スティーブン・チョボスキー原作・監督「ウォールフラワー」続き

昨日は遅くなって骨組みだけしか書けなかった。パソコン画面で映画を見て、そのままパソコンに向かって感想を書くのは余裕がなさすぎる。その上に下調べなしで見ているから映画が終わってから何年の映画かしらとか俳優の名前を検索したりと忙しい。昨日の感想でわかるように筋道だけしか書いてない。友だちに「感想を書いてくださいよ」と前から言われてるんやけど。
映画館からの帰り道や立ち寄った居酒屋でしゃべったりしていた時代が懐かしい。
そうはいっても、こうして会費は払っているものの無料で映画を見られるってすごくありがたいことだ。

昨日のブログを読んだ人に「昨日見はった映画ではエマ・ワトソンはもう大人になっているんですか」と聞かれた。そうなんだ、エマ・ワトソンは「ハリー・ポッター シリーズ」のハーマイオニー役をやってたんだっけ。わたしは見てない(一度だけ最初のをテレビで見ただけ)から全然気にしてなくて若い女優さんと思ってただけだけど、有名な女優さんなのであった(笑)。
「ウォールフラワー」では、美しく優しく奔放な役を楽しそうに演じていて好感を持った。
主人公のチャーリー役をしたローガン・ラーマンは好きなタイプではないが、青春の不安をうまく演じていてよかった。
昔いろいろ見た青春映画を思い出したが、ハイスクールのロッカーって昔と変わってないんだとヘンなことで感心した。
貫禄がある精神科医をジョーン・キューザックがやっていた。ジョン・キューザックのお姉さんでわりと好きだった。「セイ・エニシング」(ジョン・キューザックが主演でいい映画だった)に出ていたのを思い出したがその他は忘れてしまった。

ロネ・シェルフィグ監督「ワン・デイ 23年のラブストーリー」

いつものことだが心温まる映画はないかなと探して、見つけたアマゾンプライムの映画を気分良く見終わった。
イギリスの作家デヴィッド・ニコルズが自らの小説を脚本にしたのをロネ・シェルフィグが監督した2011年のイギリス映画。これを見ようと決めたのはロケ撮影がスコットランド、イングランド、フランスで行われたと知ったから。最初のシーンはエディンバラで、大学や街や森林や野原がゆっくりと映し出されてうれしくなった。

主人公たちの出会いが1998年7月15日のエディンバラ大学の卒業式。イケメンのディクスター(ジム・スタージェス)と真面目なエマ(アン・ハサウェイ)が出会うのが23年にわたる恋の歴史のはじまりである。
最初の出会いがあった「聖スウィジンの日」である7月15日はふたりにとってなにか起こる日というか、毎年の7月15日を基準に物語が進んでいく。
エマはディクスターに恋しているのに友人としてつきあう。その期間が長いのでどうなるかと思って心配した(笑)。教師をしていたエマが作家になり、華やかにテレビの仕事をしていたディクスターのほうは時代に取り残される。その状況のときに愛している人の子どもが欲しいとエマがいう。
最初はちょっとまどろっこしかったが、後半どんどん引き寄せられて最後は良かったねとなった。ハッピーエンドではないがしっとりと心に残る。
主演二人を初めて見たがいい感じだったし、ディクスターの娘のジャスミンをやってる少女がむちゃくちゃ可愛い。

ジョシュア・マイケル・スターン監督「スティーブ・ジョブズ」

アマゾンプライム映画にあったのを発見して見た。この映画(2013)ができたころは本の「スティーブ・ジョブズ 上下」を読んでいて、映画も見たいと思っていたのにころっと忘れてた。

ジョブズが実家のガレージでウォズニアックと仕事をはじめたときからはじまって、よく知っていること、よく知っていると思っている人たちのことが語られて楽しく見ていられた。
ほとんど仕事関連の話ばっかりで女性関係や結婚生活が少ししか出てこなかったのがちょっと残念。ジョブズの外面はよく出てたんだけど、ちょっとコクがなかったような気がする。
ジョナサン・アイブとの出会いの場面が楽しかった。

ジョブズがアップルを追放されたときはショックだった。仕事で使っていたからスカイリーが社長のときのマックも買っている。
自分らが心配しているだけならいいが、アップルはもうダメでしょうなんて要らぬことをいう人がけっこういた。マックのジマンをした覚えはないが、マックを使っているということ自体がジマンだったんだなといま思う。

