リドリー・スコット監督『ワールド・オブ・ライズ』

「デュエリスト/決闘者」 (1977) 、「エイリアン」 (1979)、「ブレードランナー」 (1982)、「レジェンド/光と闇の伝説」 (1985)、「誰かに見られてる」(1987)、「ブラック・レイン」(1989)、「テルマ&ルイーズ」 (1991)、「1492 コロンブス」(1992)。
リドリー・スコットの映画を検索したら、最初の8作をすべて見ていた。ほとんど映画館で見てあとでレーザーディスク(LD)を買って何度も見ている。「1492 コロンブス」でがっかりして以来、テレビで「グラディエーター」見ただけである。ほんまにがっかりしたのと、ほとんど映画を見なくなった時期が重なったんだけど。
「エイリアン」や「ブレードランナー」は優れた映画だと思うし好きだけど、いちばんのお気に入りは「誰かに見られてる」である。刑事のトム・ペレンジャーが大金持ちの令嬢ミミ・ロジャースの護衛をする。そうそう令嬢はヴェジタリアンだった。これと「テルマ&ルイーズ」はLDで何度も見ている。

前置きばかりだが、久しぶりのリドリー・スコット監督作品「ワールド・オブ・ライズ」(2008)は、はらはらしながら楽しめた。そういえば、ラッセル・クロウが体重を20キロ増やしてほしいと言われたという話が評判になっていたっけ。
CIAの敏腕工作員フェリス(レオナルド・ディカプリオ)は中東で活躍しているが、いつもアメリカからの上司ホフマン(ラッセル・クロウ)の指示を受けている。ホフマンはオフィスで仕事をしつつ、家庭で子どもの相手をしつつ指示を出し続ける。中東で仕事していてもワシントンから上司に衛星偵察システムで監視されているわけだ。太ったラッセル・クロウが不気味。
仕事中に犬に足を噛まれたフェリスは狂犬病の手当に行って看護士の女性と親しくなる。遊びではなくつきあいはじめるディカプリオ。彼女が誘拐されて救出に乗り出し捕まって拷問される。

深作欣二監督「仁義なき戦い 広島死闘篇」

「仁義なき戦い」を順番に見るつもりでレンタル屋にあれば借りることにしている。2作目「広島死闘篇」(1973)があった。
前回活躍した広能昌三(菅原文太)は呉に広能組をもったが、今回は主役を助ける役。刑務所にいるとき、暴れて独房に入れられた山中正治(北大路欣也)にそっとご飯を差し入れてやる。
刑務所から出た山中は無銭飲食して大友勝利(千葉真一)らに叩きのめされるが、村岡組組長の姪で戦争未亡人の靖子(梶芽衣子)に助けられ恋仲になり村岡組組員となる。姪との間が組長の知るところとなり、若頭松永(成田三樹夫)の指示で九州へ逃れる。そこで組長を射殺し広島へ帰ることを許される。
大友勝利は実父の大友長次(加藤嘉)から破門され、新たに大友組を作って派手に抗争を続ける。最後まで不気味ですごい。

とにかく俳優が若くてぎらぎらしていて、生きることは暴力を振るうこととばかりに生き生きしている。
わたしは「仁義なき戦い」1作目を見てから、ヤクザ映画を見なくなったが、成田三樹夫が大好きだったのを思い出した。金子信雄、加藤嘉、素晴らしい役者が生きていたころ。成田三樹夫ももう亡くなったんだ。

佐伯清監督『昭和残侠伝 一匹狼』

引き続いて第3作「昭和残侠伝 一匹狼」(1966)を見た。
古くからの銚子の漁港の網元浜徳と彼を助ける潮政(島田正吾)一家に対して、新興の川鉄一家は暴力と札束で、漁師らを自分の手中にしていく。武井繁次郎(高倉健)が病気の潮政の娘を助けてきたのはちょうどその最中だった。勘当した娘だからと会おうとしない潮政だったが、娘の墓前で義理を立てて会わなかったことを繁次郎に話し、繁次郎はここでやっかいになることになる。
一方、桂木竜三(池部良)は川鉄一家の世話になっている。近くで小料理屋をしているのが妹の美枝(富司純子)で、繁次郎に惹かれていく。
そして、川鉄一家の横暴が極まっていき、竜三は繁次郎と勝負するはめになるが・・・そして最後はふたりの斬り込みとなる。

最初のシーンでさしていた傘を投げ捨て警察署に入って行く池部良がいい。高倉健と池部良がストイックでひときわ美しい。そして古風な折り目正しい生き方を貫く潮政の島田正吾が絶品だった。

暗いつらい映画だ。昭和初期という時代設定と製作された60年代と原発事故の現在とが重なる。

佐伯清監督「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」

目下、気分は健さんで、肩で風切って歩く気分(気分だけですが)。そして池部良の美しさに溺れている。この映画は封切りで見ていた。傘をさしかけるシーンの美しさは覚えていたとおり。

