リチャード・カーティス監督『ラブ・アクチュアリー 』

今夜は楽しい映画を見たいということで、これは間違いなしのラブコメディと選んだのが「ラブ・アクチュアリー 」(2003)。偶然だが時期がいまの季節にぴったり。クリスマスまであと何週間というところからはじまる。クリスマスに関わる映画はたくさんあるけれど「恋に落ちて」が好きで、映画館で見てからレーザーディスクを買って何度も見た。「ラブ・アクチュアリー 」もこれから何度も見ると思う。

「ブリジット・ジョーンズの日記」「フォー・ウェディング」「ノッティング・ヒルの恋人」の脚本家リチャード・カーティスが監督した映画のもう1本の映画「パイレーツ・ロック」を先日見たところ。北海に浮かぶ船から海賊放送する話でDJや関係者の群像がよく描かれていた。「ラブ・アクチュアリー 」はなんと19人のロンドンで暮らす人たちの愛を描いている。

好きな俳優がたくさん出ているのも魅力。コリン・ファースでしょ、ヒュー・グラントでしょ、リーアム・ニーソンでしょ、それに、ローワン・アトキンソンが二度も出てきて笑わせてくれる。
女性のほうはエマ・トンプソンが会社経営者アラン・リックマンの奥さん役で夫の浮気を知る。キーラ・ナイトレイは結婚式シーンがあって、それをビデオに撮った彼は彼女の顔やしぐさばかり撮っていた。エマ・トンプソンの夫にちょっかいをかける女性社員ハイケ・マカッシュとミステリ作家役コリン・ファースと恋に落ちるルシア・モニスがいい感じ。

ヒュー・グラントの首相はたよりなげなのだが、アメリカ大統領をやりこめる挨拶をしたところにイギリスらしいユーモアがあった。ヒューもコリン・ファースもトクな役を楽しげに演じていた。リーアム・ニーソンの息子がめちゃくちゃ可愛くて幼い恋をがんばる。
9つの恋の物語がクリスマスに向かって熱を帯びてきて、ついにクリスマスがやってきた。

福島県飯館村の酪農家 長谷川健一さん講演会〈原発に「ふるさと」を奪われて〉

主催:阪南中央病院労働組合「六ヶ所村ラプソディー」を上映する会in阪南病院 講演場所:河内松原 ゆめニティまつばら 多目的ホール。
久しぶりの遠出なので早めに出かけてよかった。近鉄南大阪線で河内松原駅下車を乗り過ごし藤井寺まで行って戻った(笑)。
会場にはたくさんの人が来ておられ熱心に聞きいっていた。わたしはいつものように前のほうに席をとった。

長谷川さんは友人の写真家や自分で撮影した写真と動画を見せながら話しはじめた。
「わたしは東北の人間でずーずー弁です」とずーずー弁で言って笑わせてからシビアな話題に入った。
福島は現在進行形であること。オモテではマスメディアが発信して終ったかのようだが、ウラではさまざまな現実が進行している。

飯館村は日本一の美しい村だった。峠の上から下の方に村が見える。春にはわらびが芽を出したくさんの人たちが訪れる、までぃー(“美しい”のほかにもいろんな意味のある東北弁)な村だった。いまの村長とは酪農家どうしで16年になるつきあいだが、311以後は分断してしまった。

3月11日は畑仕事をしていたら地震。畑が地割れしたのであわててトラクターを安全な場所に移し家に帰った。停電した村を部落長として巡回しているといやな予感がしたが原発とはそのときは思わなかった。
3月14日、3号機爆発。15日夕方から緊急集会を開いたが、雨と雪によって放射能が体についたのをまだ知らなかった。この日は原発からまっすぐに飯館村の風が吹いた。それを国と県が隠蔽していたので知らなかった。

長谷川さんの家に写真家森住卓さんやフリージャーナリストがたくさんやってきて泊まって取材するようになった。
21日には水道水から放射性ヨウ素が見つかった。国と県と村の要請で御用学者がやってきて安全説法がはじまった。
27日に京大の今中助教が測定して異常な高さであると教えてくれたが、外で大人は仕事、こどもたちは遊んでいる。原子力保安院とかえらい人が安全だと言ったから。

