デヴィッド・ヒューソン『キリング 2 捜査』

昨日本を送っていただいのを超特急で読んでしまった。地下鉄を待つ間、電車に乗ってから、SUBで演奏がはじまるのを待ちながら、ずっと読んでいた。もちろん家でお昼は個食だったので食べながら、会報のコピーをとりながら、ずっと読んでいた。そう、昨夜寝る前も。落ち着きのないことはなはだしい。自分のミーハー魂に自信を持った(爆)

デンマーク警察の女性警部補サラ・ルンドは、スウェーデンに結婚を約束した相手がおり、前夫との息子マークといっしょにスウェーデンに移住する予定なのに、この事件のために出発を一日延ばしにしている。そのたびに温厚なベングト・ロースリングに謝っている。スウェーデンでの家族友人たちとのお披露目の日もせまっている。どないすんねん、サラ。
19歳のナナには秘密があった。その秘密をサラと新任のイエン・マイヤとが探る。サラとマイヤとの間は最初のうち険悪になったりしたが、いまはお互いに認め合ったはぐれ者どうしの友情も芽生える。
教師に疑いがかかったのを知ったナナの父が勝手に恨みを晴らそうとして迷走。教師への疑いが晴れると一転、異なった容疑者が浮かぶ。
その間に市長候補ハートマンへの嫌疑が浮上。
サラは古いコートの下にフェロー諸島産の手編みセーターを着て、髪は無造作に結んだポニーテール。このドラマが放映されたお陰でセーターは売り切れ、生産が追いつかなくなったそうな。

おもしろかった。どんどん読んでしまった。毎月1冊出るそうである。3月、4月が待ち遠しい。「キリング」を楽しむ春、早くこい。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 880円+税)

ダイアン・デヴィッドソン『クッキング・ママと仔犬の謎』

ダイアン・デヴィッドソンのクッキング・ママシリーズの16冊目。厚くて今回もいらいらはらはらしながら読んだ。このいらいら感がこのシリーズの特徴かな。
このブログでは、「クッキング・ママの供述書」「クッキング・ママの鎮魂歌」「クッキング・ママの遺言書」「クッキング・ママのクリスマス」「クッキング・ママのダイエット」に続いて6冊目である。
ずっと買って読んできて途中で買うのを忘れたのを図書館で借りたのが2回、いまはSさんが貸してくれるのを待って読んでいる。
毎回、物語が終った後にケイタラーの主人公ゴルディによるレシピがついているせいか、コージーミステリに分類されるが、内容はハードで女性探偵ものといったほうが当っている。

今回も優しい夫のトム(警察官)と前の夫との子アーチー(16歳になった)とケータリング業をしながら暮らしているが、アスペン・メドウの町に不景気の風が吹いて仕事が落ちこんでいる。そんなときにキューバ系アメリカ人のヨランダ(35歳の美人)から仕事をまわしてほしいと電話があった。彼女は大おばさんフェルディナンダを抱えて苦労している。フェルディナンダは無収入で車椅子生活である。ヨランダを雇うことにするというと、トムはつきあっている人間が悪いと遜色をしめすが、結局は好きにやればいいとトムは折れる。
ヨランダが借りていた家が放火され全焼した。私立探偵アーネスト・マクラウド(元優秀な警官)の家に身を寄せるが、ここも不審火で焼け出され、マクラウドは射殺される。マクラウドのやっていた仕事は、動物愛護活動家の依頼で金儲け主義の“仔犬工場”を閉鎖に追い込むことだった。
仔犬を9匹連れたヨランダとフェルディナンダがゴルディの家に居候することになる。

今回はゴルディはもちろんだが70歳を越えたフェルディナンダが大活躍。車椅子に隠した特殊警棒で気の食わないやつはがつんとやる。彼女はキューバのラウル・カストロの軍隊で狙撃手だった。車椅子に座っていても体を鍛えるのは当たり前。革命前のパティスタ政権のときはハバナのカフェで料理人をしていた。カバーの写真が彼女のつくった料理プエルコ・クバーノ(キューバ風豚肉料理)、うまそう。
(加藤洋子訳 集英社文庫 1100円+税)

