レジナルド・ヒル「闇の淵」(2)

ヨークシャーの炭坑町の人たちの生活ぶりを興味深く読んだ。なにからなにまで近所に筒抜けの炭坑町の生活の様子が描かれている。男たちは酒と暴力で日々を過ごす。イギリスの労働者階級の暮らしを描いた映画は最近では「リトル・ダンサー」くらいしか思い出せない。だいたい映画を見てないからなぁ。コリンを「リトル・ダンサー」の町において考えたら、あてはまった。

炭坑って、わたしが知っているのは三池炭坑の社宅(炭住)に3日泊めてもらったことがあるだけだ。三井三池の組合員の娘さんたちが大阪で就職していたのを支援(?)していたので、連絡やら闘争後の主婦の会の人たちと会いたいとか、まあ若くてヒマだったのでできたこと。炭住の生活ぶりは都市下層労働者の我が家よりはずっとよく見えた。

炭坑での事件の解明に追われるダルジール警視、パスコー警部、ウィールド部長刑事だが、事件の捜査をする中で、パスコーとウィールドが理解しあうところがあってシリーズの醍醐味を味わった。
(嵯峨静江訳 ハヤカワポケットミステリ 1600円+税)

レジナルド・ヒル「闇の淵」(1)

ダルジール警視シリーズはほとんど読んだと思っていたのに、先日ジュンク堂でポケミスを見ていたら未読本が見つかった。1991年初版発行で2005年に3判発行。「子供の悪戯」の次の作品である。そのあたりの本はほとんど図書館で借りて読んだ。とにかく読み出したのが遅くて10年くらい前に集中的に借りて読んだ。最近の新刊と図書館で読み残しているのは買っているが、まだあったとは。

パスコー警部の妻エリーは炭坑労働者のコリンと大学の社会人講座で知り合う。コリンは魅力のある若者でちょっとしたしぐさもカッコいい。エリーとコリンは講座が終わった後に講師と生徒という立場でちょっと話し合ったりするうちに微妙に惹かれ合う。
コリンの父親ビリーは3年前に炭坑町で少女が誘拐され行方不明になる事件の容疑をかけられるが、連続少女誘拐事件犯人の犯行とされ無罪となった。彼は3カ月後に愛犬とともに廃坑で転落死するが、町の人たちは自殺だとうわさする。コリンは父親の潔白を信じていて、疑惑を晴らしたいと思っている。

パスコーはウィールド部長刑事を食事に誘う。ウィールドはワインと薔薇の花束を持ってくるが、エリーにワインをパスコーに花を手渡す。「わたしが性差別をしていると思うなら、花とワインを交換してもいいですよ」と言ったウィールドはゲイなのだ。楽しい会話を続けるが、バイクに乗っているウィールドは「パトカーの連中たちは、バイクに乗っているやつはみんな暴走族で・・・」そこでパスコーとやりとりがあったあと、「一度バイクに乗ってごらんなさい。警官であることをやめてごらんなさい」それから声を落として「ゲイになってごらんなさい」という。パスコーは反射的に「せっかくだけどやめておくよ」と言ってしまう。
そこへコリンからエリーに電話がかかり、エリーはあわてて飛び出して行く。酔ったコリンを車に乗せたエリーは・・・
(嵯峨静江訳 ハヤカワポケットミステリ 1600円+税)

EXPEさんの公開リハーサル

COMPUFUNKで8時からYUSHITAKE EXPEさんの公開リハーサルがあった。わたしが行くのは3回目。サイトのスケジュールに[nutronのドラム&南米アルゼンチンドラマーのツインドラムに、タブラ、パンデイロ&シェケレのツインパーカッション、+ギター&シンセサイザーによる変拍子/複合拍子/ポリリズムAMAZON FUNK!]とある。読んだだけでそそられる。
メンバーは、EXPE : Space Guitar Takahashi (Dr) from nutron Marcelo (Dr) from Argentina Yuji (Tabla) from Amadoo Taro (Per) from Soft Ieguti (key) from Terras,Para

8時に行ったらもう打ち合わせがはじまっていたので、慌てて椅子を引き寄せた。打ち合わせから見られるんだからいい。公開リハーサルでなければ味わえないオマケ。
いつも真ん前に座るのだが、今日はちょっとうしろになった。でもすぐに前の人が立ったので、よい案配に一番前をゲット。椅子に座る人は少なくて(椅子も少ない)ほとんど立ってはるんやけど。高齢者特権で(笑)。

