我が身にも家族や友の身にもせまる危機、瓦礫焼却

先日姉の家に行ったんだけど、その翌々日にしんどくなって医者に行き心電図をとったと電話があった。「もし入院するようなことがあったら猫を頼むわな、猫の世話を頼めるのはあんたしかおらへん」だと。泊まりに行って家に通勤するしかないなと覚悟を決めていたら、今回はなんともなかったようでほっとした。季節の変わり目だからなにかある。

このような病気持ちの人に舞州(まいしま)から焼却灰の風が吹いてきたら影響あるだろうと心配だ。
11月にUSJに近い此花区舞州焼却場で100トンの瓦礫の試験焼却が行われ、来年2月から約2年間で3万6千トンの本格焼却が行われる。
瓦礫焼却がはじまったらフィルタでは取れない放射性物質その他の有害物質を含んだ風が、舞州工場から大阪全区と大阪湾に向かって吹く。
うちなんかいちばんの通り道になるだろう。淀川の北だからといって安心できない。
高齢者やこどもや体の弱い人が特に被害を受けそうだ。そして元気なひとの体も徐々に蝕まれていくのだと思う。いくら食べ物に気をつけても空気がこれではあかんわ。

フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』

去年の「ミステリーズ」に出た2編とエッセイを読んですごい作家が出てきたと思った。すぐに短編集が出たのを買って読んだ。
今回の「罪悪」も同じく短編集である。今年のはじめに出たのに買ってから半年以上も本棚に「犯罪」と並んでいた。いつも新刊はすぐに読み出すのに、楽しみにとっておいた感じ。いいのはわかってるんやから楽しみにおいとこ(笑)。
半月ほど前から一編ずつを毎晩読んでいったが、犯罪の内容が恐ろしくて寝る前に読むとちょっときつかった。それでまたしばらくおき、早めの時間に読むことにして、ようやく読み終った。

すべて弁護士の「私」が担当した事件の話である。
最初の「ふるさと祭り」では、若い娘が祭りのさなかに集団の男たちにひどいはずかしめと暴行を受けた事件で、被疑者たちについた9人の弁護士の中に、若い「私」が学友とともに加わる。被疑者たちが黙秘し、警察や病院の捜査や犯罪への対応が悪くて、捜査判事が逮捕令状を撤回したため被疑者らは釈放される。彼らはまっとうな生活にもどっていった。
被害者の娘の父親はただ法律家たちが歩いて行くのを眺めているだけだった。
【家に向かう車中、互いに顔を見ることなく、あの娘とまっとうな男たちのことに思いを馳せた。私たちは大人になったのだ。列車を降りたとき、この先、二度と物事を簡単には済ませられないだろうと自覚した。】

こうして大人になった「私」はさまざまな事件をこなしていく。
優しい男だと思ったのに結婚してから暴力をふるわれ傷だらけの妻は、娘が年頃になったら自分のものにするという夫を殺す。隣家の男の暴行による少女の妊娠。学校での虐めのエスカレートで死ぬほどの暴力を受けた少年。湖畔の村で知り合った男は成功者だったが・・・。
最後の「私」が精神科に連れて行った男がいうセリフにおどろき笑った。そこで「私」とはフェルディナント・フォン・シーラッハだとわかる。
(酒寄進一訳 東京創元社 1800円+税)

マーク・ハーマン監督『シーズン・チケット』

「シーズン・チケット」(2000)はマーク・ハーマン監督の「リトル・ヴォイス」の次の作品。サッカーのシーズン・チケットがテーマのほんわかした映画かと思って見たら、すごくシビアな映画だった。

イングランド北東部の都市ニューカッスルは19世紀の末ごろは世界最大の造船所があったが、1970年代には衰退し炭坑も閉山され、失業者が増え治安が悪化している。その町の貧しい人たちが住む地域の少年ジェリー(クリス・ベアッティ)とスーエル(グレッグ・マクレーン)はサッカーを見に行きたくてしょうがない。ニューカッスル・ユナイテッドFCの本拠地セント・ジェイムズ・パークのシーズン・チケット席で熱い紅茶にミルクと砂糖をたっぷり入れたカップを持って応援するのが夢である。チケットを買うために二人は禁煙し屑拾いやかっぱらいや万引きをしてお金を貯める。
ジェリーは母と姉と姉の赤ちゃんと暮らしている。もう一人の姉は父の暴行で家を出ている。父親が暴力をふるうのでソーシャルワーカーがついて何度も転居しているが、また見つけられ母もジェリーも暴行され怪我をする。ジェリーは学校へ行く気がないがソーシャルワーカーが2週間学校へ行ったらサッカーのチケットをあげるというので学校へ行く。結果は敵のチームのチケットであった。