デヴィッド・ヒューソン『キリング 1 事件』

訳者の山本やよいさんからいただいた本。風邪で体力低下のためコージーなものばかり読んでいたので遅くなったがようやく読み終った。読みはじめたら一直線。
表紙カバーに〈デンマーク史上最高の視聴率を記録した警察ドラマ! シーズン1・TVシリーズの小説版〉とある。どういうことかしらと、解説から読み出した。
いま北欧ミステリの人気が高まっていて「ミレニアム」三部作が世界的人気である。わたしは「ミレニアム」は読む気が起こらないのだが、その他の北欧とドイツの作品はけっこう読んでいて、その魅力にはまっている。
本書はデンマークの首都コペンハーゲンを舞台にした警察小説である。元々はソーラン・スヴァイストロップのオリジナル脚本によるテレビドラマであるが、イギリスでの人気があがったためにイギリスで小説化が企画された。そして執筆者がデヴィッド・ヒューソンに決まった。
デヴィッド・ヒューソンはヨークシャー出身のイギリス人で、ローマ市警のニック・コスタ刑事が活躍するシリーズ(わたしはニック・コスタ刑事ファン)や、ヴェネツィアを舞台にした作品がある異色の作家である。英語で書かれたデンマーク警察の物語が自然に読めるのもうなづける。

小説「キリング」は4回に分けて出版される。本書は「1 事件」で、物語の最初は19歳のナナが必死で森を逃げまわるところからはじまる。すぐ次の章になって、デンマーク警察の女性警部補サラ・ルンドが登場する。彼女は婚約者のベングトと前の夫との息子のマークと3人でスウェーデンへ引っ越すことにして、今日はデンマーク最後の日である。後任のイエン・マイヤがやってくる。気の合いそうにない二人のところへ上司ブシャードが来て、仕事だという。
発見されたのは血のついたブラウスとレンタルビデオのカードだった。カードの名前はナナの父親タイスのものだった。二人の警察官は家を訪ねてナナが在宅かと聞く。
やがて、運河で車が見つかりドアをこじ開けるとナナの死体が現れた。車は市長選挙立候補者のハートマンの選挙活動用のものだった。
サラ・ルンドに上司はスウェーデン行きを延期するように要請する。今週中はいると返事をしたサラにイエン・マイヤはすぐに交代したいという。サラの指揮の下では働きにくい。だがサラはすでに事件にはまりこんでいる。

サラ・ルンド、カッコいい。話を聞くのがわたしの仕事ですと執拗に質問する。大きな目でじっと見つめられると相手はたいてい話し出す。もうデンマークの自分の住まいは片付けてあるので、母親の家に泊まっての出勤である。婚約者に謝りつつご飯を食べるのも忘れて捜査にかかりきる。
第2部が待ち遠しい。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 780円+税)

関西翻訳ミステリー読書会(アーロン・エルキンズ『古い骨』

第9回関西翻訳ミステリー読書会に行った。わたしの参加は6回目。前回は大好きな作家の第1作(ヘニング・マンケル「殺人者の顔」)だったから、喜び勇みすぎて、批判的な意見にがっくりきたりした(笑)。
今回のように好きでも嫌いでもない作家だと気がラクだという真理がわかっておもしろかった(笑)。

夕方早めに出て堂島のジュンク堂へ行きたかったが、梅田大丸IRIEでパン(シナモンロール)を買って大阪駅構内へ出たら歩く気が失せて、ヒルトンホテルのジュンク堂で間に合わせることにした。そしたらなんのこっちゃ買うつもりの本のタイトルも作者名も覚えていなかったのであった。堂島のジュンクなら棚まで行けばお目当ての本はあるのにね。まだまだ手元に読む本はいっぱいあるので、探すのを諦めて椅子に座って休んでから読書会に行った。

