マイク・リー監督『家族の庭』

マイク・リー監督・脚本の2010年のイギリス映画。マイク・リー監督の映画は「キャリア・ガールズ」(1997)と「人生は、時々晴れ」(2002)を見ている。

病院で中年の女性が眠れないと訴えている。医師は血圧などを検査してから心理カウンセラーのジェリー(ルース・シーン)のところへ行くように言う。ジェリーは冷静に質問し患者は睡眠剤が欲しくて苛立つ。「来週も来て。あなた次第よ。強制しないわ」とジェリーは言う。
診察後にジェリーは病院の事務員メアリー(レスリー・マンヴィル)に帰りにちょっとどこかに寄ろうと誘われ、夫のトム(ジム・ブロードベント)が晩ご飯をつくってくれるから1時間つきあうわといいバーへ。ジェリーは帰り、メアリーは向こうにいる男に目を向けるが、その男には相手が来る。
ジェリーと地質学者のトムは仲が良いインテリの夫婦で40年にわたって円満な生活を送ってきた。市民農場を借りていて日曜日にはいっしょに野菜作りに励む。

春、夏、秋、冬と季節ごとに物語が進展する。
メアリーが来て勝手なおしゃべりをしてワインを飲み過ぎ泊まらせたこともあった。彼女は自分のことしか話さない。二度結婚して二度ともうまくいかなかった。いまも常に相手にする男を捜している。
トムの友人ケンが田舎からくる。トムはいっしょに友人たちとゴルフをして彼を励ます。夫婦のガーデンパーティにはメアリーも来て車を買った話を延々としている。メアリーがタバコを出すと、他の客はそっとその場を離れる。ケンだけが残っていて手を出すがメアリーは相手にしない。太った男は嫌いだ。彼女はトムとジェリーの息子でまだ独身のジョーを狙っている。

ジョーは次に来たとき作業療法士のケイティを恋人としてみんなに紹介する。そのときも来ていたメアリーは衝撃を受ける。それ以来メアリーの訪問はなくなった。
その後にトムの兄ロニーの妻が亡くなり、葬儀に行ったトムとジェリーは無気力になったロニーを家に連れて帰り同居する。

冬になって寒い休日に夫婦は市民農場へ行く。留守の間にメアリーがコートも着ずに玄関に。ロニーが困りつつドアを開ける。寡黙なロニーにメアリーが語りかけ、いっしょにタバコを吸う。
そこへトムとジェリーが帰って来て気まずい雰囲気。
またそこへジョーとケイティのカップルが来て家族だけの雰囲気が醸し出される。

シャルロッテ・リンク『姉妹の家 上下』(3)

バルバラとラルフは家にあるわずかな食べ物で数日を過ごした。ラルフは薪を割りバルバラはフランシスの自伝を夢中で読んでいる。夜はふだんの生活と同じように別々の寝室で眠っている。

自伝の続き:第一次大戦で心に傷を負ったジョージは孤独に一人で暮らしはじめた。アリスは回復を待つのに疲れてロンドンに帰り、旧知の男と結婚する。すでに婦人参政権運動を闘った闘士の面影はない。
第二次大戦でドイツ軍によるロンドン空爆がはじまり、アリスは二人の娘を疎開させようとフランシスに頼む。父親のチャールズが亡くなり、ジョンと別れてもどったヴィクトリア、昔からいる家政婦のアデライン、そしてアリスの娘のローラとマージョリーの女性ばかりの5人家族になる。その上にフランスからきたマルグリットがヴィクトリアのフランス語教師としてしばしば訪れるようになる。
一波乱も二波乱も、フランシスには恋も波乱もやってくる。

電話だけが通じるようになりローラから心配の電話がかかる。次に電気が回復して寒さからは逃れることができた。ラルフはスキーで買い物に出かける。夜になるとバルバラは屋敷中の灯りをつけてラルフの帰りを待つ。ラルフは帰らず、訪れたのは再婚したジョン・リーとマルグリットの間に生まれた当主のフェルナンだった。彼が持ってきた食べ物と酒でバルバラは生気を取り戻す。
最後まで自伝を読んで屋敷のすべてを知ったバルバラは危ない存在になっていた。

