週に一度のお手伝いさん

義兄が亡くなって6年半経った。アルツハイマーとわかった時点で長いこと縁が切れていた姉夫婦の家に手伝いに行くようになり、義兄が亡くなってからは半月に一度くらい行っていた。いまはきちっと週に一度行っている。

介護保険のおかげで週に一回デイサービスに行ってお風呂に入れてもらい、週に2回ヘルパーさんが来て掃除をしてくれる。ありがたいことだ。お風呂の手すりをつけてもらってるし、玄関も支え棒がついている。

姉は足が弱っていてスーパーまで行けないから買い物はもっぱら近所のコンビニが頼りである。最近はおかず類も豊富で、水茄子の漬物まで売っているからおどろく。今日食べたけどけっこう美味だった。土用の丑の日用に鰻弁当の予約用紙が置いてあるので注文しようかなと言っている。

わたしが行くときはデパ地下(阪神か阪急かイカリスーパー)で買い物をして行く。週一だから親しくなった店員さんもいる。黙って買い物したいからスーパーのほうがいいけど、そこは人当たり良く。自分は買えない高価な買い物(笑)。

家事の手伝いはもっぱら姪親子が土曜日にやるので、わたしの手伝いはラクなものだ。でもうっとおしいという点でラクではない。今日も背中のあんまをしながら刑事物ドラマを見ていたが、刃物の殺人が多すぎるように思った。まあテレビに慣れてないから感じるのかもしれないが。

おからで冷酒

毎度のことだが金土日と夜更かししたので月曜日はしんどい。その上に昨日は昼寝をしたので夜の寝つきが悪く今朝はしんどかった。天気もどんよりしてたし。
夜更かしどころか夜明かしした相方がお昼ご飯をつくったのを食べたら2時だ。食べながらも食後もよくしゃべるので時間がどんどん経っていく。それから出かけた相方が買ってきた食材で夕ご飯を作っているのを横目に用事を片付けた。

晩ご飯は、大きなどんぶりにおからが入っていた。わたしのおからは吉田健一さんが『東京の昔』に書いていた海老の入った贅沢なおからだが、相方のおからは素朴なおから。最近はわたしは作らないからこればっかり。いやいやこれもおいしいです。炒め物でビールを飲み、おからで冷酒。月曜日から贅沢なことである。

今夜の晩ご飯:ビールと日本酒(冷酒)、おから、サラダ菜+イワシのピクルス、豚肉とゴーヤ炒め、ご飯、味噌汁(大根とわかめ)、梅干し、番茶。

ウディ・アレン監督『ミッドナイト・イン・パリ』

ウディ・アレン監督の2011年の映画。ファンだと思ってたわりに見ていないのに気がついた。
見た映画は『ボギー!俺も男だ』『アニー・ホール』『インテリア』『マンハッタン』『ハンナとその姉妹』『ブルージャスミン』。

ハリウッドの脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)とイネズ(レイチェル・マクアダムス)はこれから結婚すると決まっているカップルで、大金持ちのイネズの両親といっしょにパリ旅行を楽しんでいる。イネズの友だちカップルと出会って行動を共にするが、ギルは親にも友人たちにも打ち解けない。彼の野心は脚本書きをやめて作家になることで書きかけの原稿を持っている。毎日4人で遊んで飲んで楽しんでいるが、ギルは小説を書くことを第一にしているので食い違う。

ある夜、ワインに酔ったギルは一人で深夜のパリを歩き疲れて道端に立つと古いプジョーが走ってきてギルを乗せる。
最初の行き先はジャン・コクトーの家だった。そして何度かのプジョー待ちで出会った人たちは、コール・ポーター、ゼルダ & スコット・フィッツランド、ヘミングウェイ、ガートルード・スタイン、ピカソ、ダリ、マン・レイ、ルイス・ブニュエル、ロートレック、ゴーギャン、ドガ と多彩。1920年ごろ。
時代にあったそれらしい会話がはずむ。ガートルード・スタイン(キャシー・ベイツ)に原稿を読んでもらったり、ヘミングウェイに小説を書くことについて忠告されるのがおもしろかった。

