ギネスとアイリッシュコーヒー

先日久しぶりにシャーロック・ホームズへ行った。3ヶ月も空けてしまったので、お店もわたしもぎこちなかった。これはあかんと今日はギネス大好きな相方を誘って晩ご飯を食べに行った。買い物もせず本屋にも寄らず、相方は仕事を早く片付けて家から、わたしは姉の家の帰りにスタバで待ち合わせ。

ニコニコしながらギネスをたくさん飲んで、フィッシュアンドチップスとフライドチキンを食べ、仕上げは相方はアイリッシュウィスキー、わたしはアイリッシュコーヒー。かなり酔がまわっていい気分で帰ってきた。タクシーを拾うのに久しぶりに大阪駅前第一ビルの前を歩いたら、昔この辺りは古本屋がたくさん並んでいたのを思い出した。曽根崎書店を東商店街のほうで開いたおっちゃんが東京から来てこの辺りの古本屋で修行してたことなども思い出し感傷にふけった。曽根崎書店は学生や若者たちが集まって賑やかな店だった。おっちゃんは阪神大震災の次の年に亡くなり、古本屋街は跡形もない。
わたしの梅田地図は曽根崎書店の時代があって、その後はシャーロック・ホームズの時代。

もうけはあとからとれ

今夜も姉に定期電話していろいろ他愛なくしゃべった。姉は朝からデイサービスに行ったのだが、雨降りのため遠くの人から送ったので帰宅の順番が最後になったという。ほとんど夕方やったとのこと。姉の家は施設から近いので車でなく歩きである。どこか悪いときは車椅子で送ってくれるが、ふだんは歩いたほうが健康に良いと歩いて帰ることになっている。今日は雨降りなのでレインコートを着て車椅子かと思ったが雨が上がって歩きだったそうな。

「帰ってからテレビをつけてドラマを見てたらすぐに暗くなって、家の用事が遅れてしもてね、ご飯がすんだら8時や。〈もうけはあとからとれ〉とお母ちゃんによういわれたんを思い出したわ。いくつになってもあかんな」「それどういう意味なん?」「用事や勉強を先にしてあとでゆっくりしたらええということや。いまだにあかんわ」とのことであった。この言葉、子供には向いてないような気がするが、明治生まれの母親のそのまた親がいってたのかもしれません。

タチアナ・ド・ロネ『サラの鍵』を読み出した

ジル・パケ=ブランネール監督による映画『サラの鍵』がすごくよかったので、見た後すぐに本を頼んだら今日の午後届いた。厚くて郵便受けに入らず部屋まで届けてくれた。ありがたい。表紙がとても静かにきれいで、本文の文字組がとても読みやすい。だがページ数が多い。全部読み上げるのにいつまでかかるか心配になってきた。
なんて心配は置いといてと早速読み出した、映画の最後のところが気になっていたものだから、終わりのほうを読んだ。晩ご飯前だから大忙し読書30分(笑)。晩ご飯の片付けをすませて真ん中あたりを読んでいる。
フランス警察に連行されたサラとサラの両親の悲惨な生涯、サラの弟は悲惨に死んでいた。
ジュリアの調査でいろんなことが明らかにされていく。

映画と小説とでフランスで実際あった出来事を調査し掘り下げて行くジャーナリストの仕事と生活を読んで考えて当分毎日が埋まりそう。
(高見浩訳 新潮クレストブックス 2300円+税)

ブリあらと大根のトマト煮

今日の主菜はいつも食べる米のご飯とブリのあらと大根の醤油煮でなくて、トマトで煮たもの。見たところはイワシのトマト煮と変わらないけど、箸をつけたらおおいに変わっていた。お醤油で炊いたブリの目玉のところが大好きなのだが、トマト味もうまかった。片身だけだったから、目玉はわたしがもらった。
もう一皿は大根、にんじん、生椎茸を蒸した温野菜、グリーンの葉っぱをのせて。そしてトーストパンはなにもつけずに焼いただけ。トマト煮のお皿を最後はパンでぬぐってなにも残さず完食した。赤ワインとよく合って質素だけどうまかった。
ちょっとしつこい味で口の中が魚とオリーブオイルの味でいっぱいになったが、食後の紅茶がさっぱりとよく効いた。

