ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブズ」( II )

読み終わってから一週間経った。( I )を読み終わったとき〈マックとわたし〉のことを興奮して一息で書いた。それから( II )を読み出してずっとジョブズ漬けの日々を送っていた。すごい影響を受けてたのをいまさらながら感じている。
内容については書評が山ほどあるはずだ。わたしは一つも読んでないけど新聞などにもう出ていることでしょう。だからわたしの感想は〈マックとわたし〉でよかった。

さて、( II )なんだけど、同時代を生きてきた人の伝記ってはじめて読んだのだが、なんかこういろんなことを考えさせられるものだ。そしてその人がもういないのはいたましいが、本書を読むとジョブズはやりたかったことを全部やり終えて亡くなったと思うので、お疲れさまでしたと見送る心境になっている。

わたしはイヤホンで音楽を聴くのが苦手でiPodに触ったことがなかった。でも若者でいっぱいのアップルストアの賑わいがうれしかった。若いカップルが買ったばかりのiPodを手にしながらMacBookを見て、今度はこれやなと言っているのを見てうれしかった。
iTunesで買い物をしようとまずアップルストアでカードを一枚買って、一曲買いしたのはU2だった。
iPhone3Gを買ってからはイヤホンつけて台所仕事したりしてたが、どうも合わずにやめてしまった。音楽に関してはライブが好き。
あっ、また自分のことを書いている。

さっきも読み返していたのだが、ウォルター・アイザックソンってすごい書き手だ。ジョブズのいやみなところ、抑えの利かないところ、けんかっ早いところ、なんかをしっかり書いてあるけど嫌みにならない。家族と後継者たちへの配慮もある。

ジョブズが日本びいきなのは知っていたが、何度も京都へ来ていて俵屋旅館が定宿だったり、菜食なのに穴子のお寿司が大好きだったのも知った。
2冊ともにジョブズが選んだ写真が載っていて楽しい。パートナーのローリーンさんと笑っている後ろに、著者が〈裕福なホビットの家かという感じ〉と書いていた家が写っていてなるほどだ。
(井口耕二訳 講談社 1900円+税)