夕方から西梅田で開かれた読書会に参加してきた。翻訳者の満園真木さん、翻訳家のニキ リンコさんが加わった豪華な読書会であった。
「ラバーネッカー」の主人公の少年パトリックがアスペルガー症候群であることで、アスペルガー症候群の専門家のニキさんから、すごく勉強になる話をいろいろ聞けた。
ニキさんのことは心理学を勉強していた友だちがよく話題にしていたから、お名前は知っていたが本を読んだこともなかった。すぐ近くに座ってお話を聞けてよかった。本を読まなくっちゃ。
翻訳者の満園真木さんは若くてきれいで真面目な方だった。細かいミステリファンの質問にも快く答えておられた。
わたしはミステリ部分が苦手なので、もっぱら聞いていたが、いろんな質問があった。わたしが好きなのは、ミステリの中のロマンスである(笑)。この本でもパトリックと同級で好意を向けてきたメグという女の子がいてよかったと思ったので、そう言った(笑)。
(満園真木訳 小学館文庫 830円+税)
カテゴリー: ミステリー
ベリンダ・バウアー『ラバーネッカー』
明日開かれる〈大阪翻訳ミステリ読書会〉の課題本をようやく読み終った。
ウェールズに住む青年パトリックの物語。読み終ってからベリンダ・バウアーはウェールズの人と知った。はじめて読む作家で名前も初めて知った。
パトリック・フォートはウェールズで生まれ育った18歳。アスペルガー症候群で幼いときから周囲の子どもらとうまくつきあえない。母はそんなわが子の存在に悩みアルコールに依存するようになる。父は息子に穏やかに接して母が酒で荒れているとパトリックをブレコン・ビーコンズ国立公園散歩に連れ出してくれた。
ところが、パトリックが8歳のときに父が車に轢かれて死んでしまう。父は道路で車をよけるために手をつなごうとあせるが、パトリックは手を振り払って後ずさった。車は父を轢いて走り去った。パトリックは死について異常な関心を持つようになる。
人から理解されない苦しい子ども時代ののち、パトリックは障碍者受け入れ枠のおかげでカーディフの大学に入れることになった。他の学生は医師になるために解剖学を勉強するが、パトリックは解剖学だけである。自分がしたいのはここでの作業だけだ。本物の生きている患者のそばに行くなんてぞっとする。
物語は横に広がり病院の脳神経科病棟のベッドに寝たきりの患者たちと看護師の個別の物語になる。
こだわるパトリックは亡くなった患者の死因を追求して、ついに殺人犯人を見つける。
情緒が通じず論理で攻めるパトリック。
(満園真木訳 小学館文庫 830円+税)
A・S・A・ハリスン『妻の沈黙』(2)
しつこいくらいにジェラード教授によるジョディのセラピー場面がある。幼児体験を繰り返し質問される。父は薬剤師で薬局を経営していた。ジョディは年の離れた兄と弟の間の女の子で、親に可愛がられ兄はよく妹の面倒を見てくれた。ジョディは弟を可愛がった。しかしあるときから弟は変わり出して家族の手に負えなくなった。いまも常識人からみたら好き勝手な人生を送っている弟をジョディはいつも気にかけている。
入籍していなかったからトッドと別れると財産分与がないことを、相談した敏腕女性弁護士に指摘される。そのうちにトッドの弁護士から家からの退去命令書を送ってきた。30日以内に退去するように書いてある。ジョディは出て行く気持ちがない。ナターシャの父でトッドの友人のディーンから連絡がある。トッドのことを人の道を踏み外していると言い、会って話そうというのをジョディは断る。
結婚はしていなかったが、遺言状によって遺産はジョディのものになる。ナターシャと結婚したときに遺言書も書き換えられるだろう。
トッドが殺されたときは結婚式直前だった。当然、家も財産もジョディのものになる。しかも犯行時にはシカゴから離れたところにいた。警察はジョディに疑いの目を向ける。
