爽やかでなかった5月

去年までは5月というと「爽やか」と枕詞のようにくっつけていたけど、今年はちっとも「爽やかな5月」と思えなかったし、手紙にも書かなかった。真夏の暑さの日が多く、熱中症に用心しようと掛け声がかかる。ほんとうの真夏の暑さでなくても強い暑さに慣れてないから熱中症になってしまう。これほんまやったわ〜

わたしだってあとで気がついたがひどいとき1週間ほどは熱中症気味だった。そんなに暑くない午前や夕方でも体は暑さにまいっている。こんなにからだにくる暑い午前中や夕方はいままでなかった。

今日で5月が終わる。爽やかでない5月やったなあ。
今日はモンゴルに長期滞在していた友人がモンゴルのチョコレートをお土産に送ってくれた。コーヒーとよくあう香りの良いチョコレートで和んだ。
夜も本を読みながらチョコとコーヒー、そしてこれを書いている。9時ごろに雨がざざっと降ったから涼しくなった。ようやくの爽やかな5月はあと2時間で終わり。

我が家のフルコース

我が家はわたしが食後の片付けをしているが、洗いものの皿数が多いのがかなわん。今日も野菜(サラダ、漬物)と魚(ブリの塩焼き)と肉(細切れ肉と野菜の炒め)の皿、菜っ葉と油揚げの煮物の椀が出てご飯と味噌汁。今日もフルコースやなあと感心したけど、とにかく皿数が多い。盛った皿には必ずレモンがついている。

給仕人がいれば順番に運ぶところを、できたものから運んでテーブルに並べたのを順番に食べる。今日も「我が家のフルコース」とワイングラスで乾杯し、まずサラダ、魚、肉、ご飯、味噌汁、煮物、漬物と食べた。最後は番茶とかりんとう。

後片付けはしんどいが作るよりラク。とにかく買い物を含め手間と時間を惜しまずにつくるので、いつまでも続けて欲しいなと思っている。

みどりの黒髪にシラミ(わたしの戦争体験記 60)

田舎の家の井戸(ポンプで汲み上げ式になっているが、つまると釣瓶で汲みあげる式)端で、祖母と近所のおばあちゃんたちが文字通り井戸端会議をしていた。なぜかわたしが側にいてちょこんと座っていた。ばあちゃんたちは遠慮なくものをいう。「こんな子でも十八、十九になれば色気がつくヅラか」「顔はイナでも髪がイイヅラ、みどりの黒髪ジャン」。顔は悪いけど髪はみどりの黒髪という蔑み語りを渋い顔をして聞いていたら、うちのおばあちゃんは「この髪で島田を結ったらいいヅラよ」と慰めてくれた。この戦争のもとでそんなことはありえないといおうと思ったがやめた。おばあちゃんたちのいま現在の好き勝手しゃべる娯楽をうばってはいかん。

その黒髪にシラミがくっついて頭皮を噛んだから痒くて痒くて・・・。暖かくなると頭のてっぺんから降りてきて首筋を這い降りる。後ろの席に座ってる子が「くみちゃん、シラミが降りてきた」とつぶやく。「そうけ」と答えて手を後ろにまわしぷつんとシラミをつぶす。
日当たりの良い日に梳き櫛で髪を深くとかし、櫛につかまったシラミを親指の爪で殺していく。一種の快楽だったなあ。

突然の贈り物

近所の知り合いが「突然やけど、お酒好き?」と聞いたのでびっくりしながらも「わたしは好きだけどあまり飲めないです。ダンナは好きな上によう飲みますけど」と答えた。もしかしたら、彼が飲まないお酒の頂き物でもあるのかしらん、とアタマは自分に都合のよいようにちゃきちゃき動いた。

「梅酒なんですわ。30年くらいつけ続けたおばあさんが亡くなって梅酒が空き部屋に何十本もあるそうで。ぼくに飲んでくれと持ってきたのを仕事場に置いてあるんで、1本持っていくから飲んでください」
封をきちんとしてあるのを娘さんが開けて試し飲みし、彼ももらった1本を開けて飲んでみたらうまかったそうだ。

