デビッド・フィンチャー監督『ソーシャル・ネットワーク』

今年のはじめに劇場公開されたときから見たかったのだがおっくうで(こればっかり笑)、DVD待ちしつつ雑誌「ユリイカ」の「ソーシャル・ネットワーク特集」を読んでいたところへ東日本大震災と原発事故があった。それですっかり忘れていたのをいまようやく思い出した。
この映画は「フェイスブック」創設者のマーク・ザッカーバーグの半生を描いている。わたしのまわりは「フェイスブック」ばやりで、まだやっていないわたしは遅れをとっている感じがいや(笑)。
いまわたしのやっているSNSはミクシィとツイッターだけである。このブログを書くのとで毎日手一杯の上に、手間のかかる紙の会報「ヴィク・ファン・クラブ ニュース」をやっている。来年にはなにかを整理してから「フェイスブック」にいこうと思っている。
そんなものでこの映画をものすごく興味深く見た。雰囲気あるなぁと見ていたら、監督が「セブン」「エイリアン3」のデビッド・フィンチャーだった。「セブン」よかったなぁ。あの暗さ。

ハーバード大学で学ぶマークは、エリカとデートしたのに女子には耐えられない論理的(?)な会話をして席を立たれてしまう。部屋にもどってパソコンに向かった彼はブログにエリカの悪口を書き、次にハーバード中の寮の名簿をハッキングして、女子学生たちの写真を並べたサイトをつくる。それが、たった2時間で22,000アクセス。友人のエドゥアルド・サベリンがサーバー代を出して「フェイスブック」が立ち上がる。彼はのちに共同創業者&CFOとなり、最終的には告訴する立場になった。
もうひとつ資産家の息子で次期オリンピックにボートで出場する立場の双子のウィンクルボス兄弟は、大学での出会いの場としてのインターネットをつくろうとマークに接近する。マークは彼らを無視して独走してしまい、結局は裁判に持ち込む。
二つの裁判のやりとりから、過去のシーンになり、「フェイスブック」がどんどん大きくなっていくにつれての人間関係の悪化や新しい出会いが描かれる。
「ナップスター」創設者のショーン・パーカーと出会うところがおもしろい。若くして偉くなるとああなるのだなと納得。
裁判は大人が仕切ってお金で解決する。
ひとりのおたく青年が世界を動かしている物語だからおもしろい。来年はその「フェイスブック」の隅っこにお邪魔させていただこうと思っている。なんて調子がいいことを書いているが、なんていうか、もうわたしなどにはわからない世界があることを実感させられてへこむ。

ジェイソン・ライトマン監督『マイレージ、マイライフ』

この夏から昔の東映ヤクザ映画にはまっていて、そのあとに英国時代劇「ロビン・フッド」を見たら、いまの映画を見たい! 【自腹で年間100本以上の映画を観る(ぽち)が、映画館で実際に観た映画の感想を書くメールマガジン「Cinemaの王国」】を愛読していて、見たいと思うのは保存してある。3年分くらいたまっているを読んでいったが、見たいと思ってもTSUTAYAにないのもあるし、癖のあるのはやめて、これはどうやとジョージ・クルーニーの「マイレージ、マイライフ」に決めた。大当たり! 楽しかった。

リストラを請け負う会社のベテラン社員ライアン(ジョージ・クルーニー)は、年間322日も出張してリストラ宣告してまわっている。バックパックに入らない人生の荷物はいっさい背負わない主義で、マイレージは1000万マイル近くたまっている。同じように出張で飛び回っているアレックス(ヴェラ・ファミーガ)と出会って意気投合しいっしょに食事をしてホテルで同室する。ここまではすごい早いテンポでライアンの生き方が説明される。彼は講演も頼まれていて、バックパックを置いた演壇で人生哲学を迷いなく語る。
また出張というときに新入社員ナタリーが提案したネットでクビ宣告方式を社長は気に入って、ライアンに教育係を命じる。出張に同行してもめ事やら失敗やらあるなか、ナタリーはメールで恋人にふられて動揺する。
ライアンの妹の結婚式に出身地に帰るときアレックスが同行して、昼は出身校へ忍び込んで楽しみ、結婚パーティの夜を楽しく過ごす。
マイレージは1000万マイルに到達。アレックスに会いにシカゴに行くが、アレックスには出張中と違う生活があった。
ナタリー方式のクビ宣告システムは失敗しナタリーは退職。ライアンは出張生活にもどることになる。ナタリーの再就職先に心のこもった手紙をライアンは書く。
こんなあらすじだ。オトコマエで仕事ができていっしょに飲むのが楽しい男、ジョージ・クルーニーが大好き。ナタリーがアレックスに年齢差別丸出しでしゃべるところもおもしろい。わたしも同じようなことを言われたことがあるわ。

