竹田さんのギターは優しく

竹田一彦さんの演奏日をすっかりご無沙汰してしまった。これ以上行かなかったら「どなたさんでしたっけ」と言われそう。ということで寒い中をSUBへ行った。
はじめは竹田一彦さんと財盛紘さんのデュオで休憩のあとはベースの山本学さんと宮上啓仁さんが入れ替わり、それにテナーサックスの長谷川朗さんが加わって多彩な演奏を聞けた。
やっぱり生音が好き。竹田さんのギターの優しさにほろりとした。

カッコいい竹田さんの弟子の若者と気持ちよく話をした。竹田さんの奥さんと間違われたけど(苦笑)。そういえば西山さん在りし日に愛人と間違われたこともあったっけ(遠い目)。
なんやかんやと楽しい夜を過ごして、帰ったらおいしい食べ物が待っていて、まあまあ幸せ(笑)。

マリオン・ブラウンの訃報をいまごろ知った

天王寺にあったジャズ喫茶マントヒヒの回想サイトに、客としての「マントヒヒの思い出」をと言われて書き出したところだ。最初に行ったときにかかっていたレコード「AFTERNOON OF A GEORGIA FAUN」を確認しようとして検索したら、「横井一江のブログ 【音楽のながいしっぽ】」の「訃報:マリオン・ブラウン」があった。この記事はなんと一昨年2010年の10月のものだ。亡くなられたことを全然知らなかった。(マリオン・ブラウン 1931-2009)

当日記に「突然マリオン・ブラウンを思い出して」を書いたのが2006年1月。マントヒヒのことを思い出したらすごくききたくなってアマゾンでCDを買ったのだ。それでいまうちにはこのCDがあるわけだ。いろんなことを忘れてるなぁ。明日探してきこう。

そのレコードがかかっていたマントヒヒでマスターをしていた、クマこと関西大学教授の木村洋二(当時は京大の大学院生)さんも亡くなられた。マントヒヒとほとんど同時に谷町9丁目でSUBを開店した西山満さんも去年亡くなられた。

1961年の1月10日

昔の知り合いからメールが届いたもので、ジャズ喫茶のことなんか思い出したり、ついでに検索して遊んでいるうちに今日がなんの日か思い出した。51年前に大阪フェスティバル・ホールでアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズを聞いた日である。ものすごい衝撃を受けたんだけど、忘れるともなしに忘れていた。

ところが数年前にSUBに行ったとき、壁に貼ってあるアート・ブレイキーの写真を見て、西山さんにあのときわたしもあそこにいたと言ったらすごく喜んでくださった。それ以来、いろんなお客さんやミュージシャンに「彼女は1961年にあそこにいたんや」と写真を指差して紹介してくれた。毎週金曜日の竹田一彦さんとのデュオのときに竹田さんが「わしも行っとったで」と言われて、三人組みたいな感じになった(笑)。それでSUBへ行くとわたしはクミちゃんだった(笑)。

去年の夏に西山さんが亡くなられた。「暑い! 冷たーい水を呑んでください。 体に気をつけましょうね!」というメールが残った。
51年前に生意気な娘だったわたしはお金を工面して行ったアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズに熱狂したが、西山さんはあまりのすごさにジャズをやめようかと思ったと語っていた。ちょうど50年後にジャズベーシストとしての人生を終えられた西山さんに想いを馳せる夜、わたしは61年前と相変わらず心は生意気な娘(笑)。

SUBで、荘司幸恵Quartet+1

今年はじめてのSUBである。今日のメンバーは、荘司幸恵(P)、鈴木一郎(G)、財 盛紘(B) 中野圭人(D)、with 城下麻弥(vo)。
荘司さんのピアノをはじめて聞いたのはいま当ブログをさかのぼったら2008年8月だった。そのときは西山さんがチェロで加わっていた。はじめて聞いた荘司さんのピアノが陽気にスイングしていてびっくりした。それがいまや老練さまで感じさせる。財さんは当時18歳で初々しかったがいまや堂々とした共演ぶり。中野くんのドラムははじめて聞いたときから新人と思えない度胸とうまさを感じたが、ますますうまくなっていた。鈴木さんは最初から大人だったからいまも大人で穏やかさが持ち味。つまりとても素敵なカルテットになっている。そこに城下さんのヴォーカルが加わった。
個人的体験からなんだけど、おととしごろまで女性ヴォーカルにちょっと引くところがあった。女性ヴォーカルをあんまり聞きたくないと西山さんに言って「わかるけどな」と言われてほっとしたり(笑)。でも西山さんのまわりの若い女性の歌をそろそろと聞き、また個人的に話をしてたら、わたしの偏見は払拭されていた。みんな素直や〜
今日の麻弥さんの歌は去年聞いたときよりずっと成長していた。ということで、あらあら、今日はみなさんの成長ぶりを楽しんだ日だった。