「原発さえなければ」と遺書を遺して隣村の酪農家の友人が自殺した。隣の部落の102歳の女性が家族の邪魔になるからお墓に避難すると書き残して自殺した。その他多数の自殺者が出た。

村はいま雑草だらけで野生の王国と化している。被曝を覚悟で田んぼだけは世話をしているが、あとは放ってある。
ここでスクリーンにずらっとミイラ化した牛の死体が映し出された。その向こうの通路になっているところには豚の足跡がいっぱいだ。倒れた牛を野生化した豚が食べたという。牧場ではイノシシも飼っていたが山に帰って野生化している。

飯館村では村長が国と一体になって除染にまっしぐらに進んだ。放射能は日本の学者によると土着化するから除染がよい、外国の学者によると全部は土着せずに浮遊する。それに山や森の除染をしないと流れ落ちてくる。長谷川さんはいま2本のレールがあると言う。1.除染、2.村を離れること。

こどもに差別が起きている。こどもらは飯館村生まれを背負って生きていかねばならない。自分にはこどもらをすぐに避難させなかった負い目がある。

事故は終っていない。風化させない。収束宣言とはなにを言うているか! 去年まで講演会をするとテレビカメラや記者が来たが、今年はなにも報道されない。

いまは伊達市の仮設住宅にご両親とご夫婦で暮らしておられるそうです。飯館村の24戸が同じ仮設住宅で暮らし、近くの土地を借りて家庭菜園をしているとのこと。

お話が1時半から3時までで質疑応答が30分でした。
以上、わたしのメモから書き写しました。
帰りに本を買ったので読んでから感想を書きます。(長谷川健一『原発に「ふるさと」を奪われて』宝島社発行 1400円+税)

キース・フルトン &ルイス・ペペ監督『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』

映画をよく見ていると自負していたのはいつのことだったやら。いまDVDを貸していただいている映画の大部分はタイトルも知らなくて情けない。
今回の「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」(2005)を見る前にT氏からの解説を読んだ。
【原作は「地球の長い午後」で知られる、英国SF界の奇才ブライアン・オールディズ。ロックと映画、英国が誇る現代カルチャーの鮮やかな結合です。】
まず、ブライアン・オールディズを知らんがな、と言ったら相方がSFの棚から「地球の長い午後」を出してくれた。これもショック。なんか良さげなのでいま読んでる本をすませたら読む。

ドキュメンタリー映画ではないと承知して見はじめたのに、見ているうちにそのままドキュメンタリーとして見てた。
結合性双生児の兄弟として生まれたトム(ハリー・トレッダウェイ)とバリー(ルーク・トレッダウェイ)は、父と姉とともに島で育ち暮らしていた。島にぽつんとある建物がすごく雰囲気があって、海岸で遊ぶこども時代のふたりの姿が楽しげだけど孤独ですごい。
1975年、青年になった彼らを音楽で売り出そうとする人たちが、バンド名をザ・バンバンとして練習をはじめる。美しい結合性双生児を演じるのは美形の双子の兄弟ハリーとルークで実際に11歳からバンドをやっていたというから迫真力あり。
練習が進むにつれ妖しい美しさを発揮し出すふたり。グラムロックの美しさとパンクの激しさを合わせたような彼らの音楽と危うい姿にクラブの客もノリノリになる。

ブライアン・オールディズとケン・ラッセルの本人が出演している。それでますますドキュメンタリーを見ているように錯覚するのか。
よかった、よかった、すごく気に入った。異形の美形に魅せられた。

大阪震災瓦礫の試験焼却日 当日

29・30日はどこにも行かずに家にいるつもりで買い物その他の用事も片付けてある。たいていは家にいるのだけど、家から出ないでおこうと決めると落ち着かない(笑)。
ツイッターでフォロワーさんの動向を見ると、舞州焼却場方面に行った人がおり、家でごろごろしている人もいる。職場の窓から西の方を眺めてツイートされている人もいる。さっそく測っている人もいる。

