佐野洋子 文 北村裕花 絵『ヨーコさんの “言葉” それが何ぼのことだ』

去年のヴィク・ファン・クラブ(VFC)の会報でKさんに紹介されたテレビ番組と本が会員の中で話題になった。我が家にはテレビがないのでそのままスルーしていたが、会員のYさんが今日宅急便で本のほうを送ってくださった。VFCはとっても友愛に満ちた会だ(自慢)。

佐野洋子さんの絵本『100万回生きたねこ』はすっごく有名な猫の本である。わたしは買ったけどすぐに姪に持って行かれたままだ。谷川俊太郎さんと結婚して話題になったことがあったが6年で離婚された。2010年に72歳で乳がんのため亡くなった。
NHKワンセグ2・Eテレにおいて『ヨーコさんの言葉』が2014年度制作・放送された。いまは日曜日の朝8時55分〜 水曜日の午後10時45分〜 放送されている。

さっそく開くと文章が少なくて楽しげな絵なのですぐに読み終えた。絵が楽しいのでこんなに慌てて読んだらあかんともう一度読んだ。
猫と暮らす60代の画家ヨーコさんの幼年時代の思い出から、若いときの友だち付き合いのいろいろ、日常生活の風景。そして愛猫ががんで死ぬのだが毅然とした死に方についての考察がすばらしい。
絵が素敵。もうちょっと佐野さんを美人に描いてほしかったなあ、と勝手な想いがわいたが、全体のトーンからいくとこれでいいのね。
(講談社 1300円+税)

半夏生(はんげしょう)

旧暦の解説を読むのが好き。読んでは忘れてまた気になったら読む。
半夏生という言葉は知っていたが意味は忘れていた。どういうことか調べたことはあると思うんだけど。
「半夏生」は【梅雨の末期、天地に毒気が満ち、半夏(ハンゲ)という毒草が生ずると考えられた。なお、「ハンゲ」はサトイモ科カラスビシャクとされる。】
もうすぐ梅雨でそれから半夏生・・・と思っただけでもう蒸し暑くなる。

興味は移って、春・秋のことだけど、「社日(春)」と「社日(秋)」というのがある。【春分・秋分にもっとも近い戊(つちのえ)の日。生まれた土地の産土神(うぶすながみ)に参拝する日。】とある。そして【春分・秋分日付によって決まるもの】とのこと。続いて【「社日」は、春分・秋分の直近の「戊の日」ですが、戊と戊の中間に春分・秋分が来る場合は直前の戊の日としています(貞享改暦の規定に従って)。】と注釈がついている。
「戊(つちのえ)」というのもややこしい。もうやめとこう。

今度は「社日」というのがわからんのでウキペディア。
【社日(しゃにち)とは雑節の一つで、産土神(生まれた土地の守護神)を祀る日。春と秋にあり、春のものを春社(しゅんしゃ、はるしゃ)、秋のものを秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)ともいう。社日は古代中国に由来し、「社」とは土地の守護神、土の神を意味する。】とあった。
わかったようなわからんような。
【春の社日に酒を呑むと耳が良くなるという風習があり、これを治聾酒(じろうしゅ)という。】なんてことも。

ご近所と交流

近所に引っ越してきた若いカップルと知り合ったら立ち話で気があって、ゆっくり話そうということになった。新居にワインと相方手製の食べ物を持って伺い、ビールとご馳走を出してもらって大パーティとなった。
近くなので乗り物の心配はいらないし、ソファにゆっくりと座らせてもらってよもやま話。聞き手がうまくのってくれて、昔のアメリカ村のことやうちらが経験した大阪の音楽状況なんぞを話した。興味をもって聞いてくれたけどこんなに聞き上手は珍しい。
ジャズからいまのクラブまでの話はうちらが主になっていたが、最後は彼らからヒップホップについて教えてもらった。
いまのヒップホップを次々に見せてもらって、その進歩を納得。いままで知っていたのは全然ちゃうやん。映像もすごく新鮮で惹きつけられた。みんなの中で踊ってる小柄な女性がいま人気と聞いて納得。
韓国のヒップホップもよかった。
初対面なのに長居して話に飽きないってすごいわあ。

