「全原発停止を祝うサウンドデモ」に参加

連休のはじめの4月30日に「4/30 反原発デモ in 大阪」に行き、連休最後に近い今日は「全原発停止を祝うサウンドデモ」に行った。デモにはじまりデモに終わる他のどこにも行かない連休(笑)。

南堀江公園集合、14時集合、14時30分スタート。立花通り〜四ツ橋筋〜長堀通〜心斎橋〜難波〜元町中公園解散(16時30分)、約3.5km。
【5月5日は大阪で全原発の停止を祝うサウンドデモ!!日本から原子力の電気がなくなるのは1970年5月4日以来42年ぶり!!この歴史的な一日をともに祝い、喜び、そして考え、原発後の新しい世界をつくっていきましょー!!】

バスで行って定時到着。日陰に座っていたら主催者のTさんが声をかけてくれた。あとはいつものF君だけで知り合いがいない。普通ならこれで参加者が減っていくところが、そんなことないのは新しい参加者が増えているからだろう。全体に若返っているようである。いつもより年配者が少なかったような気がする。途中参加者が多くて最後には300名くらいいたようだ。
前回写真を撮ってくれたKさんを見かけたので礼を言った。「あの写真で自分の背の低いのがよくわかりましたわ」と言ったら大笑い。これで覚えてもらえたかしら(笑)。

元気なライブがあり〈まさかの鏡開き〉なんてものもあって、サウンドデモ開始!
わたしはサウンドカーのすぐうしろについて出発。車と続く人たちの間を空けるようにと警察の指導があり、主催者側が反発して言い合いがありすこし緊張した。結局デモ隊はサウンドカーにぴったりついて歩いた。この公園からだと立花通りが近い。商店街の歩道がない道を進むと買い物客と距離が近くていい感じ。四ツ橋筋も御堂筋も休日らしく人が多くてデモのやりがいがある。
若い女性が声を限りに叫ぶのを復唱しながら歩いて解散場所の難波元町の公園へ。

公園で植え込みのまわりに座っていたら、いっしょに歩いていた女性2人が来ておしゃべり。言葉遣いに共通点があるねと大笑い。また今度のデモで会おうと約束した。

帰ったら友人がニュースで見たとミクシィにコメント書いてくれていた。すこししてツイッター読んでいたら〈今日の大阪サウンドデモ、まさかのMBSがニュースに。そしてまさかまさかの鏡開きで映像が始まってる。MBSナイス!!〉とツイートがあった。

それから南港へ行っていた相方が帰ってきて晩ご飯を食べ、11時のカウントダウンに間に合うように関電前に出かけた。
わたしは「It’s a new world カウントダウンラジオ!!!」を聞きながらこれを書いていたが、さっき終わった。読み直しをしてアップする。

明日はスーパー・ムーン、そして、全原発停止を祝うサウンドデモ大阪

【5月5日から6日、月と地球との距離は今年で最も近くなる。これが満月と重なる場合には「スーパー・ムーン」と名づけられる。】という記事をネットで読んだ。明日は天気が良さそうなのでスーパー・ムーンを見ることができそうだ。
今夜だって明るい月が見える。部屋の灯りを消して窓から眺めたら薄い雲がかかったり、小犬のようなかたちをした白い雲がいそいで通り過ぎたりと、夜空のショーを楽しめた。
下を見ると街路樹がもう一人前に繁っているではないか。この前、新芽が出てきたと思ったところなのに。いやもうなんでも早く通り過ぎていくからこわい。

明日はどんな月が見られるのだろう。おりしも明日は泊原発が止まる日で、これで日本中の全原発がストップする。40年以上稼働し続けてきた原発が止まるのだ。
明日は、【5月5日、全原発停止を祝うサウンドデモ/パレードを大阪で開催!まだまだ本気で祝える状況やないけれど、原発停止を派手に歓迎し祝うことで、奴らが後戻り(再稼働)できない状況を作ってしまえ!14時南堀江公園集合!!ぜひ楽器を片手に!】このデモに参加するつもり。

