フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの『踊らん哉』

ビデオよりもレーザーディスク(LD)を早く買ったので、小遣いはみんなLDのソフトにいってしまった時代があった。マックプラスを買うよりも早かったからもう30年近く前か。最初はフランスやスウェーデンのアートっぽいものだったが、やがてフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのダンス映画を集めだした。
「踊らん哉」「トップ・ハット」「空中レヴュー時代」「コンチネンタル」「有頂天時代」と続けてRKO時代の映画を買って何度も見た。
カラーになってからのもほとんどと言っていいくらい見たけど、やっぱりRKO時代の白黒映画がいい。ダンスがすごくて、内容はお笑い恋愛映画(笑)。同じメンバーが出てくるのも楽しい。アメリカの刑務所は「サスケハナ」にあるというのも「踊らん哉」で知った。いまもそこのところを見て爆笑。

今日Video captureというものを購入した。ビデオやLDから中身がマックに取り込める。それで「踊らん哉」を見たわけ。押し入れにつっこんであった古いものが蘇るのがうれしい。
アナログテレビがもう10日で見なくなる。ビデオとLDからマックに取り込むのが終わると、テレビを置いてある一画が空いて部屋が使いやすくなる。

ステラ・ダフィ『カレンダー・ガール』

タルト・ノワールの1冊。最初に読んだケイティ・マンガー「女探偵の条件」が2002年の発行で、発行年を入れているのを読むと2002年が多いようだ。つい10年前のことなのに、わたしは全然知らなかった。新潮文庫が女性向き(赤い紐のしおり)に出して、それは何冊くらい出ていつごろまで続いたんだろう。

本書は平成14年、2002年発行だから一連のタルト・ノワールの1冊と言っていいのかしら。だけど他の作品と違うのは探偵がレズビアンであり、犯罪に巻き込まれたのもレズビアンの女性というところだ。

最初のページに出てくるのは「彼女」の描写、スタンダップ・コメディアンのマギーによって「女優のケリー・マクギリスみたいなボディ」と形容されるが、ずっと彼女はその名称で語られる謎の女で、それには意味があった。マギーはケリー・マクギリスみたいな彼女に惹かれ、彼女もマギーに惹かれる。二人の愛の生活がはじまる。

私立探偵サズに仕事を頼みにきた男は、妻がいるが、ひとりの女性とつきあうようになった。話をするだけの間柄で名前も知らないまま、大金を貸したという。サズは話を調べてニューヨークへ飛び、謎の女セプテンバーの存在を突き止める。

サズの生活とマギーとケリー・マクギリスみたいな彼女の生活がかわりばんこに描かれて、結末が結びつく。この本、好みだった。
(柿沼瑛子訳 新潮文庫 590円+税)

中尊寺もスーパーホットスポットに

うちの猫の花子は19年生きたけど、晩年は夏を過ぎると年ごとに弱っていくのがわかった。わたしはまだそのときは自覚はなかったけど、ここ数年は実感している。夏を過ぎるたび、冬を過ぎるたびとしょっちゅうだが、せっかく生まれてきたのだから毎日を楽しく感じて生きていたい。311以来そういうささやかな願いもかなわないと思うこのごろ。

若いときにひとりで仙台へ行って七夕祭りを見て泊まり(どんなところに泊まったか覚えていない)、翌日に中尊寺へ行った。最寄りの駅から歩いて、両側に大きな木がある道を行くと中尊寺だった。あの道から寺を見たときの荘厳さは何十年も経ったいまも忘れていない。その帰りは普通列車で一晩かかって東京に着いて、それから大阪まで急行で帰った。お金のない旅で時間だけはあった。
「週刊現代」7月16・23日号によると、その中尊寺がスーパーホットスポットにあげられている。金色堂前の植え込みが0.88、住宅地なら避難を考えたほうがよいレベルの線量だという。

福島県南相馬市の緊急時避難準備区域に住む93歳の女性が「私はお墓にひなんします ごめんなさい」と遺書を書いて自殺した。
無農薬キャベツを作っていた農業のかたが自殺し、酪農家のかたが自殺した。ほかにもいらっしゃるだろう。なんともむごい。

ベースとギターが会話する

SUBでベースの”The Skipper” Henry Franklinさんとギターの竹田一彦さんのデュオがあった。少し早めに行ったのだが始まるころは満員になった。今週は火曜日から4日連続でヘンリーさんが入った演奏があって今日は4日目。
いつもの金曜日は竹田さんと西山さんの演奏日で15年以上続いている。これってすごいことだ。今日は西山さんは司会にまわってヘンリーさんがベースである。

演奏がはじまった。お二人とも70歳を超えておられる。はじめは少し探り合いぽい感じがあったが老練なふたり、すぐにぴたっと息が合った。ベースとギターが会話している。仲良く、だけど自説はゆずらず。長いソロだったり短いソロだったり、うなずきあったり、内緒話みたいに親密になったり、いっしょにささやきあったり。すごい、すごい、音が途切れたときにすかさず拍手が・・・わたしはジャズの演奏中に拍手するタイミングをとるのがヘタで、めったに途中で拍手ってしないのだが、今日はその気持ちのままに手を叩いたらみんなも叩いて気持ちよかった。