A・S・A・ハリスンは2012年6月に本書が出版される前の4月に癌で亡くなった。デビュー作が遺作になった。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 920円+税)
A・S・A・ハリスン『妻の沈黙』(1)
女性の横顔を描いた暗い色調の表紙と、「妻の沈黙」(原題 THE SILENT WIFF)というタイトルに惹かれた。
9月のはじめ、ジョディはキッチンで夕食の準備をしている。シカゴのコンドミニアムの27階で広い窓からは夕暮れの湖と空が見渡せる。夫のトッドが帰ってきて景色を眺めながら夕食。食前酒とワインとうまい料理と。
ジョディは45歳になったいまも若い女の気分で暮らしている。この瞬間に生きていて、いまの生活に満足している。トッドとの生活が20年も続いていてこれからも続いていくと信じている。足元にはゴールデン・レトリヴァーのフロイトがいる。
心理学を学ぶ大学生のジョディと、高校出で高い目的をもって不動産業で働いているトッド。二人は自動車事故で出会った。トッドは事業に成功しジョディは何不自由ない生活をしている。ジョディは自宅で午前中だけセラピーの仕事をしている。
大学卒業後ジョディはユング理論への疑念を消すことができず、実際的な見解を示すアドラーに興味を持った。そしてアドラー説の信奉者ジェラードのセラピーを受ける。子ども時代の話を聞きだされるうちにジョディの心のうちが現れる。
20年の間にトッドが何度も結婚を申し込んだのにジョディは受けなかった。子どもも生もうと思わなかった。最近はトッドは自分の子どもが欲しいと思っているようだ。
その夜、トッドは金曜日から釣りに行くから帰りは日曜日になると告げた。トッドはジョディを愛しているが、ときどき他の女性も好きになる。釣りには行かないとジョディにはわかっている。彼は高価な贈り物をくれた。
いままでは浮気されてもなにも知らないふりをしてきた。だが、今度の相手ナターシャは違う。ナターシャはトッドの友人ディーンの娘でまだ学生である。若い頃にトッドはディーンの両親にとても世話になった。そのナターシャが妊娠した。ナターシャは結婚式を挙げようと言い、子どもが生まれてから住む家をいっしょに探す。そして当然、離婚してくるよう要求する。
トッドが殺されたと警察から知らせの電話が入ったのは、ジョディがフロリダ州で開かれた学会に出ているときだった。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 920円+税)
ヘニング・マンケル『北京から来た男 上下』(3)
サンは結婚し子どもが生まれ大家族の家長となって周りの人たちから尊敬された。書くことをやめずに膨大な日記を遺した。それから150年経った2006年の中国は毛沢東の時代を経て資本主義の時代となっている。サンの子孫ヤ・ルーの両親は文化大革命で苦労したが、いま姉のホンクィは政府の仕事につき、ヤ・ルーは企業家として成功した。
北京の近代的なビルにあるオフィスで秘書や部下を支配し、自分の出世と金儲けの邪魔になるものを暴力で排除していく。姉だって容赦しない。そしてサンの子孫としてやるべきだと思ったことを、とんでもない手段で実現する。ネヴァダとヘッシューバレンで。
ヘルシングポリの裁判官ビルギッタは、母の養父母がヘッシューバレンで殺された一人であることから事件が気になり、アメリカでの似通った事件のことを警察に話すが無視される。健康チェックで休暇を取らされたので大学時代の友人が中国へ行くのに同行する。