今日の寒さは大寒寒波なんだって。寒さの中をみなさん元気に出てこられて、和気あいあいとしゃべった。みんなの冷やかしや笑いも暖かかったのは、主人公ギデオン・オリヴァーの人柄によるのかもしれない。このシリーズの翻訳が15冊も出ているということは愛されている作家&主人公ということだろう。

久しぶりの本格的外出だったので、疲れてちょっとぼーっとしたが、元気に帰れてよかった。このブログを読んでくれている人が2人いたのもうれしかった。
帰ったら、約束のうどんができていた。お餅と揚げとネギの入った熱〜いうどんで二度目の晩ご飯。デザートはシナモンロールとヨークシャーティー。

リリアン・J・ブラウン『猫は殺しをかぎつける』

1988年発行の本で出たときから知っていたのだが、猫が家にいて、なにからなにまで猫づくし生活をしていたので、ミステリまではと遠慮したのだった。
仕事場が別にあったときは、猫のためにクッションやぬいぐるみを置き、あちこちに膝掛け毛布や布があり、部屋そのものが「花子の家」だった。
そんなことを思い出しつつ翻訳の出たシリーズ最初の本を読んだ。
検索したら29作も出ているんだ。そのうち25冊がここにある、ヤッホー〜
1966年から書きはじめている息の長いシリーズを、ずっと待っていて読むって快楽だったろうな。
Jさんに頂いた本、とにかく早く読んで次にまわそう。

2匹のシャム猫「ココとヤムヤム」と飼い主の新聞記者のジェイムズ・クィラランの楽しい物語。クィラランは独身で身長6フィート2インチ、しかし体重は医師から30ポンド減量を言い渡されている。そんなときに新しいグルメ記事を書けという編集長のお達しがある。

読みながらクレイグ・ライスみたいだと思った。ユーモアとか女性がクィラランに話しかけるところとか。
おデブちゃん友の会—全員重量級—の会合では堕落者が罪を告白する。趣味を持ちなさいと言われて、食べるのが趣味なのって答えたのには笑った。
猫だけでなく食べることが好きな人にもおすすめ。

アーロン・エルキンズ『古い骨』

関西翻訳ミステリ読書会の課題書を早めに買って読んだ。アーロン・エルキンズの本を読むのは5年ぶりで3冊目になる。5年前の2008年に読んだ「骨の島」の感想に「古い骨」を読んだことがあると書いているが、それは間違いで、「暗い森」を読んだのだと思う。たしか友だちと話していて、彼女が持っていた本のモン・サン・ミッシェルの写真について話した覚えがある。「モン・サン・ミッシェル、絶対に行くからね」と彼女は言った。阪神大震災前のまだバブルが消えてないときだった。その後、彼女の仕事も泡と消えてつきあいも切れた。そんなことを思い出しつつ読んだ。1冊の本にもいろいろまつわる話がある。

妻のジュリーと結婚して熱々の(13冊目も熱々だが)人類学者ギデオン・オリヴァーは、一片の骨から真実を暴き出すことができる人である。そして彼が出かけると〈骨〉がある。

今回はモン・サン・ミッシェルの島で〈国家警察北海岸地方犯罪捜査部〉のジョリ警部が出席している司法人類学の講習に、ギデオンが講師として参加している。今日はプルターニュ地方ではあいにく白骨死体のからんだ殺人事件がないので標本を使うとギデオンは話し始める。

ところが、古い屋敷での晩餐会のあと、すぐに地下室で紙にくるまれた白骨が見つかる。
今朝方、満ちてきた潮に引きずられて死んだ老人の死に方もおかしい。
過去の事件と今日亡くなった老人と、遺産相続の件で集まった人たちと、事件に首をつっこんだギデオンとアメリカ人のFBIのジョンはジョリ警部と協力して真犯人を追いつめる。
(青木久恵訳 ハヤカワ文庫)