山田真『小児科医が診た放射能と子どもたち』

医師の山田真さんに「小児科医が診た放射能と子どもたち」を送っていただいた。山田さんとは10年くらい前から翻訳ミステリと女性探偵ファンとして楽しくつきあっていただいてきた。

本書は9月19日の東京6万人デモの日にクレヨンハウスで行われた山田真医師(子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表)の講演の記録である。
【クレヨンハウスでは福島第一原発の事故後、脱原発・自然エネルギーへのシフトを実現していくために、連続講座「原発とエネルギーを学ぶ朝の教室」をはじめた。】とあって、そこで話されたこと(上田昌文さん、安田節子さん、後藤政志さん)がクレヨンハウス・ブックレットとして出版されて4冊目が本書である。一読して思ったのは、この本をたくさんの人に読んでもらいたいということ。

第1章「6月17日に行った、はじめての健康相談」の項の最初の一行【いまの福島の状況は、いろんな意味で非常に「悪い」と思います。】という言葉が最初のショックだ。山田さんが福島へ行くことになったのは、【5月の半ばくらいに「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」という市民組織のひとたちから、「子どもの体調が悪くて不安に思っている親ごさんがたくさんいるので、一度子どもとおかあさんたちを診に来てくれないか」と言われたのがきっかけ】だった。

第2章「放射能への不安を口にできない雰囲気の広がり」では、大手マスコミが取材に来ないことに触れられている。福島が危険ということは新聞社はわかっていて女性記者を福島から引き上げているという話を聞いている。わかっていて「大丈夫だ、安全だ」と情報を流しているのだ。そして被爆を語れない雰囲気がつくられていることが述べられている。子どもたちの体調が悪いのは「放射能恐怖症」というこころの問題であって放射能のせいではない、放射能は大丈夫なのだから援助なんかいらないということなんだって。
【丁寧に子どもたちをフォローしていって、何かが起きれば早期に発見し、早期に対応していくということぐらいが、いまわたしたち医者のできることだと思っています。】と穏やかに述べられていることばが深く胸に沁みる。

第3章「低線量被ばく、内部被ばくの専門家はいない」【わたしたちが「わからない」と言うと、もっとはっきり「わかっている」と言うひとに押されてしまうよと、心配してくれるひともいます。けれども、いまは福島のひとたちと共に「わからない」ということを共有してゆこうということで進めています。いちばん怖いのは「もうわかった」としてしまうこと。「わかった」から「もう安全だ」という話になってしまいます。】

第4章「これから、わたしたちにできること」
第5章「Q&A 質疑応答」

すべてを引用したいくらいだけど、ここでやめておく。買って読んでください。そしてなにか行動を!
(クレヨンハウス・ブックレット 004 500円+税)

リドリー・スコット監督『ロビン・フッド』

リドリー・スコット監督とラッセル・クロウのファンなのに映画館に行かず、DVDになっても新作のときは敬遠、ようやく普通の棚に置かれて、しかも格安の日に借りた(笑)。
「ロビン・フッド」の物語は子どものころから知っていた。物語を読んだこともあるし、紙芝居も見たような気がする。シャーウッドの森という言葉が血肉化されていて、日常的にシャーウッドのカレーペーストを使っている(笑)。
この映画を見て「ロビン・フッド」のことを実はなにも知らなかったのに気がついた。それだけでなく、イギリス好きにとってはとても勉強になる映画だ。

12世紀末のイギリス。十字軍の兵士としてフランスで戦っていたロビン(ラッセル・クロウ)はイングランドの騎士の暗殺現場に遭遇する。そして瀕死の騎士から父に黙って持ってきた剣を返しに行ってほしいと頼まれる。
知恵を働かせて同僚たちとイギリスにもどったロビンは、ノッティンガムへ行く。騎士の妻マリアン(ケイト・ブランシェット)は義父の領主(マックス・フォン・シドー)とともに10年間暮らしてきた。代官による引き締めの苦しい生活の中で村の人々の中心になっている。ロビンを気に入った領主は、このままだと跡継ぎがいないから領地を国に没収されるので息子の身代わりになってくれと提案。ロビンはそれを受ける。それからのロビンのいさぎよい行動がマリアンの気持ちを開いていく。
ロビンの父は石工で革命家だったがロビンが6歳のとき処刑されているのが、領主によって明らかにされる。目をつぶるといままで思い出せなかったことが浮かんでくる。
ロビンがイギリスにもどる船はテームズ川の河口から入りロンドンへ向かう。その風景を見たらなんかうれしくなった。
それからフランス軍がドーバー海峡から押し寄せる。イングランド連合軍は海岸線をずらりと並んで迎え撃つ。弓の名手ロビンは高台から射撃兵を配置してフランス軍めがけて矢を降らす。マリアンは義父の仇を討とうと男装して加わる。手強い相手が馬で逃げるところをロビンが矢を放つと首を貫通して倒れる。
久しぶりに領主役のマックス・フォン・シドーを見られてうれしかった。上品で威厳にあふれている。(1950年から60年にかけてイングマール・ベルイマン監督他の作品を7作見ている)
王の側近役にウィリアム・ハートがなっていて渋い。(「アルタード・ステーツ」から32年経つのか〜それからの9作を見ている)
そして見ながらさわいでいた。馬が走る、走る。

