Exhibition Roku Roku at Hosono building 2013

6日にオープニングイベントがあって、それからもう1週間経ち、作品の展示が今日で終るので見に行った。今日の暑さは格別で日傘を持たずに出たらすごい日射しだ。ホールの細野さんに挨拶だけして先に作品を見る。

展示スペースは地下室と2階と3階でいままで貸室だったところも開放されてずいぶん広い。風がよく通って涼しいので備え付けの椅子に座って長いこと休んでいた。その時間はだれも来なくて広い場所を独占でき贅沢気分にひたれた。窓から見る長堀通りが美しい緑で気分がよい。
毎年だんだんと出品者が増えているようで、質もだんだん上がっている感じ。毎年出している人の作品を見るとなぜか安心する(笑)。

地下室には知り合いが二人出品していて「見てね」と念を押されている。
近所の知り合い田中潤さんの作品は、ほの明るくした白いテーブルにプラスティックのグラスや蝶や金魚などの「物」が置いてある。それを備え付けの手持ちルーペのようなもので見ると「物」は美しい虹色や大理石のような色彩と形に変化する。なんか不思議な作品だった。
その横の壁にある池内幸世さんの作品は毎年同じ場所に展示してある。作品だけでなくご自身で作った遊び心ある木の額が楽しい。彼女らしい世界が額の中に浮かび上がっているのに感心した。生活感のある楽しい作品だ。社会性などと頑張らないでね。この生活感が社会性なんだから。

5時になったらだんだん人が増え出した。
ホールで細野さんとオープニングイベントのユーチューブを見ながら1時間ほど話して帰った。

キャメロン・クロウ監督『バニラ・スカイ』

キャメロン・クロウ監督「あの頃ペニー・レインと」(2000)を先日見てとてもよかったので、同じ監督の「バニラ・スカイ」(2001)をレンタル店で借りた。トム・クルーズ主演というのにも惹かれた。「トップガン」(1986)以来のファンなので。といっても長いこと彼の映画を見ていなかったけど。彼の別れた妻のミミ・ロジャーズとニコール・キッドマンが好き。
「バニラ・スカイ」はスペイン映画「オープン・ユア・アイズ」(1997)のリメイク版で、主演女優のぺネロぺ・クルスは両方の映画で同じ役をしているそうだ。

見ているときも見終わっても興奮している。そして夢と現実シーンのどっちがどっちか、わけがわからなかったりしている。

デヴィッド(トム・クルーズ)はマンハッタンに住み、フェラーリを乗り回す出版界の御曹司である。遊びでつきあっているジュリー(キャメロン・ディアス)がいるが、パーティで友人と来ていたソフィア(ぺネロぺ・クルス)に一目惚れする。
ソフィアに気持ちが動いたデヴィッドに嫉妬したジュリーは、自分の車に乗るように誘うが、怒り狂った運転で暴走し事故を起こす。ジュリーは死亡、デヴィッドは大けがを負い二目と見られぬ顔になってしまう。

低温保存して150年後に目覚めさせるという〈LE社〉の係員がティルダ・スウィントンで、不思議な雰囲気を醸し出していた。
拘置所の精神科医マッケイブ(カート・ラッセル)とデヴィッドのやりとりでだんだん深入りしていくのが興味深かった。
トム・クルーズの怪我した顔と、それを隠すための仮面と、美しいトムだからよけいに刺激があった。

アン・クリーヴス『青雷の光る秋』(2)

フェア島のフィールドセンターは元灯台を改造した建物で、職員の住宅があり、同時に外からくる自然愛好家やバードウォッチャーの宿泊施設でもある。モーリスは大学で教えていたが、妻を捨て20歳若いアンジェラと結婚してこの地へ来た。アンジェラはBBCの番組でレギュラー解説したり、鳥の本を出版するなど華やかに活動している。
炊事係のジェーンは共同生活していた相手と別れてこの島へ来た。いまは宿泊者の食事を仕切っている。仕事が気に入りここに根付くつもりのところをアンジェラに来年は雇わないと言われる。有力者の寄付を確実にするために彼の縁者を雇うつもりだ。ここの理事長はモーリスだが仕切っているのはアンジェラである。