ジュリアン・ムーア主演、スコット・マクギーとデイヴィッド・シーゲル監督『メイジーの瞳』

ちょっと重い東映 藤純子作品をおいて楽しそうな洋画を見ようと探した。ジュリアン・ムーアならいうことなし。タイトルどおりに可憐なメイジーの瞳に魅せられた。2013年のアメリカ映画。
母親のスザンナ(ジュリアン・ムーア)はロック歌手で、父親は美術品のディーラーだが離婚。メイジー(オナタ・アプリール)は10日ごとに二人の家に住むことになる。父親は出張が多く元ベビーシッターのマーゴにメイジーの世話を押しつける。スザンナはバーテンのリンカーンと結婚するが、娘の世話はリンカーンにまかせきり。それでもこどもを愛していると抱きしめる。なにをしてもここに止めることができないのをわかってツアーに出る母を見送る娘の瞳が悲しい。

ニューヨークの小学校の授業の様子やこどもたちの行動が描かれていて微笑ましい。メイジーの表情やしぐさが愛らしく、服やアクセサリーが素敵。こども部屋のインテリアはわたしが真似したい(笑)。
海辺の売り家をマーゴがツテで借り、二人で海辺で遊んでいてボートに乗りたいと話しているところへリンカーンがやってくる。明日は3人でボートだ! 夜中にツアーのバスがやってきてスザンナがいっしょに行こうというが、娘は明日は3人でボートに乗るといってがんばる。
マーゴとリンカーンが出てきて遠くから母娘を見ている。母はツアーに戻っていった。

悪いひとが出てこないけど自分勝手なひとは出てきて話がややこしくなるが、しっかり者の6歳の娘の自己主張がとおって気持ちよく物語が終わる。
トシがいってちょっと落ち目の歌手という役のジュリアン・ムーア。娘の自己主張に負けて引き、そして面倒を見る二人への敗北感と信頼もある演技力がすごい。

ご馳走の後は、オコエ選手が阪神との交流戦でプロ初ヒット!

天気の具合と相方の仕事の合間を見計らって今日は仕事を休み、趣味の(笑)姉の庭の手入れに行った。萩が群れてきたので柵をつけ、植木の様子を点検し、ヘクソカズラがつるを伸ばしていたら引っこ抜いた。狭い庭でも世話することがたくさんあるものだ。30度近く気温が上がっていたので水分補給しながらやったけど暑かった。

晩ご飯は大ご馳走。お刺身(マグロ、カツオのたたき)、焼き鳥、野菜サラダいろいろ、茹でソラマメ、ワカメの煮物、柿の葉寿司、ビールと日本酒。姉もよく食べて残り物なしだった。最後に夏みかんと甘いものとお茶。すべてデパ地下の出来合い(笑)。

しゃべりながら食事が終わったら、阪神の試合やってるでと姉がテレビをつけた。今日からはじまった交流戦を楽天本拠地のkoboスタでやっている。つけたときは楽天が2点先行してた。その後、鳥谷の本塁でアウトをめぐって異例の8分間リプレー検証がありセーフになった。それから片付けをしながら試合を追っていたら、7回にプロ初ヒットをオコエが打った。
「1軍に再昇格して2試合目、プロ13試合、13打席目にしての初ヒットだった。」と野球ニュースは伝えている。試合は9−1で楽天が勝った。

ナチュラル ピーナツバター

いままでピーナツバターというものをあんまり食べてなかった。子どものときは基本のもの以外はもったいないということで食べさせてもらえなかった。舶来好きな父親のおかげで朝食は紅茶とトーストだったけど、節約でバターでなくマーガリンだった。それもつけすぎると母親に注意された。言葉だけで「オートミール」を知って憧れた。オートミールはいまの我が家の必需品である。

アメリカの絵本やミステリーを読むとピーナツバターがよく出てきて食べてみたいと思ったものだ。映画で子どもたちが学校へお弁当を持って行くのに、自分でパンにピーナツバターを塗りつける。それだけを紙袋に入れて走って行くのをいいなと思った。我が家のお弁当はご飯に梅干しが真ん中にあって、あとはタラコと昨夜の残りの野菜が少々みたいなものだった。洋画に出てくるお弁当よりうちの弁当のほうがマシだったのかしらね。まあ、そんなもんでも作ってくれたからモンクはいったことがない。

ピーナツバターくらいいつでも買えるようになったけど、甘いと思うと手が出ない。ひと瓶買って食べきれなかったら困る。
この間、相方が買ってきたのは甘いものが入っていないピーナツだけのもの。これはそのままスプーンですくって食べてもうまい。
今日のおやつに作ってくれた薄切りトーストにつけてバナナの薄切りをのせてはさんだのがうまかった。コーヒーにとても合っていた。

