イアン・ランキン「他人の墓の中に立ち」(1)

ジョン・リーバス警部はエジンバラ警察署を2006年に定年退職した。現役最後の事件「最後の音楽」では、深く関わり過ぎて上層部から睨まれつつ必死の捜査を続けて事件を解決する。
退職したリーバスに元部下のシボーン・クラーク部長刑事が醸造所めぐりツアーを退職祝いに贈ってくれた。そこで出くわした事件を解決するのが短編「最後の一滴」。

はじめてリーバスを知ったのがポケミスの「黒と青」で、読むなりとりこになり、それ以来翻訳が出ると買い続けている。スコットランドがなんとなく好きでエジンバラに憧れていたが、リーバス警部のエジンバラはえげつない暗部ばかり出てくる。
とにかく長い年月イアン・ランキンとジョン・リーバス警部のファンであったし、いまも彼以上に好きな警察官はいない。ダルグリッシュさえも。
2011年にシリーズ最後の「最後の音楽」を読んだのだから長い空白だった。それが今回、重大犯罪事件再調査班に所属して過去の迷宮入り事件の埃を払い落とすという仕事についている。

2014年に新しいシリーズ「監視対象」が出た。主人公マイケル・フォックス警部補はロジアン・ボーダーズ州警察職業倫理班(PSU)に所属する警官である。作品には納得したけどフォックスが好きとはまだ言えない。
そしたら今回「他人の墓の中に立ち」では、フォックスはリーバスに批判的な立場に立って出てくる。まだ全部読んでないから言えないけど、最後はリーバスのことを理解して握手するような気がするんだが・・・。
早くこれをアップしてしまってあと100ページほど残っているのをできたら今夜中に読んでしまおう。
(延原泰子訳 ハヤカワミステリ 2200円+税)