道に迷って農家に助けてもらったラルフが食糧を持って翌日もどってきた。電話の様子で心配になったローラはロンドンを発ち、列車とバスで来られるところまで乗り継ぎ、あとは歩いてたどり着いた。
(園田みどり訳 集英社文庫 上 905円+税 下 876円+税)

イアン・ソフトリー監督『K-PAX 光の旅人』

先日見たイアン・ソフトリー監督の作品「鳩の翼」は心に残るものがあった。お借りしたもう1作「K-PAX 光の旅人」(2001)はジーン・ブリュワーのSF小説の映画化であるというので期待して見た。とても気持ちのよい映画だった。

ニューヨークのグランドセントラル駅構内に突っ立っていて、ひったくりと間違われて保護された男はプロート(ケヴィン・スペーシー)と名乗り、K-PAXという惑星から来た宇宙人だという。マンハッタンの精神病院に入院させられて、精神科医のマーク(ジェフ・ブリックス)が担当する。宇宙人と主張するプロートにセラピーや投薬は一向に効かない。マークはいろんなことを聞くが、プロートの言うことは変わらない。サングラスをかけているだけで普通の人間に見える。
患者たちはプロートから影響を受けて前向きに変わりはじめる。

マークは天文学者の知り合いに依頼してプロートを学者たちのところに連れて行く。学者たちは光速よりも速く地球へ来たと聞いて、実際にやってほしいと頼むと、プロートはいきなり「アディオス!アロハ!」と言う。一瞬のうちにメキシコとハワイを経由して戻ってきたのだと。
マークはプロートに魅了されたように彼の治療に打ち込む。催眠療法でプロートから聞きだした情報をたよりに彼の謎を解こうとするマークは必死に過去を探る。

ケヴィン・スペーシーがなにげなくという感じで宇宙人をやっているのが気持ちよかった。

シャルロッテ・リンク『姉妹の家 上下』(2)

第一次大戦のヨーロッパで思い出すのが中学生のときに読んだ「チボー家の人々」第1巻「1914年夏」である。それ以来1914年という言葉が頭にしみ込んでしまった。その次にはドロシー・L・セイヤーズのピーター卿とハリエットのシリーズ、そしてヴァージニア・ウルフの「ダロウエイ夫人」と続き、映画の「突然炎のごとく」になる。児童文学でもあったなといま思い出しかけている。

本書のはじまりは1907年、ヨークシャーの地主チャールズは親たちに意地を通して結婚したアイルランド人のモーリーンと愛ある生活を送っている。娘のフランシスは14歳の怒れる娘で女学校がいやでたまらない。辛抱するようにいう恋人のジョンは20歳。美人の妹ヴィクトリアがいる。
しばらくして兄のジョージが恋人のアリスを連れてロンドンから帰省する。アリスは女権論者でフランシスに絶対的な影響を与えるようになる。ロンドンへ出たいフランシスは独身の叔母マーガレットを頼って家に住ませてもらう。

1910年11月18日、「黒い金曜日」としてイギリス女性解放運動の歴史に刻まれたこの日、婦人参政権を求めるデモで115人の女性が逮捕された。この日フランシスは風邪気味で家にいたのだが、負傷した女性が来てアリスからの伝言を伝える。デモの現場へ行ったフランシスは警官を傷つけたとされ逮捕される。拘置所で仲間とハンガーストライキをやり、4日目にはホースで流動食を流し込まれるという不当な待遇を受け体を壊す。
恋人のジョンが面会にくるが話が合わなくなっている。結局、父親が縁を切っていた実力者の祖父に頼んだらすぐに解放された。そのために父は自分の意志を曲げたので、それからはフランシスを無視するようになる。
ジョンは妹のヴァージニアと結婚して政治家として華やかな活躍をはじめる。

