アレクサンデル・セーデルベリ『アンダルシアの友』続き

分厚いポケミスを読み終わった。ずっと読んできたスウェーデンのミステリは警察官が活躍&苦悩するものが多いが、今回はクライム・スリラー(スウェーデンの新鋭が放つクライム・スリラーと裏表紙の解説に書いてある)である。最初は勝手が違ったが読んでいるうちにどんどん引っ張られてしまった。おもしろかった〜

主人公のソフィーは夫と死別し息子と二人で住み心地のよい家で暮らしている。看護師として大きな病院で働いているが、ある日交通事故で大怪我をした患者が運ばれてくる。特定の患者に関心を持つのはいけないが、出版業というエクトルの言葉遣いや態度に好意を持つ。エクトルのほうはソフィーに惹かれているのを隠さないで退院してから食事に誘う。
エクトルはソフィーのことを知りたがる。そして話の最後に「おれのことは、怖がらなくていい。絶対に」と言った。
実はエクトルは〈アンダルシアの犬出版〉という社名で本を出版しているものの、実は大掛かりな犯罪組織の中心人物だった。エクトルとソフィーが食事に行ったのをつきとめた国家警察警部グニラはソフィーに接近する。部下の刑事ラーシュは盗聴や隠しカメラでソフィーを探る。
ロシア人のギャングも出てくるし、ソフィーの昔の友だちイェンスは武器商人として登場してソフィーと行動を共にする。

解説によれば、本書はソフィーを主人公とした三部作の第1作だそうだ。次の訳はあるのかな。
(ヘレンハルメ美穂訳 2100円+税 ハヤカワポケットミステリ)