場所はロンドン、警視庁の警視と部長刑事の警官コンビが楽しい。ロンドンからケント州に場所を移してまた捜査に関わるが、事件はもっと大掛かりになっていく。
ぱーっと読んだので消化不足だ。もう一回読もう。
(山本やよい訳 コージーブックス 840円+税)

寒い日は本読みにかぎる

最近は読書熱があがっていて昨夜も遅くまで本を読んでいた。寒い日は本読みにかぎる。
谷崎潤一郎『吉野葛』の古い岩波文庫はおおかた読んでいたので少し残っているところを読み終わった。読書中の村松剛『帝王 後醍醐』のあとがきで南朝のことは谷崎潤一郎『吉野葛』があるから書くのをやめたとあって、あわてて『吉野葛』を探したのだ。いい物語だった。
道はまだまだ遠い。『帝王 後醍醐』のほうはまだ5分の4くらい残っている。

山本やよいさんが新しく訳された本を送ってくださった。封筒から出したときは、著者ヘロン・カーヴィックって新しいコージー・ミステリかしらと思ったが、ちょっと開いて読んでみると、ユーモアの質が違うように感じた。作者についての説明を読むと、イギリスBBC制作のラジオドラマ『ホビット』でガンダルフを演じた俳優と出ていた。

それで慌てて最初から読みだして今日はかかりきりで読んで半分くらいいった。これからが楽しみだ。
(『村で噂のミス・シートン』ヘロン・カーヴィック 山本やよい訳 コージーブックス 840円+税)

エドワード・D・ホック 木村二郎訳『怪盗ニック全仕事6』

※すみません、最後にオチが書いてあります。
エドワード・D・ホックの作品はどれも登場人物が穏やかでとぼけていているところが好き。特におかしくて真面目な怪盗ニックのシリーズが好き。最初読んで楽しみ、二度目を読んでも同じところで楽しめる。たまにそんな自分のことをアホちゃうかと思うけど、楽しむ才能があるんやからしゃあない。子供のときといっしょで心が暖かくなる物語が好きなのである。『小公女』を何度も読んで幸せになったように、怪盗ニックといっしょに冒険して危険を脱して依頼者からお金を受け取るニックといっしょにほっとする。

ニックにはグロリアという良き相棒がいる。最初に読んだ時からいっしょに住んでいてガールフレンドと書かれていた。ニックのことを政府の秘密の仕事をしている人といわれて信じ込んでいた。泥棒とわかっても動じず。ときどき協力するもんね。

今回ははじめてニックとグロリアの馴れ初めの話をしてくれる。目次の二つ目にある「グロリアの赤いコートを盗め」。
ニックはグロリアの赤いコートを盗んで欲しいと依頼を受ける。グロリアは1965年の初冬にオハイオ州の短大を出てニューヨークの出版社で働いていたとき、買ったばかりで1回だけ着た赤いコートを盗まれる。
ニックがグロリアの部屋に忍び込んだときニューヨーク市中が停電し、ろうそくをつけた部屋で二人はサンドイッチとビールでおしゃべりする。

コート泥棒の依頼人とグロリアは知り合いだった。仕事場から一緒に歩いていたとき、グロリアはふいに突き飛ばされそうになる。見張っていたニックが引っ張って助ける。
その晩はグロリアの部屋でビールを飲み、ニックは引っ越してこないかと聞くがグロリアは断る。でもクリスマスには赤いコートを買ってくれ映画に連れて行ってくれた。その2日後にグロリアは引っ越した。

(木村二郎訳 創元推理文庫 1300円+税)

※ミステリーだけど、ストーリーを書いてしまった。

『瀬戸内寂聴の源氏物語』を読んだ

いろんな人の現代語訳で読んできた「源氏物語」。原文で読もうと思って買った岩波文庫は途中で挫折したまま。現代語訳の最初が与謝野晶子、ついで谷崎潤一郎、だいぶ経ってから円地文子、田辺聖子。そして今回、瀬戸内寂聴の語りでおしまいかな。

