今夜のSUBは荘司幸恵QUARTET+2

荘司幸恵QUARTET+2(荘司幸恵(P) 鈴木一郎(G) 財 盛紘(B) 中野 圭人(D) +西山満(cell) +城下麻弥(Vo))の演奏は月に一度やっている。11月の演奏がすごくよかったのでまた来るわねと言ったのに12月は風邪ひきで行けなかった。年末に今度は行くと演奏者だけでなくお客さんとも約束したので、今日は行かなくちゃ。

よく冷えて寒い。長堀通りと白髪橋が交差するあたりは道が広くて見通しがよい上に空も広い。上を見ると三日月と木星が真上よりも少し西にあった。空が澄んできれい。
地下鉄千日前線で谷町九丁目へ着き、SUBは駅から外へ出ないで、6番出口の階段の踊り場で左を見たらドアがある。

演奏はスイングする荘司さんのピアノに21歳の2人(ベースとドラム)がくらいつき、そして鈴木さんのギターが落ち着いてからむ。だんだんアンサンブルがよくなっていくのが実感できる演奏だった。そして城下さんのヴォーカルはだんだん大人の歌になっていっている。
時間を忘れて聴き入っていた。ほんまにたいしたもんやで、若者たち。

ルイス・ブニュエル監督『哀しみのトリスターナ』

在庫ビデオの整理をしていてこれを見ようかとなった。1970年のルイス・ブニュエル監督「哀しみのトリスターナ」。67年に「昼顔」(同じくカトリーヌ・ドヌーブ主演)を見てからルイス・ブニュエル監督作品を見る機会があれば出かけて見ていた時代だ。まだビデオもレーザーディスクもなかった。「昼顔」を北野シネマで見たのはよく覚えている。隣の席の男が痴漢で反対側に席を移したらまた痴漢で、うしろで立って見たから。「昼顔」がすごかったから同じ監督と女優なので期待して見たが、もうひとつだった記憶が残っていた。「昼顔」はチンピラ役のピエール・クレマンティがよかったけれど、こちらは画家のフランコ・ネロがもひとつだったし。

そんなことを思い出しながら見た。1920年代のスペインで、幼い頃に父を失い16歳で母を亡くしたトリスターナは、母の知人の貴族ドン・ロペに娘として引き取られる。屋敷には古くからの女中が一人いて取り仕切っている。やがてロペは女としてトリスターナを見るようになり、強制的にベッドに入る。トリスターナは散歩中に知り合った画家と恋に落ち、やがて家を出て行く。
ロペの仲が悪かった姉が死亡しロペに遺産が入ってくる。そこへトリスターナが戻ってくる。足にデキモノができて片足を切るはめになった彼女をロペは受け入れる。それから残酷に冷酷になっていくトリスターナ。

ずっとカトリーヌ・ドヌーブが大好きだった。見た作品をあげてみる。
「昼顔」(1967)「別離」(1968)「哀しみのトリスターナ」(1970)「ロバと王女」(1970)「ひきしお」(1971)「リスボン特急」(1972)「終電車」(1980)「海辺のホテルにて」(1981)「ハンガー」(1983)「見出された時-「失われた時を求めて」より」(1999)「8人の女たち」(2002)

今年もSUBへいきまっせ

今夜はSUBの最初のライブの日。金曜日だから西山さん(ベース)と竹田さん(ギター)の日だ。寒かったけれど最初が肝心と晩ご飯をすませてあわてて行った。
寒さのせいか客は少なかったが演奏はすごくよかった。40年の間に一度も演奏したことのない曲と西山さんが曲名(肝心の曲名を覚えてない)を言うとすぐに演奏に入る竹田さん。とっても懐かしいメロディだった。

途中で西山さんが客席にいたベーシストの井上幸祐さんを紹介された。いつも聴き慣れた西山さんと財さんにない硬派な弾き方をする人だと思った。その後は財さんで繊細な感じ。だんだんベースの弾き方の違いにも気がつくようになったなと自分を褒める(笑)。3人につき合った竹田さんは満足の表情。
最後のセントルイスブルースはブルースの神髄を見せてくれた。
今年もSUBへさいさいいきまっせ。