すごい本だった。最初は警察小説かと思って読み進めると、150年前の中国の貧民たちがアメリカへ連れていかれ、アメリカの大陸横断鉄道を敷く仕事に携わる話が延々と続く。スウェーデンで起こったすさまじい大量殺人のもとはここにあった。
150年前の中国から、現代の中国へ話は続く。
女性裁判官ビルギッタが語り部のような存在になっていて読みやすかった。
ヘニング・マンケル『北京から来た男 上下』(2)
1863年の中国、サンと兄グオシーと弟ウーの3人兄弟が海へ向かって広東への長い道のりを歩いている。生まれた村の貧乏小作人の両親のところへ地主の雇い人がやってきて日々の責務を果たしていないと責めた。翌朝、両親は木の枝に首を吊って死んでいた。サンが見つけて降ろして寝かすと、長老のよろよろの老人がいますぐに逃げるように言う。彼らは必死で逃げ出した。3人の中ではサンがいちばんしっかりしている。
とうに食べるものがなく落ちている野菜屑を拾ったりしてしのいだ。犬がついてきたのをついに殺して食べる。町へ出てきても泊まるところがなく道ばたで眠ると、眠っているうちに水を入れている竹筒さえ盗まれる。仕事を探して歩き回るが3人を雇うものはいない。
結局、声をかけてきた男ズィにだまされて船に乗らされる。体調が悪かったウーは殺されて海へ投げ捨てられた。
1863年は何万人もの貧しい中国農民が攫われてアメリカへ連れて行かれた年だった。大きな海を渡っても貧しさはどこまでもついてきた。
アメリカの大陸横断鉄道を敷く仕事に携わった彼らの長い奴隷のような生活が描かれる。睨まれるとニトログリセリンを使って山を壊す危険な仕事ばかりやらされる。そこを逃げ出したこともあったが連れ戻されよけいに厳しい労働を強いられる。サンとグオシーはひたすら生き延びることだけ考えてきたが、とうとう奴隷労働が終る日が来た。
エイクソンという砂金で金持ちになった白人が馬車で東部へ向かうのに料理と洗濯のできるものを探しているのを知り応募する。ようやくニューヨークに着き賃金をもらった。
リバプールからの船客に2人のスウェーデン人がいた。宣教師で中国へキリスト教の布教に行くので中国語を教えてほしいという。途中で兄が亡くなりサンは2人のスウェーデン人とともに広東へもどった。
2人と縁が切れたのち、質素に暮らせば充分のお金を手にしているので、広東で小さな家を借りひっそりと暮らし始める。読書と書くことが彼の生活となった。両親が首をくくってからの日々を詳細に書いていく。
突然、150年前の中国の話になったが、アメリカでの奴隷のような労働と、スウェーデン人が登場して物語がつながる予感がする。
ヘニング・マンケル『北京から来た男 上下』(1)
刑事クルト・ヴァランダーのシリーズ(創元推理文庫)を初めて読んだのは2005年で、それからずっと読んできた。シリーズは8作出ていてシリーズ外の「タンゴ・ステップ 上下」が同じ文庫に入っている。
「北京から来た男 上下」は文庫でなく単行本なので本屋で探すのに苦労した。
2006年のはじめ、降りしきる雪の中を一匹のオオカミがノルウェーとの国境を通り抜けてスウェーデン側に入ってきた。腹を空かせたオオカミは森の中を走り抜け小さな村ヘッシューバレンを通ると血の匂いを嗅いだ。近づいた家から死体を引っ張って道路まで運びがつがつ食べて姿を消した。
写真家のカルステンはヘッシューバレンの写真を撮るためにやってきてホテルに泊まり早朝出発した。山奥の村々や集落が過疎となって朽ちていく様子を写真に撮るための旅で、一人の老人が手紙で教えてくれた村に最後にやってきた。一軒の家でドアを叩くと返事がない。入ってみると人間の足が見えた。三軒目で裸の老人が死んでいた。カルステンは走って逃げた。もともと心臓が弱く車にもどって携帯電話をかけようとして胸に激痛が走った。声が出なくなってアクセルを思い切り踏み、対向車線に向かって行ってトラックと激突。トラックの運転手は瀕死の彼から村の名前だけを聞きとめた。
