突然の贈り物

近所の知り合いが「突然やけど、お酒好き?」と聞いたのでびっくりしながらも「わたしは好きだけどあまり飲めないです。ダンナは好きな上によう飲みますけど」と答えた。もしかしたら、彼が飲まないお酒の頂き物でもあるのかしらん、とアタマは自分に都合のよいようにちゃきちゃき動いた。

「梅酒なんですわ。30年くらいつけ続けたおばあさんが亡くなって梅酒が空き部屋に何十本もあるそうで。ぼくに飲んでくれと持ってきたのを仕事場に置いてあるんで、1本持っていくから飲んでください」
封をきちんとしてあるのを娘さんが開けて試し飲みし、彼ももらった1本を開けて飲んでみたらうまかったそうだ。

ということでうちに届いた1本。どっしりとした瓶にずっしりと入っている。ふたには「平成7年6月16日」としっかり書いてあった。えっ、23年ものじゃん。
さっそく開けてグラスに注ぐ。「ええ色やなあ」「うまそうや」と飲んでみたらすっごくうまい。

「うちのねえちゃんも梅酒つくってたのにだんだん面倒になってやめてしもたね、こうやって漬けておけば後でみんなが喜んだのに」といまごろいうてもしゃあないね。わたしが今年梅酒漬けても1年経たない間に飲んでしまうのは確実だ。