〈中吉〉でなごみ、カフェ カリフラワーでなごむ

いただいた年賀状に梅の花をこすったら〈おみくじ〉が出ますというのがあった。梅の花は10ほどあって、その1個をこすると〈中吉〉の文字が浮かび上がった。〈大吉〉でもなく〈凶〉でもなくええやんと思ったら、「めでたさも中くらいなりおらが春」(一茶)という句が浮かんだ。

晩ご飯を食べてから、今日は第一水曜日でmaikoさんがカリフラワーでDJやる日なのに気がついた。片付けしてから厚着してお出かけ。御堂筋へ出たら西風が吹き抜けていった。寒いのに元気やのう(笑)。
maikoさんとmikiakoさんのDJを気持ち良く聴いて、おいしいコーヒーを飲んですごくリラックスできた。家にいるとあれもこれもとすることが押してくるので、こうして外で過ごすのは大事。カリフラワーは広からず狭からず、すごく落ち着く空間だ。トイレにいって座ったら目の前の壁に「俺たちに明日はない」(ボニーとクライド)のポスターが貼ってあった。ふふふとしゃれたトイレでひとり笑い。

ナンシー・アサートン『ディミティおばさま古代遺跡の謎』

「優しい幽霊シリーズ」の3作目。これで貸していただいた本は読み終わった。
ロリとビルはイギリスのディミティおばさまが遺してくれた家で生活をはじめる。前作の終わりにロリの妊娠がわかり、本書は予定日より1カ月早く産まれ保育器のお世話になったが、無事に家に帰って育児中のところからはじまる。ビルは自転車で通勤し贅肉も落ちてきたし家庭を大切にするようになった。

ロリは育児に疲れてへとへとになって身なりをかまうヒマもない。そこへ知り合いの老姉妹が助っ人としてフランチェスカを連れてきた。フランチェスカは病気の両親の世話と兄の子どもたちの世話をしてきた苦労人。環境を変える意味でもここに住んで働かせてほしいと老姉妹は言う。
フランチェスカはイタリア人で父親は第二次大戦の戦争捕虜だった。北アフリカで捕虜になり、この村の農場で労役につき、連合国がヨーロッパで勝利した後に地元の女性と結婚した。6人の子どもはイギリス人として育った。しかしスキャパレッリという姓のせいで心の狭い人たちからは疎まれている。

古い意識の人たちがいる村ではロリとビルも新参者である。いかに村人たちとつき合っていくかがテーマになっていて、そこにユーモアが色を添える。
もう一つのテーマは前の2作にも言えるけど、第二次大戦の影や悲劇がイギリスに暮らす人たちにどう影響を与えたかということ。イギリス人だけでなく、フランチェスカのように親が捕虜であった人についても語りたかったのだと思う。
ロマンチックで笑える物語なのに、こういうところで筋が通っている。

亡くなったディミティおばさまがロリに語る。
【1914年から1918年にかけての戦争で多くの死傷者が出たことで、霊能者が多く求められるようになったのです。わたしの子供時代、世の中では精神世界が大流行してましたよ。最近になってまた、精神世界が流行ったでしょう?】
(鎌田三平・朝月千晶訳 ランダムハウス講談社文庫 860円+税)

ナンシー・アサートン『ディミティおばさま旅に出る』

「優しい幽霊シリーズ」の2作目。ロリは子どものころから大好きな国イギリスを思わせるボストンの一角にアパートが借りられて、それほどいやではない仕事があればいいなと願っていた。そしていやでたまらないというほどでない男性と安定した生活をもつこと。そんな思いがディミティおばさまが亡くなって、一生食べていけるお金とイギリスの家を遺してくれて可能になった。その上にビルという白馬の王子と出会い結婚もした。
おとぎばなしのような恋で結ばれるとあとでトラブルが起こるものだと実感したのは、ビルの仕事ぶりを知らなかったからだ。クライアントのほとんどがボストンの旧家で訴訟好き、彼らのためにビルは働きづめである。偉大な父親を持っているため、自分をその後継者にふさわしい人物であると証明しなければならないという強迫観念もあるようだ。イギリスから移住してきた祖先への忠誠心もあり、そして父親の負担を軽減しようともしている。