「4/30 反原発デモ in 大阪」に行った

今日はわたしにとって記念すべき10回目の反原発デモ参加。
ただ行ってついて歩いているだけだし、途中離脱や途中参加が多いから威張れるものではないが、持続する志を持っているということだけは書き留めておく。

2011/4/16 大阪 原発いらん! 関西行動 集まろう!中之島 歩こう!御堂筋
2011/5/7 脱原発!! サウンドデモ 楽器を持ってデモに行こう
2011/6/5 原発卒業式+サウンドデモ
2011/6/11 脱原発デモ全国展開 大阪
2011/7/31 ANTI NUKES サウンドデモ!!
2011/9/11 原発ハヨトメロ!!デモin大阪
2011/11/20 大阪サウンドデモ
2012/12/11 原発いらん!女子デモ!? だれデモ!@大阪
2012/03/11 311御堂筋デモ
2012/04/30 4/30 反原発デモ in 大阪

難波・元町中公園集合、13時集合、14時スタート。
集合に20分遅れで参加。公園に入って行くとツイッターで知り合ったF君がいたので横に座って雑談ぼつぼつ。ざっと見渡すと顔だけは知っている主催者の人たちとデモ撮影者の秋山さんが見えた。人数は少なめな感じだが、幕や旗や鳴りものが手慣れた感じで用意され、出発。

コースは、元町公園〜湊町南〜南堀江〜アメリカ村〜御堂筋大丸前〜道頓堀橋〜難波〜元町公園へもどって解散(3時半)。
サウンドデモではないので、太鼓や鳴りもの入りのシュプレヒコール。「原発とめろ」「再稼働反対」「こどもをまもれ」「おとなもまもれ」とトラメガを持ったひとが叫ぶのに合わせて叫ぶ。叫びつつふと涙ぐみそうになった。だってこんな当たり前のことを叫ばなきゃいけないなんておかしい。

道路で見ているひとの目が最初のころより好意的になっているように思えた。
照りもせず降りもせずの曇天だったので寒くも暑くもなく歩きやすかったせいか、途中でへたばるかと思ってたのに元気でもどれてうれしい。年を取るとこんなことが喜びになる(笑)。
途中参加が多かったようで戻ったときには参加者200人ということだった。知り合いがいないデモは珍しいと思っていたら、解散時になって声をかけられてほっとした。

大阪デモの主催者Tさんと顔を合わせて思ったが、彼はこの1年以上をずっとデモ主催者を続けている。去年の湊町リバープレイス光合祭で最初のデモのチラシをもらったときから彼を見ている。若い彼の人生を思う。
5月5日には彼らが主催して「2012.5.5 全原発の停止をお祝いするサウンドデモ!!!大阪で開催!!!!!! 」が行われる。参加することでしか彼らの思いに応えられないと思う。

解散後、どこかでビール飲もうとF君を誘って入るところがないので、アメリカ村まで歩いてニューライトが開いていたので入った。以前、嶽本のばらさんが新聞に若いころに食べた店と紹介していて、友人といっしょにいったことがある。セイロンライスとビール中瓶1本。あとで検索したら大阪B級グルメのセイロンライスなのであった。

翻訳ミステリ読書会とヴィク・ファン・クラブ例会

2日続けて西梅田へ。翻訳ミステリ読書会は某ビルの11階セミナールームで、ヴィク・ファン・クラブは毎度おなじみの大阪駅前第一ビルのシャーロック・ホームズである。

読書会のほうは2時間ジャストをジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」について語り合った。人前で話すのは苦手なので少し緊張したが、笑いをとりながらしゃべれたのでまあまあか。
若い人、団塊世代の人、翻訳を勉強している人や翻訳家など多彩なメンバー。女性が多かった。同じ本を読んでいるのに、立場や考えや受け取り方が違っているのもおもしろい。エルロイに入れこんでいる人もおり、かなわんかったという人もおり。

翻訳本の編集者による「ブラック・ダリア」のおしゃれなレジュメが配られた。エルロイと彼の作品について書かれている。エルロイ以外のブラック・ダリア(エリザベス・ショート)殺人事件を扱った作品の紹介が勉強になった。ノンフィクションと分類されたところに「ハリウッド・バビロン」(ケネス・アンガー)があるのがうれしい。長年のわたしの愛読書(最近あまり出してなかったが)だから。「エルロイの脳内にはこの本のようなあれこれが詰まっているのです。」という解説になるほどとうなづいた。
9時に終了して二次会は遠慮して帰宅。