ただひとり架空の人物アドリアナ(マリオン・コティヤール)。ギルとつきあっているうちにもっと前の時代1900年ごろに生きたいといい、実際にいってしまう。シルクのドレスがからだにまとわり揺れて美しい。
最後にパリは雨がいいのと濡れながら歩き出すレア・セイドゥの雰囲気がパリって感じだった。

四方田犬彦さんの『心ときめかす』を心ときめかせて読んでいる

翻訳ものばかりに気を取られて100冊以上の本を出しておられるというのにお名前もろくに存じあげなかった。去年手にした2003年発行の『ユリイカ』吉田喜重監督特集号で四方田さんが書いた「母の母の母」を読んで論理的な人やなと思ったのが最初である。それ以来、吉田喜重、蓮實重彦、四方田犬彦をわたしは先生と呼んでいる。
そんなときに姉が購読している『波』で四方田さんのインタビューを読んだ。今年出た本『母の母、その彼方に』についてである。えっ、箕面!!

その前にアマゾンの中古本でこれはと買ったのが『ハイスクール 1968』だ。まず、これをと読み出して一通り読んだときに『母の母、その彼方に』を買ってきた相方にとられた。わたしらにとっては1968年は忘れられない年である。きっと四方田さんもと思ったが、わたしらよりもずっと若くてハイスクールのときだったのだ。いろんな人の経験談や回想や自慢話を聞いたけれど、高校生だった人の話は聞いていない。非常に勉強になった。

いままでに読んだ本
『赤犬本』(扶桑社 1993)〈図書館〉
『ハイスクール 1968』(新潮社 2004)
『歳月の鉛』(工作社 2009)
四方田犬彦・鷲谷 花 編集『戦う女たち 日本映画の女性アクション』(作品社 2009)
『女神の移譲 書物漂流記』(作品社 2010)〈図書館〉
『人、中年に到る』(白水社 2010)〈図書館〉
『母の母、その彼方に』(新潮社 2016)
いま注文中『ひと皿の記憶 食神、世界をめぐる』(ちくま文庫 2013)

いま読んでる本『心ときめかす』(晶文社 1998)〈図書館〉
平野甲賀さんの装丁になる美しい本で文字も読みやすくてうれしい。四方田さんが心ときめかすものってなんだろう。『枕草子』がいちばん先にある。やっぱり普通に語ってはいない。ノスタルジックな歌『ペィチカ』についての真実をはじめて知った。そして『アリラン』の真実をいままで知らなかった。
「蜜の歴史ー矢川澄子」は大好きな森茉莉のこと。フランス語に「神聖なる怪物」という言葉があって、コクトーやオーソン・ウェルズのような大芸術家たちを指すそうだ。四方田さんの見るところでは日本の文学者ではたった二人しかいなくて、三島由紀夫と森茉莉だという。
こんなふうに「心ときめかす」ことがたくさん書かれたエッセイ集である。さあもう少し読んでから心ときめかしつつ寝るとしよう。
(晶文社 1900円+税)

心ときめかす
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晶文社
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夏がきた

風が通るようにあちこちの窓や戸を開けてご飯を食べる。涼しい風とともに騒音も入ってくる。涼しい風といってもいまのところだけで、梅雨が明けたら無風か温風か熱風かだもんね。特に今年は暑いらしいから考えるだにいやになる。

今夜は週末だけあってオートバイの騒音が激しい。昔のように群れではなくて個人で派手な音を響かせて走り去る。夜中にもまたくるんやろな。
救急車もけっこう走っていく。そのたびに車の音にプラス拡声器の声が響く。自分もそのうちにお世話になるかもしれないのだからうるさいと思ったらあかん。
クーラーをつけて窓を閉めると世界と隔絶したようでさびしく感じる。クーラーをつけて快適に過ごすより、つけないで窓を開け「暑い、暑い」とうちわでバタバタが性に合っている。ビールがうまい。お風呂も気持ち良い。

