老化! そしてデモ!

つい先日の明け方こむら返りで目が覚めた。すんごく痛くて元にもどっても痛みが残っていたし、起きてからもふくらはぎに痛みが残っていた。ツイッターに書いたら(それが自動的にミクシィの〈つぶやき〉に入る設定をしている)ツイッターにもミクシィにもコメントがついた。
ツイッターでは「水分不足を思い当たりませんか」、ミクシィでは「原因は冷え、水分不足、運動不足、ついでに老化etc. 」。
すべて思い当たるところあり。ここ数日間の寒さに対応してなくて足を冷やした。夜遅くの夜食やおやつをやめたのはいいが水分もとってなかった。モンクなしの運動不足。そして文字通り老化!!!
〈老化〉を言ってくれたひとは若くはないけど年寄りではない。「モロ老化と大声で言えるところがまだ若い」とわたしは返信した(笑)。そしたら「老化老化老化〜〜〜」ってまた返信あり(笑)。それには「もうっ〜 若さを誇示するな!!(笑)」と怒りの返信(笑)。

なんだかごまかし笑いばかりしているが、脳に〈老化〉という言葉がしみついたみたいで、いやな夢を見た。どきどきする心臓をおさえながらどうしようと思っている夢。目が覚めたらなんともなくすぐにまた眠りこんでしまったし、起きたときは忘れていた。
だけど心臓がとまったらどうしましょ。あっちの心臓は強いんだが、ほんとの心臓は弱いかもしれない。子どものときジフテリアで入院したことがあるのだが、退院のとき医者にジフテリアをやると人よりも心臓が弱いと言われた。これほんまかな。まあここまで元気できたから弱くもないよね。
なんだかこむら返りを起こしたら急に〈老化〉が心配になってきたが、心配してもしゃあない。好きなことしておいしいもの食べよ。

明日はデモに行く。
【反原発デモ in 大阪! 現在、日本の全原発は稼動停止中です。再稼動すんな!はよ廃炉や!声をあげ続け、未来を守りましょう。
日時: 5月20日(日)13時半集合/14時半出発、
コース:南堀江公園〜アメリカ村〜元町中公園】

1カ月ぶりにSUBで楽しんだ

夕方から関西電力前の抗議集会に行く相方と5時過ぎにざるそばを食べて、わたしはそれから掃除や片付けして8時にSUBへ。
先月SUBに行ったときになぜか咳が出て偶然持っていた〈うどんや風一夜薬の生姜飴〉で救われた。帰ってダウンはしなかったけど咳が止まらず、風邪だろうかもしかして黄砂のせいかと疑ったが、とにかく咳に悩まされた10日間だった。

久しぶりだったのでなんだか歓迎された感じ(笑)。ターキーサンドとコーヒーを頼んだ。ターキーサンドはターキーと野菜をトーストしたパンにはさんである。オリーブとキュウリのピクルスとポテトチップスがついてなかなか上手な盛りつけ。コーヒーで食べたが、今度はビールにしようかな。

今夜は竹田一彦さんのギターと、ベースは財盛紘さんと途中から井上幸祐さんに変わった。最後の2曲はテナーサックスの長谷川朗さんが加わった。
竹田さんのギターはいつも静かで優しい。井上さんのベースといっしょだといっそう叙情的になる。
最後に、竹田さんに誘われて、お店をやってる長谷川さんがいそいそと楽器を出して、うれしそうに加わった。「枯葉」と「バイバイ・ブラックバード」。
西山さんが亡くなってからはじめて演奏する「枯葉」。西山さんは毎回「枯葉」やろう言うてたなって竹田さんの言葉にみんな笑ったあとしんみりとなった。
いつものことだけど生演奏を聞いているとわたしは幸福だなとつくづく思うのである。

ジェシカ・ベック『午前二時のグレーズドーナツ』

タイトルと表紙のイラストを見ただけでドーナツを食べたくなる。訳者の山本やよいさんに送っていただいたのをすぐに読みはじめて翌日読んでしまった。ドーナツを食べたくなる本やでと友だちにいったらすぐに二人が注文した。ドーナツでなくてこの本をね。