うだうだしながら『異人館』を読む

おせち料理を作らないといつもと同じように食事作りをやらなあかん。どっちもどっちやな。掃除もそろそろせねば。洗濯は毎日している。洗濯物が溜まるのがいやなんで。

暮れに昔懐かしい生姜煎餅を買っておいたのを開けた。うまい! 煎茶にぴったり。暮れからいろんなお菓子をもらったり買ったりしてあるが、これがいちばん美味かも。

読んでいる本はレジナルド・ヒルの「異人館」。再読だがおもしろい。図書館で借りているがこれも買っておこうかな。ダルジール・シリーズは全部そろっている。ジョー・シックススミス・シリーズは3冊のうちSさんにお借りした2冊と図書館でいま借りている1冊。これは持っていなくてもいいか。去年お亡くなりになったので、これ以上は読めないのがさびしい。「異人館」すっごくいい。

今日はふとん乾燥機をかけてぬっくぬくして寝よう。「異人館」を読みながら。

エドワード・D・ホック『サイモン・アークの事件簿 IV 』

すでに出ている3冊は著者が選んだものだったが、今回は訳者が選んだ8作が同じように年代順に並んでいる。二千年の歳月を生きている謎の男サイモン・アークは今回も8件の難事件に立ち向かう。同行する〈わたし〉は若い新聞記者のときにサイモンと知り合った。その後ニューヨークの出版社〈ネプチューン・ブックス〉の編集者になり、部長、副社長、発行人と順調に出世し、退職したあとは編集コンサルタントになった。作品の年代によっていろんな立場にいるが、いつもなんとか日にちを繰り合わせて、サイモンが声をかけるとどこにでも同行する。

目次を見ていたら「切り裂きジャックの秘宝」「ロビン・フッドの幽霊」とイギリスだとわかるタイトルがあったので、その2作から読み出した。イギリスを舞台にしたのは他に「悪魔の蹄跡」と「死なないボクサー」がある。半分がイギリスが舞台だ。二千年生きているサイモンだからイギリスが合うように思う。
「悪魔の蹄跡(ひづめあと)」、この一作だけは書き手の〈わたし〉がいなくて、ロンドンから架空の地ノース・ブラッドシャーへ向かう二等車両で、サイモンとロンドン警視庁のアッシュリー警部が出会う。いっしょに現地に着いて調査に同行したサイモンは、雪の積もったイギリスの田舎の怪事件を現実的に解決する。

「切り裂きジャックの秘宝」では、いかにもな感じのロンドンの古書業者が出てきて期待させる。「切り裂きジャックが狂人でも性的異常者でもなく金銭的利益を目的として冷徹な計算をしていた殺人鬼だったという証拠を、わたしは持っているんだ!」という視点での物語の終わりは充分に満足できた。

「ロビン・フッドの幽霊」は、ロビンフッドの地ノッティンガムの迷路の話がおもしろい。
「黄泉の国の判事たち」では、〈わたし〉に電報が届く。「きみの妹と父が自動車事故で死亡、すぐ来い」。故郷へ妻とともにもどった〈わたし〉の過去が明かされる。

いずれも怪奇に満ちた事件を合理的に解決するサイモン・アークの事件簿。でもサイモン・アークの存在自体が神秘だからこれでいいのだ。いつものように木村仁良さんによる丁寧な解説がうれしい。
(木村二郎訳 創元推理文庫 980円+税)

あこがれのヨークシャー ティー

近所のスーパーへ行ったら成城石井の商品を置いてある棚が増えていた。眺めていたら目に入ったのがヨークシャーティーの箱。さっそく買った。濃くておいしい好みの紅茶、それに加えて、ダルジール警視、パスコー主任警部、ウィールド部長刑事がひっついて、しばしレジナルド・ヒルを追想した。

