髪を整え、体を整え、ヴィクの活躍を読む

髪が伸びて頭のてっぺんの白髪がむき出しになっていたのを、ようやく昨日美容院シュリットできれいにしてもらった。気持ち良くしてもらいながらおしゃべりしたり聞いたり。相手が若くて話題が多いから聞くほうが多かったけど、楽しく情報交換できた。コーヒーとお菓子も出て名犬シェルくんと遊んでいい午後を過ごした。

今日はつるかめ整体院で体の手入れをしてもらった。ずいぶんと左の肩が凝っているそうで、なにをしたか聞かれた。本とパソコン前としかいえないなあと考えていたら、ブログを読んでくれてはるから「年賀状」のせいだと理由をいってくれた。ペンを持ったのは右手だけど左が凝るのね。

サラ・パレツキー『カウンター・ポイント』を再読中だけどまだ読み切れてない。25年前の恋人が出てくるんだけど、読者には初お目見えである。早川書房の最初の広告に書いてあったので、友だちと誰のことかなあと話し合っていた。彼女がいままでの恋人の中でコンラドッドがいちばん好きというので、わたしもコンラッドが好きだと答えたのだが、彼ではなかった。コンラッドは警官として出てきて、ヴィクに好意を持っているけど、今回もやりすぎるヴィクを食い止めようとする役。
物語の発端で依頼人として現れるフランクが正解なんだけど、シリーズのいままで出てきてない。
さあ、コーヒー淹れてもうちょっと読もう。

あくびがとまって体力回復

昨夜はネットでペドロ・アルモドバル監督についての記事を探して読みふけった。その後は同監督の最新映画『ジュリエッタ』の原作、アリス・マンローの『ジュリエット』を相方が読んで感動したという話で大盛り上がり。本を貸してくれたのでわたしはこれから読む。

読み終わったサラ・パレツキー『カウンター・ポイント』の物語の25年前の出来事や登場人物のことがシリーズ3作目『レイクサイド・ストーリー』にあると山本やよいさんが「あとがき」に書いていらっしゃるので読み始めた。こうなったら第1作の『サマータイム・ブルース』から読み返すのがいいかなと思うが、いまの未読本の山を見るとそうもいかず、悩むところなり。

昨夜はそんなことで遅くまでしゃべったり読んだりで寝るのがまた遅くなった。寝つきが悪いから朝がしんどい。だけど今日は姉の家で姪一家と宴会だったのでご馳走を買っていった。お酒はひかえたが食べるものはよく食べた。デザートにぜんざいが出たのもしっかり食べた。寝不足プラス食べすぎで帰りはふらふら。
帰ってまずお風呂に入ったら、それからあくびの連発。机に突っ伏してひと寝入りしてようやくあくび回復、食欲回復。晩ご飯をつくってくれたのを食べコーヒーを飲んだら体力も回復した。また今夜も夜更かしか。仮眠したからええか。

サラ・パレツキー『カウンター・ポイント』を読み出した

ヤマト運輸の「ネコポス」で本が届いた。ありがたいシステムやなあとしみじみ包みを眺めてから開いた。最初の数ページしか読めなかったけど、ヴィクの事務所に依頼人がきた。昔の恋人!
本にはまり込んでばかりいられない。まずはヴィク・ファン・クラブ会報の「あとがき」を片付けなくてはととりかかった。書き上げないうちに晩ご飯になった。あとは夜なべ仕事だ。
晩ご飯の片付けしてからすこし読もうと思ったが、毎夜定期便の姉への電話20分がある。天気予報に夜中に雨があがって明日は天気になるとあったので、洗濯機に走った。夜中に干しておけば明日ぎりぎりまで寝ていられる。明日は姉の家で晩ご飯を食べる。帰るまで読書はお休みだ。だからこれから会報できるぶんやって本をできるだけ遅くまで読むことにする。

25年前の恋人が出てくると広告で読んで誰のことかしらと考えていたけど、わからないはずだ。そんなことがあったなんて。その相手がヴィクの探偵事務所にやってきて25年前の事件を調べてほしいと頼む。いやいや頼まれてしまうヴィクだが、このあとのめり込むんだろうな。とんでもない事件があったのだろうなとドキドキしながら読む。楽しみ〜
文字が大きく読みやすいのはありがたいが622ページもあって重い。通勤読書は無理みたい。わたしは通勤してないけど老婆心で(笑)。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1300円+税)

大崎善生『聖(さとし)の青春』

わたしの読書範囲にはない本だけど友だちが持っていると聞いて貸してもらった。〈「聖の青春」(2000年・大崎善生著):第13回新潮学芸賞、将棋ペンクラブ大賞を受賞。〉映画にもなって松山ケンイチが村山聖を演じている。

あらゆる勝負事から遠いわたしだが将棋と囲碁には憧れをもっている。子供のときは兄が2人いて家には将棋盤も碁盤もあった。兄たちが少し相手をしてくれようとしたときもあったが、まるでだめだった。なんとなく将棋の駒の文字が好きで並べ方だけは覚えたけど、それだけ。
「ふけばとぶよな将棋の駒を・・・明日は東京にでかけるからに・・・」とお風呂に入ると歌うぐらい好きな歌もある(笑)。