ヴィク・ファン・クラブのほうは例のごとく雑談の3時間だった。会報の内容についてあれこれ。読書のこと、原発関連のこと、会員の活動のことなどいろいろ。ギネスとおいしい料理の楽しい時間。
例会に来てほしい人、原稿を書いてほしい人が仕事と家事・育児で忙しくて時間がとれないのが残念だ。

サラ・パレツキーの新刊、短編集『アンサンブル』は5月下旬発売

ツイッターを開いたら早川書房の編集者さんのツイートが目の前にあった。なんだか通じてると思っておかしくなったが、サラ・パレツキーの新刊、日本オリジナル短篇集「アンサンブル」は5月下旬発売とある。さっそく「今月の会報に間に合ってうれしい」とRTしたら「10篇収録。うち4篇がVIものです」と応えてくださったので、お礼を述べた。お気に入りに入れたひともいるし、ヴィク・ファン・クラブ会員のツイッター初体験のKさんは「やったあ!」と初返信。ミクシィのつぶやきに入れたらたくさんの「イイネ」がついていた。今夜はなかなかにぎやかな夜であった。
いま会報を制作中で表紙とあとがきとあと1ページが残っているのでどこかに入れる。ちょうど間に合ってよかった。

堅い記事あり柔らかい記事ありのA4 28ページ、作りながら原稿を書き、隙間なく文字でうまった。最近は写真のあるページはレーザープリンターでカラーで出しているので読みやすくなったと思う。明日もうひと頑張りしてあさって送るつもり。

モリッシー

今年来日公演があってツイッターなどで名前を見たものだから、気になって紹介されていた最近の動画を見たりしていた。
今日は本を探していたら本棚の奥に「The Smiths」(「もう誰にも語らせない。」ザ・スミス写真集)があった。1994年にロッキング・オンから出た本でモノクロの大胆なレイアウトの本だ。どこで手に入れたのか大判のカラー写真も数枚挟まっていた。
だいぶ前のことだが在庫の本を整理したとき処分するほうに入れたのを読み直していたら、モリッシーのインタビューにいい言葉があったので残しておいたものだ。(この言葉はヴィク・ファン・クラブサイトにある「わたしのサラ・パレツキー論(1)」にも引用している。)

【「…僕はほんとうにたまたまフェミニストの作家にとても影響を受けてしまったんだ。モリー・ハスケル、マージョリー・ローズにスーザン・ブラウン=ミラー。名前を挙げ始めたらきりがないよ!
フェミニズムの話ばかりし続けたくはないけど、フェミニズムというのは理想的な状態なんだ。でも理想を超えて現実のものとなることは決してないだろう。この社会は強い女性を忌み嫌っているからね。気絶し、へつらい、結婚しか望んでいない。そういう女性だけを好む社会なんだ。神経過敏になっているわけじゃないけど、この問題は僕の曲作りになくてはならない要素になっている。」】
※モリー・ハスケルの本を1冊持っている。「崇拝からレイプへ 映画の女性史」(平凡社)

パンク・ニューウェーブを聞いていたのは70年代後半から80年代前半の数年だから、ザ・スミス(1982〜1987ギターのジョニー・マー脱退・解散)をきいたのは最後のほうになる。レコードとレーザーディスクを持っていてモリッシーの異質の美に惹かれた。上記の本はそのあとに買ったものだ。いま読んだらモリッシーとジョニー・マーの危うい甘さがただよってきてせつなくなる。この本が出たときは彼らの仲はすでに終わっていて、そのことを書いているひとの気持ちにもせまってくるものがある。

長いあいだ聞いてなかったので、なにかないかなとユーチューブを探したら素晴らしいライブがあった。Morrissey – Festival de Viña del Mar 2012 HD – Show Completo
今年のライブで1時間20分ある。そして55分ごろに衝撃的な画面があるのでぜひ見てほしい。ゲイでベジタリアンでマンチェスター出身のイギリス労働者階級の代弁者モリッシー、50代になったが健在です。今夜はすごくうれしかった。