左の斜め前と右の斜め前に2メートルほど離れて向き合ってドラムセットがあり、正面にパーカッションとシンセサイザー、左横にパーカッション、全体の真ん中にギターが機材とコードに包囲され。
ドラムが2台って想像もつかなかったが、同時に叩くのだからものすごい音量だ。同じように強く長く叩くときもあり、片方が強く片方が穏やかというところもあった。そしてパーカッションも2人が休みなくいろんな楽器を叩き続ける。シンセサイザーが加わる。その間を縫ってYUSHITAKEさんが駆使するギターの音がうねる。
それが休みなく2時間近く続いたのだから聴くのにも体力と精神力がいった。最終的にすごい快感がやってきた。ポリリズムAMAZON FUNK! オーケー!!

終わってからバースペースでレミちゃんの話し上手に誘われてなんだかだといっぱいしゃべって楽しかった。帰ってから会報作りとツイッター読み、そしてお風呂。

SUB、みんなよく聴きよく見ている

久しぶりでSUBへ行った。竹田一彦さん(ギター)と財盛紘さん(ベース)のデュオ。西山さんが亡くなったあと、竹田さんが西山さんの愛弟子の財さんとやることになった最初の9月16日。後半がジャムセッションでベースが宮上啓仁さんに替わったら、同じベースを弾いてこんなに違うものかって正直思った。いまやから言うけど(笑)。

あれから2カ月、今日の財さんはよかった。前半はうまくなったなって感じだったけど後半にがんばった。最後にやったブルーモンクでソロになったとき、すごくブルーな音にこちらのからだが揺れた。それを受けて竹田さんが機嫌良く弾き終わって、いまのよかったなと握手された。
よく来られている年配のお客さんが「今日はよかった。竹田さんが財くんに手を差し出したのははじめてやな」と言った。みんなよく聴きよく見ている。
今日はよそでジャムセッションがあったそうで、メンバーの方々はそちらに行かれていたそうな。みなさんのも聴きたかったが、後半に財さんの成長を聴けたからこれでよかった。

ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブズ」( II )

読み終わってから一週間経った。( I )を読み終わったとき〈マックとわたし〉のことを興奮して一息で書いた。それから( II )を読み出してずっとジョブズ漬けの日々を送っていた。すごい影響を受けてたのをいまさらながら感じている。
内容については書評が山ほどあるはずだ。わたしは一つも読んでないけど新聞などにもう出ていることでしょう。だからわたしの感想は〈マックとわたし〉でよかった。

さて、( II )なんだけど、同時代を生きてきた人の伝記ってはじめて読んだのだが、なんかこういろんなことを考えさせられるものだ。そしてその人がもういないのはいたましいが、本書を読むとジョブズはやりたかったことを全部やり終えて亡くなったと思うので、お疲れさまでしたと見送る心境になっている。

わたしはイヤホンで音楽を聴くのが苦手でiPodに触ったことがなかった。でも若者でいっぱいのアップルストアの賑わいがうれしかった。若いカップルが買ったばかりのiPodを手にしながらMacBookを見て、今度はこれやなと言っているのを見てうれしかった。
iTunesで買い物をしようとまずアップルストアでカードを一枚買って、一曲買いしたのはU2だった。
iPhone3Gを買ってからはイヤホンつけて台所仕事したりしてたが、どうも合わずにやめてしまった。音楽に関してはライブが好き。
あっ、また自分のことを書いている。

さっきも読み返していたのだが、ウォルター・アイザックソンってすごい書き手だ。ジョブズのいやみなところ、抑えの利かないところ、けんかっ早いところ、なんかをしっかり書いてあるけど嫌みにならない。家族と後継者たちへの配慮もある。

ジョブズが日本びいきなのは知っていたが、何度も京都へ来ていて俵屋旅館が定宿だったり、菜食なのに穴子のお寿司が大好きだったのも知った。
2冊ともにジョブズが選んだ写真が載っていて楽しい。パートナーのローリーンさんと笑っている後ろに、著者が〈裕福なホビットの家かという感じ〉と書いていた家が写っていてなるほどだ。
(井口耕二訳 講談社 1900円+税)