「そらまめ君」という〈環境省大気汚染物質広域監視システム〉を教えてもらったので見る。〈表示項目〉〈表示日時〉〈表示地域〉などを選択すると〈測定時報値地図〉が出てきて、9つの表示項目を見ることができる。今日はまだふーんと言いながら見ているだけだが、そのうちしっかり理解し把握できるようになるでしょう。

洗濯物を部屋干しして戸締まりをきちんとして換気扇を動かさないでいたが、1日2日だからできるが、2年も続けるのは無理だということがわかった。試験焼却は受ける側の試験日でもあった。
来年、本焼却が始まったらどないしょう。あたしら年寄りやさかいに静かに暮らすしかないな。映画「プリピャチ」に出てきた老夫婦のように。

大阪震災瓦礫の試験焼却日 前夜

大阪の震災瓦礫の試験焼却日がついに11月29・30日(明日とあさって)となった。
去年の12月に〈〈大阪に放射能がくるぞ (+_+) 燃やしていいのか放射能(ー_ー)!! それでいいのか大阪人! 【大 阪】住 民 説 明 会 〉〉という会合に参加して、瓦礫問題が大変なことだとはじめて知った。それ以来、足弱なのでデモや集会はたまにしか行けないから学習会を中心に参加してきた。「311以後 アーカイブ」の後半に木下黄太さん、熊本一規さん、下地真樹さん、守田敏也さんの講演の報告を書いてます。)
それとありがたいことに抗議集会の実況がユーストで中継されるので、大阪市のガレキ説明会の様子も把握できているし、天満署前の抗議活動もしっかり見ている。
だが、ついに大阪市は舞州の瓦礫処理場で岩手県の瓦礫を燃やすことになった。明日とあさって。

さっき、ツイッターを読んでいたら〈大阪おかんの会のブログ〉の紹介があった。
〈【重要】試験焼却開始前の準備をしましょう!〉というタイトル。〈流れ弾に当たらないように「最悪を想定して準備をする!」ということで、大阪ならびに周辺地域の皆様に注意喚起を行います。試験焼却開始前の準備をしましょう!〉というもの。自宅での準備や移動時の注意などが細かく書いてある。

わが家も今日はいろいろ忙しかった。まずベランダに干してある洗濯物を中に入れて部屋干しに。ベランダの掃除をしてエアコンの室外機にカバーをかけ、ベランダに置いてあるものはまとめてカバーをかけた。明日あさっては買い物に行かないように食べ物を買い置き。マスクは風邪用、 N95、N100を買ってある。

今夜は満月。なじかはしらねど半影月食だったそうだ。見ようと思ったときには終っていたが。さっき見たら月は真上にあって、木星を従えていた。昨日の寝る前に見たのは月と木星の他にオリオンとシリウスがくっきり見えた。オリオンの三ツ星も見えていた。今シーズン最初のオリオンとシリウス。

若きSUBとサミュエル・アダムス

先週の金曜日の帰りに来週の月曜日はニューヨークから帰阪中のタロー岡本さんが寄るからと誘われた。わたしはなぜかタローさんのドラムは聞いたことがないのでありがたい。昨日ミクシィでH氏がSUBへ行くと書いておられたので、久しぶりに会うのも楽しみに出かけた。

8時半に着いたらお店いっぱいの人でおどろいた。岡本さんは来られないそうで、若者たちの演奏を聞いたんだけど、いやー、よかった。大阪のジャズ界を引っ張って行く気概の長谷川朗くんなのであった。
メンバーは、長谷川朗(sax) 平野圭介(trombone) 武村一輝(bass) 中道みさき(drums)
わたしはトロンボーンを演奏しているところが好き。いちばん前に座ったのでトロンボーンのスライドの先がすぐ前に延びるのも楽しかった。なんとなくからだを傾けて避けてた(笑)。
時間がすぐに経ってええっ、もうこんな時間か〜 11時過ぎだ。

H氏とはずっと前にSUBで顔見知りになってたんだけど、ゆっくりと話したのははじめて。ずいぶん古いマックユーザーというのもはじめて知った。わたしのほうがちょっと古いが(えへん)。