終わってから竹田さんに「会話しているみたいやった」と言ったら、「ジャズは会話なんや」と返事。「今日はそれをほんまに実感できましたわ」とお礼を言った。

「福島の子ども達を救え小児科医ネットワーク」と山田真さん

昨日(7月5日)の夜、ケーブルテレビ「朝日ニュースター」8時からの「ニュースの深層」で医師の山田真さんが話された。
【テーマは『福島の子どもたち 放射線の影響と健康状態は?』 福島県で子ども健康相談会をおこなっている小児科医の山田真氏に、現地の状況や親たちの思いなどを伺います。キャスターは上杉隆氏です。】というもの。

残念ながらうちのテレビはアナログである。ミクシィとツイッターで告知して、見た人に報告をお願いしたら、しっかりと見た人がミクシィに報告を書いてくださった。

山田さんと少し関わりのある者として活躍されていることがうれしいです。

ガルシア=アギレーラ『5万ドルの赤ちゃん』

4月にメールをくださったTさんがわたしが知らない女性探偵の本とお勧め本を貸してくださった。
女性探偵ものは、C・ガルシア=アギレーラ「5万ドルの赤ちゃん」、ステラ・ダフィ「カレンダー・ガール」、キャロル・リーア・ベンジャミン「バセンジーは哀しみの犬」、 ジェニー・サイラー「ハード・アイス」、カレン・キエフスキー「キャット・ウォーク」 の5冊。

C・ガルシア=アギレーラ「5万ドルの赤ちゃん」から読み出した。
1996年に書かれ、日本語の翻訳が出たのは1997年で女性探偵もの全盛時代だ。女性探偵がたくさんいすぎて気がつかなかったのか、ハヤカワ文庫と創元推理文庫でなかったからか。
マイアミの女性探偵ループ・ソラーノは28歳で探偵事務所をもっている。探偵になりたいと目標を決めてから、大学をちゃんと卒業し探偵事務所で修行してお嬢様らしからぬ準備をし、いまは父親に出資してもらったお金の返済を済ませている。

彼女の一家はマイアミに住んでいるキューバ系アメリカ人である。キューバ革命のときに一家はアメリカに亡命した。父親の願いはただ一つカストロの死である。わたしはいまごろになって本書で10数年前のマイアミに住むキューバ人のことを知ったわけだ。たくさんの反カストロ派のことや亡命した人たちがいることは知っていたが、本書で現実を生きている人の姿が具体的に見えた。

ソラーノ事務所ではいとこのレオナルドを助手に雇っているが、彼の気持ちは体を鍛えることに向いていて、自分の部屋にいろんな器具を持ち込んで肉体美の維持に励んでいる。
ある日、富裕な夫婦がやってきて自分たちの子どもの親を捜してほしいと頼む。子どもがいない夫婦がお金で養子を得たのだが、その子が病気で実の母親の骨髄を移植しないと死んでしまうという。子どもの母親を捜し出すまでのループの活躍が描かれている。
お酒と男が好き。結婚で縛られないで自由につきあっている男といい関係を保っている。
(加藤洋子訳 新潮文庫 590円+税)

「鬼平・剣客・梅安の舞台」(江戸古地図でみる池波正太郎の世界)

ずっと池波正太郎が好きだ。最初に好きになったのは「鬼平犯科帳」で、連載中の「オール読み物」を待ってて買ったものだ。亡くなられてからは文庫本で揃えていた。最後のほうは単行本で持っていたが、阪神大震災のあとに本を処分したときに処分本の中に入れた。いまは読みたいときに図書館で読んでいる。佐藤隆介さんの「池波正太郎・鬼平料理帳」は座右の本というか季節ごとに献立の参考にしている。章のはじめの引用文で鬼平さんを偲べる。
最初はあまり好きでなかった「剣客商売」を10年ほど前に再読してから夢中になり、文庫本を揃えていていまもときどき読む。「仕掛人・藤枝梅安」はかなり前に読んだがあんまり好きでない。そのうちに爆発的に好きになるかもしれないので楽しみ。

関東在住のYさんにとても素敵な地図を送っていただいた。「鬼平・剣客・梅安の舞台」(江戸古地図でみる池波正太郎の世界)である。「東京都台東区立中央図書館内 池波正太郎記念文庫」発行の大きな古地図。三つの作品の中に出てくる場所(三人の住居、道や橋、神社仏閣のほかに作品中の道場とか料理屋とか蕎麦屋)が入っている。番号入りの索引もついていて便利だ。これを開いたら時間がすぐに経つので気をつけなくては。

いつか池波正太郎記念文庫と弥生美術館にいきたひ。

特集 なぜハメットが今も愛されるのか(ミステリマガジン8月号)