第一次大戦がはじまり、ジョージもジョンも戦線に出る。フランシスは看護婦の助手などして二人と出会う。
(園田みどり訳 集英社文庫 上 905円+税 下 876円+税)

シャルロッテ・リンク『姉妹の家 上下』(1)

ドイツ人の夫婦がクリスマス休暇を過ごしにヨークシャーの屋敷をまるごと借りる。借りたのは刑事弁護人のバルバラと弁護士のラルフ夫妻。ラルフのほうが収入がよく、バルバラのほうはジャーナリストの人気者で昨日の新聞にも大きな写真が載っていた。

ヨークシャーに住むローラは16年前から毎年屋敷を人に貸して、滞在客からのお金で大きな屋敷を維持してきた。借りた人は家主のようにふんぞり返ってその期間過ごせる。貸し家専門のカタログに毎年掲載を頼むが、滞在客を見つけるのが困難になっている。たいていは湖水地方かまっすぐスコットランドへ行ってしまうから。
お茶を飲みながらフランシス・グレイ17歳の写真を見て回想するローラ。

バルバラの案でラルフ40歳の誕生日を祝うためにブロンテ姉妹ゆかりのヨークシャーに2週間滞在することにした。最近はなにをしても二人の間はつまらないことがきっかけで鬱憤が噴出してしまう。バルバラにはこの旅行で夫婦関係を守りたいという思いがあった。
ロンドンは寒く北上するにつれ雨は雪に変わっていった。ようやく二人はヨークシャーにたどり着く。
待っていたローラは額縁に入ったフランシスの写真を見せ、この屋敷はフランシスから相続したと語る。
ローラは【バルバラは、鍵穴を通してのぞき見するのではなく、まっすぐ部屋に入ってきて知りたいと思っていることをたずねる、そういう感じの人だった。】と思う。そして、バルバラをフランシスそっくりだと思う。
近所の地主フェルナンがローラをロンドン行きの列車に乗せるために迎えにくる。

翌朝、バルバラが目を覚ますと電気がつかない。外は雪で埋もれている。昨夜は途中の店でわずかしか買い物をしなかった。暖房もなく食べ物もなく外界から遮断されてしまった。
ラルフは納屋まで雪をかいて行き、薪にするための丸太を見つけて生まれてはじめての薪割りをする。バルバラは納屋の床板にひっかかって転倒するが、空いた穴の中に紙の束を見つける。きっちりタイプされた原稿はフランシス・グレイが書き遺したものだった。
薪のストーブをつけた台所でバルバラはフランシスの生涯を読むことに没頭する。
このあとはフランシスの自叙伝になり、時代は1907年に遡る。
(園田みどり訳 集英社文庫 上 905円+税 下 876円+税)

ドイツのミステリで、ヨークシャー

ドイツのミステリーにはまっている。といってもフェルディナント・フォン・シーラッハとネレ・ノイハウスだけだけど、ふたりとも強烈だ。それで別の作家のも読んでみたくなって検索したらシャルロッテ・リンク「姉妹の家 上下」が出てきた。はじめての作家である。
アマゾンで中古本が1円であったので上下を注文したらすぐに上巻が届いた。送料が各250円なので502円で新品同様の本が手に入ってうれしい。カバーが豪華。山口はるみさん描く野の花、そのバックに外国名前のひとが描いた大きなお屋敷、真ん中あたりの美女は写真だって。

シャルロッテ・リンクはドイツの人気作家なのだがヨークシャーが大好きで、この物語の舞台はヨークシャーである。インテリのドイツ人夫婦がクリスマス休暇にヨークシャーの屋敷を借り切る。この家の持ち主ローラはこの屋敷にかかる費用を捻出するために、まるごと貸して自分はロンドンの妹の家に行く。
ローラはこの家を保護者のフランシスから遺された。
この物語は20世紀のはじめからはじまる。第一次大戦、第二次大戦があって戦後になり現在にいたる。