フランとペレスのパーティは楽しく終り人々が帰りはじめたころ、モーリスの娘ポリーが荒れて人々は気まずく帰ることになった。それでもペレスとフランにとっては無事に楽しくパーティを乗り切れて気分がよい。明け方前にペレスは父親に起こされる。事件だと電話があった、お前は警察官だろ。

鳥小屋と呼ばれている部屋でアンジェラが殺されていた。象牙の握りのついたナイフが背中に突き刺さっており、髪には鳥の羽根が飾られていた。
島は外との交通が途絶えており、ペレスは一人で殺人事件と向き合うことになった。しかも殺人犯は島の中にいる。一人ずつから話を聞くことからはじめるが、アンジェラのすさんだ私生活がだんだん明らかになる。
第二の殺人が起こった。やがて第三の殺人に。

最後はとても理不尽なことになってしまい、読後落ち込んでしまった。
(玉木享訳 創元推理文庫 1200円+税)

クエンティン・タランティーノ『イングロリアス・バスターズ』

タランティーノの映画は「レザボア・ドッグス」(1992)「パルプ・フィクション」(1994)「ジャッキー・ブラウン」(1997)と初期の3本しか見ていない。3本ともよかったのに映画館に行かないようになって、レンタル屋も行かなくなって。最近は貸していただいたのを見ているばかりなのだがそこに入っていなかったし。

昨夜つれづれなるままにツイッターをひもといていたら、映画「風立ちぬ」について活発な女性のツイートがあった。彼女のブログにリンクしてあったので読んだら、「イングロリアス・バスターズ」の後にこんな第二次世界大戦映画を作っていいのかという一行があった。そう言われても「イングロリアス・バスターズ」(2009)を見ていない。映画のタイトルも知らなかった(恥)。

実は、わたしは「ナウシカ」の本を読んだだけで宮崎監督とは合わないのがわかったので、ずっと彼の映画にも無関心できた。「風立ちぬ」も見る気はない。でもまわりではえらい人気である。ツイッターでも褒めている人ばかりと言ってもいいくらいだ。
ということで、わたしは「風立ちぬ」は見ないけれども、こんなに素敵な女性が褒めているのだから「イングロリアス・バスターズ」のほうは見ようと、今日借りてきて見終わったところ。長さを感じないで最後まで見入った。

1941年、フランスの牧場は一見のどかであるがナチスに占領されている。主人が働いているところへユダヤハンターと言われているナチの将校がやってくる。牛乳を飲みながらゆっくりとパイプを吹かし農夫を追いつめてゆき、ユダヤ人一家を床下にかくまっていると言わせて銃の乱射。かくまわれていた一家の娘ただ一人が走って逃げのびる。
1944年、連合軍のノルマンディ上陸作戦後、アメリカ兵がヨーロッパで戦うが、アルド・レイン(ブラッド・ピット)率いるユダヤ系アメリカ人の軍団「バスターズ」が活躍する。「1人につき100人の頭の皮を持ってこい」という隊長。ほんまに頭の皮を剥ぐ隊員。フランスにずっといてナチスの兵士を殺してきたバスターズはナチスの側にもよく知られるようになった。
逃げおおせた少女はエマニュエルと名前を変えパリで叔母の遺産の映画館を経営している。映画館の前で声をかけてきたのはナチの英雄で、その活躍が映画化されたのをプレミア上映するのに、この映画館を使うことにする。ヒトラーをはじめナチスの重要人物がくることになった。
エマニュエルはナチスへの復讐を計画する。思いもよらぬ大掛かりな映写会となり、バスターズも関わり、ユダヤハンターの将校も加わり、さまざまな思いと行動でクライマックスへ向かう。

第二次世界大戦とはどんなものだったかをタランティーノは描いてみせた。

暑いけど、楽しい日常

ラジオの天気予報で明日の大阪の最高気温は37度まであがると言っていた。いまヤフーのピンポイント天気を見たら、ここいら辺は36度になっている。
大阪はだんだん暑くなるから、毎年気温の初体験をしているが、36度、37度はほんまに初体験だ。こわいような、楽しみのような。汗びっしょりで目が覚めるんだろうな。暑くても眠れるのが得意技なんでいいけど。