25年くらい前のあるとき図書館で橋本治の『窯変 源氏物語』を見つけて1冊読んだら、これがおもしろくて、あわてて8冊だったかな、全冊買って読んだ。わたしにはおもしろい本を見つけると「これおもしろかった」と周囲に吹聴しまくるくせがある。その中に過激な言動で知られるフェミニストの女性がいて「男が書いた本をおもしろいなんて!」ときつい返事がきた。
いまそんなことを思い出したが、25年くらい前には過激なフェミニストが周囲に何人かいたっけなあと懐かしい。
『窯変 源氏物語』は全冊揃えて本棚に並ぶと場所をとるし、あるときまた読みたくなったら図書館でと思って売ってしまった。その後は一度も読まないままでいまにいたる。だから本は自分でもっていたい。といってもいまさら買うのもなあ。

「源氏物語」は大好きだけど、ストーリーがわかっているしもう読むのはしんどいという気持ちだった。ところが『瀬戸内寂聴の源氏物語』は分厚い文庫本1冊に読みやすい日本語で収まっている。さあどうする、と考えるより先にどんなんかなあと適当にページをめくって読み出した。どこを読んでも知ってる登場人物の物語でおもしろい。読み出したらさっさと進むのに抵抗があって、読むのはやめようかなとも思った。もっと味のあるのを読みたいと贅沢な悩み。そんな気持ちと別に活字が勝手に目に飛び込みストーリーを追っている。これで充分だ。おもろいわ〜
(講談社文庫 752円+税)

『カメラ紀行 大和の神話』(文/堀内民一・写真/浜口喜代治)とわたしの夢

姉の本箱の奥深くから飛び出してきたので持って帰った本。1964年淡交新社刊。表紙の青空をバックに由緒ありげな古い家屋(葛城の民家)の屋根の写真があんまりよく思えず、本箱にもどそうかと思った。あらためて眺めるときちんとした本なので大和の家とか風景の写真集かなとめくったら、風景や寺社の白黒写真がものすごく美しいので、これもらうって叫んでもらって帰った。帰ってから文章を読んだら、なんたる縁か、堀内氏は折口信夫先生の弟子なのであった。そして文中には折口先生の詩や文章からの引用がたくさんあり、しかも古寺を訪ねる折口先生の自動車に乗せてもらっての記録があってうれしくて涙が出そう。

わたしのいまの夢、第一は「大和を歩く」第二は「笠置を訪ねる」である。どちらもひとまず奈良へ行って一泊し、タクシーを雇って風景を見ながら移動する。
大和は二上山からはじめてまわりの山や風景を確かめつつ當麻寺で一服する。
笠置は後醍醐天皇の由緒を訪ねて、いま笠置公園になっているところで一服する。
いま貯金計画中でいつになったら実現できるかわからない。肝心の足がどうにかならんとあかんし「夢」のままで終わるかも。

クリスマスの願い笑

何度も書いているけど、去年の今頃姉の家に夕方買い物して行って晩ご飯をいっしょに食べた帰りにダウンした。それ以来ずっと足腰が不調で難儀している。内臓は丈夫で血液検査を見たお医者さんが「あんたは長生きするよ」といってくれた。声は相変わらずでかいし、大声で笑うので特に電話で相手した人は元気だと思うらしい。関東の兄なんか電話がかかっても自分のことしかいわないから、相槌を打つわたしを元気だと思い込んでいるふしがある。
そうでもないんじゃ笑。
とにかく足腰が達者になってすたすた歩けるようになるのを期待するのみ。ストレッチ頑張る。