いまヨークシャー ティーで検索したらすごくポピュラーな紅茶なんだ。世界中で毎日900万杯以上飲まれているとは。知らなんだ。
もちろんヨークシャーで茶の葉が採れるわけがなく、原産地はケニア、ルワンダ、ブルンジ、南アフリカとなっている。
【イギリスでも長年愛される紅茶のひとつ、ヨークシャーティー。3世代にわたるファミリービジネスで受け継がれている信頼と味は、ヨークシャー地方にあるハロゲイトにて1886年チャールズ・テイラーにより創業されました。あらゆる水を研究して完成した紅茶は多くの消費者に支持されています。】
とのことで、もちろんネット販売されている。ピーター卿御用達のフォートナム&メイソンは知っていたけど、テイラーズ オブ ハロゲイトは知らなかった。

わたしがヨークシャー ティーを飲みたいと思っていたわけは、もちろん大好きな作家レジナルド・ヒルがヨークシャーの人で、ダルジール警視シリーズは中部ヨークシャー警察の物語であり、作品中にも出てくるから。「午前零時のフーガ」でダルジール警視は「濃いヨークシャーティーをポットで頼む。あとパーキンもいいな」とホテルのテラスで頼む。この一節を読んでバカみたいにヨークシャーティーとパーキンと言っていたら、友だちがパーキンを焼いて送ってくれたことがあった。
いまアーカイブを読み直してみた。作り方を訳者の松下さんが教えてくれ、それをSさんが焼いてくれたのだった。おいしかったなぁ。
今日はケーキの代わりに乾燥ナツメヤシの実を食べたが、お茶とよく合ってうまかった。

ヨハン・テオリン「黄昏に眠る秋」

去年の4月に出た本で、書店で見たときに今度買おうと思ったまま忘れていたのが図書館にあった。タイトルが好みなのとスウェーデンの作品というのが気になっていた。
他の本を読む合間に読んでいたのだが、途中から用事をほったらかしての熟読になった。

いま世界から注目の北欧ミステリの中でも特に注目されている作家、ヨハン・テオリンの2007年に出版された長編デビュー作である。
バルト海にある南北に長い島エーランド島が舞台になっている。スウェーデンはヴァランダー刑事でおなじみのヘニング・マンケルの作品の地だから、主人公の元夫がマルメにいると書いてあると、「ああ、あそこか」なんて(笑)。

1972年、6歳の誕生日をひかえた少年イェンスは初めて祖父母の家の壁を越えて庭の外の世界に踏み出した。やがて濃い霧が出てきて帰る方向がわからないくなった。そこへ大男のニルス・カントが現れる。もうイェンスは逃げられない。
家族や村人の捜査もむなしくこどもは見つからなかった。
それから20年経ったいま、看護士をしている母親のユリアは精神科治療のために病欠の延長を病院に電話申請する。
夜になると赤ワインを開けグラスを傾けるとあっという間に2本飲んでしまった。そこへ父親のイェルロフから電話がかかり、イェンスがあのとき履いていたサンダルの片方が郵便で送られてきたという。

物語は1936年にさかのぼる。海にいた10歳のニルスは、3歳年下の弟が母からもらったタフィが自分より3個多いのが気に入らず水死させてしまう。そこからニルスの悪行がはじまる。

イェルロフは元は貨物船の船長だったが、80歳になり高齢者ホームにいる。シューグレン症候群にかかり手足がしびれて歩けないときがある。
ぎくしゃくした関係のままユリアは父親のことをイェルロフと名前で呼んでいる。島に来た夜は父親の持ち物のボートハウスに泊まることになる。夏は避暑地として観光客で賑わう島だが、別荘はみんな閉ざされてさびしい。
イェルロフはサンダルの件からもう一度事件に向き合って考えようと、ユリアとともに動きはじめる。
(三角和代訳 ハヤカワポケットミステリ 1800円+税)