驚くべき早さで上巻が到着したので2日で読んだ。この際、下巻が届くまでにヨークシャーを堪能しようとレジナルド・ヒルの「ペウラの頂」を読んでいた。すごく洗練されたヨークシャーの物語。
今日下巻が届いたので読み出した。

読書熱中症

シャルロッテ・リンク「姉妹の家 上下」を猛スピードで読み終えた。飛ばしたところもあるので再読しなければいけない。おもしろかった〜

午後3時頃のこのあたりの気温は35度。
最近行ってなかった自然食品のSマーケットへ冷や奴をしようと豆腐を買いに行った。ここの豆腐はおいしい。昔ながらのしょっぱい梅干し、おから、ヤーコン茶も買おうと思ったのに、シャッターが下りていて「閉店しました」の張り紙が・・・。6月後半から来てなかったのを悔やむ。

すごく暑い。日傘をさして往復30分くらい歩いただけでくらくらした。帰って冷たい水をごくごく飲んだ。そのときはなんともなかったが、晩ご飯を食べていたら、いつもほど食べられない。食後のお茶と羊羹はちゃんと食べたけど(笑)。
食後3時間のいま、むしょうにお腹が減ってきた。熱中症とはちゃうなと一安心。

でも、なんとなくしんどい。本を読む気がしない。なんでやーと考えて。
ああ、これやん、と納得。読書スピード上げすぎて読書熱中症やん。
今夜はお風呂に入って静かに横になるとしよう。

イアン・ソフトリー監督『鳩の翼』

Uさんがミクシィのコメントで書いてくださったのだが、ルース・レンデルは映画の「鳩の翼」を見てヒントを得て「階段の家」を書いたそうだ。それで当ブログを探して読んだら、ちゃんと「鳩の翼」にならって遺産を狙う計画を立てると書いてあった。そういえば映画の「鳩の翼」を見ていなかった。
それで、DVDがずっと家にあるのを思い出して、見たらすごーく素敵な映画だった。雨のロンドンと暗いヴェネツィアの映像がよかった。

1910年のロンドン、上流階級から没落したケイト(ヘレナ・ボナム=カーター)は伯母(シャーロット・ランプリング)の世話になって暮らしている。父親も伯母からの送金でぐーたらな暮らしをしている。旧弊な伯母の世話で結婚せざるを得ないのだが、彼女にはジャーナリストのマートン(ライナス・ローチ)という恋人がいる。伯母が許すはずがなく背けば遺産はもらえなくなる。
あるパーティでアメリカ人の金持ちの孤児ミリー(アリソン・エリオット)と親しくなる。ミリーはマートンに一目惚れする。ケイトはミリーが病気で先が短いことを知り、マートンをミリーと接近させて遺産を手に入れようと計画を練る。3人でヴェネツィア旅行をしようと誘って、マートンとミリーが近づくようにしむける。自分はイギリスに帰って待つが嫉妬に苦しめられる。

ミリーはマートンと恋の夜を過ごした後で、ヴェネツィアで死ぬ。彼女はケイトとマートンが愛し合っていることを知っていて遺産を遺した。
イギリスへもどったマートンをケイトが訪ねる。ミリーからの遺産についての手紙が届いていたのをマートンが暖炉へ投げる。でも弁護士に言えばいいのよとケイト。しかし、ふたりの間にはミリーの想いが残っている。

ルース・レンデル『乙女の悲劇』

去年のいまごろ姪の家に行ったときもう20年以上前に亡くなった姉の本箱がそのままにしてあった。家を建てたときに作ったすごくでっかい本箱で、文庫本が置いてあるところは二重になっている。在庫を見るだけで大変だったが、欲しい本があれば持って行ってねと言われたのでミステリーを何冊かもらった。
P・D・ジェイムズやモース警部ものはすぐに読んだんだけど、ルース・レンデル「乙女の悲劇」(ウェクスフォード警部もの10冊目)を本棚の隅っこに置いたまま忘れていた。取り出して読んだらおもしろかった。なんちゅう贅沢(笑)。
ルース・レンデルがずっと嫌いだったと思い込んでいたが、数年前にそれほどいやでもないなと思っていくらか読んだのだった。いま調べたら「運命の倒置法」「階段の家」「わが目の悪魔」「ひとたび人を殺さば」「薔薇の殺意」を読んでいるのがわかった。