いつもコーヒーなんだけど、H氏がビールはなににしようと聞いたときにサム・アダムスがあると返事が聞こえた。サミュエル・アダムスはボストンのビール、かのスペンサーが愛飲していたやつではないか。ということでわたしも飲んだ。帰って検索したら間違いなかった。素晴らしい記憶力やな(笑)。ちょっと濃くてうまかった。

マイケル・ウィンターボトム監督『マイティ・ハート/愛と絆』

「マイティ・ハート/愛と絆」(2006)というタイトルでは内容がわからず、マイケル・ウィンターボトム監督だからと見はじめたら、なんと9.11の翌日にパキスタンに着いた特派記者夫妻を描いた作品だった。製作がブラッド・ピットで彼のパートナーであるアンジェリーナ・ジョリーが妻を演じている。原作はマリアンヌ・パールの「マイティ・ハート 新聞記者ダニエル・パールの勇気ある生と死」。

ダニエル(ダン・ファターマン)とマリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)はふたりともジャーナリストでマリアンヌは妊娠5カ月である。
ダニエルはウォール・ストリート・ジャーナルの特派員でアルカイダに関係のある人物と接触しようとしている。この取材がすんだらふたりで帰国するはずだったが、ダニエルはもどらず電話もつながらない。夫妻の友人アスラはイスラム系のインド人女性ジャーナリストで、マリアンヌを助けていつも側にいる。
マリアンヌはアメリカ領事館の担当者、パキスタンのテロ対策組織の責任者、新聞社の上司に連絡すると彼らは続々とマリアンヌの家に集まる。FBI捜査官も加わった。
ダニエルをスパイとする現地の新聞記事が出たあとに拘束された姿のダニエルの写真がメールで送られてきた。
ダニエルの足取りを追っていくとパキスタンのテロ組織が浮かんできた。ダニエルはこの組織に誘拐されて処刑され、ナイフでの処刑シーンのビデオが送られてきた。

ところどころに、ふたりが知り合ったころや結婚式のシーンが入り、ダニエルがユダヤ人としてのアイデンティティを主張するところも入る。
凛としたマリアンヌは夫が処刑されたと知って慟哭するが、テレビのインタビューでは冷静に応対する。処刑ビデオを見たかとインタビュアーに聞かれて、あなたは人間か(こう言ったように記憶)と聞き返すところが圧巻。

SUB、西山さんの遺してくれたもの

10月6日に行って以来だからいままでになく間隔をあけてしまった。午後のお茶も行けずじまいにも関わらず忘れずに歓迎してくれてありがたいこっちゃです(笑)。
この1カ月はまともに音楽を聞かずにユーストばかり見ていたような気がする。演奏がはじまってすぐに幸福感に満たされるのを感じた。

竹田一彦さんのギターに宮上啓仁さんのベース、途中から横尾昌二郎さんのトランペットと長谷川朗さんのサックスが加わった豪華な演奏。
ノリのよい3人連れのお客さんがいて盛り上がった。わたしのことを竹田さんの奥さんかと思ったそうな(笑)。こちらを振り向いて合図したり楽しいひとだなと思っていたら、その方は黒門市場の某有名店の店主で昔から竹田さんのファンなんだって。

休憩時間に何回か会ったことのある女性とちょこっと話をしたのだが、お互いに西山さんの最後の演奏の思い出を持っているのがすばらしい。遺してくれたものの大きさを思う。

その続きの会話から。晩ご飯のあとに出かける習慣というか文化が必要やね。ご飯食べたらテレビを見るんやなくて、たまにちょこっと出かけるのが当たり前になれば、SUBも生きやすくなるし、わたしらも生きやすくなるのにね。

P・D・ジェイムズ『高慢と偏見、そして殺人』(2)

二度目を読み終って落ち着いたとき、ダーシーさんとダルグリッシュが似ていると気がついた。ダルグリッシュのシリーズを映画化するならダルグリッシュ警視長の役はコリン・ファースにお願いしたい。