時雨れる

午後から姉の庭の片付けに行った。今日は晩ご飯をいっしょに食べるので鍋の材料をデパ地下で買った。鶏肉と牡蠣と豆腐と野菜と饅頭とプラス頼まれ買い物をぶら下げて、デパート出てタクシー拾うまでが重かった。

今日の仕事、伸び過ぎた竹と終わった萩の枝を切って捨てようとゴミ袋に収納していたら雨が落ちてきた。これは時雨じゃわいと大喜び。冷たいのがしばらくぱらぱらと降ってやんだ。いまのは時雨やったなとまだしつこくいっている。すこし寒くなったときにさっと降ってやむ雨。すっごい日本的というか、情緒たっぷりな雨じゃわいとかひとり思って喜んでいた。
作業中にいつも土曜日担当の姪が、忘れ物があったとやってきた。やーやーと家の中で用事をすませて帰るわというので、「顔くらい見せーな」といったら「それ!顔」と差し出してから引っ込めて帰っていった。時雨みたいな女子なり。

タチアナ・ド・ロネ原作、ジル・パケ=ブランネール監督『サラの鍵』

おんな友だちにいい映画だから見るようにと紹介されたのだが見てよかった。
世界的ベストセラーになったタチアナ・ド・ロネの小説を2010年映画化したフランス映画。残念ながら原作を読んでなかったのでこれから買って読むつもり。

サラ・スタルジンスキという女の子がベッドで弟とふざけているところから始まる。幸せな笑い声が響いているところへ警察がやってくる。母が相手をするが警官たちは問答無用で、父と母とサラを連行しヴェルディヴ(屋内競輪場)へ送り込む。1942年7月、ナチに占領されたフランス政府と警察がパリ市内に住むユダヤ人1万3千人を逮捕し、うち8000人をヴェルディヴに収容し、のちにアウシュヴィッツに送った。

一家3人はヴェルディヴに送り込まれる。サラは弟を納戸に隠し鍵を外からかけたため、ずっと弟を助けにいこうと思っている。トイレもなくなんの設備もない競輪場に収容されたユダヤ人たち。ひどい悪臭が立ちこめるところで過ごすが、次は臨時収容所に移され、男・女・子供と別にされる。

サラがもう一人の女の子と建物の外へ出ると、他の人たちはみんなアウシュヴィッツに送られてしまった後だった。弟を助けに行かなければと二人で脱走しようとする。若い監視人が鉄条網を持ち上げてくれ二人をくぐらせてくれた。必死で草原を走る二人は、ひととき小さな沼に体を浮かべて休息する。森を抜けて村へ出たがどこの家も助けてくれない。小屋に潜り込んで寝ているところを農家の夫婦に助けられる。
もう一人の女の子はジフテリアで死ぬ。警官が調べにやってきたがサラは匿われて助かる。
老夫婦はサラを服と帽子で男の子に変装させパリへ連れて行く。サラは自分のアパートへ行くとドアを鍵で開ける。そこで見たものは・・・

アメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)はフランス人の夫と結婚して安定した家庭だが、二人目の子供を妊娠している。いまさらの年齢で子供を持ちたくない夫と気まずくなるジュリア。
「ヴェルディヴ事件」についての記事を書くことになり取材をはじめる。

第20回大阪翻訳ミステリー読書会 『さむけ』ロス・マクドナルド著

早くから課題書が決まっていたのになかなか読めず、というより、読むべき本の中に混ぜて積んだままだったのをようやく読んだ。ロス・マクドナルドの本は70年代になってミステリー読者に返り咲いたころに読み出して夢中になったが、最終的にはたいしたファンではなくなっていた。輝かしくロバート・B・パーカーのスペンサーが出てきて、ジョセフ・ハンセンの調査員ブランドステッターやマイケル・ナーヴァのヘンリー・リオスなどゲイの探偵、そしてヴィクなど女性探偵たちの新鮮さに興味が移った。あちこちで書いたが、目下の興味は北欧の捜査官たちに向いている。