お金がなくてブルーのiMacが出たときは見ているだけだった。その後出たイチゴ色が欲しいなんて言ってたけど買えなかった。相方が忙しかったとき、兄がiMacを買うというので本を買って勉強してからいっしょに日本橋へ買いに行った。てきぱきと指定したので店員さんがびっくりしてた。それから後は相方にまかせきりになってしもたけど。

この映画を見たら、もう1本のほうが見たくなった。
2015年の「Steve Jovs」はダニー・ボイル監督、アーロン・ソーキン脚本、ジョブズを演じるのが先日見た「ジェーン・エア」でロチェスターさんをやっていたマイケル・ファスベンダーだからよけいに見たい。彼のジョブズは似ているというよりぴったりな気がする。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督「ジェーン・エア」を再び見て

さきおととい見たのに昨夜もう一度見ることにした。字幕を読んでいる間にジェーンの表情や荒野の風景を見逃してしまうので今度は画面をちゃんと見ようということで。
原作のシャーロット・ブロンテ「ジェーン・エア」を何十回も読んでいるけど、読むときの年齢や境遇によっていろんな読み方をしている。好きなページも移り変わっている。若いときに読んだからもういいなんてことのない優れた小説である。
午後から時間があるとiPad miniを開いていた。iPad miniの画面で読むと飛ばさずに丁寧に読むから不思議。ジェーンとロチェスターさんをミア・ワシコウスカとミヒャエル・ファスベンダーに当てはめて読んでいた。
ミア・ワシコウスカは美しいひとだが美しくないとたびたび原作に書いてあるジェーンをうまく演じていた。しっかりと閉じた唇を開いて述べるしっかりとした考え。

飢えと寒さから救ってくれたセント・ジョンと二人の妹は実はいとこ同士だったとわかる(映画では省略してある)。叔父からの遺産がジェーンに入ったのを4等分して妹二人は家庭教師をやめることができた。
なにがあったとしてもジェーンの愛はロチェスターさんだけに向いている。セント・ジョンの求婚を断るところが誇り高くてよかった。

吉田健一訳の本ではいとこのセント・ジョンがシン・ジンとなっている。今回、映画の中でシン・ジンと呼ばれていて、なるほど(笑)。英語ができないとつらいね。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督「ジェーン・エア」

ずっと前から相方がアマゾンプライムの会員になっていて、今回会員なら提供されている映画を無料で見られると知った。映画のタイトルがずらっと並んでいて気分をそそられる。その中に「ジェーン・エア」があった。まだ見てなかったキャリー・ジョージ・フクナガ監督で、ジェーンをミア・ワシコウスカがやっている。この映画があったのを忘れてた。見たい、見たいと晩ご飯をすませてすぐに見た。

シャーロット・ブロンテの原作を小6で読んでから魅せられっぱなしでいまにいたる。ほんま、暗記してると言ってもうそではないくらい。吉田健一訳の文庫本を電子化したから好きなところをiPad miniで読めるしね。

見た映画は2本、1943年(監督:ロバート・スティーヴンソン 出演:オーソン・ウェルズ、ジョーン・フォンテイン)と1996年(監督:フランコ・ゼフィレッリ 出演:ウィリアム・ハート、シャルロット・ゲンスブール)を見ている。
今日は3本目になるが、3本中でいちばんよかった。

2011年の作品で監督がキャリー・ジョージ・フクナガ、ジェーンにミア・ワシコウスカ、ロチェスターがミヒャエル・ファスベンダー、フェアファックス夫人がジュディ・デンチ。
フクナガ監督は父親が日系アメリカ人三世だって。このあとのテレビ映画「TRUE DETECTIVE/二人の刑事 」(2014)がいいらしい。

ジェーン・エアをやったミア・ワシコウスカはすごくよかった。ジェーンそのものみたいに感じた。ロチェスターさんはちょっと違う感じ。ジョン・リバース(ジェイミー・ベル)は「リトル・ダンサー」主演の男の子でとてもいい青年に成長してた。ジェーンに迫って断られるけど、そういう役だから(笑)。
ジュディ・デンチが出てきたのでびっくりしたが貫禄あるし映画を引き締めていた。
人間ばかりでなくヨークシャーの風景がすごくよく現されていて、強い風にヒースがなびく広く長い丘の描写が素晴らしかった。