シリーズ2作目「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」(1966)は昭和初期に舞台を設定している。1作目は戦後だったが戦前の雰囲気が濃厚だったから、ぴったりの時代設定だ。
花田秀次郎(高倉健)は宇都宮の左右田組の客分だったが、自分の弟分(津川雅彦)の恋人が左右田組の息子に惚れられて困っているので駆け落ちさせる。話を通しにいくとその代わりに榊組の親分、秋山(菅原謙二)を斬るように頼まれて殺す。折り目正しく死んで行く秋山に秀次郎は襟を正す。
榊組は石材掘りの請負業をしているが、左右田組はすべてを分捕ろうと画策している。組長は元は榊組の人夫だった。
3年後に刑務所から出てきた秀次郎はまず秋山の墓参りに行くと、秋山の子どもがいてなついてくる。そこに秋山の妻(三田佳子)が来るが秀次郎は名乗れない。その後は左右田組の悪行を知ってなにかにつけ榊組に味方する。
榊組にアジア諸国を放浪していた畑中圭吾(池部良)がもどってきた。秀次郎と対決しようとするがひとまずとどまる。
そして我慢の緒が切れた秀次郎が左右田組に向かおうとすると、畑中がいた。彼の差しかけた傘の下で巻いてあった布から刀を取り出す秀次郎。雪が降る道を行くふたりの姿に主題歌がだぶる。

「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」全9作の土台がここに決まったという感じ。1作目はこれ1本だけという気持ちがあったろうが、この作品ではシリーズにしていく気持ちがある。それにしても主題歌がなんていいのだろう。斬り込みのシーンにびたっと決まって高揚感がいやが上にも盛り上がる。

吉田喜重監督『嵐が丘』

お盆休み映画鑑賞の3本目は前から見たかった吉田喜重監督「嵐が丘」(1988)。原作エミリ・ブロンテの「嵐が丘」は中学2年のときお年玉で買って以来何度も読んでいる。だけど映画は1939年のハリウッド映画、ヒースクリッフをローレンス・オリヴィエがやったのしか見ていなくてお話にならない。それよかアンドレ・テシネ監督でエミリ・ブロンテをイザベル・アジャーニがやっている「ブロンテ姉妹」が「嵐が丘」の雰囲気を伝えていると思う。

吉田喜重監督の「嵐が丘」は舞台を日本の中世に移している。役者の立ち居振る舞いやメイクと衣装が能や歌舞伎を取り入れており、広大なロケ地に建てられたおどろおどろしい鳥居や屋敷も中世的な雰囲気が漂う。うまい設定である。物語は原作どおりなので、時代を中世以降に設定したら、あの強い愛に生きる女性は描けなかったような気がする。一方、愛する女の骸骨まで愛するということは、やっぱり中世にしたのがよかったように思う。

松田優作の映画はこのほかに「ブラック・レイン」しか見ていないというお粗末。まわりの女子たちが騒ぎすぎていたこともあるけど、ちょっと距離をおいてた。「嵐が丘」では「ようやっている」という感じで、他の映画の松田優作を見たい。

1988年の映画だがこれだけの大作なのに映画「嵐が丘」があることさえ知らなかった。いかに映画から(そして音楽からも)離れていた時代か、いまになって不思議がっている。
吉田監督の映画は「秋津温泉」(1962)、「エロス+虐殺」(1969)しか見ていなくて、どうもすみませんというしかない。これからDVDでできるだけ追いかけたい。

佐伯清監督「昭和残侠伝」

懐かしき「昭和残侠伝」だけど、シリーズ1作目ははじめてだ。このシリーズはタイトルを覚えていないが何本か見ており、後期だと思うけど、雪が降っていて池部良が傘を高倉健にさしかけるシーンが美しかった。それだけでなく全体に様式美ともいうべき極ったシーンがあってしびれたことを思い出した。

戦後すぐの闇市シーンからはじまる。浅草の青空市場からマーケットを建てるまで、伝統を守る神津組に新興やくざ新誠会がからむ。由緒ある組の親分は時代の流れのなかで跡目にしようと考えている清次が戦争から復員するのを待っている。親分が息子の目の前で銃弾に倒れ遺言を残したあとに清次(高倉健)がもどってくる。清次の恋人綾(三田佳子)は縁続きの組の親分と結婚していた。
家出した妹を探して風間(池部良)は東京へ出てきて組の居候になっている。池部良と菅原謙二が仁義をきるところがなんともいいようがない。売春婦に身を落とした妹はこの組の一人と恋仲になっていた。殺された恋人の葬式の場で兄と妹は出会い、妹は結核で入院するが死んでしまう。
力のある親分の世話で小売商たちをなんとか自立させようとマーケットを建設していると、夜中に新誠会に火をつけられて全焼。