昨日と今日は午後から心斎橋まで買い物に行った。お盆に姉の家で姪たちに会うのでプレゼントを用意しに。大丸にあるソニープラザとハンズでおおかた揃ってやれやれ。自分の買い物はなしだが、姪たちがなにかくれるだろうと期待(笑)。

大丸のベンチで持参の水を飲んでいたら、横に座った高齢者のかた(自分もそうなのを忘れてる-笑)に「その水筒よろしいなあ」と声をかけられた。軽い金属のスイス製でお気に入りである。そのかたはペットボドルの空いたのに水を入れ替えて持っていると見せてくれた。お節介ながら、水は沸騰したら10分火にかけておいて、それから冷やしたらいいですよと言っておいた。人から話しかけられるのが特技(笑)。

アン・クリーヴス『青雷の光る秋』(1)

アン・クリーヴスの〈シェトランド四重奏〉の4作目「青雷の光る秋」を読み終えた。シリーズ最初の「大鴉の啼く冬」を2007年12月に読んで、「白夜に惑う夏」は2010年9月、「野兎を悼む春」は2011年8月に読んだ。おお、5年半かかって読んだんだ。
〈四重奏〉はこれで完結だが、本書の〈あとがき〉によると続編が今年の1月に出ているそうだ。翻訳してほしいなあ。

季節を変えてシェトランド諸島の四季とそこに住む人たちの暮らしが描かれる。ジミー・ペレス警部とロンドンから来て島で暮らしている画家のフランはゆっくりとつきあってきた。フランは島の有力者でペレスの旧友ダンカンと結婚して娘キャシーがいるが離婚している。フランとつきあううちにペレスはキャシーを自分の娘と思えるようになった。

今回、キャシーを実父のダンカンに預け、ペレスは両親に紹介するためフランを伴って自分の生まれたフェア島で過ごそうと悪天候の中を到着した。飛行機は大荒れでフランは死ぬ思いをした。彼女はそのときの気持ちを整理して自分と娘とペレスのことをスケッチブックに書きこんだ。

嵐で空からも海からも本島との交通が途絶えているが、島のフィールドセンターでふたりの婚約祝いパーティが開かれた。たくさんの島人が参加したが、その後にセンターの監視員アンジェラが殺される。孤島での殺人で犯人はこの島にいるはずだ。ペレスはひとりで捜査を開始する。
(玉木享訳 創元推理文庫 1200円+税)

阪急うめだ本店「生誕100周年記念 中原淳一展 」

中原淳一生誕100年を記念した展覧会が阪急百貨店9階のギャラリーで24日から8月5日まで開かれている。絶対に行こうと思っていたので終らぬうちにと7月31日に行ってきた。
水曜日の午後だったが、たくさんの人が来られていた。淳一先生の活躍時期にファンだったであろう年齢の高い方から若い人までいろいろ。おしゃれなひとが多かった。友だちどうし、母娘らしいひとたちも多く見受けられた。おしゃべりはされているけど、うるさくない。さすが淳一ファンだと思った。ここで大声でしゃべったりしたら淳一先生にたしなめられる(笑)。

「ひまわり」「それいゆ」の表紙絵を見ても驚かないのは復刻版を買ったからなあ。そして単行本も絵はがきブックも持っている。「少女の友」復刻版や「乙女の港」も持っているし。
というわけで展示品にはふんふんという感じだった。

お土産コーナーで姉や友人や自分用に小物を買った。
一澤信三郎帆布のバッグがよかったのだが、奥様風でわたしには向かないので買わなかった。(先日バッグの整理をしたら昔買ったのがたくさんあった。オシャレな小型バッグ、高かったのも思い出した。)
京扇子がとても欲しかったが高かったので諦めて。
買ったのは、ハンカチ、布袋、メモ帳、レターセットと慎ましやか。
まあ、「ひまわりの店」というのがあってネットで買えるから、昔みたいに必死でさがすということもなく。