クロード・ルルーシュ監督・製作・脚本「愛と哀しみのボレロ」

1981年のフランス映画。上映されたときすぐに見に行ってその後レンタルビデオでも見た。ジョルジュ・ドンが踊る「ボレロ」は何度見ても素晴らしい。
ボレロのSPレコードが昔家にあってよく父親が聞いていた。真ん中の赤い紙〈ラベル作曲、アンセルメ指揮、スイスロマンド管弦楽団〉というのをいまだに覚えているくらいだからきっと擦り切れていたに違いない。
だから映画を見に行って最初からボレロが流れてきたのにおどろいた。最後の長いジョルジュ・ドンの踊りがすごい。先日、Sさんに貸していただいた山岸凉子の「テレプシコーラ/舞姫」に、いろんなバレエが出てきたのだが、振付家モーリス・ベジャールの名前がよく出てきてこの映画のことを思い出していたのだった。

映画は第二次大戦前からはじまる。ロシアでバレリーナを目指す少女タチアナがプリマを選ぶテストを受けている。曲は「ボレロ」でもう一人の少女が選ばれるが、タチアナは審査員の一人に求婚される。二人は結婚しこどもが生まれるが、夫はドイツとの戦争で死亡、タチアナはバレエを続けながら息子セルゲイを育てる。セルゲイはボリショイバレエ団のダンサーとなり、パリオペラ座で踊り大成功。母に報告するも、帰りの飛行場で西側にドラマティックに亡命。ここはヌレエフをモデルにしている。

パリのキャバレーでバイオリンを弾いているシモンとアンヌは結婚して息子が生まれるが、ユダヤ人狩りで強制収容所に送られる。こどもの命を助けようと列車が出発するときに線路に置く。赤ん坊は拾われ教会に届けられる。

カラヤンをモデルとしたカール(ダニエル・オルブリフスキ)は、ベルリンでヒットラーの前でピアノを演奏し褒められる。戦争中はパリで軍樂隊長となるがフランス人の歌手との間に女の子が生まれる。

その他、アメリカ編にはグレン・ミラー(ジェームズ・カーン)をモデルとした音楽家一家の物語がある。妻と娘サラの2役を演じるのはジェラルディン・チャップリン。

線路に置かれた赤ん坊がどうなったかがわかる。母アンヌが探し歩いた駅へきた息子ははじめて自分の生まれたときのことを知る。そして記憶を喪失した母を見つける。アンヌの孫にあたるダビッドは歌手を目指している。

最後は登場人物がそれぞれの場でボレロを見るシーン。
81年のパリ。ユニセフと赤十字の主催で、指揮はカール、ダンスはセルゲイ(ジョルジュ・ドン)、歌うのはサラとダビッド、司会はニュースキャスターになったエディット。

クロード・ルルーシュの渾身の仕事。
1980年代はまだ未来が明るく見えていたんだと懐かしくなった。

ケネス・ブラナー監督「シンデレラ」

だれでも知っているお話「シンデレラ」の実写化。すごく豪華絢爛な上に、解説を読んだら動物たちの訓練とか大変だったみたいで、改めて出てきたネズミなど小動物たちを思い出して手なづけるのがどんなに大変だったろうと思った。
シンデレラ役のリリー・ジェイムズはおとぎ話に出てくるような美女でないところがよい。イギリス風にしっかりした女性だと思った。シンデレラと王子の出会いが馬に乗って森を走っているとき偶然というのがうまい。
ケイト・ブランシェットの継母は色気があって野心があって悪女ぶりがぴったり。魔法使いにヘレナ・ボナム・カーターが扮して可愛い。
王子様も誠実さが溢れててよかったし王様もいい人だったのでよかった。
宮殿の様子や庭園のセットが豪華で文句なし。
王子様がダンスの後でシンデレラを連れて行ったのが〈秘密の花園〉なんて、世界中の女子の心をわしづかみだ。さすがケネス・ブラナー監督。