我慢の緒が切れて清次が立ち上がる。みんなはこれからのマーケットのことを考えろ、俺はひとりで行く。歩き出すと風間が待っていた。ふたりは新誠会事務所へ乗り込む。

深作欣二監督『仁義なき戦い』

お盆やし(笑)たまには映画を見ようやと相方が借りてきたDVDの1本目は懐かしき深作欣二監督「仁義なき戦い」。1973年の封切りで見て以来だから40年近く経っているのだが、いろんな場面を覚えていていっしょにセリフを言って楽しんだ。

「明日がないんじゃけ、明日が」と広能昌三(菅原文太)が殺しに出かける前夜の、鯉の入れ墨をした背中で女を抱いているシーン。若杉寛(梅宮辰夫)が逃走用に学生服を着て天ぷら学生と言っているところを警察に踏み込まれ、撃ち合いの末に殺されるシーン。坂井鉄也(松方弘樹)がふと玩具屋に入って見ているところを後ろから射たれるシーン。
刑務所で若杉と広能が兄弟分になるところ、梅宮が出所したいがために狂言で腹を切って文太が看守を呼ぶところもすごい。見ているとどんどん思い出していく。
最後の坂井の葬式で、たいそうな祭壇に広能がピストルをぶっぱなすシーンもすごい。

岩に浪がぶつかる東映映画のタイトルが出たあとに原爆が落とされるシーンがあり、闇市の活気とアメリカ兵の横暴シーンへとフルスピードでつながり、そこにいた広能の向こう見ずの暴力。ほんまにすごい映画だ。

最初の映画『殺しの分け前 ポイント・ブランク』

原作リチャード・スタークの「悪党パーカー/人狩り」、監督ジョン・ブアマン、主演がリー・マービンとアンジー・ディッキンソンのスタイリッシュな映画。70年代に天王寺の駅ビルの小さい映画館で見た。その後はビデオで楽しんでいたが、今日はおととい購入したVideo captureなるもので、ビデオをマックに取り入れてからiPadへ。これらはすべて相方の仕事である。わたしはええねぇと言いながら鑑賞するのみ。今日は晩ご飯後に途中までちょろっと見ただけなので、映画の感想はまたゆっくりと見たときに。

iPadはすごい。わたしはまだ慣れてないけど、ミステリを1冊完読すれば勘が働くようになると思う。いまのところ無料で取り入れた本や、ファイルしてあった雑誌の記事をスキャンして入れたのを読んでいる。こらからはどんどん取り入れ中の映画を見るのがうれしい。かさばっている不用のソフトを捨てるのがまたうれしい。

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの『踊らん哉』

ビデオよりもレーザーディスク(LD)を早く買ったので、小遣いはみんなLDのソフトにいってしまった時代があった。マックプラスを買うよりも早かったからもう30年近く前か。最初はフランスやスウェーデンのアートっぽいものだったが、やがてフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースのダンス映画を集めだした。
「踊らん哉」「トップ・ハット」「空中レヴュー時代」「コンチネンタル」「有頂天時代」と続けてRKO時代の映画を買って何度も見た。
カラーになってからのもほとんどと言っていいくらい見たけど、やっぱりRKO時代の白黒映画がいい。ダンスがすごくて、内容はお笑い恋愛映画(笑)。同じメンバーが出てくるのも楽しい。アメリカの刑務所は「サスケハナ」にあるというのも「踊らん哉」で知った。いまもそこのところを見て爆笑。

今日Video captureというものを購入した。ビデオやLDから中身がマックに取り込める。それで「踊らん哉」を見たわけ。押し入れにつっこんであった古いものが蘇るのがうれしい。
アナログテレビがもう10日で見なくなる。ビデオとLDからマックに取り込むのが終わると、テレビを置いてある一画が空いて部屋が使いやすくなる。

昔の西部劇『赤い河』のモンゴメリー・クリフト

この映画を40回くらい見たと言ったら呆れられるやろなぁ。うんと昔のビデオがない時代、上映されていると知ると遠い映画館でも出かけて見た。その後はテレビの洋画劇場みたいなので見たし、輸入版のレーザーディスクを買って何度も見て、いまはDVDで見ている。
最近は映画のDVDそのものを見ることもなかった。今日はTSUTAYAでなにか借りてこようと言いつつ行く元気がなくて、在庫をあさってこれに到達。

「赤い河」(1948)が好きの理由のトップはモンゴメリー・クリフトが出ていること。次は馬と牛がいっぱい。その次は、ジョン・ウェインとウォルター・ブレナンが出ていること。わたしはハワード・ホークス監督のファンでもある。
モンゴメリー・クリフトの映画の中でいちばん好き。細いウェストにベルトと拳銃のベルトが重たげ。静かだけど意志が強くて射撃の名手。ユーモアもある役どころを演じている。
見ながら次はこうなるんやでとかしゃべりつつ見ているとゴクラク。長い旅から牛の売買の契約のために事務所に入って天井を見つめる。「長いこと屋根のないところにいたからというで」と言ったらそのとおり(笑)。