ニューカッスル・ユナイテッドFCのスター選手アラン・シアラーが本人の役で出演しているとあとで読んで知った。いい感じ。
最後に紅茶を持って特等席(?)で試合を見るところがよかった。

「11.3 イノチアクション 反原発・反放射能デモパレード in 大阪」終了後の集会に参加

すっかりデモにご無沙汰してしまった。膝が悪いから無理して歩くと翌日にひびく。立ちづめもしんどいので抗議集会も不参加で、現場の空気に接するのはIWJその他のユースト中継である。こりゃいかんとIWJの会費をおさめて会員となった(笑)。

今日のデモは3時に西梅田公園を出発して夕方もどってきて、5時から「二部 おまつり」があるということなので5時過ぎに西梅田へ。
ツイッターで予約していたネコさんの絵が入ったトートバッグを2.300円で入手。かっちりした縫製で大きさも思った通りで気に入った。

うろうろしてからベクレルフリーのカレースープを買って食べた。スパイスがよく効いてうまいカレーだった。お腹が暖まったころに守田敏也さんがマイクを持たれた。さっき買った、矢ヶ崎克馬・守田敏也「内部被曝」(岩波ブックレット)の著者の一人である。
わたしがいまいちばん気になっているのが「内部被曝」だからほんまに来てよかった。

守田さんの話は日本という土地が緑の多さと雨量の多さで世界有数であるというところから始まった。山で木が雨水を吸い川に流れ込み洪水を防いでいる素晴らしい土地である。それから放射能について話が進む。
肥田舜太郎さんを尊敬している人とおっしゃった。肥田さんのことはツイッターやブログででよく発言が紹介されている。28歳で広島で被爆されてから、67年にわたって原爆被ばく者6000人以上を診察してきた。その肥田さんがあげている放射能対策の生活は、1、食べ過ぎない。2、早寝早起き(耳が痛い)。あとは忘れたので本を読んだときに書く。
30分にわたり話されたのだがうまく整理できない。うろ覚えでヘンなことを書いてはいけないので、「内部被曝」の本を読んでから紹介を書きます。

最後に、大阪市の瓦礫問題にも言及された。
そして気持ちを上げるためにもデモに参加しようとおっしゃったのが印象に残った。

外に座っていたのでだんだん寒さが身にしみてきた。晩ご飯は家で作るつもりだったが、西梅田だからやっぱりシャーロック・ホームズでギネスで暖まろう。ちょっと寄って軽く食べて帰った。

関西翻訳ミステリー読書会(ヘニング・マンケル『殺人者の顔』)

第8回関西翻訳ミステリー読書会に行った。
これで何回目になるだろう。調べたら、ドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」11年7月、ジュデダイア・ベリー「探偵術マニュアル」11年11月、ジェイムズ・エルロイ「ブラック・ダリア」12年4月、コージー・ミステリ12年8月、そして今日のヘニング・マンケル「殺人者の顔」12年11月で5回目だ。
エルロイを除いては読んでなかったので、この機会にと読んでそれなりにおもしろかったが、好き!っと言える作品はなかった。

今回は好き!な作家なので勇んで参加。きっとマンケル好きな人と出会える、そしてここが好きと言い合える、なんて思い込んでいた。
ところがですね、評価しない人のほうが多い。これにはおどろいた。
好きな場合は理由はなくてただ好きなのだが、嫌いだと理由はいっぱいある。これは我が身を振り返っても同じで、嫌いな作家の悪口ならいくらでも言うからなあ。
しかし、マンケルは世界的に評価されている作家である。いやな理由(推理要素がない)を聞いていて、世界的評価と日本的評価の差があるように思えた。
まあ、そういうことがわかったのが今日の勉強だったのであった。

翌日の記
昨日の日記の訂正です。
司会をしたIさんんから「手を挙げていただくと「好き」な人のほうがはるかに多かったんですよ(笑)」とコメントがありました。
それがわかって昨日のを書いてよかった(笑)。

昨日書き忘れてた。
隣に座った人とのおしゃべりが楽しかった。このブログのこともご存知だったのがうれしい。また会いたいねと言って別れたけど、メールもらえたらうれしいな。

それから物語の中でヴァランダーがシナモンロールを食べるシーンがあったのでと、1/4に切ったシナモンロールがみんなに配られた。検索したら「スウェーデンで発明されたと考えられている。」とあった。そうなんだ〜
実は終わってから主催者が1個残ったのをだれかいりませんかと言ったところにわたしがいて(笑)いただきました。家で紅茶を入れて食べた。うまかった〜

