アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督・製作・脚本『ビューティフル』

今日見たDVDはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督・製作・脚本の「ビューティフル」(2010)。いっしょに貸してくれた「007スカイフォール」を見る前に見よとのこと。「スカイフォール」で悪役をやっているハビエル・バルデムが主演しているから。いつものように先入観なしで見出したら、すごく熱い映画でまさに好み。上映時間148分をものともせず、メイキングまで見てしまった。

最初の森のシーンがよかった。いい男ふたりが静かに話をしていて、タバコの火をつけに接近するところでゲイの映画かといっしゅん喜んだ(笑)。最後に同じシーンがあってこういうことだったのかと理解した。

ウスバル(ハビエル・バルデム)はスペインのバルセロに住むちょっといかがわしい感じの男。中国やセネガルからの違法移民に仕事を世話してさやを稼いでいる。躁鬱病の妻とは別れて二人の子どもと暮らしている。血尿が出たり体調が悪いので病院へ行くと、末期癌であと2カ月の命と診断される。
その2カ月の間の男のあがき。二人の子どもをどうするか。別れた妻とまた暮らすものの彼女は病気がが治っておらず、こどもたちを任せられない。
工場で働かせている中国人たちの宿舎では一部屋に10数人がごろ寝している。せめて部屋を温かくと中古のストーブを入れたのがあだになり不完全燃焼で全員が死亡する。気をかけていた女性と赤ん坊も死んでしまった。
赤ん坊のいるセネガル人女性イヘにこの家で暮らしていいからと自分の家に連れて行く。イヘが子どもの面倒をみてくれるのを見て、持っているお金を全部渡して子どもたちを頼む。イヘはお金を持って荷物をまとめ空港へ行くがもどってくる。
ベッドに死を待つウスパルが横たわっている。イヘは戻ってきたよと言う。

ハビエル・バルデムは「007スカイフォール」の悪役だけでなく、「ノーカントリー」にも出ていると知った。原作のコーマック・マッカーシー「血と暴力の国」(扶桑社ミステリー)を買ったことは書いてあるが、なぜか感想は書いてなかった。読んだのは確かなんだけど。