ロリはかつての上司のフィンダーマン博士の助手として働く。予算が切り詰められているためイギリスへの出張はロリが自己負担で手伝っている。
ロリは天涯孤独の身だが、ビルにはボストンに父とことごとにロリをいびる叔母たちがいて、イギリスには元々のウィリス家があっていとこたちがいる。
崖っぷちに立たされた気分のロリは二回目のハネムーンを計画しイギリスへ行くことにするが、ビルには仕事が発生し、義父の大ウィリスがいっしょに行くことになる。

イギリスで義父がいなくなり、ノートを開いてディミティおばさまと会話する。ノートにおばさまの言葉が現れて相談にのってくれる。義父を追うつもりのロリに前回登場した親友のエマ夫妻と相談していると夫妻の娘ネルがいっしょに行くという。ロリのだいじなウサギのぬいぐるみレジナルドがどうやら義父といっしょに行ってしまったらしい。
ロリはネルとテディベアのバーティーとともに追跡の旅に出る。
イギリス好きの人にはたまらない、コッツウォルズからはじまりイングランドをあちこちする追跡劇。最後はもちろんハッピーエンド。
(鎌田三平・朝月千晶訳 ランダムハウス講談社文庫 840円+税)

「2010→2011 at ACDC」そして帰ってから

昨夜は阿波座にあるビルの地下で催された「2010→2011 at ACDC」のパーティに行った。
着いたのは12時前でmaikoさんのDJの最中だった。それからカウントダウンがあり、CROSSBRED のライブがあった。いいあんばいに空いた椅子があったので座って聴いていた。kihiraさんのDJに代わると、たくさんの客が踊りだしほんまにあがりっ放しのすごい音。途中でお寿司や蕎麦を食べたりしたものの、またフロアにもどって最後は椅子を放棄して前のほうでリズムを刻んで立っていた。そのあとsakiちゃんがあがった状態で覚めないプレイを続けていた。いちばん前で踊っていると若い女の子が何人か声をかけてきてカンパイ。
体力のことを考えてこれで帰ったけど、相方はまた出かけて、このあともっともっと良かったそうだ。

帰り道は風が吹いて寒かったけど気分よく帰った。ミクシィやツイッターを書いて「朝まで生テレビ」を途切れつつ見て、やっぱり上杉隆さんだと思った。お風呂に入って寝たのは5時だった。

朝10時半に宅急便で目が覚めた。古い友人が高級ワインとチョコレートを送ってくれた。数日中においしい西洋料理をつくってワインを飲もう。デザートにチョコレートやな。
それからまた寝て12時過ぎに起きたら、相方がパーティ終わって帰ってきた。お蕎麦を食べながらパーティの話で盛り上がる。あとは読書三昧。

ナンシー・アサートン『ディミティおばさま現わる』

「優しい幽霊シリーズ」3冊をNさんに貸していただいた。「ディミティおばさま現わる」はその一冊目。冷える夜に暖かい膝掛けと毛糸のソックスで落ち着き、熱いお茶をいれてクッキーなんぞをつまみながら読むのにふさわしい。子どもっぽいが上品で、乙女チックではあるが芯が一本通っている。

ロリ・シェパードは父が早く亡くなり、教師として働く母と二人シカゴ北西部で貧しく暮らしてきた。レジナルドといううさぎのぬいぐるみだけが友だちだった。母はいつもさびしいロリに〈ディミティおばさま〉の話をしてくれた。地味な物語なのに惹かれるものがり、ロリはその物語を全部暗記している。

ボストンの大学を出て仕事に就き、結婚したが離婚。そこへ母が亡くなった知らせがきてシカゴへもどると葬式や没後のことは母が生前に決めてあった。葬儀には白いライラックの花束がとどき、ロリは自分の知らない母の生活があったのを知る。
ボストンへもどってただ一人の友だちメグの世話で派遣で仕事をはじめる。アパートに入った窃盗に、レジナルドをずたずたにされる。また引っ越して陰気に暮らしているとき、法律事務所から一通の手紙がとどいた。ディミティ・ウェストウッド嬢が亡くなったことを知らせ、事務所に来て欲しいとあった。ロリはディミティおばさまは生きていた人と知ってびっくりする。
雨の降る中びしょびしょに濡れながら事務所を訪ねるとボストンでも最高の場所にある大邸宅である。
立派な屋敷に入るところで「あしながおじさん」を思い出した。あれはニュ−ヨークだったけどジュディが訪ねて行って執事が出てきて立派な書斎に案内されると、おじさんがいた。
そんな感じでウィリアム・ウィリス(大ウィルス)が待っていた。その前に息子のビルにも会う。