昨日プーンと飛んできて刺した蚊を叩いたらわたしの血をいっぱい吸っててその血がテッシュの上で赤く広がった。わたしの血ってこんなに赤いのかと感心した。いつまでも痒くてかなわんかったけど。

今日出かけたときに酒屋でワイルドターキーを見かけたので買った。いっしょに「小林牧場物語」という名がついた北海道のカマンベールチーズを1箱買ったので食べてみる。
本は四方田犬彦さんの本を続けて読んでいる。いま読んでいるのは『心ときめかす』(晶文社)、すっごく心ときめかして読んでいる。

三日月と今夜のご飯

今日は降るかと思ったら午後からかんかん照りになった。これはありがたやと食器用のふきんの使用したのがたまっていたのを洗って日に当てた。一昔前の「暮らしの手帖」に出ていたふきんを清潔に使うやり方である。

晩ご飯のときに窓を開けると三日月が真正面の上のほうにあった。すごいすごい、贅沢や〜といいながら月に向かって冷酒の盃で乾杯。こんなことめっそない。うちの窓とベランダからは西側とちょっと南とちょっと北としか見えないので、東からの月の出を見ようと思うと外へ出んならん。最近はそうまでしてと思うから西側専門である。夜の外出のとき東側の月が見えるとうれしくなる。
いや〜 今夜の三日月は素晴らしかった。

暦のページを見ると、6月6日ごろは芒種(ぼうしゅ)といって「芒」(のぎ)のある穀類の種まきをする時期とあった。21日は夏至だ。日が経っていくのが早いなあ。今年は暑くなりそう。

今夜のご飯:日本酒、イワシのピクルス、冷奴(生姜とネギ)、蕪とゴーヤのオイル漬け、ご飯、味噌汁(ごぼうとねぎ)、納豆、梅干し、三年番茶。

梅雨の晴れ間にお洗濯

洗濯ばあさんと笑われるけど、洗濯するものを溜めておくのがきらい。
6日月曜日が晴れということで日曜の夜にどっさり洗濯して干した。さいわいに月曜日は晴れときどき曇りで、姉の家から帰ったらよく乾いていてやれやれ。冬と違って天気さえよければ乾くのが早いからいい。昨日7日は雨の予定だったから洗濯は休んだ。でもうちは朝が遅いから7日の夜中に洗濯機をかけて夜干し。なので今日8日はゆうゆうと乾いた洗濯物を夕方たくさん取り入れた。気持ちいい。

そしてまた、今夜もひと洗濯して干してある。雨が降り出す予定の夜中に取り入れて部屋干しに切り替え。
なんか天気予報ばかり気にしてる。
早く梅雨明けして暑い暑い夏がきてほしい。なんて書いて大丈夫かな。今年は猛暑らしいのに。

インド木綿の布袋

昨夜は細野ビルから帰って晩ご飯を食べたら昼間の疲れが出て、パソコンに向かうのと四方田さんの本を開くのがやっとだった。ちょこっと仮眠した相方はちょっと行くところがあるとクラブへお出かけ。
ブログを書いてツイッターを読んでお風呂に入っていたら相方帰宅。ジョローナさんからことづかってきたと彼女の言ったことをわけがわからんけど伝えるわとのこと。言ったほうも言付かってきたほうも酔っている(笑)。
話はちょっと聞いたらすぐにわかった。2年くらい前のセレクトショップ ジョローナさんでの会話だ。わたしはバッグを買ったんだけど、彼女が肩にかけてた布袋を「ほんまに欲しいのはそれ」とわたしが言ったんだった。そしたらこの布はインドの手刷りの一点物で同じものはないとのことだった。同じような色彩のカーテンが試着コーナーで使ってあったのを外して袋に仕立ててもらいたかった(笑)。