ジョス・ウィードン監督『アベンジャーズ』

ついに7本見てしまった。
いままでの主人公が全部出てくるという話だったのでどういう展開になるのかと楽しみだった。悪役が「マイティ・ソー」で王位を奪おうとした弟のロキ。宇宙空間に飛ばされたロキは宇宙人種族のチタウリのリーダーと手を組んで地球に侵攻しようとする。
長官のフューリー(サミュエル・L・ジャクソン)は緊急事態の研究施設を訪れる。そこでは謎の物体の四次元キューブが暴走を始めていて、ワームホールが開きロキが現れ、そこにいた人員の心を操り自分の見方にしてしまう。

世界滅亡の危機だとフューリーはヒーローたちを集めて最強のチーム「アベンジャーズ」を結成。インドで医者として働いているブルース=ハルク、天才スターク=アイアンマン、神々の国アスガルドからソー、70年の眠りから覚めたロジャース=キャプテン・アメリカ、女スパイのナターシャ、弓の名人ホークアイたちが死闘を繰り広げる。

これでもかと繰り出される暴力の応酬を見るのが疲れたけどおもしろかった。
おもしろかったけど疲れた。見ないと落ち着かないというナンギな性分なので、終ってほっとした。

ジョー・ジョンストン監督『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』

1日だけ間を空けて今日は6本目のDVD「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」(2011)を見た。さすがにお腹いっぱいな感じ。
わたしはいままでアメリカンコミックにまるで関心がなく、「キャプテン・アメリカ」が第二次大戦時にアメリカの戦意高揚に協力したヒーローということも知らなかった。そのコミックが70年経ったいま映画化されたのを見たわけだ。
昨日までに見た5本は、現代が舞台でも架空の話だから落ち着いて見ていられた。今日は第二次大戦の映画で、ヨーロッパが戦場である。アメリカの兵士たちがばりばり戦う。戦いに行くことを正義とする戦意高揚の基本を守った映画だった。

小柄で病気持ちの青年スティーブ(クリス・エヴァンス)はブルックリンで育った。こどものときから喧嘩したら必ず負けるのだが、殴られてもまた立ち上がる。大人になった彼は戦争に参加しようと出身地を変えて何度でも志願するが、身長が足りないし体も悪くて落とされる。その真面目な様子を見ていた学者が彼を「スーパーソルジャー計画」に起用する。学者はかつてナチスに協力させられ、シュミットに不完全な血清を与えてしまった。シュミットは世界を制覇しようとヨーロッパで動き始めている。
スティーブは血清を打たれて変身する。その場へシュミットの部下がやってきて博士を殺す。博士のスーパーソルジャー計画はこれで凍結し、スーパーソルジャーとなったのはスティーブ一人だけ。
男子の友情あり、女性の上官との恋もあり、もちろん戦場場面がたっぷり。
70年後に目を覚ましたスティーブに新しい任務が・・・

ケネス・ブラナー監督『マイティ・ソー』

おすすめマーベルコミックの5作目を鑑賞した。
監督がケネス・ブラナーで2011年の作品。伝説の世界と現世とがミックスして、伝説世界の青年と現世の女性学者が出会って愛し合う。前の4作がいまの地球上の話で戦闘シーンがすごかったのに比べると、現代のシーンは追いかけられたり爆発したりするが戦争ではないので、ちょっとだけほっとして見ていられた。

物語は父王(アンソニー・ホプキンス)が子に王位を譲るところからはじまる。血気盛んな長男のソー(クリス・ヘムズワース)が身勝手な英雄主義をかざして父に疎まれ、こどものときから兄をじっと見ていた次男がうまく父に取り入って後継者になりそうだ。
ソーはパワーを奪われ地球に追放されてニューメキシコに着地。天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)と助手と指導者の3人に発見される。

いろいろあって、ソーの側近たちがソーを助けに地球へきて大活躍。目的を達して自国へ帰ることになり、ソーとジェーンは愛を誓い合う。しかし、国と地球との架け橋を弟との戦い中に崩してしまった。いまは地球との間の架け橋がない。