ウォン・カーウァイ監督「マイ・ブルーベリー・ナイツ」

恋愛もので都会的でおしゃれで楽しい、こう思っていつも今夜これから見る映画を探すのだが、見た映画か見たくない映画しかなくてナンギする。今夜はこのタイトルはおしゃれでいいねと「マイ・ブルーベリー・ナイツ」(2007)がアマゾンにあったので見ることにした。監督の名前も調べずに、ニューヨークが舞台らしいでと呑気にウィスキーのグラスを手に。
はじまってすぐに「これええやん」「おっしゃれ!」「スタイリッシュとはこのことやな」と夢中になった。ノラ・ジョーンズええ感じ。ジュード・ロウは渋い男前。

最後に監督ウォン・カーウァイという文字が出て、そうや〜2008年日本上映の時は話題になったっけと思い出した。「恋する惑星」がすごくよかったウォン・カーウァイ監督初の英語映画だ。
脚本はカーウァイなんだけど、なんとまあ、ミステリ作家のローレンス・ブロック(映画「八百万の死にざま」の原作者)が参加している。

ニューヨークのカフェからはじまった旅は距離を伸ばし、知り合った男の生と死に直面し、知り合った女たちのやり方に人生を学び、再びニューヨークのカフェにもどってくる。
最後のラブシーンがすてき。
音楽は「パリ・テキサス」のライ・クーダー。

アーナルデュル・インドリダソン「声」と「テンプルちゃんの小公女」

「声」を金曜日から読み始めてもう終わるのだが、さっき気がついたことを書いておく。
アイスランドの大きなホテルのドアマンでクリスマスにはサンタクロース姿でサービスするグドロイグルが、ホテル地下の粗末な自室で死体となっているのが発見される。
捜査官エーレンデュルが2人の部下と捜査にあたる。
なにもない部屋に唯一シャーリー・テンプル主演1939年製作の「リトル・プリンセス」のポスターが貼ってある。最後まで「リトル・プリンセス」は「声」の中で重要な役割を担っている。

「リトル・プリンセス」は「小公女」のことだと気がつかずにストーリーを追っていたが、終わりのほうで気がついて検索したらウィキペィアにちゃんと「テンプルちゃんの小公女」とあった。
こんな映画があったんや。知らんかった。
「小公女」はわたしが最初に読んだ本の一冊である。いまだに好きな本の上位にある。ときどきiPad miniで読んでいる。
ウィキの「概要」のところに、この映画はパブリックドメインとなっているとある。そして右側に【1939年版『The Little Princess』全編(パブリックドメイン)】とあるのでクリックしたら<a href=”https://ja.wikipedia.org/wiki/テンプルちゃんの小公女”_blank”>映画</a>がはじまった。わーい!!
今日のところはセーラと父がロンドンの街を馬車で通って寄宿学校に着いたところまで見て、残りはお預け。

ドン・コルレオーネの退院を祝う、シチリア風鶏のカチャトーラ

タイトルの料理の作り方が2年ほど前の「エル・ア・ターブル」に出ていたのを見て相方が作って、今夜食べた。フランシス・フオード・コッポラ監督の「ゴッドファーザー」で、マーロン・ブランド演じるドン・コルレオーネが襲撃されて入院し、退院の祝いの食卓に出された料理だそうだ。ドン・コルレオーネも年だし退院したところだから柔らかい肉が出たんだと勝手に解釈、「これなら歯にもいいはず、わしらもトシやから」と続けて解釈(笑)。

レシピを適当にアレンジしてます。
1 鶏肉をぶつ切りにして赤ワインに半日以上漬けておくとあったので、昨夜から漬けて冷蔵庫に入れておいた。
2 フライパンにオリーブオイルを入れて中火で鶏肉を表面に火が入るまで焼く。
3 鍋に、ニンニク、オレガノ、塩、こしょうを入れて鶏肉とワインを少々入れて、水をひたひたになるまで入れて1時間半くらい煮込む。

今夜のご飯はうまかった。
他に食べたものは、ピクルス盛り合わせ(キャベツ、カリフラワー、パブリカ、ひよこ豆)、マカロニ入り野菜スープ、パン、コーヒー。

ジーン・ケリー&スタンリー・ドーネン監督「踊る大紐育」

もう10年も前になるかな、古い映画のDVDが1枚500円で書店で大量に売っていたことがあった。新聞で知って近所の本屋に行き興奮して20枚くらい買った。500円だけあって画質が悪い。でもとにかくも俳優の顔が見えてストーリーが追えれば満足だった。
昔見て良かった映画はまた見て懐かしみ、タイトルだけ知っている映画は汚い画面でも見えたらOKだった。「若草物語」「恋愛手帖」「ジェーン・エア」「レベッカ」とか大喜びだった。その中にまだ見ていないのが1枚「踊る大紐育」(1949)が残った。つまらなかったらどないしょうと思うと踏ん切りがつかない。ようやく今夜踏ん切って見た。