ということでうちに届いた1本。どっしりとした瓶にずっしりと入っている。ふたには「平成7年6月16日」としっかり書いてあった。えっ、23年ものじゃん。
さっそく開けてグラスに注ぐ。「ええ色やなあ」「うまそうや」と飲んでみたらすっごくうまい。

「うちのねえちゃんも梅酒つくってたのにだんだん面倒になってやめてしもたね、こうやって漬けておけば後でみんなが喜んだのに」といまごろいうてもしゃあないね。わたしが今年梅酒漬けても1年経たない間に飲んでしまうのは確実だ。

お蚕さんから羽織まで(わたしの戦争体験記 59)

田舎で暮らすようになって驚いたのは一家そろって早朝から働き出すことだった。明るくなるより早く起きて蚕用の桑の葉を採りに出ていく。桑の葉をもいで背負いかごにびっしり入れ、かついでもどってくると自分たちの朝食よりもお蚕さんの朝ごはん。わたしが目を覚ますころはお蚕さんたちはざわざわ音を立てて朝食中。

人間はそれから朝食。わたしが行った頃はまだ白いご飯と味噌汁と漬物だった。わたしは漬物が嫌いだったから食べなかったが、たまに海苔を出してくれた。初めのうちだけだったが。

そうこうしているうちに蚕が繭になった。仲買人のような人が来て今年の蚕はどうだとか、よそはどうとか話していたから、それが商談だったのだろう、繭の大方を引き取っていった。残したのだか残ったのだか、家用のが大きなかごに入れてあった。
よくわからないが、繭を煮て糸を採る仕事を祖母が囲炉裏の前で根気よくしていた。繭から細い糸を引っ張り出す。糸をとったら染めである。庭先に染めた糸を広げて縦糸とし、次に横糸用の糸を作った。
できた糸を布にするのが叔母さんの仕事で、朝、昼、夜と長時間機織り機に向かっていた。日がな一日、縦糸をしっかり据えて横糸を右から左へ、左から右へと絡めていくのをわたしは見ていた。わたしにはできるはずない。
国民学校の6年までは叔母さんにそういう建設的な仕事をせよとはいわれなかったから命拾いした。
仕事になったのは「麦踏み」かなあ。でも体が軽いから麦踏みの効果があったかどうか。必死で麦を踏んだんだけど、跳ね返されていたりして。

叔母が織った布を母が縫った羽織がここにある。戦争が終わってからわたしがもらって大切においてあった。絹という触感がない重い荒っぽい絹である。次の冬はセーターの上に羽織って部屋着にするべし。

さあストレッチしよ

北海道帯広で39度なんぼまでいったと昼のラジオニュースでいっていた。大阪も暑い! けど、うちは暑さの中をベランダから入った西風が部屋を通り抜けて東側の窓へ出ていくのが心地よくて、機嫌よくヴィク・ファン・クラブ会報の仕上げ(綴じと封筒入れ)をやっていた。
相方が出ていくのにケーキを置いてくれていたので、それとコーヒーとビスケットでおやつ。途中で『マンハッタン花物語』を読んで気分をロマンチックに入れ替えた。

相方が夕方帰ってきて、外は暑かったとレモンと氷をたくさん入れて焼酎の炭酸割りをつくったのでちょっともらった。買ってきたトリの唐揚げとサラダも少しづつ。なにか食べたと思ってたみたい。
これでお腹がおさまり、わたしは台所の片付けして、パソコンに向かっている。相方はぐーぐーと夕寝。起きたらサンドイッチをつくってくれるらしい。それが晩飯。
昼に起きてからヴィク・ファン・クラブに体も時間も使った一日だった。さあストレッチしよ。

熱中症どこかへ飛んで行けっ

この1週間はなんとなくしんどい日が多かった。家事や遊びも余分なことをしていないのに、ちょっとぼぉっとしてしまい「?」と自問するときがある。倒れそうにしんどいのなら病気だが、なんとなくしんどくて「?」となるのはなんやろ。これが続けばなにかの病気の症状かもしれないと心配になってきた。どこか不安定ということで、そのどこかのせいで倒れるとか、ありうるかも。