終わってから30年前からこの店の常連であるA氏と話した。なんと同じ日の反原発デモに行かれていた! 話はハート=ネグリの「帝国」までいった。ああびっくり。この本の訳者のお一人をご存知で、わたしはその方が西梅田公園でデモの前に対談されたのを聞いたことを言ったが、ああ驚いた。

PINE BROOKLYNにて PRHYTHM – AMAZON FUNK -  12/31の続き

YA△MAさんのDJがアマゾンを意識した音でどんどん盛り上げて行く。ステージのバックにはアマゾンをイメージして加工した布が張ってあって、それが照明でアマゾン川にも南米の地にも見えるONAさんの素晴らしいデコレーション。

8時、うしろに立っている人たちの厚みがぐっと増していくのを感じつつ座っていたら演奏がはじまった。パンデイロ(ブラジル風のタンバリン、ウィキペディアには「パンデイロ奏者としてはマルコス・スザーノが有名」とある)のマルコス・スザーノがギターのYOSHITAKEさんのほうを見ながら叩く音は不思議なリズムをかもしだして別世界へ連れていく。

今回の演奏にいたるまでにYUSHITAKE EXPEさんの公開リハーサルを秋から3回きいている。それぞれ共演者が違っていてそれぞれよかったけど、その集大成だ。
1ステージが終わったときには、ぺちゃんと座っていたので足腰が疲れて立ち上がった。屋上に出てワインを飲み、昔なじみのピンクさんが子連れで友だちのトトロさんと来ていたのでしゃべったり子どもの相手をしたり。雑貨と食べ物のコーナーでショールを買ったのが暖かい。

2ステージ目は後ろで立ってきいた。後ろの壁いっぱいに現在進行中の舞台が映し出されている。その前の空間で踊るひとたちがいて、すごくいい雰囲気。
10時で一応終わったが拍手でアンコール。ドラムの沼澤さんがすごいのりで叩いてYUSHITAKEさんが神懸かり的に弾きまくって、スザーノさんがこれでもかとパンデイロを叩く。よかった、よかった、来てよかったと友人たちと言い合い笑い合った。
前売り券を買ったらもらえる「YA△MA特製RAWチョコレート」がうまかった。
最後には足が疲れて友人たちとしゃべりまくっている相方をおいて、さきにタクシーで帰った。わたしには明日があるから(笑)。

ジャズ屋台、アラトーリさんのソロ、有音モバイル

5月20日午後に、京都の地下鉄(京都市役所前駅)の改札横と夕方から三条大橋東詰南でアラトーリ歳森彰さんの無音ストリートを楽しんだ。もう一度行きたいと言ってるうちに12月になって、あっという間に年末、ぎりぎり大晦日になって実現した。
【31(土)12pm正午-,1pm-,2pm-,4pm-,5pm-, ゼスト御池、御幸町広場でジャズ屋台、アラトーリのソロ、有音モバイル】
JRの普通電車で本を読んだり窓の外を眺めたりしながら京都着。2回目なので地下鉄に乗るのもさっさといけた。商店街ゼスト御池を歩いて行くといちばん奥の広場からピアノの音が聞こえる。地下広場には布を張ったパイプの小さなベンチが10個ほど置いてあり、道行く人はそこに座って聞いたり、待ち合わせに使ったりできる。
今日はヘッドフォンなしの演奏で「有音ストリート」。半年ぶりに聞く演奏はすごく自信に満ちていてわが道を往っているのを感じた。3歳くらいの子どもが気にするので親もしょうことなしに一緒に見ていたりでおもしろい。杖を持った高齢者のかたが座って足でリズムをとっておられたのがいい景色だった。