今夜の「第20回大阪翻訳ミステリー読書会」は20名の参加者が熱心に『さむけ』について語り、ロスマクについてそれぞれ感じたところから語っておもしろかった。ベテランの読み手の人を別にして、たいていは今回はじめて読んだ人なので感想も新鮮だ。その感想の裏打ちをするベテラン読者がいるのがいい構図だった。読書会の醍醐味を主催者は味わったと思う。

甘いもの食い過ぎ

今日は木曜日で姉のところへ介護に行く日。朝から出かけて5時まで家事とあんま。背中をあんましながらいっしょにテレビを見ていた。日馬富士問題では貴乃花親方がおしゃれなのに驚いた。ええマフラーしてはる。2時間の古い刑事物も見た。
おやつにイカリスーパーで買っていった大きなおはぎを食べた。二人とも高齢者なのによく食べる。長生きの秘訣は「よく食べる」ことにあり(爆)。

帰りは空っ風みたいな風に吹かれて長時間のタクシー待ち。祝日だからなかなか通ってくれない。ようやく乗れてやれやれ。運転手さんと相撲の話なんかしながらライトアップした御堂筋を通って機嫌よく帰ってきた。

家のドアを開けたら相方がアメリカ村ビッグステップの催しSTEP HARVESTで買ってきた食べ物をテーブルに並べて一息ついていた。無農薬野菜いろいろ、蜂蜜と調味料、パンとケーキとチョコレート。
その中から1個600円!というシナモンロールを半分こしてコーヒー淹れて食べた。それから八百屋さんにもらった大学芋も食べた。両方ともむちゃうまい。だけど、こんなに食べてええのかな、ええんかいなと反省心がわいてきた。まあ明日から考えよう。今日は勤労感謝の日だから甘いものを食べて感謝だ!

今宵の雨の寒さかな

もうとうに過ぎたが11月7日は立冬だった。この日から立春の前日までが冬だって。暦には「日は短くなり時雨が降る季節」とある。先週くらいから目立って日が短くなって夕方すぐに暗くなるので慌てた。11月22日ごろが「小雪」というんだって。平地にも初雪が舞い始める。雪が舞わなくても大寒いのだろう。

今年はいつもの年より早く寒くなった。毎日寒くてかなわん日々である。先日と昨日と慌てて冬の服を補充した。寒くても天気が良ればいいが、雨になると冷えて大寒い。今日は夕方から雨になったが、部屋の中まで冷やっこくて寒い。ガス代の心配しつつファンヒーターの温度を上げている。
ベランダへ出てみたらひどく寒いから洗濯を中止した。いささかオーバーだけど干した衣服が凍りそう。天気が戻ったら洗濯して干すことにしよう。
トシのせいだろうが毎年だんだん寒さをきつく感じるようになった。暖かいタイツの補充をしなくては。部屋履きの厚いソックスの洗濯替えを買わなきゃ。つい手元にあったのを人にあげてしまったので。

かんちがい

先日、なんとなくはじめて入った婦人服の店で声をかけられて「これより少し短かめで太めのパンツを探してるんやけど」といったら「お客さんにぴったりのがありますよ」と出してくれた。試着してみたらほんまにぴったり。「これいただくわ」という本のタイトルがあったっけと思い出しながら即買った。売る相手のあてがあったのがこっちへまわってきたのかも。

接客の話題や態度も気に入ったのでもう一枚いいのがあれば買おうかなと今日ぶらりと行って、ここだっけかなと前を通ったら「こんにちは」と声が聞こえた。声の方を見たら、昔の知り合いみたいで、「久しぶりやね」と返事した。昔の知り合いが昔のままでいるわけない。先日のお店の人である。ボケてるわとあわてて謝って新たに1枚良さげなのを出してもらって買った。今日は裾を5センチほど短くしてもらった。1時間待っていると仕上がるというのでコーヒーを飲みに行って戻ったらできていた。

「さっきはごめんね、かんちがいもええとこや」と謝ったが〈おかしなおばはん〉と思われたやろな。アシックスの靴とジョローナのバッグとシルクの5本指靴下をえらく褒めてくれた。商売上手なんや。またなにか買いに行こう。