デモは不参加、夜はヴィク・ファン・クラブ例会

今朝は風の音で目が覚めた。うとうとするがまた風の音で目が覚めての繰り返しをしてから起きた。外は冷たい雨と強い風だ。今日はツイッターデモがある。ずっと参加しようと思っていたが、昨日になって1日に2回のイベントはやめようと決めた。先日から体調がもひとつなのでデモで冷やしたらあかん。今日行けば参加10回目なのでちょっと惜しかったが。

昼食後は読書とネットですぐに夕方になった。この日は早めに行ってジュンク堂に寄る習慣だけど、レジナルド・ヒルを中古本で買っているのでやめておこう。ところがツイッターを見ていたら早川書房のツイートに今日が「ミステリマガジン」の発売日とあった。ありゃいかん、今月号はヒルの追悼特集ではないか。大慌てで出てヒルトンプラザのジュンク堂へ。手に入れた「ミステリマガジン」を持ってシャーロック・ホームズへ滑り込み。
新しい会員のKさんと時間を忘れる楽しい会話だった。ミステリとの関わりのはじめ、少女小説、少女マンガ、やおい、BL、そして翻訳ミステリ、コージーミステリと話題が尽きない。その間に人生の話もあった。
彼女曰く、サラ・パレツキーとヴィクだからどんなに堅い会報かと思ったら、すごく楽しい会報だった。インテリジェンスに溢れた下世話な会報(笑)。

311御堂筋デモに参加

いままで参加したデモは去年の4月から12月まで8回。
2011/4/16 大阪 原発いらん! 関西行動 集まろう!中之島 歩こう!御堂筋
2011/5/7 脱原発!! サウンドデモ 楽器を持ってデモに行こう
2011/6/5 原発卒業式+サウンドデモ
2011/6/11 脱原発デモ全国展開 大阪
2011/7/31 ANTI NUKES サウンドデモ!!
2011/9/11 原発ハヨトメロ!!デモin大阪
2011/11/20 大阪サウンドデモ
2012/12/11 原発いらん!女子デモ!? だれデモ!@大阪

今回の311御堂筋デモ参加は9回目で今年最初。かなり間があいたので新鮮な気持ちで出かけた。去年ツイッターで知り合った「おかんとおとんの原発いらん宣言」のNさんと一度会いたいねと言っていたのが実現するのも楽しみ。Nさんは11時に中之島でビラまきをして3時に関電前に行くとのことだ。少しでも早いほうがいいなと、12時ごろに中之島へ。すでにひとでいっぱいだったがオレンジ色のパーカだから見つけやすかった。瓦礫受け入れ反対の署名を集めてはった手を止めてもらってしばしおしゃべりした。

だんだんひとが増えてきた。元気な中高年が多い。
階段脇に座って隣の女性となんとなく話しだしたら釜ヶ崎共闘のひとで、男と同じように仕事してるでと言ってた。また会いましょうと両手を握り合って別れた。
前を通って挨拶していったのは昔のVFC会員だ。元気そう。
メインステージではずっとライブをやっている。しゃべってばかりであんまり聞いていなかったが最後のほうのヒップホップがよかった。そのあとがリレートーク。短い時間の中に言いたいことを詰めて話す緊迫感がいい。
女子デモのときにDJをしたEちゃんが24日のデモのフライヤーを配っていた。
そばにFくんを発見。彼もツイッター&デモで知り合った。今日もいっしょに歩いた。
全体の司会をしたTさん。ほんまに大変な世話役を黙々と続けているのには頭が下がる。去年の5月に湊町の光合祭ではじめて会ったときにたしか最初のデモのフライヤーをもらったように記憶している。それから全部のデモに関わっているもんね。ほんまにお疲れさまです。

デモに出発するとき雨が降ってきたがたいしたことがなくてよかった。わたしはサウンドデモのドラム隊のうしろについた。歩き出す前からドラムのリズムを刻んでいたのが歩くとすごくいいテンポ。デモ隊の最後尾だったので、信号のところにくると早く渡れと後ろから警官にせかされる。「早くお願いします」と言葉は柔らかだったが。前を見るとサウンドカーグループと分断されていた。
御堂筋を難波へ出てなんば元町中公園というコースだが、わたしは心斎橋で離脱して帰ってきた。