それ以来何度か布バッグをここで買っている。でもあのとき彼女が持っていた袋以上のものはない。
去年の夏くらいから懐具合もあり、転んでからは出かけるのがおっくうになったこともあり、堀江にあまり行かなくなった。そこへの言づけなので、久しぶりに買い物もしたいなと思って出かけた。ほんまにあのバッグやろか。幻のインド木綿の肩掛けバッグ。

というわけで雨が降ってきたけど出かけた。
ジョローナさんがさっと出してくださったのは、あの「欲しいのはそれ」と叫んだバッグだった。布を接ぎ合わせた袋に、4色の木綿糸で全体に細かく刺し子がほどこされている。
帰ってダンナに見せたら「よう似合うやん、これは若い子にはむかんな、40歳でも似合わへんで」とのたまわった。ははん、さっそく中身をいれかえた。明日からのお出かけの友。

姉の家訪問後に、細野ビル「66展」にちょっとだけ

先日姉が「年金生活者等支援臨時福祉給付金(高齢者向け)」のことを新聞で読んだけどうちにはきてないという。書類が役所から届いているはずと返事したのだが、要領を得ないので、今日は姉の書類を点検してきた。
そしたらちゃんとお知らせの封筒に「返信済み」とあり月日も書いてあった。「ちゃんとしてあるで〜」とわたし、「そうかいな、忘れてたわ〜」と姉。

良い天気だったので布団を干し、お弁当を食べ、近所のコンビニへコーヒーを買いがてら散歩。夜は雨になりそうなので植木の水やりはなし。
小さい椅子に座らせたロボット猫のメリーちゃんを独り言でからかいながらテレビを見ていると小難しい本は読めなくなるね。

帰りに「66展」をやっている細野ビルにちょっと寄った。エスカレータで駅から出るとドラムを叩く音が聞こえる。道でPさんに出会って1年ぶりの声を掛け合った。中に座るところがありますと連れて行ってくれたので座ってドラムソロを聞くことができた。久しぶりの近田さんのドラムが元気いっぱい。佐々木さんのサックス、岡内さんのベースで「サマータイム」が響き渡った。そのあと余韻が消えないうちに小澄源太さんが客席から飛び出した。おお、いい滑り出しだ。
そこでわたしは昼間の労働と気遣いの疲れが出てきて、外で七夕さんみたいに年に一度会う友だちと細野さんに挨拶して帰った。晩ご飯を食べたけどお風呂はまだなので、これをアップしたら長風呂して足を労わろう。

製作・監督・脚本ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』

今夜は映画を見たいねと探したらおしゃれなタイトルが見つかった。『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014 ドイツ、イギリス合作)ウェス・アンダーソン監督作品を見るのははじめて。
タイトルにシュテファン・ツヴァイクの名前を見たので期待した。ツヴァイクはずっと昔に家にあった本で読んだことがある。ずっと前すぎて作家の名前だけしか記憶に残っていないが、父親が大切にしていた本だ。お前にはまだ早いと言われたっけ。

最初に美しい山々を背景にしたグランド・ブダペスト・ホテルの全景が映し出される。(ヨーロッパ大陸の東端にあるという仮想の国ズブロフカ共和国が物語の舞台)夢のようにおしゃれな建物にすぐに物語に引き込まれた。1930年代、1960年代、そして現代の3世代のドラマ。
コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は徹底した接客の巧さで人気がある。ご婦人方の夜の相手もする。
お気に入りのベルボーイのゼロを仕込んで一人前にしようと教育し、どこにでも連れて歩く。ゼロがまた気の利く子で敏捷に仕事をこなす。
お得意さまの伯爵夫人が殺されたと聞き2人は列車で出発。タクシーで長時間かかって伯爵家に到着する。遺言で高価な絵画を贈られたグスタヴ・Hは遺族から容疑者として疑われ逃げ出す。

スピーディに物語は展開し、ユーモアたっぷりに進展していく。最初と最後に出てくる作家が心に残った。もう一度見てしっかり味わいたい。