30分ほどで休憩になり、奥のレストランでアラトーリさんは定食をたのみ、わたしはコーヒーとケーキでおしゃべりした。ここのご主人が理解者だそうで、道具の置き場所を使わせてもらったりしているそうだ。
即興演奏のこと、ジャズは足が肝心だということ、わたしが行った昨日のライブのこと、原発事故のこと、吉本隆明の原発推進発言が「週刊新潮」に載っていること、ジャズ界のこと、などなど楽しい会話だった。

4時から今年の最終演奏はのりのりで始まり、ピアノを弾きながら口ずさむというか独り言というか、声を出しながら足で調子をとってピアノを弾く。足が肝心なんだ。
立ってピアノの前で見たらいいと言われてそうしたが、ピアノを弾いている前から見るって普通ないよね。おおいに楽しんだ。
子ども連れが楽しんで帰った後に、熟年の男性がひとり体で聞いている。声をかけたらときどき来ているとのこと。大阪からここだけに来たと言ったら、そういうひとがいると帰って妻に話すと言ってた(笑)。弾いているひとも聞いているひとも狂(笑)。

商店街が閉まりはじめた5時に終了。
京都の空気を吸うこともなく地下鉄で京都駅へ。帰りのJR普通車はロマンスカー(笑)新しい車両で気持ちよかった。大阪駅のイカリスーパーで買い物して帰宅。大晦日の夜は更けて行く。

PINE BROOKLYNにて PRHYTHM – AMAZON FUNK –

福島区のギャラリーPINE BROOKLYNでYOSHITAKEさんのライブがあった。ひと月近く前から前売り券を買って楽しみにしていたが、期待どおりに楽しかった。いま軽食を食べてお風呂に入ったところ。書けるところまで書く。

【ブラジルよりパンデイロの革命家マルコス・スザーノを迎えての年末スペシャルプログラム。変拍子+ポリリズムをテーマに、ギャラリースペースならではのインスタレーション、スペシャルなマーケット出店、屋上のTIPIやガーデンバー、新感覚な楽しい要素がいっぱい<前売りチケット購入の方には、YA△MA特製RAWチョコレート付き>】

出演者は、Marcos Suzano (Pandeiro) from Brazil、Numazawa Takashi (Drums) , Yoshitake EXPE (Space Guitar)、Takahashi Minoru (Drums) from nutron、Ieguti Shigeki (Synthesizer) from Para。そしてDJがYA△MA。

6時に着いて会場の2階へ上がると椅子がなくてだだっ広い部屋。横の部屋が雑貨や食べ物を商うコーナーになっている。階上は屋上だがいろんなおもしろいコーナーがあり、テントで飲み物を売っている。三日月が見えて、まわりの超高層ビルの明かりがまばゆい。

7時頃にはかなりの人が集まってきたので、いちばん前にショールを折り畳んでぺちゃんと座った。同じように座った女性としゃべりながら待つ。結局はじまったのは8時だった。演奏がはじまって座っているのはわたしだけ(笑)。

※1月2日に続く。

「聴く」と「聞く」ことについて

この話題はピアニストのアラトーリ(歳森彰)さんのツイートからはじまった。
引用させていただく。
【私は「音楽をきく」が1980年頃は主に「聞く」だったのに「聴く」に変わってきたのを批判する。ぼんやりと「きく」時こそ、本当に音楽は「きこえて」くるからだ。 最近は「聞く:聴く」の関係が「男:男性」(その使い分けも批判する)みたいになってきている。(12月18日) Twitterから】

わたしが会報その他やネットなど人の目にふれる文章を書くようになってから20年くらい経つ。それまでは読むいっぽうで書くのは覚え書きくらいのものと手紙(これはたくさん書いたな)だった。うんと若いときは文学仲間と同人誌出していて評論(?)みたいなものを書いてたのと、登山仲間の会報に登山記録(?)を書いていた。
そういうことはご破算にして、ブログをやりだしてからは自分の考えていることを真剣に文字にしている。