仕事の合間に手元にあった「殺人展示室」を読んでいたら、ダルグリッシュがエマに結婚を申し込むところがあった。まずこれを読んでほしいと待ち合わせたキングズ・クロス駅で手紙を渡す。「わたしはジェイン・オースティンの小説に出てくるウェントワース大佐ではないけれど、これを読んでほしい」という書き出し。おお、こんなことが書いてあったのか、忘れてた。
ウェントワース大佐は最後の作品「説得」で、アンが8年ぶりに再会するひとだ。

ウィッカムは友人のデニー大尉を殺害した容疑で逮捕される。アルヴェストンが一流の弁護士を頼み万全の準備で裁判に臨む。裁判のシーンがゆっくりしっかりと進んでいくが、当時のイギリスの裁判がどんなものかよくわかっておもしろい。
こころと生活をかき乱す事件が起こってもダーシー夫妻の愛はゆるぎないし、エリザベスは家政婦と執事とその他の使用人をきちんと把握している。田舎の屋敷に住むイギリスの紳士階級がどんなものかよくわかる。

ドロシー・L・セイヤーズの「毒を食らわば」でハリエットが愛人を毒殺した疑いの裁判シーンを思い出した。
ダフネ デュ・モーリア の「レベッカ」もダーシーさんみたいに広い屋敷の主人の裁判シーンがあったっけ。そうそうマンダレー館のマキシムさんだ。

ダーシーとウィッカムはこども時代にいっしょに遊んだ仲だが、一方は領主の息子で一方は使用人の息子である。ダーシーは偏狭なほどにまじめな紳士になり、ウィッカムは金と女にだらしない軍人になった。ウィッカムはダーシーの妹ジョージアナを罠にかけようとしたことがあり、ダーシーは交際を絶っていた。その後、にっちもさっちもいかないウィッカムを、つきあっていたエリザベスの妹リディアと結婚させて生活できるようにしてやったのがダーシーなのである。義絶しているとはいえ義弟なのでややこしい。

P・D・ジェイムズは「高慢と偏見」に、とても納得のいく最後を書いてくれたと思う。
今日は印象だけで書いてしまった。もっと消化したらうまく書けるかもしれない。
(羽田詩津子訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)

マイケル・ウィンターボトム監督『CODE46』

マイケル・ウィンターボトム監督の映画を何本か見て多彩さに驚いている。今日見た「CODE46」(2003)は近未来SFだというので期待して見はじめた。最近とみに〈近未来SF〉はすぐに来る未来のように思えて気持ちがざわつく。とはいえ、超高層ビルが林立する都会の風景や荒れ果てた工場地帯や砂漠化した土地の画面がすごく好き。この映画は上海とドバイで撮影された。

「CODE46」というのは、近未来になると人工授精が当たり前になるだろうという前提で、同じDNA保持者どうしの接近を阻むための規則。妊娠の可能性のある男女は必ずテストを受け二人のDNAが出産に何の問題もないことを証明しなければならない。もし二人がテストをしないまま性交し妊娠した場合は〈CODE46〉が適用され処分される。

調査員ウィリアムス(ティム・ロビンス)はシアトルから上海の工場へ調査にやってきた。飛行場から迎えの車に乗って工場へ入るときは「パペル」というチケットを使う。偶然出会ったマリア(サマンサ・モートン)は「パペル」を製造する工場で働いていて、チケットを正規に手に入れられない人に横流しした。
ウィリアムとマリアは上海の街で食事をしクラブで遊んでマリアの部屋で愛し合う。
バンクーバーの家に帰ったウィリアムは妻と男の子がいる楽しい家庭にもどったが、マリアが横流しした「パペル」を持った人のことで再度調査に行くように命じられる。
再会したマリアとウィリアムは街の外へ出て泊まる。翌朝、持っているものをみんな出して車を手に入れるがスピードを出し過ぎて事故を起こす。
ウィリアムは助けられ記憶を消されて帰国すると妻と子が待っている。なにごとも起こらなかったように文化生活へ。
マリアは記憶を残されたまま「外の世界」に追放され、愛の思い出を胸に砂漠をさまよい続ける。

ティム・ロビンスを久しぶりに見たが大きくて立派な体格なのに童顔なところが好き。サマンサ・モートンを抱きしめるシーンではこどもとおとなくらいの高低差があるのに似合っていた。