ジャン・コクトー『美女と野獣 ある映画の日記』を読みながら

昨日アオツキ書店で買った本を他の本をおいて読んでいる。全部読むつむりはなく気がすむところまで読むつもり。そしたら読みかけのミステリにもどることにして読み続ける。
好きな映画の中でも飛び抜けて好きな映画の製作日記だ。どんな「美女と野獣」の映画が作られてもこれ以上の「美女と野獣」(1945)はないと思っているくらいに好きだから、どのようにして撮ったのか興味がわく。

ベル(美女)役のジョゼット・デーのことなんだけど、この映画でほれぼれしたのだけれど、他の映画に出ているのか気にしてなかった。いまわかったことは、コクトーの「美女と野獣」と「恐るべき親たち」に出演後、マルセル・パニョルと結婚して離婚。その後ベルギー人の実業家と結婚して映画・演劇界から去ったとのこと。それで以後の彼女の映画はないのだといまごろわかった。
もひとつわかってうれしかったのは、写真がたくさん収録されているんだけど、ベルが家にいて女中のように働いているところは、フェルメールの絵の中の少女にそっくりだ。コクトーが意識してフェルメールの感じにしたって書いてある。いまごろわかったんだけど、なんか楽しい。

はじめてテレビで見たときの感動を思い出す。それからだいぶ経ってからレーザーディスクを買い何度も何度も見ている。いまはDVDがあるんだけどちょっとご無沙汰している。いろんなシーンを覚えていて、本に入っている写真を見ると懐かしい。
スタッフの名前を見ると、ルネ・クレマンが技術助言〔技術顧問〕、美術指導がクリスチャン・ベラール、撮影指揮〔撮影技師〕アンリ・アルカンと知ってる名前があるので、本文を読み進めばいろんなことを知ることができるだろう。