中原昌也 自伝『死んでも 何も残さない』に付箋を貼った

引用(130ページ)
【 貧乏な都会っ子は不幸だ。共感は得られないし、生まれ変わることもできない。世界中のモノや情報が腐るほど視界に入ってきても、結局、手に入れることができない境遇。寂しくて、みんなが好きでないマイナーなものに想いを寄せるしかなかった。田舎にいたら、マンガやヤンキーに行ったのかもしれないけれど、バブルの頃の東京には何もかもがある不幸があった。】

付箋を貼っておいたのに昨日は見逃していた。
いい言葉というより、わたしのことを語ってくれている言葉だと思った。うまいこというなあ。わたしは彼よりもずっと年長だけど、生まれも育ちも不幸な貧乏な都会っ子である。そして、そういうことをいう年齢を過ぎても言える貧乏という特権を手放していない。
死んでも、なにも残っちゃいないよ。

中原昌也 自伝『死んでも 何も残さない』

先日の午前中にNHKラジオ第一放送をかけたら「すっぴん」アンカーの藤井彩子さんと話していたのが本書の著者中原昌也さんだった。たしかテキーラの飲み方についてが話題だった。ヘンな面白い人だなあと聞いていたら作家だとのことで、さっそく検索したのが発端だった。
たくさん本を出しておられ、先日「伯爵夫人」で話題になった三島由紀夫賞を2001年に受賞している。アマゾンでつらつら眺めて単行本で安い本を探して、いちばん安く手に入る単行本が本書だった。中原昌也 自伝『死んでも 何も残さない』(2011 新潮社)
さっそく注文したのがおととい到着。表紙とカバーにかわいいイラストがあり、特にカバーは真っ赤な地に黄色いクマさんのイラストがかわいい。前は前向き、後ろは後ろ向きのランドセル背負ったクマさん。

昨日と今日で読んでしまった。
小説と思って読み出したので違和感あり。それであちこちしてから最後のページを見たら「本書は著者の談話を編集部が構成したものである。」とあった。それで納得しておもしろく読んだ。

本書がおもしろいのは東京育ちの子供時代を経て高校中退にいたる親子関係、そして音楽関連のことを淡々と語っていること。バイトしても東京の子のおっとりしたところとちゃっかりしたところがあっておもしろい。四方田犬彦さんについで東京で育った男子の生態がわかった。

彼が活動していた1990年代、2000年代はわたしはもう音楽を聞くことを卒業していたので「暴力温泉芸者」というバンド名は知っていたけど聞くことはなかった。

次は小説を読もうと思う。それにしても知らない作家が多すぎる。

衣替えとか

あっと言う間に日にちが経って5月はあと4日で終了だ。寒がりが1人いるので薄い布団をかけていたが、毎朝ぐっしょりと汗をかいて目がさめる。寝るときはいいんだけど寝ている間に体温が上がるみたい。それで布団をはいでいたらなにをしているかわからん。ということで初夏モードに切り替えた。お気に入りのキルトの上掛けが真夏になるまでの友である。

今日は押入れ整理をして布団や毛布類も整理をした。季節が変わるまでいろいろと用事があるものだ。ガスファンヒーターの掃除もまだだし、カーテンも外して洗濯しなきゃ。すだれの買い足しもせなあかん。クリーニングに出してある合いものを引き取ってきて仕舞わないと。

映画と本ばかりに明け暮れていたら(VFCの会報作りもあったけど)あかん。生活の基本をきちんとしないと。そんなことを感じたんだけど。そうそう、昨日の夜アマゾンの広告を見て、《8/26発売 キャロル スペシャル・エディション [Blu-ray] 6966円》を予約した!!なによりも『キャロル』。

昼寝ざんまい

「雨の日の猫は眠い」となにかで読んでから、この言葉をここでもしばしば使わせてもらっている。猫だけじゃなくて人間も雨の日は眠いです。
今朝は暑かったせいか早く目覚めたがベランダ向きのドアを開けたら涼しい風が入ってきた。まだ雨は降っていない。車の音がどーんどーんと響いてくる。うるさいなあと思ったのもつかの間で、すぐに寝入ってしまい2時間の熟睡だった。おかげで爽やかな朝(?)であった。

午後のコーヒーを飲んでからもあくび連発だったのでちょっと横になって30分の午睡。
ほんまによう寝られる。晩ご飯にワインを飲んだらまた眠いけどもう寝ない。そして夜中を過ぎると目がらんらん。それから読書時間のはじまりです。