「踊る大紐育」は、子どもの頃に家にあった雑誌「スクリーン」の古い号を見て憧れていた映画だ。ヴェラ=エレンはわたしの女神だった。
監督も兼ねているジーン・ケリーはこの後たくさんのダンス映画に出演してフレッド・アステアと人気を分けていた。それからフランク・シナトラの若い時が見られてありがたい。
三人の水兵さんにジーン・ケリーとフランク・シナトラ、もう一人はジュールス・マンシュイン(「絹の靴下」「イースター・パレード」)、女性陣はヴェラ=エレン、アン・ミラー、ベティ・ギャレット。
24時間の休暇をもらった3人の仲良し水兵さんたちが、ニューヨークを楽しもうと名所見物からはじめる。地下鉄のポスターのモデルになっているヴェラ=エレンに惚れ込んだジーン・ケリー、博物館では恐竜の化石を見ていたが壊してしまう。博物館の学者アン・ミラーがジュールス・マンシュインに惚れ込み、タクシー運転手のベティ・ギャレットがフランク・シナトラに熱をあげて離さない。

海外ドラマ「ヴァイキング〜海の覇者たち〜」

製作年は2013年、アイルランド・カナダ国際共同制作で全9話。先日から毎日1回見ているがおもしろいので続けて全部見る予定。
ヴァイキングって名前は知っているが、いつのことかも知らなかった。いま解説を読んでいるところだが、8世紀末のことだって。そのころはどんな時代だったか調べねば。
海への船出の場面では木の船に一枚の大きな帆が張ってあり、大海に豪快に出て行く。

ヴァイキングの勇者ラグナルは毎年東国へ出かける略奪遠征が不満で西へ行こうと計画する。部族の首長は反対するが、ラグナルは船を造り仲間を募って西へ出発する。
嵐にあったり苦労の末に陸地が見える。イングランドだ。陸地に上がると修道院があったので聖具などを略奪する。そして、ただ一人言葉が通じた若い僧を奴隷として連れて帰る。
ラグナルの妻は元女性兵士だったので、2度目の遠征にはいっしょに行って戦う。
昨日見たのは第4回だったからあと5回見る予定。

スティーブン・チョボスキー原作・監督「ウォールフラワー」

良さげな感じのタイトルだなと期待して見たアマゾンプライムの映画。原作は「ライ麦畑でつかまえて」の再来といわれたスティーブン・チョボスキーの小説で、映画化にあたって監督もしている。製作者の一人にジョン・マルコヴィッチの名前があった。公開2013年。
年代は主人公チャーリー(ローガン・ラーマン)がタイプライターを使っていることからパソコン以前のことだと大雑把にわかったが、検索したら小説の解説が出てきて1991年に高校に入学した少年の物語とわかった。

ピッツバークの郊外の高校に入学したチャーリーは存在を誰からも気づかれない「ウォールフラワー」である。兄はフットボール選手で姉は最上級生。親友が自殺したので一人ぼっちである。
チャーリーは学校で美しいサム(エマ・ワトソン)と彼女の義理の兄弟のゲイのパトリックと出会う。二人はチャーリーと付き合ってくれる。また国語教師が認めてくれて本を貸してくれ、だんだん学校生活になじんでいった。
でも、どことなく他の生徒と馴染めないものを持つチャーリーの秘密が最後にわかる。
(この後ネタバレ)命が危ういチャーリーを姉の機転が救い、精神科医が助けてチャーリーに希望が生まれてくる。

スティーブン・チョボスキー原作・監督「ウォールフラワー」続き

昨日は遅くなって骨組みだけしか書けなかった。パソコン画面で映画を見て、そのままパソコンに向かって感想を書くのは余裕がなさすぎる。その上に下調べなしで見ているから映画が終わってから何年の映画かしらとか俳優の名前を検索したりと忙しい。昨日の感想でわかるように筋道だけしか書いてない。友だちに「感想を書いてくださいよ」と前から言われてるんやけど。
映画館からの帰り道や立ち寄った居酒屋でしゃべったりしていた時代が懐かしい。
そうはいっても、こうして会費は払っているものの無料で映画を見られるってすごくありがたいことだ。

昨日のブログを読んだ人に「昨日見はった映画ではエマ・ワトソンはもう大人になっているんですか」と聞かれた。そうなんだ、エマ・ワトソンは「ハリー・ポッター シリーズ」のハーマイオニー役をやってたんだっけ。わたしは見てない(一度だけ最初のをテレビで見ただけ)から全然気にしてなくて若い女優さんと思ってただけだけど、有名な女優さんなのであった(笑)。
「ウォールフラワー」では、美しく優しく奔放な役を楽しそうに演じていて好感を持った。
主人公のチャーリー役をしたローガン・ラーマンは好きなタイプではないが、青春の不安をうまく演じていてよかった。
昔いろいろ見た青春映画を思い出したが、ハイスクールのロッカーって昔と変わってないんだとヘンなことで感心した。
貫禄がある精神科医をジョーン・キューザックがやっていた。ジョン・キューザックのお姉さんでわりと好きだった。「セイ・エニシング」(ジョン・キューザックが主演でいい映画だった)に出ていたのを思い出したがその他は忘れてしまった。