本当にガラスで作ったガラスの靴やねんな。
制作中から話題になっていたから見たいと思っていたが、映画館に行く余裕がなくレンタルDVDになった。

吉田喜重「変貌の倫理」と岡田茉莉子「女優 岡田茉莉子」

つい最近になって気になりだした吉田喜重監督だが、なにげなく買った雑誌「ユリイカ」の「高峰秀子特集」で高峰秀子を語るインタビューを読んですごく論理的な人だと思ったのが最初だ。
それから彼が監督している映画DVDを何本か見て、パートナーの岡田茉莉子の自伝「女優 岡田茉莉子」(文藝春秋)を買って読んだ。
岡田茉莉子の自伝はすごい文字数に驚いた。あとで知ったが全部ペンで書いたという。記憶力もすごいが、母上が資料をきちんと残しておいてくれたからこそ書けたそうだ。
わたしは岡田さんの映画は最初の出演作「舞姫」を見ている。この間木下恵介監督の「今年の恋」を見て「はしけやし」という感じやなとつくづく思った。この映画の助監督が吉田さんだったんだって。
この本で吉田監督とどのようにして出会ったかがわかり、二人がいっしょにした仕事や、別々にした仕事のことがわかって楽しかった。
いまやお二人の大ファンである。

吉田喜重の本は他に「小津安二郎の反映画」(岩波書店)を読んだ。「ユリイカ」の総特集「吉田喜重」も読んだ。きちんと感想を書きたいが雑用に追われてなかなか書けないのに、また「変貌の倫理」(青土社)のページをめくっている。あ、みんな自分で買った本です(笑)。
「ユリイカ」の岡田茉莉子と蓮實重彦氏の対談でお二人のことをかなり知ることができてうれしかった。ファンだから(笑)。

バレエ三昧の日曜日 山岸凉子の「テレプシコーラ」と映画「赤い靴」

雨降りの日曜日、お昼まで寝ていたのは昨夜遅くまで「テレプシコーラ / 舞姫」を読んでいたから。東京のSさんがどばっとクロネコ便で送ってくれたマンガは全部で20冊。その上に誕生日プレゼントにわたしの大好物、竹皮包みの「夜の梅」が入っていた (^Q^)/

昨日の夜中まで読んでいてまだ残っているほうが多いが、今日も起きてから3冊読んだ。バレエが好きで山岸凉子の絵物語が好きなので無理を承知。(なにが無理なんや-笑)
うちは相方も少女マンガが好きで、どっちが先に読むか取り合いになるくらいだけど、今回はこっちが先に読んでいる。

先日は誕生日に大好きな映画ということで「マンハッタン花物語」を見たが、今日はバレエの日ということにして「赤い靴」(1948 マイケル・パウエル、 エメリック・プレスバーガー監督)を見た。わたしは中之島公会堂へ50年代に見に行って以来、機会があれば映画館やどこかで公開されると聞くと行っている。テレビでも見たしレーザーディスクが出たときすぐに買っていまはDVDで、合計30回くらいは見ている。

まずモイラ・シアラーの踊りが素敵。映画公開当時は彼女は新人だからヨーロッパのバレエ界ではたいしたことはないと言われてた。でも「赤い靴」を踊るのにふさわしいダンサーだった。彼女が赤いバレエシューズを日本のバレリーナ谷桃子に贈ったというニュースを読んだことがある。

それとバレエ団の団長レルモントフがディアギレフをモデルとしていると知ったこと。そして靴屋を演じているレオニード・マシーン、牧師役のロバート・ヘルプマンがディアギレフのバレエ団で活躍した人と知って感激した。

マイケル・ゴールデンバーグ監督「マンハッタン恋物語」を誕生日に

品の良い上質なラブロマンス。妻子を亡くした孤独な男クリスチャン・スレ―ターと孤児で誕生日すら不明のメアリー・ スチュアート・マスターソンが出会う。夜中の道を散歩していた男がひとつだけ明かりが灯った窓の中に涙する女性を見る。翌朝、彼女が仕事に行くと大きな花束が受付に置いてあった。
有能な彼女は働きすぎで上司は今週は休めという。花を抱えて帰った彼女はカードを頼りに花屋を探す。
マンハッタンのアパートの屋上の花園がめっちゃステキでため息がでる。紫がかったバラが好きと彼女がいうと、翌日はニューヨーク中のスターリングローズを買い占めてどんどん彼女の部屋へ配達する。(原題 BED OF ROSES )

明日がわたしの誕生日なんだけど、天気の都合で延び延びになっていた姉のところに行くことにした。明日は久しぶりに天気が良いらしい。
それで一日早くご馳走を食べてラブロマンスを見ることにした。午後美容院シュリットで髪をきれいにしてもらったからラブロマンスOK(笑)。
姪の夫が贈ってくれた「古酒 翁」がうまかった。