久しぶりにセイヤーズの「不自然な死」を読んだ

先日「セイヤーズ読書会をしたい」と書いたらセイヤーズが読みたくなって、あまり覚えていない初期のを取り出した。「誰の死体?」「雲なす証言」に次ぐ「不自然な死」(1927)で、前の2作よりも印象がうすい。そういえばだいぶ前に読んだときもそう思ったのを思い出した。「誰の死体?」はずいぶん昔の本を古本屋で手に入れて何度も読んでいる。「雲なす証言」はこの文庫がはじめてなのだが、繰り返し読んで楽しんでいる。2冊ともユーモアと余裕がある。「不自然な死」は好きとは言えないしもう一度読もうと思わないできたが、いま読んだら楽しいところはないがおもしろく読めた。

「不自然な死」は事件があってピーター卿やパーカー警部の登場となるのでなくて、ふたりがレストランで食事しているときに、会話を耳にした横のテーブルの男が話しかけてくる。医師である彼は殺人と思ったが自然死として処理された裕福な老婦人アガサの死について話す。席をピーター卿の部屋に移してより詳しく話した男は、もうすんだことだと名前を名乗らずに帰って行った。その話に犯罪性を見いだしたピーター卿は翌日から動き出す。

ドーソン嬢は遺言状を書かない主義で、当然自分の曾姪(看護士経験のあるメアリ嬢)に遺産がわたると言っていたが、英国の法律が変わって、遺言状がないと曾姪にはいかず国家にいってしまうようになった。そこで法律が変わる前に死ぬことが重要問題になる。自然死か殺人か、捜査を続けるとその後に罪なき女性の死体が発見される。

賢い犯人にバンターも翻弄され、ピーター卿も危うい目にあう。
ピーター卿の聞き込み代理人クリンプスンさんの活躍がめざましい。彼女の捜査人としての義務感と道徳観が矛盾をきたして逡巡するところがおもしろい。この活躍が発展していって「毒を食らわば」の大活躍になる。
(浅葉莢子訳 創元推理文庫 583円+税)

JACKFORDAZE at COMPUFUNK RECORDS BACKROOM

ブログを書き出してから夜遅く出かけても帰ってからすぐに感想を書くことにしていたが、昨日はさぼって寝てしまった。そうなるかなと昨日の分を書いてから出かけようかと思ったのだが、それもできなかった。さっきようやくタイトル+2行書いてあった昨日の日記に言い訳をプラスした。

昨夜は楽しみにしていた[2011/11/05/sat ■JACKFORDAZE at COMPUFUNK RECORDS BACKROOM ■DJs: Maako, HANDA, KONO ■Light: mind-bending ■PA :::yori:::]に行った。主催者のHANDAさんのDJはパノラマで少しだけ聴いたことがあるだけなので、ちゃんと聴いておきたかった。

話が勝手な方向へ飛ぶが、イアン・ランキンのリーバス警部シリーズをはじめて読んだとき、リーバス警部がローリング・ストーンズ好きなのでちょっとおどろいた。それまでジャズ好きな警官や私立探偵ものが多かったような気がしたから。そのときは60〜70年代にイギリスで青春時代を送ったらそうなるのかと納得した。ロバート・クレイスの私立探偵エルヴィス・コールも若いときのヒット曲をiPodに入れていて、若い女性に笑われたように覚えている。
いま読み終わったばかりの「スティーブ・ジョブズ」で、ジョブズはずっとボブ・ディランとローリング・ストーンズとビートルズ、そしてU2だ。

そうなのか、それでわたしだったら、セロニアス・モンク、アート・ブレーキーとかがいまのお気に入りになるはずか。妹は結婚したときパートナーに聴かされたジェリー・マリガンがずっとお気に入りだ。

だけど、そこんとこで違うのがわたしだ。ジャズから出発してフリージャズへ行き、転換してパンク、そして混沌の中から抜けていまテクノやファンクを聴いている。数年前までDJとはどんなことをするのかも知らなかったが、いまはDJがプレーする前で体を揺らしている。
テクニックとか常識的なことは全然わからないけど、ageishiさんは官能的やな、KIHIRAさんは革命的な気分の音を出す人やなということはわかる。主観なので実際そうであるかはわからんけど(笑)。
そして今回のHANDAさんの暗く重い音は311以後の気分を表していると思った。彼のサウンドデモにかけている時間や労力を知っているから、そこで生まれる絶望感を感じるから。そしてインテリやなって感じ。もういっこ直感的に思ったのは、おとこっぽい(笑)。