トラック運転手の聴取にあたったヒューディクスヴァル警察署の刑事ヒュッデンは、警察署への帰りに聞いた村を通ると雪道に斬り殺された片方の足のない死体があった。
警察署に連絡するとヴィヴィ・スンドベリが応じた。50代の体力のある優秀な女性警察官である。
最初の死体を調べると、大きな刃物かサーベルのようなものの傷が10カ所あるが、そのどれもが致命傷となり得た。村の家々からはだれも出てこない。
ヴィヴィはゆっくりと近い家まで歩き出した。このあとに3人の警察官が見たものはスウェーデンの犯罪史上類のないものだった。10軒の家にいたすべての人間が殺されていた。残った1軒から音楽が聞こえてカップルが応じた。周りの家で殺人があったと言うと「悪い冗談はやめてくれよ」という反応だったがヴィヴィは叱りつける。結局彼らだけ生き残ったのは、あとから村に入ってきたヒッピーだったから。二人は金融商品売買で生計を立てているという。
ビルギッタはヘルシングポリの裁判官で夫と4人の成人したこどもがいる。夫は弁護士だったが、性に合わないと辞めて鉄道の車掌をしている。
夫が持って帰ったタプロイド紙をふと見ると知った地名があった。彼女は亡くなった母親の書類を出して確かめた。母親はその村で養父母に育てられた。殺された村人の中に母の養父母がいるか知りたい。
年に一度の健康チェックの日、ビルギッタは血圧で引っかかり2週間の休暇をとることになった。
旧友の警官に電話してヴィヴィを紹介してもらう。ヴィヴィに連絡すると養父母の名前があるのがわかった。
さらに母親の書類を調べているとアメリカからの手紙が見つかった。パソコンで検索しているとアメリカのネヴァダ州と今回のヘッシューバレンとが似通っていることに気がついた。
7月26日の夜シャーロック・ホームズの隅っこの椅子に座って読み出して、以上の物語導入部まで一気に読んだ。
帰ってからすぐに続きを読めなかったが、数日後に読み出したらまた一気に寝食を忘れてというくらいに熱中した。おかげで目が疲れて体調悪し。これから一転して1863年の中国からアメリカの物語になる。
(柳沢由実子訳 東京創元社 上下とも1600円+税)
マイクル・イネス『ハムレット復讐せよ』(2)
登場人物にスカムナム・コートの所有者ホートン公爵の従兄弟で、財閥の大物ジャーヴァス・クリスピンがいる。この名前ヘンやな、ジャーヴァスもクリスピンも知った名前やと思いつつ読んでいたら、あとがきに説明があった。わたしの最も愛する作家エドマンド・クリスピンの作家名と素人探偵ジャーヴァス・フェンの名前は「ハムレット復讐せよ」のジャーヴァス・クリスピンからとったものだった。
ふたりとも良質なユーモアがある作家だと改めて思った。クリスピンの「白鳥の歌」と「愛は血を流して横たわる」をまた読もう。そして、ジョン・アプルビィ警部が結婚してからの物語は読むのは可能かしら。
いま翻訳小説読者の中で執事の人気が上がっているが、この作品に出てくつ執事たちも個性がある。
館の裏社会で別格扱いの地位にいる執事長ラウスの鬼気迫る働きにアプルビィ警部は助けられる。
園庭頭のマクドナルドは饗宴の間のバラ、大応接間のスイートピー、大回廊にはカーネーションと公爵に言われて、それでは自分の温室の花を見にくる客がいるからとカーネーションはやめてシェークスピアにちなんだ野の花を勧める。