アメリカ、ノースカロライナ州にある人口5001人の町エイプリル・スプリングスで、スザンヌ・ハートはドーナツの店〈ドーナツ・ハート〉を経営している。俳優のマックスと結婚していたが、夫の浮気がわかって離婚し、離婚手当で店の権利を手に入れた。
毎日午前2時には店にきてドーナツ作りをはじめ、正午には後片付けをすませて店を閉める。おかげで夜の8時以降のデートの可能性はゼロ。でもマックスと別れて以来男性に興味がもてないでいる。アシスタントのエマは2時半頃にやってくるが、今日はお休みの日でスザンヌは一人で働く日である。

外で車の音がしたので照明をつけると、スキーマスクをした男が店の前に人の身体を投げ出して車で走り去った。よく見ると知り合いの銀行員パトリックですでに死んでいた。
警官たちが帰った後、ドーナツ作りをはじめる。パンプキンドーナツを作り終えてプレーンなケーキドーナツ(プレーン、ブルーベリー、チェリー)を作り始める。この手順を読んでいるとだんだんドーナツが食べたくなってくる。
常連のジョージが来ていつもの通りの注文をしてから、噂を聞いたが何があったかほんとのことを話してくれという。ジョージは10年以上前に警察を辞めた元警官である。
州警察捜査官のジェイク、警察署長と警官たちが捜査をはじめているが、ジョージや親友のグレース、近所で衣料店をやっているギャビーが協力してくれてスザンヌは自分なりに調べ始める。
そして、ジェイクと食事に行く仲になる。いっしょに行ったイタリアン・レストランの料理が、これまたおいしそうでコージーミステリの醍醐味をたっぷり味わえる。お約束のレシピ〈ドーナツの作り方〉が巻末にいっぱいあります。
近くにおいしいドーナツ屋さんがなくて、わたしはまだドーナツを食べてない。
(山本やよい訳 原書房コージーブックス 838円+税)

ダルジール警視のヨークシャーパーキンを食べた

最後の作品「午前零時のフーガ」、ダルジール警視はホテルのテラスで、濃いヨークシャー・ティーをポットで頼み、あと、パーキンもいいな、と注文する。〈ヨークシャー名物の生姜と蜂蜜のケーキ〉だと註があったが、パーキンはどんな味がするのだろうと気になって、「パーキン食べてみたい」と去年の日記に書いた。訳者の松下祥子さんが〈レジナルド・ヒル〉で検索したら当日記が出てきたそうで、「ミステリマガジン」に作り方を書いてくださった。わたしはケーキは食べるけど作らないのを知っているSさんが作ったのを今日送ってくださった。持つべきものは友♪ 昼食後と夕食後に厚切りしたのを濃い紅茶で食べた。うまかった。まだ明日の分もあって幸せ◎

ヴィク・ファン・クラブの会報に彼女が書いた作り方を引用させてもらう。
【ゴールデンシロップ110g 黒糖蜜25g バター75g ブラウンシュガー75gをボウルに入れ、弱火にかけて溶かす。 ここにオートミール175g 小麦粉75g ベーキングパウダー小さじ1杯 生姜粉小さじ1杯と塩ひとつまみを混ぜ入れ、さらに卵1個と牛乳大さじ1杯を加えて混ぜたらケーキ型に流し込み、140度のオーブンで1時間半ほど焼く。】

オートミールはわが家の常備品でスープに入れたりお粥にして食べている。それで気がついたのだが、うちで買うのは健康食品店で普通のオートミールだ。一度だけ砕いたオートミールを知らずに買ったが、あれはケーキ用だったのだといま気がついた。オートミールを入れたケーキがあるなんて知らなかった。検索したらオートミールを使ったパンケーキの作り方があって、これならカンタンそう。
(松下祥子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)

そば粉のケーキ

ツイッターですごくおいしそうなケーキの写真を見た。生クリームやイチゴをつかったいわゆるケーキではなく、玄米色のベースに木の実や手作り砂糖菓子のようなものがぎっしりとつまっている。まるで「リンバロストの乙女」のエルノラのお母さんがつくったようなケーキ。いまの日本では高価な材料なんだろうな。
いいな、いいなと叫んでいたら、相方がそば粉のケーキをつくろうや、使っているものは安価だが思想的には同じや(笑)。
相方はわたしと違ってレシピを読んでそのとおりにしっかりとつくる。特に丸元淑生さんの料理本から学んでいる。そば粉のパンケーキもそこにあって、ビタクラフトの鍋でときどきつくっている。
最近ジャムに凝ってカシスやベリーなどいろいろ買っているが、今日はイチゴジャムにした。うまかった〜

