パラソル

パラソルという言葉が好きだけど日常的には日傘っていうかな。パラソルはハイカラな感じで少女小説的かしら。岡田茉莉子とか昔の映画女優を思い出す。
太陽光の強さに10年くらい前から日傘をさすのが当たり前になった。もっと以前は少なかったように思う。いまは長い手袋はめて黒い日傘をさして自転車に乗っているひとが多い。

わたしは昔から日傘をさして歩くのがわりと好きだったし、仕事で出歩くから必需品だった。ある夏に知り合い夫婦の事務所へ寄ったとき、女性のほうがわたしの日傘を見て、「日傘っておばちゃんぽいって彼がいいやんねん」と言った。わたしが彼の顔を見たら知らぬ顔をしている。彼女のほうがわたしよりもずっとおばちゃんぽいやん。もう10数年経つのに覚えている執念深いわたし(笑)。

濃淡の水玉が入った紺色の日傘は何年前に買ったっけ、7年くらい経つかな。バーゲンでお店の前に広げてあったのを一目惚れで買った。UVカットのベージュの折りたたみは近所のスーパーライフで買った。電車で出かけて降りてからの歩きが長いので持ち歩きように。
昨日2本とも洗って片付けた。また来年お世話になる。

フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』

雑誌「ミステリーズ!」4月号にあったフェルディナント・フォン・シーラッハの短編小説「棘」と「タナタ氏の茶碗」(「わん」の字がないので茶碗とします)に惹かれた。エッセイ「ベルリン讃歌」もよかった。
単行本が出ると知って待っていて買ったが、読む本が山積していてなかなか読めなかった。3カ月も経ってようやく読んだ。瀟洒な美しい本なのもうれしい。

翻訳で読んでいるわけだけど、原作の気分というか空気の漂いがそおっと心に忍び込んでくるような短編集だ。先の2作品を読んでいたから、全体に気持ちの悪いというか、心の闇の部分を描くのが作風かと思っていた。そこんところが文学的と思えるのかななんて。それだけじゃなかった。

すべての作品が「犯罪」を描いており、犯罪を犯したとされた者が逮捕され弁護士が係わる。ドイツの法律に基づいた裁判と裁判に係わる法律家たちが描かれる。弁護士の私は犯人とされた人たちを法に従って弁護する。物語の終わりにはその冷静さとプロフェッショナルな態度に読者の気が静まる。

最後の作品「エチオピアの男」が良かった。
ドイツ、ギーセン市近くの牧師館の前に捨てられていた赤児のミハイルは、里親に虐待されなにひとついいことがなく育った。中学を出て家具職人に弟子入りし実技が優れていたので職人検定にかろうじて合格し兵役につく。除隊後〈ハンブルグには自由がある〉というどこかで読んだ言葉を信じてハンブルグへ行き家具職人として働く。工場で盗難がありミハイルは犯人とされ解雇される。後に犯人がわかりミハイルは無実だった。
仲間と歓楽街で会って2年間娼館の半地下にある暗い部屋に暮らし酒におぼれる。そして借金を返せないために袋ただきにされる。警察に逮捕され、このままでは身を持ちくずすとミハイルは思って、外国へ行こうと決意。銀行強盗で金をつくり空港でアジスアベバ行きの航空券を買う。
エチオピアの首都に着いたミハイルはハンブルグもアジスアベバも悲惨なことに変わりないと気づき絶望する。残ったお金で列車に乗り降りてからは草原を歩いて蚊に刺されマラリアになる。
倒れた彼を村人が助けてくれた。目が覚めてミハイルは人の情けを知り、その土地で家具職人の技を活かして村のために働く。看病してくれたアヤナとの間に子どもが生まれる。でも、まだ辛苦がある。
最後は心にそよ風が吹く。
(酒寄進一訳 東京創元社 1800円+税)

出会い

昨夜はせっかくの湯豆腐と熱燗だったが、そのあと爆睡してしまい、起きてから仕事関連で会議(?)したりして、寝たのは明け方だった。今日は昼起きで昼寝を2時間。夜中になってから寒いなぁと言いながらCompufunkの『Ona’s_Bar』へ遊びに行った。おなさん、あべちかさん、れみちゃんの3人の美女の接待で楽しく遊ばせてもらった。あべちかさんのおでんが抜群にうまかった。家ではおでん作っても野菜と揚げなので、練りものがなつかしくうまかった。