村山聖棋士は広島に生まれ、子供の時にネフローゼにかかって長いこと入院生活を送り、院内学級で過ごした。入院中に父に将棋を教えてもらい熱中し、母に本を買ってきてもらい独習する。10歳で将棋教室に通いアマ四段に認定、中学1年でプロ棋士を目指す。
大阪の森信雄に紹介され弟子入り。病身の村山を親身に世話する森は、寝込んだ村山のために少女漫画雑誌を探して本屋を駆け巡りもした。髪を洗ってやるなど日常の世話、すごい師弟関係である。

29歳で亡くなるまでの将棋に生きた村山聖の人生を描いていて一気に読みきった。
著者 大崎善生さんは元『将棋世界』編集長で東京に出た村山の世話をした。
(角川文庫 640円+税)

サラ・パレツキー『カウンター・ポイント』発売をジョニーウォーカー黒ラベルで祝う

昨日のラジオの天気予報で明日が寒さの底だと言っていた。ほんまに寒い。
外出嫌いではないのだが、こう寒いと家で本を読んでいるのがいちばんいい。飽きたらパソコンがありツイッターが待っている。年末だって自分が構わないのだから掃除は適当。洗濯だけはきちんとやっている。
ヴィク・ファン・クラブの会報作りを午後に少々やったが、ページどりを間違ってやり直したりちょっとボケてきたかと心配になったりして(笑)。土曜日だし公私とも働くのはやめることにした。用事が溜まるけど。未読本の山があるので片付けなくてはいけないし。

もうちょっとしたら寝る前のウィスキーを飲むつもり。サラ・パレツキーさんの『カウンター・ポイント』が20日発売される。久しぶりに私立探偵V・I・ウォーショースキー(ヴィク)愛飲のジョニーウォーカー黒ラベルで前祝いってこと。本棚から何冊か取り出して拾い読みしながら。

ネレ・ノイハウス『死体は笑みを招く』

ドイツの女性作家ネレ・ノイハウスの作品を読むのは『深い疵』(2009)『白雪姫には死んでもらう』(2010)に続いて3作目。
フランクフルトに近い町ホーフハイム刑事警察署の主任警部オリヴァー・フォン・ボーデンシュタインと同警部ピア・キルヒホフが活躍するシリーズである。
事件が起こり複雑な様相になるが、熱心な捜査活動で核心にせまる物語に加え、警察官の私生活がからんで読み出したら離せない。
今回はオリヴァー警部の結婚生活の危機になるような妻との会話があり、殺人事件を抱えた警部が仕事を休んで妻につきそう。代わりに事件解決の責任者となったピアは中心になって指揮しようとするが、上級警部のフランクにことあるごとに嫌味をいわれる。ピアが小さい農場を持って馬を飼っていることが気に入らないのだ。その金の出処についての悪口が出回っていると同僚のカイにいわれる。ピアは上手に株を売買して運良く手にいれたお金と説明する。
ピアから別れ話をして法医学者の夫と別れて暮らしているが、向こうはピアとよりをもどしたい。事件捜査中に知り合った若者からも好意を寄せられ、殺人事件の舞台となった動物園の男性とはお互いに好意を持つ。

どどっと読んだので事件がつかめてない。そのうちもう一度読むことにして、次の本が待っているので移動する。
読んだ印象だけど、何日もかけて読んだピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』と比べるとものすごく読みやすかった。フランスとドイツの差も感じたし、男性・女性の差も感じた。
(酒寄進一訳 創元推理文庫 1200円+税)

ピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』

いつものようにさっと読み終えてから気になるところを熟読した。これでカミーユ・ヴェルーヴェン警部のシリーズ3冊を読了。
去年の11月に読んだ『悲しみのイレーヌ』と『その女アレックス』(発行は14年9月)がよかったので待ち望んでいた3冊目である。
ヴェルーヴェン警部はどんな難事件でも打ち込んでやりとげるのは前の2冊でよくわかっていたが、今回も驚くべき事件が起こったのを短い時間で解決する。

彼の第一の特徴は背が低いこと。わたしとほぼ同じなのだが、日本女子のなかでも背の低いわたしと同じではコンプレックスになるのは当然。50歳で禿げかけていて身長145センチで、最愛の妻を亡くして孤独な生活を送っていたカミーユに若い恋人ができた。アンヌとは再婚はしていないがいっしょに暮らしている。
その朝、アンヌはカミーユの手を振りほどきベッドを出た。通勤中に武装強盗に襲われ瀕死の重傷を負う。報告を受けたカミーユは事件に疑問を持ち、自分の恋人とも知り合いともいわずにたまたま起きた暴力事件として捜査をはじめる。
物語は1日目、2日目、3日目に分かれて、カミーユが事件を追う姿が刻々と記される。上司や同僚や部下にアンヌとともに暮らしていることを隠しての捜査は自身の地位を危うくする。