パスコーとハリウッド映画 『ダルジール警視と四つの謎』

まだまだ読んでいるレジナルド・ヒルのダルジール警視シリーズ。昨日は短編集「ダルジール警視と四つの謎」を読んだ。初期のころの四つの短編なのだが、ダルジールとパスコーとウィールドがはじめて出会う「最後の徴集兵」が楽しい。ずっと彼らの活躍を読んできた者にとっては、こうして3人は出会い働いてきたのかと感慨無量的な気分になる。

ダルジールとパスコーが陥る危ない場面のときに、パスコーがハリウッド映画の名台詞できめるのがおもしろい。優等生ぽいパスコーにいたずらっ子のような三枚目的なところがあるからこのシリーズはおもしろいのだ。
【「遅れる、遅れる、とっても大事なデートに遅れる」(「がんばれ、巡査」から)パスコー刑事は歌った。窮地に立たされると、彼はお手本となる対処法をいまだに映画に求めてしまうのだ。】
作品の最初が↑で、それからページを繰ると、「お熱いのがお好き」「キー・ラーゴ」「戦場にかける橋」「栄光の調べ」「静かなる男」「ワイルド・パンチ」「誰が為に鐘は鳴る」「シェーン」「巌窟王」「バグダットの盗賊」と映画の主人公の台詞や動きを思い出して、いまの自分のやるべきことの規範を求めようとする。

レジナルド・ヒルさん、楽しんで書いてはります。

後期の作品「ダルジールの死」では、パスコー主任警部はずっと上の組織CAT(合同テロ防止組織)本部に呼ばれてマンチェスターで働くが、自分からヨークシャーに帰ることに決める。そのときのパスコーの「カンザスに帰ります」(原注「オズの魔法使い」より)と決めた台詞に爆笑。
(秋津知子他訳 ハヤカワ文庫 820円+税)

自炊より先に

ときどきiPadで本を読む。青空文庫のアプリを入れたのがとても読みやすいのだ。縦書きでめくりやすい。岡本綺堂の「半七捕物帳」は何度も読んで、半七の言葉を覚えているほどのをまた読めてるし、久生十蘭の「顎十郎捕物帳」は昔一度読んだだけだったのをまた読んでいる。横光利一や坂口安吾も再読できてありがたい。なんと、ロマン・ローランの「ジャン・クリストフ」だってあるのだ。中学校のときに読んで感激したっけ。

〈本棚〉を見ていたらわたしの生涯愛読書のトップである「小公女」があった。小学校低学年に読んで以来、何百回も読んでいる本である。ずっと持っているのは岩波少年文庫で30年くらい前に買ったので赤茶けて汚い。青空文庫のほうは菊池寛訳というのがよい。岩波版を買う前は家にあった姉の本でその版を読んでいたかもしれない。これはよい。決断が早いので(笑)、古い本は即座にゴミ箱へ。
ゆっくり調べたら青空文庫に入っている汚い本がいろいろ出てきそう。自炊するより前に不用本を調べるほうが先だな。

水村美苗「母の遺産 新聞小説」(2)

花畑のようなテッシュ入れを見つけたのは、美津紀が普通の切手を探すのに夫の哲夫の机の引き出しを開けたときだった。夫に親しい若い女性がいると感じる。そのとき電話がかかって母が骨折したことを告げられる。母の死に至る長い療養生活のはじまりである。

美津紀と哲夫は若いときパリで知り合って結婚した。哲夫は当時の留学生の中で垢抜けたしぐさで目立っており、東京での生活よりもお嬢様ふうな留学生活を送っていた美津紀に近寄ってきた。そして、階段をたくさん昇って蝋燭がたくさん灯された部屋に通され求婚される。いま考えてみると幸福だったのはそのときだけではないか。

哲夫はいまは大学教授であり、美津紀は大学講師をしつつ翻訳仕事をしている。哲夫はテレビにも出るようになっている。いままで二度の浮気をしたことはわかっているが、そのときは年上の女性が相手だったが今度は違う。若い女が相手である。

母の住んでいた家と土地を売って母を有料老人ホームに入れるが、また入院して亡くなるまでの美津紀と奈津紀の看病生活が綴られる。疲れ果てた娘二人は母の死を待っている。
そして母の死。葬式をしないと病院出入りの葬儀屋にいうと、立派な葬式をする人と葬式をしない人といまは二極化していると葬儀屋がさらっという。料金明細があるので参考になる。

