サガンを読む雨の土曜日

寒い土曜日、気がついたらいつのまにか雨が降っている。こんな日は静かに読書ですね。フランソワーズ・サガンの本を引っ張り出した。
この本はもういらないと整理するつもりが、やっぱり捨てるのはもったいない置いておこうとなる。サガンの本は60年代から出たのをみんな買っていた。おおかた捨てたがすこしだけ残してある。
いちばん好きなジョゼの物語が「一年ののち」「すばらしい雲」「失われた横顔」とあって、2冊はわりとよく読んでいるが「失われた横顔」は最近読んでないので開いてみた。もしおもしろくなかったら捨てよう。この続き物語は3冊目はかなり後になって出たと記憶しているが、サガンはジョゼを幸せにして物語を終らそうと思ったみたいに理想的な相手が出てくる。それを思い出して、もう読まないなら捨てようかなと思ったのだが、微妙なところで置いておくことにした。まわりくどくてすみません。

ジョゼはアンニュイな雰囲気のパリに住む女性で恋のアバンチュールにこと欠かない。結婚したのは金持ちのアメリカ人のアランで病的に嫉妬深い。ジョゼがいくら逃げても執拗に探し出す。いまジョゼとアランはパリへ来て社交界に顔を出している。アパルトマンに帰るとアランはジョゼが話をした相手のことなど執拗に責める。
ジョゼをアランから引き離すのに手を貸して、別れた後の生活を支えてくれたのが社交界の大物である実業家のジュリュスで、彼もまたジョゼに執着する。自由と思ったのは大きく広げた男の手の中にいただけだった。そしてついにほんとうの愛を手に入れて物語は終る。