ジェームズ・アイヴォリー監督『シャンヌのパリ、そしてアメリカ』

ジェームズ・アイヴォリーの映画3本目は予告編を見て気になった「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」(1998)。原作はケイリー・ジョーンズの小説。

冒頭のシーン、お腹の大きい少女がお腹を慈しみつつ日記を書いている。
やがて生まれた子ブノワは縁あってパリに住むアメリカ人、夫は作家(クリス・クリストファーソン)、美しい妻(バーバラ・ハーシー)と娘シャンヌ(成長後をリーリー・ソビエスキー)の家族の養子になる。
ブノワ(成長後ジェシー・ブラッドフォード)は生まれてから里子に出され、受け入れた養母が死んで孤児院にいたのをこの家庭が受け入れた。
父と母に愛されて育つ息子を実の母は見て、いつか息子に読ませてほしいと日記を託す。

丁寧に学校生活が描かれる。男友だちもできるがボーイソプラノが素晴らしい子でその母(ジェーン・パーキン)も風変わりで美しい。
やがて父親が体調を崩したのをきっかけにアメリカへもどることになる。1970年代のアメリカの高校生活になじめない姉と弟。だが、父の愛はこどもたちに伝わる。

父親亡き後、なにもせずにテレビを見ている弟に実母の日記を母が手渡す。冒頭のシーンをここで納得。

バーバラ・ハーシーは「ライトスタッフ」「ナチュラル」の大好きな女優。髪型をいままでに見たことのないボブにして、会話の中で「夫がリタ・ヘイワースが好きだと言ったのでわたしが紹介されたのよ」と言っていた。