ピート・トラヴィス監督『ジャッジ・ドレッド』

2012年イギリスの近未来SFアクション。1995年にシルヴェスター・スタローン主演で映画化されたイギリスのコミックの再映画化である。
毒々しく噴き出す血、スローモーションを多用した暴力画面がえぐい。近未来SF大好き人間としてはまことに喜ばしい映画である。

時代は近未来。核戦争で国土の大半が荒れ果てたアメリカ、ボストンからワシントンにかけての東海岸一帯が、巨大都市メガシティー・ワンと呼ばれる人口8億人の過密都市である。そして犯罪件数が一日1万件を超える犯罪多発都市でもある。治安維持は警察と司法を併せ持つ裁判所で、ジャッジと呼ばれるエリート裁判官が裁判官でもあり処刑人でもある。
ドレッド(カール・アーバン)はその中でも優秀なジャッジとして有名である。
ある日、チーフから新入りのジャッジのカサンドラのテストを命令される。カサンドラはジャッジの試験に合格しなかったが、透視能力があるので捜査に役立つか使ってみることにしたのだ。
殺人事件の知らせで二人は超高層アパートへ出向く。ギャングのボスはママと呼ばれる女性で麻薬の製造販売で稼いでいる。彼女はアパートを警備システムで完全閉鎖し、凶暴な部下を配置してドレッドとカサンドラを閉じ込め殺そうとする。
過激な撃ち合いや格闘やいろいろあって、ママの指令でやってきた不正ジャッジたちもからむ。

死闘の末に二人は悪人をやっつける。カサンドラにはじめて「相棒」と呼びかけるドレッド。しかしカサンドラは自分のエンブレムをドレッドに渡して立ち去る。その後で上司が「彼女はどうだった?」と聞くとドレッドは「合格だ」と答える。そして正式にジャッジの登録をしにいくカサンドラの後ろ姿を見つめる。

ドレッドの顔が最後まで全然見えない変わった映画。女優さんのほうは透視のさまたげになるからとヘルメットもかぶらないのでずっと美貌を見られた。
スローモーションが多すぎてヘンな感じがした。
3Dの映画だそうで映画館で見ればもっと迫力があっただろう。
最後のシーンではハリー・キャラハンを思い出したのであった。