未来は外交官のノウエルは広告業界で働くダイアナに気がある。散歩に誘い出して話しているうちに殺人の話になる。どんな野郎がと言ってダイアナに指摘される。女性蔑視の発言したかなとノウエルが聞くと「・・・ちょっとばかりおめでたいんじゃないかしら。あの警部さんだっておんなじよ。この事件はよほどの度胸がないとできないから、女性の仕業だとは思いつかないんだわ」「・・・あなたとわたしで女性陣を洗ってみましょうよ」と男の弱みにつけこみ女の手管を使ってノウエルをくどく。
公爵令嬢エリザベスも広告業界で働くダイアナも賢くて気働きできて腐女子ぽくていい感じ。
(滝口達也訳 国書刊行会 世界探偵小説全集16 2500円+税)
マイクル・イネス『ハムレット復讐せよ』(1)
物語はこの大邸宅の紹介からはじまる。シェイクスピアが生まれる30年前のロンドンにクリペンという男がいた。悪いことにも手を染めながらのし上がっていき孫の代では財界でひとかどの一族になり上がっていた。130年後に王政復古がなされるとクリスピン姓を名乗る。財閥として通るようになり、パリで名画の競売、シベリヤで毛皮のせりがあれば当主クリスピンが儲かる。ロンドンでバスに乗っても芝居を見てもなぜかクリスピンの懐にお金がころがりこむ。
クリスピン家はホートン地方ににおどろくべき広大な大邸宅スカムナム・コートをかまえた。
時代は第二次大戦前。その邸宅にたくさんの来客が訪れはじめた。当代を代表する人たちが滞在して、「スカムナム・コートにて上演されたる悲劇ハムレット」に出演する者あり、観客として来た者もあり。
ホートン公爵家の令嬢エリザベス・クリスピンがオフェリアを演じる。ハムレットは俳優クレイが演じることになった。
何日もかけた準備と稽古が終わり、芝居が始まる。第三幕第四場、ハムレットと王妃が口論するところで銃声が・・・。
かたや、ロンドンのスコットランドヤードの敏腕警部ジョン・アプルビィは、その夜はバレエ「プレサージュ」を見に行っていた。独身でつましいアパート住まい。心地よく戻って来ると見慣れない高級車が停まっていた。来客は首相で、スカムナム・コートで事件が起こったのですぐに行くように自ら言いにきたのだ。
ちょっと堅苦しいが、ユーモアもあるし、恋もある。
(滝口達也訳 国書刊行会 世界探偵小説全集16 2500円+税)
マイクル・イネス「ハムレット復讐せよ」を読み出した
今日は予約してあったつるかめ整体院へ行って1時間しっかり診てもらって、帰ってから1時間昼寝した。近いからほんとにラク。長いこといろんな整骨院へ通ったが、こんな近くでほんとにありがたい。
目が覚めたら晩ご飯ができていてまたもやありがたく頂いた。冬みたいに大根の煮物と山芋を摺ったのがあった。いろいろと考えたメニューである。
夜は読書。暑さを忘れるいちばんの方法だ。クラシックミステリーのずっと読んでなかった本をあれこれ見ていたら、一度読んで置いてある本が気になり出した。何度も読んでいる超お気に入りのエドマンド・クリスピンは別として、あとはそのとき読んだだけだから。
それで、マイクル・イネス「ハムレット復讐せよ」(1937)を開いたんだけど、最初からおもしろい。まだ主役のジョン・アプルビイ警部は出てこないが、解説を読むと最後は警視総監まで出世して「サー」の称号も受けるそうだ。興味津々。
アプルビイ警部の登場を待ちながら、お屋敷に集まった人たちの退屈な会話を読もうと思ったが、その会話がおもしろいのだ。イギリスの大きな邸宅にたくさんのお客が集まり、大広間でハムレットが上演される。舞台になる広間の説明のところまで読んだ。
公爵の一言「大回廊用の花のことなんだがね。シェイクスピア縁りの野の草花ではどうかね・・・」の後に、まだらになった雛菊、紫のすみれ、真白いタネツケバナ・・・グロキシニア、金魚草、シオノドクサス、コルウイチア・・・と花の名があげられる。領地内に草花が咲き乱れている場所もあるらしい。
(滝口達也訳 国書刊行会 世界探偵小説全集16 2500円+税)