そして、おもしろい出会いがあった。
知らない男子がこっちを見てにこにこ笑っている。最近は若い男の子の顔を覚えきれないので、どこかで会った子やろと笑顔を返した。そして横にいた初対面の女子Rさんとしゃべっていたら、911サウンドデモに行った話になった。彼を誘って行ったというとにこにこしていた男子が自己紹介。デモで暑がっていたわたしを、立花通りからアメリカ村を歩いている間中ずっとあおいでくれたKさんだった。わたしは長堀通りで脱落したが、そのときていねいに礼を言ってよかった(笑)。

そしてRさんとKさんは仲が良さそう。別々に聞いてみたら、RさんはKさんが好きだけど相手の気持ちがもうひとつわからん。Kさんも同じことを言う。まあ、照れてるだけやろけど、後押しというかお節介した(笑)。
他にも顔見知りが来ていてみんな調子良く接してくれ、いい気分で帰宅。

イタチの子

久しぶりで姉のところへ行った。通る道で家の前や公園で曼珠沙華をたくさん見かけた。そして、そろそろ金木犀の季節がはじまりそう。姉の庭には萩が咲きかけていた。
大丸地下で大阪寿司やら京都の漬け物やら黒船のお菓子などを買っていった。みんなうまかったけど座して食べていたらどうなるやら(笑)。

食べながらおしゃべりしていたら、縁側のガラス戸が開いたところに可愛い動物が・・・縁石の上に立って縁側に手をかけている子猫くらいの子。あれっ、イタチとちゃうかな、平気やなと言うているうちに去っていった。数分後にまたきた。好奇心が強いのかと思ったが、どうやら半野良猫の縞太郎の猫ご飯の匂いにつられたらしい。姉がこの子にもご飯をやろうかと言うので、食べてるときに縞太郎が帰ってきたら血ィを見るでととどめた。
結局5回くらい行ったり来たりだったのだが、最後はほんまに上がってきそうだったから、意に反したが追い出した。それからちょっとして縞太郎が帰ってきた。匂いを嗅いでいやーな顔をして、ご飯を食べずにイタチが走っていった先を調べにいった。

子どものころは道を横切ってイタチが走るのをよく見た。「ネコがネズミとってイタチが笑う、ほいほい」とはやしたものだ。最近も夜中に街を歩いていると見かけることがある。いつもフルスピードで正面からの顔なぞ見たことがない。生涯に一度のイタチとの対面だった(笑)。

サラ・パレツキー『ウィンター・ビート 』(2)

新年早々にペトラから〈ボディ・アーティスト〉が殺されそうになったからすぐにクラブへ来てほしいと電話があった。駆けつけると本人はなんでもないといい、経営者は警察には届けなかったしヴィクにもすぐに帰ってほしいという。用心棒めいた男がいたりなにかがあるのをヴィクは感じる。
ナディアが描いた〈ボディ・アーティスト〉の体を見て、怒り狂った若い男チャドはナディアに接近するが友人たちに引き止められる。ナディアを助けだしたヴィクは「とっとと消えて!」といわれて首をひねる。
こういうことがあってのナディアの死である。チャドがまず疑われる。彼は自宅のベッドで意識を失っていて、ナディアを射った銃がそばにあった。チャドは意識不明で逮捕され拘置所の付属病院へ搬送された。
次の週にチャドの父親がヴィクの事務所へやってきた。息子が人を殺すはずはないと信じてヴィクに真相を調べてほしいと依頼する。ヴィクの目からでさえ容疑はかたまっているようだが、父親の懇願に折れて調べてみることにする。
チャドはイラクからの帰還兵でクラブでいっしょにいたのは仲間たちだった。単に心に傷を負ったイラク帰還兵が社会に順応できなくての犯行かと思われたが、調べていくうちに深い事情が明らかになっていく。
ナディアにも深い傷があったことがわかる。最後につぶやいたアリーというのは彼女の姉だった。バグダッドで働いていた姉は密かに現地の女性と愛し合っていたのがばれてひどい目にあった。いまナディアの妹も危うい目にあうところをヴィクが知る。

クラブで起こったひとりの女性の死から事件の背景が徐々に明らかにされる。大きな権力を相手にできるだけのことをやってのけたヴィク。ふたりのイラク帰還兵の応援が気持ちよい。最後は〈ゴールデングロー〉のサル・バーテルと得意先のダロウに頼んで応援を得る。ミスタ・コントレーラスもたくさん出てくるし、もちろんロティも。恋人のジェイク・ティボーはいい感じ。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1100円+税)

サラ・パレツキー『ウィンター・ビート 』(1)