昨日の午後は整形外科に行って、ヒアルロン酸の注射を打ってもらって、リハビリもしてもらった。
帰ってお茶しながらどんと落ち着いて相方と今日の暑さとしんどさについてしゃべっているうちに、なんとなくしんどいの「?」が解けてきた。冬から春へと徐々に暖かくから暑いになっていってるのに体のほうが追いついてなかった。水分補給といいながらお茶とコーヒーそしてアルコール。水は飲まなあかんといいつつそんなに飲んでいなかった。単純な話である。睡眠不足でもあった。夜は何時まででも起きていられる。昼寝で睡眠時間を取り返えさなくちゃ。

今日は夕方近く少し涼しくなってから、サンドイッチなど手作りおやつを持って木津川沿いの散歩道へ出かけた。月初めに行ったときまだ芽生えたばかりだった草花が大きく育っていた。
野いちごが実り、ラベンダーが咲いている中にイキシアの枝が伸びて花が咲いていたのでびっくりした。ハタチくらいのときに「イキシア三池を守る会」ってのを女子ばかりでやってた。イキシアの花言葉は「団結」だということで名付けたんだった。白い清潔なイキシアの花を見て喜んだら元気が湧いてきた。熱中症どこかへ飛んで行けっ。

今年の夏は

我が家は夏のはじめは過ごしやすい。真夏になってしまえばなにもいうことなくひたすら暑いが、この時期はニュースで真夏日だのこの夏最高の暑さなど聞いてもそうかなと思うだけだ。

夜になるとベランダに面したガラス戸を閉めた。年寄りになったせいかもしれないが、暑さをそんなに感じないのだ。寒さにはおおいに感じることを忘れずに書いておこう。去っていった冬はいつまで経っても寒かったっけ。ガスヒーターの目盛りが上がるのをずいぶん気にしてた。

この季節、昔なら朝起きたらパジャマが汗でビショビショになってたりしていたが、ここのところ汗はかいてた感じはあるがそれほどではない。汗かいてないからもう1日着ようと思うくらいだ。
気持ちは若いつもりでも年寄りの体に強制変換されてしまったのを感じる5月。

とはいえ、まだ5月だ、
そのうちに梅雨が終わり西日が差し込むほんまに暑い夏がくる。年寄りでも大暑い夏が。

『クジラウオ』の鉄火味噌

今日もいつもの八百屋さんで買ってきた野菜で一献! 焼いて細く切った油揚げにミズナを切ってぱらぱらとのせ、お醤油をかける。うまかった〜 そして、ポテトサラダとトマトと肉炒め少々。それにご飯と味噌汁、ご飯にはこれも日曜日にステップ・ハーベストで買ってきたクジラウオの鉄火味噌をぱらぱらっとかけた。

ああっうまっ!
クジラウオさんは数年前まで九条でお店をしていて、わたしもたまに行っていたが、田舎で暮らしたいと和歌山に引越して、農業と食べ物作りに精を出している。ときどき自然食の催しがあると自然食の瓶詰などを出品される。それを目指して買いにいく怠け者のわたしら(笑)。
今夜もおいしい晩ご飯にありつけました。

お茶の若葉の素揚げ

日曜日のステップハーベストでいろんな野菜、お菓子、瓶詰めなど買ってきたのをぼつぼつ食べている。生産者さんからの雑談付きの買い物は楽しいようだ。わたしもいちいちその会話の内容を聞きながら食べるのが楽しい。

今日の酒の肴はお茶の若葉の素揚げだった。初めて食べたよ。大皿にのった若い葉がさっぱりとした味わいでうまかった。ついで、鯖の味噌煮缶と茄子の炊きあわせ、豚肉とキャベツともやしの炒め物、ご飯と大根の味噌汁だった。お酒は焼酎のソーダ割り。安いものばかりでうまく仕上げるのがうまくなった。皿数が多くて盛りかたに工夫があり「男の料理」という感じから抜け出している。