ミステリを読み出したのは早かったが手当たり次第に読むだけだった。父の持っていた本をたくさん読んだが雑誌「宝石」で戦後に訳された、レイモンド・チャンドラー、クレイグ・ライス、ウイリアム・アイリッシュに目覚めた。ハメットはそのあとで古本屋で買った「デイン家の呪い」をまだ持っているのだが、よくわからなかったままになっている。そろそろ読まなくては。その後は「マルタの鷹」「赤い収穫」はまだまだで、次に読んだ「ガラスの鍵」がぴたっときて、好きな作家と言えるようになった。その後はリリアン・ヘルマンの伴侶だから好きになったような感じもある。
「マルタの鷹」は映画を見て、ジョー・ゴアズ「スペード&アーチャー探偵事務所」のあとに読んで、ようやくほんとのハメットファンになった。

ミステリマガジン8月号は没後50年ということで「なぜハメットが今も愛されるのか」という特集である。まだ全部読んでないのだが、カラー写真のハメットがいいオトコなので開いてはにやついている。翻訳されたハメット作品が4作あるのだがまだ読んでいない。ふたりの知らなかった書き手による〈評論〉諏訪部浩一〈成長する作家—「『マルタの鷹』講義」補講〉と相原直美〈リリアン・ヘルマンがみた文学者ハメット〉が勉強になった。
リリアン・ヘルマンについては、昔はミステリファンと話すといつも「いやな女」と言われて、いやな思いをしてきたので、ファンとしてうれしかった。
(ミステリマガジン8月号 920円)

宮本百合子「伸子」「道標」

最近ツイッターで「百合子、ダスヴィダーニヤ」という言葉をよく見かける。ダスヴィダーニヤというロシア語っぽい響きで、きっと百合子は宮本百合子だろうなと思った。よく読めば湯浅芳子の名前も出てきてどうやら同性愛のふたりを描いた映画らしい。
検索したら「百合子、ダスヴィダーニヤ―湯浅芳子の青春」 (沢部ひとみ著 女性文庫) という本があり、「往復書簡宮本百合子と湯浅芳子」(黒澤亜里子編さん  翰林書房) という本がある。すこし興味はあるが買ってまで読む気はない。

「伸子」なつかしいな。なんせ50年も前に読んだ本であるから当時は同性愛もなにもわからなかった。吉屋信子の「S」はわかってたけど、あれは麗しの世界のことで(笑)。
若くしてかなり年上の男性と恋愛結婚した伸子がついに離婚することになり、鳥かごから鳥を離した元夫が「鳥でももどってくるのに、君は・・・」というところを覚えている。先日、青空文庫で読み出したけど途中から飛ばして湯浅芳子が出てくるところを探して読んだ。なるほど愛の雰囲気が読み取れる。
次に「道標」を読んだ。物語の最初が列車でモスクワへ着いたところ。ふたりのモスクワ生活がはじまる。小説の中では伸子と素子で、素子は伸子のことを「ぶこちゃん」と呼んでいる。実際には「りこちゃん」と呼んでいたのかな。
【白い不二絹のブラウスの上に、紫の日本羽織をはおっている伸子が、太い縞ラシャの男仕立のガウンを着ている素子について、厨房のわきの「浴室」と瀬戸ものの札のうってある一つのドアをあけた。】なんか百合って感じがする。
こちらも途中まで読んでやめた。

宮本百合子はすごく読まれた作家だった。我が家は姉2人が買った本を受け継いでわたしと妹が読んでいる。いつごろからか翻訳小説ばかり読むようになった。ボーヴォワールとかサガンとかオースティンとかのほうがおもしろくなったのだ。

扇風機から団扇へ?

毎日暑くてたまらない。6月で観測史上最高の暑さなどと言われているが、ほんまに暑い。去年の夏の終わりに扇風機の掃除をしていたらぽきんと折れてしまった。阪神大震災より前から使っていたものだからモンクは言えない。来年のシーズンがきたら買おうと思っていたら、もうその時期になった。ニュースでも友だちのブログでも品不足が伝えられているが、お店に行って今度の入荷品を予約できないかなと呑気にヨドバシ梅田店へ行った。
さて、売り場へ行ったら売り場は空っぽだった。見本さえない。気の抜けた笑いでごまかして、マウスパットを買って帰った。

ヨドバシから大阪駅へ出ようと思うと工事のせいだと思うが、目の前の場所に道路を横切れない。階段を上がって途中で休憩してからエスカレーターで降りたら大阪駅中央へ出られた。まっすぐに外へ出てシャーロック・ホームズへ。今日は水曜日でダーツの会をやっている。古くからの顔見知りと会ってにっこりしたり挨拶したり。ギネスとおいしい料理をたらふく食って地下鉄で四ツ橋へ。
ハシゴ体質の相方の誘いでCOMPUFUNKのバーへ行くことになった。もてなし上手な女子と店主と雑談。おしゃべりは健康のもと。元気に帰ってきた。扇風機代金は飲み代になったので今年はうちわで頑張るか(笑)。