【ナディア・グアマンはわたしの腕のなかで死んだ。】から物語がはじまる。ヴィクが真冬のシカゴの〈クラブ・ガウジ〉を出てほどなく、銃声と悲鳴とタイヤのキキーッという音がきこえたので駐車場を走りぬける。ナディアが倒れていて足元には血だまりができていた。ヴィクの腕の中で目を開き「アリー」と言ったのが最後だった。
救急車がきたがナディアは死んでいた。やってきた従業員のなかには従姉妹のペトラもいた。ヴィクがペトラに推測で話をしたらいけないと警察への対応の注意をしていると、女性警官が目撃者に入れ知恵をしないようにという。そして誰かに雇われてきたのかと聞くので、ここのクラブへショーを見にきたと答える。「私立探偵だってたまには休みをとるものよ」。ミルコヴァ刑事との応答のあと「ヴィク、こんなところで何してるんだ?」と、読者にも昔なじみのテリー・フィンチレー刑事がいう。今回はこのふたりの警官に最後までいらいらさせられる。
【クラブの裏口で女が殺されるという、年に一度あるかないかの夜に、たまたま、V・I・ウォーショースキーがそのクラブにきていた? 警部の耳に入ったらどんな質問が飛んでくるか、きみだってわかるだろ。なぜ今夜ここにきた?】

章が改まって、なぜヴィクが〈クラブ・ガウジ〉へ行ったかという話。感謝祭のあとに恋人のコントラバス奏者ジェイク・ティボーが、仲間のウォルシュがクラブで演奏するので、ヴィクとロティ、マックス、ミスタ・コントレーラス、ペトラを招待した。
ウォルシュは中世の旋律にヘビメタの歌詞を合わせるというブレンドをして、アンプをつけたハーディ・ガーディやリュートで弾き語りをした。クラブにとってこれは前座で本命は〈ボディ・アーティスト〉。ほとんど裸でスツールに座っている女性のうしろにはスクリーンがあってボディアートの画像が映し出され、音楽が流れている。彼女の体がカンバスになる。
その日にクラブが人手不足という話を聞きこんでペトラは夜のバイトをするようになった。

ペトラ【「・・・〈ボディ・アーティスト〉は自分の肉体をとりもどそうとしているんだってことと、自分の肉体をとりもどそうとするすべての女性がそれに勇気づけられてるってことを」わたしはペトラを見て考えこんだ。従姉妹とつきあいはじめて七ヵ月になるが、芸術の分野であれ、ほかの分野であれ、女性問題に対する意識を従姉妹が口にしたのはこれが初めてだった。】

ペトラはミスタ・コントレーラスの反対を押し切ってクラブのバイトを続けている。冬になったある日ペトラからすぐに来てと連絡が入る。そして事件の幕開け。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1100円+税)

タムタムカフェで晩ご飯

先日タムタムカフェに行った相方がアベチカさんから誕生祝いを預かってきた。おしゃれな麻布のブックカバーをさっそく「ウィンター・ビート」に被せたらぴったりだ。手触りがよくて気持ちよい。なににせよカバーするのが嫌いで、ブックカバーもしたことがなかったが、先日シャーロック・ホームズで頂いて使い始めたところ。食べながら本を読んでるので汚さないようにとの心遣いである。

夏バテでタムタムカフェのある日本橋まで出かけるのがおっくうだったが、涼しくなって出不精を返上。途中黒門市場を通って目に留まっためちゃ安い茗荷とレンコンを買った。
タムタムカフェは1周年を迎えるからアベチカさんにお祝いをもっていかねばと「ウィンター・ビート」を用意した。アベチカさんは去年ヴィクシリーズを全巻お貸ししたらすごい勢いで読破された。開店祝いは「サマータイム・ブルース」と「ミッドナイト・ララバイ」だった。それで今日も大喜びしてもらえた。

ここのご飯はおいしい。ビールとおつまみいろいろ、それから定食を食べたが、玄米ご飯、白身の魚の入った味噌汁、プレートに盛られた揚げたてのフライとコロッケ、野菜のいろいろ。みんなおいしかった。先客のかおるさんと楽しいおしゃべりしたし、はなちゃん製作のクリーム類を買ったし、とても素敵な夜になった。

帰り道は千日前を通って難波へ。途中相方がよく行っているプラタスでコーヒーにした。カウンターに座ったら後からきた男子が、午後お世話になった美容室シュリットのIくん。2階からふたりが見えたので降りてきたとのこと。なんとまあ! お店の人にも紹介してわたしもはじめて入った店なのにすでに友だち気分でしゃべっていた。

2011年秋 光合祭 -Sunshine Music Festival-

湊町リバープレイスで毎年5月の連休と秋のお彼岸に行われる〈光合祭〉が今年も開催された。いいお天気で朝から子ども連れが着いたとツイッターに書き込みがあった。わたしらが行ったのは例によって夕方一歩前だ。カバンが大きいから冷水とおやつを入れていったら重くて(笑)。
子ども連れが多くてふたり連れているカップルもちらほら。おやつを楽しみながら眺めていた。