本を読むことの次には音楽を「きく」ことがずっとあった。そういえば、1980年頃はパンク一辺倒の時代で、耳で「きく」というより体で聞いていて、ホールでは体をゆらし狭いところでは踊ったこともあった。ほとんどライブで音楽と自分がいちばん密着していた時代だ。
その前にはジャズを聞いていた。さきに「聴いていた」と書いてみたが、ジャズ喫茶で神妙な顔をしているときは「聴く」で、行きつけの店でしゃべったり笑ったりしてたときは「聞く」ほうだったな。体験としては「聴く」から「聞く」ほうへ向かっていた。

それから音楽に関しては暗黒の10年があった。公園猫にご飯を運んだ3年のあとにMacに夢中の時代がきてヴィク・ファン・クラブ、そして震災ボランティアと音楽と離れていた。CDでクラシックやアイルランドの音楽をきいてはいたんだけど。

ブログに音楽のことを書こうとすると、演奏者に敬意を表さなあかんと思って(笑)、「聴く」に統一してしまった。そうすると自分でも聴こうと思うようになり真剣な顔して聴いている(笑)。そしてなんかカッチョいいことを書いてやろうなんて思っている(笑)。ほんまここいらへんのことは笑ってごまかします。

今年はいまこうして考えていることの元になる素晴らしい体験をした。アラトーリさんの「無音ストリート」とYOSHITAKE EXPEさんの公開セッションだ。だからアラトーリさんのツイートにすぐに反応できた。

SUBで聞く

前半はギターの竹田一彦さんとベースの財盛紘さんのデュオ、後半はセッションでテナーサックスの長谷川朗さんとドラムの弦牧潔さんが加わった。
11月12日以来のSUBだ。元気な竹田さんと挨拶、今年はいろんなことがありましたねとしみじみと。若いミュージシャンとしゃべって、生の音にひたっていると幸せ感がじわじわとわいてきた。ちょっと聞いてなかったうちに財さんが竹田さんに添った演奏をしているのがわかった。後半では、久しぶりの弦牧さんのドラムと、はじめて聞く長谷川さんのサックスが入って、心地よかった。やっぱり生音が好きなんやな。わたしの最近のテーマソング「朝日のようにさわやかに」をリクエストした。

いままで「聴く」と書いていたのを「聞く」にする。聞くと書こうと思ったら気持ちが解放された。しっかり聴くんでなくて、自由に聞く。
この件今度ゆっくり書くつもり。

EXPEさんの公開リハーサル

COMPUFUNKで8時からYUSHITAKE EXPEさんの公開リハーサルがあった。わたしが行くのは3回目。サイトのスケジュールに[nutronのドラム&南米アルゼンチンドラマーのツインドラムに、タブラ、パンデイロ&シェケレのツインパーカッション、+ギター&シンセサイザーによる変拍子/複合拍子/ポリリズムAMAZON FUNK!]とある。読んだだけでそそられる。
メンバーは、EXPE : Space Guitar Takahashi (Dr) from nutron Marcelo (Dr) from Argentina Yuji (Tabla) from Amadoo Taro (Per) from Soft Ieguti (key) from Terras,Para

8時に行ったらもう打ち合わせがはじまっていたので、慌てて椅子を引き寄せた。打ち合わせから見られるんだからいい。公開リハーサルでなければ味わえないオマケ。
いつも真ん前に座るのだが、今日はちょっとうしろになった。でもすぐに前の人が立ったので、よい案配に一番前をゲット。椅子に座る人は少なくて(椅子も少ない)ほとんど立ってはるんやけど。高齢者特権で(笑)。

左の斜め前と右の斜め前に2メートルほど離れて向き合ってドラムセットがあり、正面にパーカッションとシンセサイザー、左横にパーカッション、全体の真ん中にギターが機材とコードに包囲され。
ドラムが2台って想像もつかなかったが、同時に叩くのだからものすごい音量だ。同じように強く長く叩くときもあり、片方が強く片方が穏やかというところもあった。そしてパーカッションも2人が休みなくいろんな楽器を叩き続ける。シンセサイザーが加わる。その間を縫ってYUSHITAKEさんが駆使するギターの音がうねる。
それが休みなく2時間近く続いたのだから聴くのにも体力と精神力がいった。最終的にすごい快感がやってきた。ポリリズムAMAZON FUNK! オーケー!!

終わってからバースペースでレミちゃんの話し上手に誘われてなんだかだといっぱいしゃべって楽しかった。帰ってから会報作りとツイッター読み、そしてお風呂。