カミーユの言葉
「愛のためなんかじゃない。状況がこうさせたんだ」
「どん底に落ちることになっても、誰かのためになにかを犠牲にできるっていうのは、そういう誰かがいるっていうのは、悪くないと思う」にんまりして「この利己主義の時代に、なんとも贅沢な話じゃないか。え?」
(橘明美訳 文春文庫 840円+税)

今日からピエール・ルメートル

昨日までイーヴリン・ウオー『ブライヅヘッド ふたたび』でどっぷりイギリスにはまっていたが、今日はピエール・ルメートル『傷だらけのカミーユ』を読み出した。買ったときに最初の数ページを読んだだけだった。3部作の3作目であるのを知ってはいたが、前2作をほとんど思い出せなくてあせった。昨日ウオーの感想を書いたので一区切りつけ、今日からはと積んである本から探し出した3冊。カミーユ警部が主人公の『その女アレックス』『悲しみのイレーヌ』、違う味わいの『死のドレスを花婿に』の3冊とも既読で開いたら思い出した。もう2冊持っている『天国でまた会おう 上下』は未読。早く読まなくては。

2作をざっとさらって思い出してから新作にとりかかった。
最初は読み出したもののなかなか入り込めない。カミーユの恋人として登場したアンヌがひどい災難にあう。すごく詳しく襲われたシーンを描いている。なんかちょっと意味ありげな書き方が引っかかる。なんて考えていたが、まだアタマの中にイギリスが残っていたみたい。夕方になってようやくフランスアタマになってきた。そうなるとおもしろくなり、さっきまで退屈気味だった読書が快楽に転じてきた。コーヒーを片手に読む、読む。これからお風呂に入るけどあがったらまだまだ続きを読む。

イーヴリン・ウオー『ブライヅヘッド ふたたび』読了

真面目な学生チャールスは大学で貴族のセバスチャンと知り合って彼の邸宅に招かれブライヅヘッド家の人たちと知り合う。ものすごく大きな屋敷に一家族と使用人が住んでいて、チャールスは夫人に好かれて客になっている。
やがてセバスチャンは酒におぼれて転落の人生を送るようになる。チャールスや側近の人たちがセバスチャンを探す役を頼まれて、遠隔地まで出かけるが、セバスチャンは帰ろうとしない。
妹のジュリアは非常に美しくて賢い女性で社交界に出てから執拗に迫られて大物政治家と婚約する。その下の妹コーデリアは美人でないせいもあるが、信仰心が厚くカトリック教会の仕事に熱心である。

チャールスは絵描きとして成功し、妻のシーリアは商才があり夫の絵をうまく世に出すことに熱心である、チャールスのほうは妻をちょっとうるさく感じている。二人の子どもに恵まれたのにあまり喜んでいない。
アメリカから帰る船で海が荒れてシーリアは寝込んでしまい、船酔いしない船客の集まりにジュリアとチャールスがいた。二人は海が荒れているあいだ、いっしょに食べて飲み座って話をし、歩きながら話す。
30代の男女の燃え上がる恋が美しい。

イギリスへ着いてから二組の夫婦の離婚が決まる。
ジュリアたちの父、ブライヅヘッド家の当主の死の病いに際してカトリックの神父がよばれる。なかなか死なない父の介護中にジュリアの気持ちが揺れる。
チャールスとジュリアは結婚しないと決めた。

最後の章、第二次大戦が始まって軍に徴用されたチャールスが行かされたのはブライヅヘッドだった。そこに残っていた年老いた召使いによると、ジュリアとコーデリアは戦争に行き、場所は秘密にしているが多分パレスティナにいるという。

美しく燃える恋。
死に瀕しているのになかなか死なない父を前にして変わっていくジュリアの気持ち。
(吉田健一訳 ちくま文庫 930円)

イーヴリン・ウオー『ブライヅヘッド ふたたび』を再読中

数年前に読んだのは図書館の本だったのか自分のを失くしたのか、もう一度読もうと思ったのに全然見当たらない。どうしても読みたくてアマゾンの中古本に吉田健一訳のがあったので買った。送料入れて1700円だった。古本としては高い。新しい訳本が出てないせいかな。上下になっているのもあったが訳者に惹かれてこっちにした。字が細かくて老眼には読み難いけど、原文と文体が合っているように思う。

読み出したら覚えてた通りでおもしろい。読んでいるうちに、こうだったなとうなづくところ多し。画家のチャールスと元お屋敷の令嬢でいまは人妻のジュリアの恋が後半になってゆっくりと燃え上がる。父親にその年でまた結婚するのかといわれるけど、たしか34歳だから当時(大戦間)のひとは大人になるのが早かった。

お屋敷とそこに住むひと関わるひとの物語というたらええかな。
若いジュリアはロンドン社交界に華やかにデビューする。そしてジュリアと結婚したいと手を尽くして求婚した男と結婚する。だが幸せでなかった結婚生活。
アメリカからイギリスへの船の旅はたいへん荒れてチャールスの妻は船室のベッドを離れない。船酔いに縁のないチャールスとジュリアは毎日揺れる船上で会い語り合う。