秋の日は早く暮れる。水辺のこととて風が冷たい。コットンセーターの上に着ようとパーカを持っていったが、それだけでも寒い。ふと後ろを見るとフリーマーケットの店が並んでおり、暖かそうな布を肩に羽織った男子がいる。いい色やなと近づくといろんな柄の布があってネパールのだって。その色ええねとわたしが言うと彼が「ぼくにはちょっと赤すぎなので」と譲ってくれた。2750円だったが、たっぷりと大きくて座ると肩から膝までカバーできる。おかげでゆっくりと座って、秋のつるべ落としの夕日が沈んでいくのを楽しめた。

伝わるブルース魂 西山 満QUARTETから歳森 彰TRIO へ

月に一度やって先月31回になった西山 満 QUARTET[西山 満(cell) 歳森 彰(P) 財 盛紘(B) 弦牧 潔(D) ]が西山さんが亡くなられたので終わり、今月から残った3人が歳森 彰 TRIOとして演奏することになった。

先月は西山さんが演奏中にふとこちらを向いて微笑んでくれたのが心に残っている。最後の曲がブルースで、演奏が終わったとき今日のブルースはよかったとおっしゃった。ピアノの歳森さんがブログで西山さん追悼の言葉を書いておられるので引用させてもらう。[2011.08.31 無音ストリート「西山満さんにお別れ」]【2011年8月17日のSUBでのライブが最後になりました。その最後に私にかけてもらった言葉は「オレが思った通りのピアノになった」でした。】そのとおり素晴らしいブルースだった。こういう記憶をもっていられてわたしは幸せ。

だから、今日の1曲目はブルース。歳森さんがベースの財さんドラムの弦牧さんに指示を飛ばしてはじまった。歳森さんのピアノがはじけていい感じ。わたしの前にいた老練の聴き手が「おっ、財くん鍛えられとる」と独り言。この店で30年以上いろんなミュージシャンを聴くことで育ててきたひとだ。
後半は来ておられたトランペットの唐口一之さんが加わって華やかに。「いまの曲はセロニアス・モンク作曲のラウンド・ミッドナイトでした」ってわたしに向かって言うてくれた(笑)。

終わってから唐口さんとすこし話させてもらった。西山さんとの長いつきあいの話。ジャズの巨匠たちが相次いで亡くなって、西山さんはその世代の最後で、もうこういうミュージシャンは出ないなど。わたしもセロニアス・モンクのコンサートにいった話など。

YOSHITAKE EXPE + 沼澤 尚 フリー公開セッション

夕方7時から四ツ橋のCompufunkで EXPE + 沼澤尚 フリー公開セッションがあった。
このお二人の音を3年前にはじめて聴いた。2008年の秋に細野ビルで1週間、YOSHITAKE EXPEさんが毎日違うゲストを迎えての演奏で、1時間半ぶっ通しで叩く沼澤さんのドラムの音に驚嘆した。細野ビルは古い建物ゆえ強い音が出せないので抑えた音だったのがかえって巧さを感じた。
次は半年前、今年の3月で東日本大震災の前日、アメリカ村のサウンドチャンネルでOKI DUB AINU BANDとの共演だった。このときは3時間くらいをものすごい音量で聴けた。わたしは一番前で足の疲れもものとせず頑張って終わってからへたった。

そして今日、Compufunkの黒い空間で、もっと中へと言われて移動したら、EXPEさん、沼澤さんと打楽器2人、コンピュータをいじっている2人の計6人の真ん中に座ることになった。EXPEさんのギターが真空管アンプを通して複雑な音を伝える。沼澤さんが叩く音がすごいスピードで響く。そして2人の打楽器の音が底辺を支えている。
そりゃすごい演奏で、その真ん中にいるんだから、もう幸せで・・・生きている歓びを感じたと大げさだけど言っとく。

終わってから別行動になった相方が帰ってきたので、この音楽のことをどういうたらええのかなと聞いたら、ファンクという答え。そうか、わたしはファンキー少女だったと回想したら疑問解決。好きやねんなあ。

終わってロビーで子ども連れのTさんに紹介してもらった。すっごく可愛い母子。子どもはあいにくぐっすり眠っていたけど。これからツイッターとミクシィでもつきあうことに。
そのあとバーコーナーでカウンターのレミさんとオンナのおしゃべり。相客のちょっと年配のDJ氏とジャズ喫茶や阿部薫ややくざ映画や共通話題が多くておおいに盛り上がった。レミさんにライブ好きなんやと図星をさされたけど、たしかに。