バースペースでいろんな若い人たちとおしゃべりし笑い合って楽しい過ごせて幸せな夜だった。だんだん知り合いが増えて手持ち無沙汰でなくなったのもうれしい。

昨日アップルストアで

昨日は夕方からアップルストアへ行って相方が欲しいというワイヤレスキーボードを買った。マックにもiPad2にもiPhoneにも使えるんだって。テンキーがないのにしたのでうんと小さく机が広く使える。わたしは今年の2月Mac miniを買ったときにどうしようかと思ったけど、いままでどおりのテンキーつきでコードつきキーボードにした。保守的やったと反省。

2年前のいまごろ義兄が入院していて大変なときにiPhoneの充電ができなくなった。いちばん携帯電話が必要なときである。アップルストアの閉店前に駆け込んで見てもらおうとしたのだが、予約しないとだめだという。どないしょと立ち止まっていたら、ちょうど通りかかった店員さんが見てくれて、これならと即、直してくれた。うれしくてるんるんと階段を下りきった段差のところでこけた。ラックにぶつかって倒したので大変な音がして店員さんが6人かけつけてくれた。めっちゃ恥ずかしかった。
次にアップルストアへ行ったのがMac miniを買いに行ったとき。思い出すのもカッコわるいがリベンジするぞなんて言いながら行ったら1階で用事はすんだ。

先々週の土曜日にヴィク・ファン・クラブの20周年例会に関東から来てくださったお二人を案内して、心斎橋から御堂筋へ出てアップルストア前へ。土曜日の賑わいの店前で現場検証してもらった(笑)。
昨日はキーボードを買いに行ったので2階へあがり手すりを持って静かに降りた。段差も足元見ながらそろーりと降りた。

EXPEさんの公開セッション

夕方からアップルストアへ行って帰りはアメリカ村を通ってCOMPUFUNKへ。8時からYUSHITAKE EXPEさんの公開セッションがある。まかないがあるということで、お腹を空けていったらカレーが用意されていた。玄米ご飯にファンキーな野菜カレーがうまかった。

サイトを見たら、「旧友L.A出身黒人FUNKY BASSISTと東京より女性ファンキードラマーを迎えての初顔合わせの公開セッション」とあった。メンバーは、EXPE : Space Guitar COSMO : Bass AKANE : Drums IEGUTI : Synthesizer。
最初の打ち合わせ、うなづき合うミュージシャン。そして演奏が始まる。絶え間ない爆音の中にいてものすごい幸福感にひたっていた。音が止むことのない2時間。切れ目のない演奏にどっぷりひたっているのが好き。
初共演のドラムのAKANEさんは最初すこし手探りしていたが、途中からとてもいい感じになっていった。あっ、これがいまの感覚やんと聴きながら思った。

ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブズ」( I )を読み終えて

本書ウォルター・アイザックソン「スティーブ・ジョブズ」( I )は、ジョブズの生まれたときから結婚式を挙げたところまでなので、あとが早く読みたい。
すごく圧倒されてこの数日は口を開けばジョブズのことをしゃべっていた。しゃべるにつれ妹のモナさんや娘のリサさんが身近になったみたい。作家のモナさんが仕事にかまけておしゃれをしないので、ジョブズはうるさく言うが、結局自分でモナさんに合うイッセイ・ミヤケの服をどばっと送る。そんな話で喜ぶミーハー読者(笑)。
パートナーのローリーンさんが現れてがぜん読むのが楽しくなった。こうして出会ったんだ、こうして結婚したんだとはじめて知って喜んでいる。
結婚してから住んでいる家のことを、著者が裕福なホビットの家かという感じと書いているのに笑った。写真を見てたらほんまにそんな感じの家だ。

続きは11月2日発売とあるからあと2日で手に入る。それまでに用事を片付けて読みかけの本は読み終えておかねば。
(井口耕二訳 講談社 1900円+税)