マーク・ハーマン監督『リトル・ヴォイス』

1998年のイギリス映画で、マーク・ハーマン監督は「ブラス!」を撮った人だ。見出してからすぐに「これ見た」とわかった。感想を書いているはずだがと検索したが見当たらない。どうやらテレビで見っぱなしだったみたい。

あれこれ検索してわかったのだが、伝説の歌手のモノマネを完璧にこなせる歌い手、ジェイン・ホロックスのためにジム・カートライトが書いた戯曲で、そのミュージカルはイギリスで大ヒットした。その舞台を見たマーク・ハーマン監督が映画化した。

LVと呼ばれている少女は父の死んだあと自分の殻に閉じこもって母親(ブレンダ・ブレシン)と会話がない。父の集めていたレコードだけが彼女の宝物で、いつも2階の自分の部屋で主にヴォーカルのレコードを聞いて、レコードの歌を完璧に歌える。
電話工事に来た伝書鳩に夢中な孤独な青年ビリー(ユアン・マクレガー)はLVに惹かれる。
母の遊び友だちで落ちぶれた芸能プロモーターのセイ(マイケル・ケイン)はふとしたことからLVの声を聞き、これは売り出せると思う。
いやがるLVを一回だけと口説き落として町のクラブの舞台に立たせると、いやいや出てきたLVは客席に父の幻を見て歌い出す。無口な少女が突然変異の伝法な歌いぶりに客席はのりのり。歌い終わると父は消え彼女は倒れる。翌日も歌うように急かされるが彼女は動かない。

現場労働者で仕事が終わると厚化粧して遊び歩く母親の存在感が半端でない。
最後はしみじみとしてよかった。
このあとの「シーズン・チケット」も良さそう。

食い道楽 新時代

1日2食にしたのは2005年6月だから7年4カ月経ち、菜食に切り替えたのは2010年の8月だから2年2カ月経った。体重は4キロ落ちたが運動不足のせいかここから減らないのがナンギ。あと2キロ減らしたい。
1日2食の菜食生活にすっかり慣れた。冷蔵庫の中は野菜だらけで卵も牛乳もない。もちろん肉も魚もない。このブログの「食べ物」ページをさかのぼって見るとうまそうな魚の写真がたまにある。なんか懐かしい(笑)。

放射能による内部被曝がこわいので食べ物には気をつけている。関西だと関西の野菜を売っていると思うがいまはそうではない。スーパーでは気をつけないと関東・東北の野菜を売っている。わが家は宅配や近所の店で有機野菜や近郊野菜が手に入るのがありがたい。それでも大事をとってキノコやコンニャクは食べないようにしている。なんだかだんだん食べる物が少なくなっていくが、これは食べないようにしようと思うと食べたくなくなるのが不思議。
水は相方がどこやらの水をせっせと買ってくるので、飲むだけでなく料理用にも使っているが、味噌汁もだし汁もほんまにうまい。ヒジキや割干し大根や高野豆腐なんか上品な味に仕上がってうまい。

ヘニング・マンケル『ファイアーウォール 上下』(2)

ヴァランダーはマスコミの攻撃を受けつつ、体調のすぐれないままに捜査を続ける。夜中に停電があり送電所に駆けつけると送電線にソニャの死体が引っかかっていた。そしてファルクの死体が安置所から盗まれた。死体が置かれていた台の上に継電器が置かれていたことで、少女たちの事件とファルクの事件が結びつく。ヴァランダーはファルクの元妻と仕事関係の女性から話を聞く。
なにか不吉なことが行われようとしている。

ファルクのパソコンには警察官が操作しても入れない壁があった。ヴァランダーはペンタゴンのコンピュータに侵入しようとして捕まったことのあるモディーンを訪ねる。極端なベジタリアンでコーヒーも飲まない小柄な少年ハッカーは壁を破ろうと必死にとりかかる。

なにか大掛かりなことをしそうな犯行予定日がわかりかけてきた。
残る時間を割り出して必死の捜査を続ける警察と、自信を持って絶対に行うと決めている犯人との戦いが繰り広げられる。全世界を相手にした犯罪をスウェーデンの小さい町の警官たちが阻止しようとする。

ヴァランダーの言葉が行き詰まったモディーンの壁を破るヒントになる。
【「自分自身が轢いたときに初めて人はちゃんと野うさぎを見る」(中略)「・・・われわれが探しているものは、どこか深いところに隠されているんじゃなくて、目の前にあるのかもしれない」】
いろんなことを考えていると犯人たちのことにも思いがおよぶ。
【われわれが生きている社会は、想像するよりもずっと簡単に壊れ得る、もろいものだということ。】