トークショウ「クラブカルチャーと風営法」

昨夜は遅くなってから2月26日に大阪のGalaxy Galleryで行われたモブ・ノリオと若野桂によるトークショウ「クラブカルチャーと風営法」司会:半田暁士の録画を見た。
2時間をじっと座って見て聞いて理解しようとつとめていたのだからすごい。というのも半田さんとは親しくしてもらってるし、モブ・ノリオさんは作品を読んだことはないけど関西の作家でデモでお顔を見てたし、若野桂さんはツイッターでフォローしている。そのうえに今回知ったのだが、2000年頃だったかなー、わたしが憧れていたソニーのロボット小型犬aiboを生み出したのが若野さんだったのだ。

主に若野さんが話されモブさんが聞き役にまわっていた。
テーマの「クラブカルチャーと風営法」だが、風営法に則ってクラブに手入れが入り、大阪ではすでに廃業した店もある。東京では先日客全員に尿検査というえげつないことが行われた。今日の労働を終えた若者がクラブで踊る楽しみを強制的に押さえつけられている。この現実の重さを話す3人の表情が暗い。
日本に暮らしている普通の市民にとってそれはどういうことか。外国との違いを若野さんが話されて納得。ほんまに出口なしとしかいいようがない。

でもね、最後のほうで「踊りたきゃ家でパーティしたらいいんだよ」と若野さんが言われ、わたしはパソコンの前で「そやそや」と同意した。うちではいまもやってるし(笑)。
ほんまに有意義な2時間だった。

井上理津子『さいごの色街 飛田』

会社勤めのころ男性ばかりの職場だったから男性どうしの話を漏れ聞いていたし、わざわざ女子のわたしの耳に入るようにしゃべるやつもいた。飛田や松島やキャバレーやアルサロや、いやでも耳年増になっていた。売春防止法もなんのその遊ぶところはいっぱいあったようだ。「店先で見た女と恋愛してから2階へ上がるんや」と教えてくれたおっちゃんがいた。ほんまに杓子定規には世の中はいかないものだということを若いわたしは思い知っていた。だって会社の連中は働き者ばかりやったから。

本書を開くとすぐに、著者が知り合い等に声をかけて飛田経験を聞いている。普通の男性たちがものすごく具体的に語っているのにおどろいた。「不倫するより健全」「150回行った」という人たちがいる。老人ホームのバスから降りて杖をついて店に入っていく老人たちがいる。

本の入り口でおどろくが興味が深まって次へいくと「飛田を歩く」章になり、飛田への道の説明となる。地下鉄御堂筋線の動物園前駅で降りて道路へ出ると北側はじゃんじゃん横町を経て新世界へ出る。南側へ行くと飛田商店街(いまは動物園前一番街となっている)である。この道を行くとトビタシネマがあったと思い出して検索したらいまもある。70年代はここでけっこう映画を見た。
地下鉄御堂筋線は大阪の中心を走っている。千里中央から新大阪、梅田、そして御堂筋に面して淀屋橋、本町、心斎橋、難波と大阪の中心地があり、そこから2駅で飛田に通じる動物園前駅があるのだ。わたしは新世界が好きで東京から友だちが遊びにくると連れて行くが、みんな動物園前駅から路上に上がると荒涼とした風景にたじろぐ。わたしは向こう側の道へ入っていくともっとすごいところやでと言いつつじゃんじゃん横町へ案内している。

「飛田のはじまり」では、詳しい場所の説明があって飛田の歴史が語られる。〈日本で最初の女子デモは大阪 井上理津子「さいごの色街 飛田」から〉に書いた反対運動もこの章である。
ヤクザの取材やここで働く女性たちへの取材、店主たちや店のさまざまな仕事に携わる人たちへの取材も生々しく読み応えがある。

最後の飛田からこつ然と姿を消した原田さんを探し出して雪の北陸へ訪ねていく章がよかった。
(筑摩書房 2000円+税)