ありがたいことに、こどものときから家にいるのが好きで、本さえあればおとなしくしている。長いことミステリファンだったが、最近は折口信夫に傾倒しきって、まだ折口本人の本は恐れ多いが、お弟子さんや研究者の本を読んで周りを固めている。そのうち本の感想を書いていくつもり。今日は女弟子というかものすごいユニークな人の本、穂積生萩『私の折口信夫』を読みふけっている。

コルカノンを食べて北アイルランドのミステリー

今日の晩ご飯は焼酎のソーダ割りと前菜としてハムとコルカノンを盛った一皿。アイルランドのジャガイモ料理コルカノンが大好き。茹でたジャガイモと茹でたケールを合わせてつくる。
ついでに書いておくと、主菜は野菜とキノコと鶏肉の鍋。残ったスープに中華そばを入れて食べた。

このところ10日くらい暇があれば家中の椅子に座り込んで読んでるのが『コールド・コールド・グラウンド』。主人公ショーン・ダフィは王立アルスター警察隊巡査部長。口が達者で手が早い。一人暮らしで簡単な料理をさっとつくる。お酒はもちろんよく飲む。北アイルランドでカトリックであることが大変なことだとこの本でよくわかる。
北アイルランドのことは児童文学、たしか岩波少年文庫に入っていた女性作家の作品を読んで勉強になった。かなり前の話だけど、うっすらと頭に残っているからこの本を読むのに助けになった。
誰かとなんかしゃべっていて相槌が「あい」。この翻訳をうまいと思った。ふだん「あい」といっているけど書くときは「はい」になってしまうから。

事件は撃ち殺してから手首を切りとり、胴体の上にその手首を置いてある死体が発見されたことからはじまる。ところが胴体と手首は別々の人間のものだった。
(エイドリアン・マッキンティ 武藤陽生訳 ハヤカワ文庫 1000円+税)

折口信夫に近づく

昔から折口信夫が好きだった。といっても数首の短歌のことで、そらでいえるようになるまで熟読して覚えこんだからだ。ハイキングで山道に葛の花を見かけて狂喜した。それは関西ではけっこう見られる景色である。わたしが大事そうにその歌を口にすると一緒に歩いている友は「またか〜」とバカにするのだった。

一昨年、「神道」とはなにかいなくらいな気持ちで、雑誌『現代思想』2017年2月(特集 神道を考える)を買って読んだのがきっかけで、折口信夫学徒に勝手になってしまった。この厚い雑誌からいろんなことを学んだが、特に対談している安藤礼二さんの言葉に惹かれて、何度も繰り返し読んだ。優しい言葉でむずかしいことをいう人だという印象。

そして折口信夫が大きな存在だということを知った。そのときよりずっと前に折口の小説『死者の書』を読んで當麻寺に行ったり、竹内峠を歩いたりしていたし、二上山にも登った。泉北に住んでいた3年間は毎日二上山を眺めて暮らしていた。

折口が書いた本には短歌以外にまだ手が出ないが、いろんな人が書いた折口についての本をいろいろ買って読んだ。ぼつぼつ感想を書いていくつもりだ。

夏目漱石『行人』を青空文庫で読む、長雨の夜

ここんとこ毎日雨が降っている。ずっと暑い日が続いていたから涼しいのは大歓迎だが、最近は雨が降りすぎだ。
洗濯物が乾かなくて、部屋の中は室内干しの衣類がいっぱいぶら下がっている。洗濯物を見ないようにして読書とMac。

悪い膝関節が湿気に反応して重苦しくいやな感じ。
ずっと昔のことだが、祖母が肘の痛みで雨が降るのがわかるといってたのを思い出す。笑って聞いてたけど、「あんたらもそのうちにわかる」といわれた「そのうち」の時節が到来したようだ。祖母の予言はぴたっと当たった。そのうち誰かにいってやろう。

こんなときは読書しかない。今日はiPhoneの青空文庫で読む。夏目漱石の『行人』はわりと好きというか心に作用するところがあるのでときどき読む。今日も主人公の苦悩をともに苦しみながら読んでいる。