そしてロリはビルと二人でイングランド南西部、グロスターシャー州のコッツウォルズに行くことになる。ディミティおばさまが住んでいた家で出合うさまざまな出来事、ディミティおばさまと会話するし、不可思議なことが持ち上がるし、レジナルドが元のような可愛いうさぎに修復されているし。
ディミティおばさまは第二次大戦中に飛行機乗りの恋人がいたのがわかり、ロリの母とも戦時中にロンドンで出会ったのがわかる。

コッツウォルズを検索したら、おいしそうなウサギのクッキーが出てきた。
(鎌田三平訳 ランダムハウス講談社文庫 820円+税)

「ミステリーズ!」12月号に木村二郎さんの私立探偵小説『永遠の恋人』

木村二郎さんからいただいた「ジロリンタン通信」にジョー・ヴェニスもの新作が東京創元社から出ている雑誌「ミステリーズ!」12月号に掲載されているとあった。
私立探偵ジョー・ヴェニスが主人公の単行本「ヴェニスを見て死ね」が出たのは1994年、日本人がニューヨーク在住のアメリカ人を主人公にして書いたユニークなミステリだった。その増補文庫版が創元推理文庫から2011年半ばに再刊される予定とのこと(単行本版の7編にその後の2編を加えたもの)である。
来年半ばには読めるとしてもいま読みたい。木村さんは書店で見つかりにくいとおっしゃっていたが、他の本を買うついでもあったのでジュンク堂へ買いに行った。たしかに雑誌のところにはなかったが、〈エンタテイメント-ミステリ評論〉というレジのすぐ後ろの棚に数冊あるのを見つけた。「永遠の恋人」は74ページにあった。

おれ(ジョー・ヴェニス)のところにハスキーな声の女性が訪ねてきてハガキを何枚か見せ、差出人を見つけてほしいと依頼する。差出人は〈あなたの永遠の恋人〉と名乗っている。おれは彼女を尾行するものはいないか調べ、勤務先の上司や同僚に話を聞く。そうこうするうちに殺人事件が・・・

翻訳小説を読んでいるような錯覚に陥るが、ちょっと違うと感じるところがある。街の名前とかていねいで、わたしがニューヨークに行ったとして、ここかしら、この通りかしらと確認しながら歩けそうと思った。久しぶりにニューヨークが舞台のミステリを読めてよかった。
(「ミステリーズ!」12月号 東京創元社 税込1260円)

今年最後のSUBはピアノの歳森さんのツイートで

24日に今年最後のSUBと書いたが、今日また行くことになった。ピアノの歳森彰さんがツイッターに「無音ストリート。今日(水)は、大阪、SUBでの、ライブのため休みます。」とツイートされていた。歳森さんはいま毎日のように〈京都市地下鉄市役所前駅改札脇〉で演奏(無音ストリート)されている。それに行きたいと思っているうちに年末になってしまった。来年は行きたいな。
いまはセッションやライブをやめて専心されているが、大阪のSUBだけには出るとのことだった。今月はどうなのかと思っていたら、突然今日ということであわてて出かけた。

今日のメンバーは、西山 満 TRIO+1[西山 満(cell) 歳森 彰(P) 財 盛紘(B) 春田久仁子(Vo)] 。ピアノとベースとチェロという変わったトリオにヴォーカルが入った。客は少なかったけどそれぞれ楽しんでいてよかった。
春田さんのヴォーカルを聴くのは三回目だけど気持ち良かった。だんだん良くなっていく感じでこれからが楽しみ。
SUBがあるおかげでこんな素晴らしい音楽が生で聴ける。これを幸せと言わずしてなんと言う。