本書の特徴はお金の話である。昔知っていた夫のパスワードを入れてみたら夫のメールが読めてしまった。夫と女の往復書簡を美津紀は読んで嘆く。メールには、哲夫と美津紀が別れたあとの周到なお金の計算がしてある。
美津紀は自分から離婚しようと決意する。哲夫からのお金の上に母の遺産を姉と二人で分けて足す計算をする。母の遺産は哲夫には渡せないとさっそくマンションを買う。

住まいがあって一生食べていけるお金があるって大変なのだ。お金の計算の苦労をしないですむのは大金持ちと貧乏人だなと思わせてくれる(笑)。
この本、ヘンにおもしろい。
(中央公論新社 1800円+税)

こんな楽しい日

かなり前から一度おしゃべりしたいねといってたのがようやく実現して、Sちゃんと昼にうつぼ公園でデートした。とってもおしゃれな女子でミュージシャンの夫さんがいる。ランチは懐かしいカンテグランテでカレーセットを食べた。窓から公園の緑が見える。それから公園の噴水の近くに座って、わたしが持っていった紅茶とジンジャービスケットとチョコレートで和んだ。水の中で遊ぶこどもたちを見ながらゆっくりゆっくりとおしゃべり。お互いの過ぎてきた日々がわかってもう一歩仲良しに。

おしゃべりの中に出てきた雑貨店アンズにいくことにして歩き出すと、途中にコメダコーヒー店がある。Sちゃんが名物のシロノワールがおいしいからとおごってくれた。温かいデニッシュパンに冷たいソフトクリームがのっていてメイプルシロップをかけて食べる。初体験だった。
アンズがお休みだったので、近くのあるはずの文学バーリズールにいくことにしたが方向オンチ丸出しで反対側へ(笑)。SちゃんがiPhoneで探り出してくれて到着。わたしは中国茶、Sちゃんはビールでソファに落ち着いて本を読んだり、小声でしゃべったり。
最初いったときから半年ぶりだったがお店の人は覚えていてくださった。近いのだからもっとさいさい来るようにしよう。
店を出るとすぐに心斎橋である。これでようやく場所がはっきりつかめた(笑)。ということで再会を約束して5時に解散。

水村美苗「母の遺産 新聞小説」(1)

何週間か前の「週刊現代」の文芸欄に紹介されていたのを読んで買った。水村美苗の本はもうええわと思っていたのだが、「母の遺産」という言葉に惹かれた。水村さんのお母さんは80歳近くなって「高台にある家」でデビューされたが〈文学少女〉そのものなのだ。そのお母さんの遺産てなんだろう。

わたしが水村美苗を知ったのは「續明暗」を読んで感激してからだから長い。漱石はどう思うか知らないが、当時は「明暗」の結末はこれしかないと思ったものだ。ついで「私小説」を読んでアメリカの有名大学を出て有名大学で教えている大インテリに「ははーっ」となっちゃって(笑)。そしたら朝日新聞に辻邦生との往復書簡が連載され、わたしはガーリッシュな読書案内にしびれた。毎週切り抜いていたもんね。すぐに本になったのもすぐに買った。ついで「本格小説」が「群像」に連載されたときは毎月待っていて買って何度も読み、単行本も買って何度も読んだ。
ここまでは大ファンと大きな声でいえる。そのときに感想を書いていたらよかったのだが。

2006年に「新潮」に載ったエッセイ「もう遅すぎますか? —初めての韓国旅行」を読んで違和感を覚えてから、水村熱が醒めてしまった。その後に日本語のことでネットで騒がれていたことがあったが読みもしなかった。
それから1年後に水村節子の「高台にある家」を読んだのだった。

「母の遺産 新聞小説」は芸者上がりの祖母が新聞小説を愛読していて、尾崎紅葉の「金色夜叉」に影響され、24歳年下の男といっしょになり、そのふたりの間に生まれた母の生涯が語られる。「高台にある家」は母の自伝的小説なのだが、本書はその母の死にぎわの姿が描かれている。主人公の美津紀と姉の奈津紀が看取るのだが、ふたりとも更年期だから疲れきっている。
美津紀は夫の机の引き出しから小さな華やいだティッシュカバーを見つける。
続きはまた。
(中央公論新社 1800円+税)