ロネ・シェルフィグ監督「ワン・デイ 23年のラブストーリー」

いつものことだが心温まる映画はないかなと探して、見つけたアマゾンプライムの映画を気分良く見終わった。
イギリスの作家デヴィッド・ニコルズが自らの小説を脚本にしたのをロネ・シェルフィグが監督した2011年のイギリス映画。これを見ようと決めたのはロケ撮影がスコットランド、イングランド、フランスで行われたと知ったから。最初のシーンはエディンバラで、大学や街や森林や野原がゆっくりと映し出されてうれしくなった。

主人公たちの出会いが1998年7月15日のエディンバラ大学の卒業式。イケメンのディクスター(ジム・スタージェス)と真面目なエマ(アン・ハサウェイ)が出会うのが23年にわたる恋の歴史のはじまりである。
最初の出会いがあった「聖スウィジンの日」である7月15日はふたりにとってなにか起こる日というか、毎年の7月15日を基準に物語が進んでいく。
エマはディクスターに恋しているのに友人としてつきあう。その期間が長いのでどうなるかと思って心配した(笑)。教師をしていたエマが作家になり、華やかにテレビの仕事をしていたディクスターのほうは時代に取り残される。その状況のときに愛している人の子どもが欲しいとエマがいう。
最初はちょっとまどろっこしかったが、後半どんどん引き寄せられて最後は良かったねとなった。ハッピーエンドではないがしっとりと心に残る。
主演二人を初めて見たがいい感じだったし、ディクスターの娘のジャスミンをやってる少女がむちゃくちゃ可愛い。

ジョシュア・マイケル・スターン監督「スティーブ・ジョブズ」

アマゾンプライム映画にあったのを発見して見た。この映画(2013)ができたころは本の「スティーブ・ジョブズ 上下」を読んでいて、映画も見たいと思っていたのにころっと忘れてた。

ジョブズが実家のガレージでウォズニアックと仕事をはじめたときからはじまって、よく知っていること、よく知っていると思っている人たちのことが語られて楽しく見ていられた。
ほとんど仕事関連の話ばっかりで女性関係や結婚生活が少ししか出てこなかったのがちょっと残念。ジョブズの外面はよく出てたんだけど、ちょっとコクがなかったような気がする。
ジョナサン・アイブとの出会いの場面が楽しかった。

ジョブズがアップルを追放されたときはショックだった。仕事で使っていたからスカイリーが社長のときのマックも買っている。
自分らが心配しているだけならいいが、アップルはもうダメでしょうなんて要らぬことをいう人がけっこういた。マックのジマンをした覚えはないが、マックを使っているということ自体がジマンだったんだなといま思う。

お金がなくてブルーのiMacが出たときは見ているだけだった。その後出たイチゴ色が欲しいなんて言ってたけど買えなかった。相方が忙しかったとき、兄がiMacを買うというので本を買って勉強してからいっしょに日本橋へ買いに行った。てきぱきと指定したので店員さんがびっくりしてた。それから後は相方にまかせきりになってしもたけど。

この映画を見たら、もう1本のほうが見たくなった。
2015年の「Steve Jovs」はダニー・ボイル監督、アーロン・ソーキン脚本、ジョブズを演じるのが先日見た「ジェーン・エア」でロチェスターさんをやっていたマイケル・ファスベンダーだからよけいに見たい。彼のジョブズは似ているというよりぴったりな気がする。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督「ジェーン・エア」を再び見て

さきおととい見たのに昨夜もう一度見ることにした。字幕を読んでいる間にジェーンの表情や荒野の風景を見逃してしまうので今度は画面をちゃんと見ようということで。
原作のシャーロット・ブロンテ「ジェーン・エア」を何十回も読んでいるけど、読むときの年齢や境遇によっていろんな読み方をしている。好きなページも移り変わっている。若いときに読んだからもういいなんてことのない優れた小説である。
午後から時間があるとiPad miniを開いていた。iPad miniの画面で読むと飛ばさずに丁寧に読むから不思議。ジェーンとロチェスターさんをミア・ワシコウスカとミヒャエル・ファスベンダーに当てはめて読んでいた。
ミア・ワシコウスカは美しいひとだが美しくないとたびたび原作に書いてあるジェーンをうまく演じていた。しっかりと閉じた唇を開いて述べるしっかりとした考え。

飢えと寒さから救ってくれたセント・ジョンと二人の妹は実はいとこ同士だったとわかる(映画では省略してある)。叔父からの遺産がジェーンに入ったのを4等分して妹二人は家庭教師をやめることができた。
なにがあったとしてもジェーンの愛はロチェスターさんだけに向いている。セント・ジョンの求婚を断るところが誇り高くてよかった。

吉田健一訳の本ではいとこのセント・ジョンがシン・ジンとなっている。今回、映画の中でシン・ジンと呼ばれていて、なるほど(笑)。英語ができないとつらいね。