「太陽を盗んだ男」(1979)を近所のレンタル店で借りてきた。原爆がテーマであること沢田研二がいいと知ってたけど見ていなかった。原発事故がなかったら見なかっただろう。
中学物理教師の城戸(沢田研二)は毎日満員電車で通勤している。風船ガムというあだ名で生徒になめられているが、休み時間にはいろんなスポーツをやって体を鍛えている。
アパートに帰ると宇宙服のような服装に着替えて原爆を着々と作っている。機材だらけの部屋の中に猫が入ってくるとミルクをやる。この猫の演技がすごい。
生徒たちとバス旅行の帰りに武装した一人の老人にバスジャックされる。そのときにバスに乗り込み、犯人を逮捕し生徒たちを救出したのが山下警部(菅原文太)。山下と城戸はのちにいっしょに表彰される。まだそのときは城戸が犯人だとはわかっていない山下。
城戸は東海村の原子力発電所に忍び込みプルトニウムを盗む。体を鍛えてきた甲斐あり。
城戸は国会議事堂に女装で潜入し、女子トイレに原爆の模造品を置いて出て来る。政府に電話し交渉相手に山下を指名する。逆探知しようにもその前に電話を切ってしまう賢いやつ。でも要求はナイター放送の延長、次はローリング・ストーンズを日本へ呼べというもの。
原爆の材料費をサラ金に借りていたのをほっといてサラ金に追い回されて、警察と違ったと大喜びして、次は現金5億円を要求。
部屋をごろごろしていた猫が死ぬ。城戸も髪が抜け歯茎から血が出る。
5億円はビルの屋上からばらまくように要求。
最後は壮絶なカーチェイスと格闘シーン、沢田研二と菅原文太のカーチェイスと会話と格闘と。
せっかく原爆を作ってみたもののどう利用していいかわからない城戸。
政府のえらいさんは北海道に家族を逃がしたというところがあって、東京の全員を避難させるのは大変ですからというセリフ、笑いごとではない。実力俳優による政府の人たちの姿はいまの政府の人間たちと変わらないと思った。