このシリーズは翻訳されはじめて10年を越えている。
ヴァランダー刑事は離婚を乗り越え、その後できた恋人と疎遠になり、父は亡くなり、娘ともなかなかうまくいかない。怒りっぽい正義漢で今回は取調中に少女を殴ってしまうし(向こうが悪いのだが)、要領が良く出世欲のある部下の行為を知り殴り倒す。女性読者の母性愛を引き出す人だ(笑)。
(柳沢由美子訳 創元推理文庫 上下とも1200円+税)

ヘニング・マンケル『ファイアーウォール 上下』(1)

クルト・ヴァランダー刑事シリーズの8作目(シリーズ番外編が1冊あり)で今年の9月に刊行された。ヴァランダー刑事と部下たちはコンピュータを使った不気味な殺人事件にいどむ。

男は夜の散歩に出る。ATMでキャッシュカードを差し込み明細書を手にするまでは予定通りだった。ところが突然予測していないことが起こる。男は道路に倒れた。

ヴァランダーは葬式に出て警察署に戻ってきてファイルを読む。19歳と14歳の少女がタクシー運転手を襲った事件、二人の少女ソニャとエヴァはレストランでタクシーを呼び、走行中に車を止めさせ、ハンマーで運転手の頭を殴った。もう一人がナイフを出して胸を刺し、財布を盗って姿を消した。二人はすぐに見つかって逮捕された。ヴァランダーには少女が金を欲しさに人を殴って殺すなんて理解できない。部下のアン=ブリットは犯罪者の年齢が下がっていると言う。
【「よく考えればわかると思いますよ。少女たちはしだいに自分のおかれた状況が見えてきたんです。自分たちは必要とされていないだけでなく、歓迎されていないということが。それで暴れるんです。男の子たちと同じですよ。暴力を振るうのは、現状への反発なんです」】

そのあとマーティンソン刑事がきて昨夜のATMの前に倒れていた男の報告をする。男はITコンサルト会社の経営者ファルクだった。調べた結果、自然死と処理されたのだが、あとから医師が訪ねてきて健康体なので自然死のはずがないと意見を述べる。

ソニャがちょっとした隙に逃亡する。トイレに行った彼女は堂々と正面玄関から出て行った。
エヴァの取調中にヴァランダーはあまりの少女の態度に腹を立て、彼女が一緒にいた母親を殴って「くそばばあ出て行け」と叫んだとき、思わずエヴァを殴った。その瞬間を入り込んでいたカメラマンに撮られてしまう。その写真は少女を殴った暴力警官として大々的に新聞に出た。
(柳沢由美子訳 創元推理文庫 上下とも1200円+税)

リチャード・カーティス 監督『パイレーツ・ロック』

1966年のイギリスの話だから古い映画かと思ったら2009年に製作された映画だった。終わってから気がついたのだがどこかピカピカしてる(笑)。

当時のイギリスのラジオはロックを一日45分しか放送してなかった。ビートルズやローリング・ストーンズがすでにデビューしていた時代で、新しいバンドやソウルミュージシャンが続々と出てきてた。若者たちこどもたちは45分の放送ではガマンできない。
そこでロックのDJたちが集まって船を手に入れ、海上なら法律は手が出せないと北海から24時間休みなしの海賊放送をはじめる。イギリスの若者たちはその放送を自分の家や職場で、親にナイショで聞いたり、働きながら聞いたり、踊ったりと熱狂する。
船には代表クエンティンといろんなタイプのDJたちと助手の少年とニュース係、そして食事係のレズビアンの女子が乗船している。クエンティンの友人の息子カール(トム・スターリッジ)がドラッグとタバコで退学になったから引き取ってと母親に送り出されてくる。カールはみんなに手痛く温かく歓迎されるがこの中に自分の父親がいるはずだと思う。船にはときどき小型船に乗った訪問客がある。若い娘もやってくる。
海賊放送のあまりの人気に政府は対策を打ち出すがなかなかやめさすことができない。政府のえらいさんとデキる部下が失敗を続けるがついに法律を変えることに。

当時のヒット曲が流れて楽しい。イギリスのラジオのDJってレコードをかけながらこういうふうにしゃべっていたのか。
1966年にはわたしはなにを聞いていたのかな。ビートルズにもストーンズにも疎く、モータウンも知らず、潔癖にジャズだった。70年代後半いっきょにパンクに目覚めるまで。