ロンドンから近いサセックス州の真ん中にある大きな町キングズマーカムがウェクスフォード警部が妻と住む町。町の外れの草むらで中年女性ローダ・コンフリーの死体が見つかった。
ローダはこの町出身で、若いころにサッカーくじに当たって大金をつかみロンドンへ出て行った。ロンドンで仕事をしていい暮らしをしているらしい。ときどき父親が入院している病院へ派手な身なりで来ていた。調べていくと彼女のロンドンの連絡先をだれも知らない。ロンドンでなにをしていたかもわからない。
死体を解剖してわかったことのひとつはローダが処女だったということ。
ロンドンへ出かけたウェクスフォード警部は、旧知の刑事たちに助けを借り足と頭脳を使ってローダを追う。ローダの持ち物から男性作家の存在が浮上する。

夫&男性への批判がいっぱいの長女が口走った言葉から「イーオニズム」という言葉を思い出し、ハヴロック・エリスの本を図書館で読む。導き出した結論に部下たちはついていけないほど。最後のウェクスフォード警部の解説がいい。

長女シルヴィアが夫と喧嘩してこども二人を連れ家に来ているのだが、その喧嘩の理由を「ウーマン・リブですよ」と妻のドーラが言う。
本書の書かれたのは1978年、おお、わたしがパンク・ロックをはじめて体験した年だ。日本のウーマン・リブはいつ頃だったか調べてみなきゃ。
働きたい、資格を持ちたい、と切実に言うシルヴィア、結局は夫が迎えにきてくれ、皿洗い機を買ってくれたので機嫌を治して帰るのだが。
(深町真理子訳 角川文庫)

ミロス・フォアマン監督『恋の掟』

これもTさんに貸していただいた映画でコリン・ファース主演作のところに入っていた。検索したら、なんとびっくり、ラクロの「危険な関係」の映画化(1989)であり、あのヴァルモンをコリン・ファースがやっている。さらに驚いたのはヴァルモンが本気で愛してしまうトゥールヴェル夫人役がメグ・ティリーなのだ。メグ・ティリーは「再会の時」(ローレンス・カスダン監督 1983)で、ベトナム帰りの麻薬の運び屋ウィリアム・ハートと最後に結ばれるちょっとぶっ飛んだ若い女性の役で記憶に残っている。レーザーディスクで何度も見た好きな映画だ。

しかし、コリン・ファースに遊び人の役は似合わない。どことなくコメディっぽい。が、当時の衣装がとても似合って馬に乗っても池に落ちてもカッコいいのであった。豪華なベッドで寝ている姿も美しい。
劇場シーンもパリの屋敷も田舎の屋敷も生活も着るものもすごい豪華で美しい。さすがにこの豪奢は人民を搾取して成り立っているんやなと思った。イギリスのお屋敷が出てくる映画は貴族は貴族なりに義務を果たしているという感じがする。単なるイギリスファンだからかもしれないが。

メルトゥイユ侯爵夫人(アネット・ベニング)は昔のフランス映画のジャンヌ・モローの印象が消えないから、だれがやっても気に入らないと思うが、美人ですねという印象。セシル(フェルザ・バルク)は重苦しい印象だったが、物知らずな少女が大人になっていくところを見せていた。
メグ・ティリーはヴァルモンに恋してしまった人妻役なんだけど、抑えているところがすごくよかった。コリン・ファースと演技していてほんとに恋に落ちたのがよくわかる。ふたりの間にこどもができたけど結婚はしなかった。