義兄の三回忌、帰ったらMac miniが・・・

義兄の三回忌で姉の家に行った。家でお弁当を頼むとのことで、世話役がたいへんだったが気兼ねのない集まりだった。お坊さんが11時に来てお経と蓮如上人についての話と近所のお寺なので世間話的な話もされた。
それからお酒と豪華な弁当が出た。庭の大きな侘助椿にいっぱい白い花が咲いている。おととしの葬式のときも咲いていたっけ。12月の終わり頃にこの花が終わって、その後は横の薮椿が赤い花を咲かす。
義兄のほうの親戚が帰った後は、兄を中心に戦争中の話や両親きょうだいの話や尽きることなく話していた。早く両親を亡くしたふたりの姪ははじめて聞く母親の青春時代の話を楽しんだ。

たくさんお土産をもらって夕方帰宅したが、お腹はいっぱいだし疲れてしまってすぐに爆睡2時間。起きてパソコン起動したらネットにつながらない。相方が調べ確かめること1時間。いろいろやってようやくつながった。ネットがないと生きていない(笑)。
ほっとして蕎麦を食べて、お茶とお菓子でくつろいだ。

マキノ雅弘監督『昭和残侠伝 唐獅子仁義』

「昭和残侠伝」シリーズの5作目。ここまでの中でこれ1作抜けていたので、これで7作見た。あと2作「昭和残侠伝 吼えろ唐獅子」「昭和残侠伝 破れ傘」が 残っているが、紹介記事を読むと見なくてもいいような。やっぱりみんな見るか悩む。

最初のシーンで花田秀次郎(高倉健)と風間重吉(池部良)は斬りあって重吉は左手をなくす。次は仙台刑務所になって服役する秀次郎のもとへ舎弟が面会に来て、浅草を立ち退き名古屋の親分のところで世話になっているという。
5年経って秀次郎は刑務所から帰郷する汽車で林田親分と出会う。親分は採石場の親方の後ろ盾をしていて、利権を得ようとする樺島一家に狙われている。着くなり二人組に襲われやっつけたものの手首に傷を受けた秀次郎は藤純子扮する芸者に助けられる。それを見ていたのが町田京介(役名を忘れた)。金次第でどっちにもつくやつで密告する。芸者の家の裏口から出た秀次郎は林田親分の子分の家で居候になるが、この家が襲われて子分は死ぬ。

芸者は重吉の妻でもとは東京の一流どころにいたが、流れ流れてふたりしてこの地に住み着いたのだった。秀次郎に惹かれていく妻を見る重吉のやるせないまなざし。この映画の池部良はシリーズでいちばん暗い。他ではわりとエエカッコな役柄だったが、ここでは芸者の女房からお金をせしめて飲んだり賭けたり、それがなんだかすごく似合っていて、わたしだってこんなオトコなら借金してもお金を渡しそう。それに比べて清潔な秀次郎は一途な女の愛をかわす。
そして最後は例のごとくの斬り込み。町田京介がこっちにつきますとピストルで援護する。背中を斬られてもこいつは俺が殺るんだとふらふらになって闘う。最後は警官が多数到着し、秀次郎がよろけながら、重吉は町田京介におぶわれて建物から出てきたところで「終」。

皆川博子『開かせていただき光栄です』のことをもうちょっと

わたしが18世紀のロンドンの事情を知ってもなんにもならないけれど、好奇心を満たすってのも読書の喜びのひとつだ。皆川さんは最後に主要参考資料を16冊もあげておられる。それらを駆使して書かれた作品を読んでこちらは楽しんだ上に知識を得る楽しみを味わっている。

エドのお父さんは盗難を疑われ、投獄され、裁判で有罪になり、絞首刑になった。後で真犯人が見つかったが、偉い人につながりがあったためうやむやにされた。エドはいう「裁判官の皮膚を剥ぐと死刑執行人が現れる」。その後にイギリスの官僚制度についての説明がある。

いかがわしい店が繁盛している。男色専門店の薔薇亭がよく出てくる。トム・クイーン亭はあらゆる階層の遊び人たちが集まるパブである。酒、女、賭博、闘鶏、牛いじめ、熊いじめ、鼠殺し、そして娼婦としけこむ部屋がある。

炭坑の労働者の過酷な労働、家畜のように扱われた労働者たちのことも書いてある。
ロンドンの暖房は石炭を燃やしていた。おおかたの家では石炭屋が家の中に入り込まないように、道路の端から石炭貯蔵室に通じる穴を掘ってある。金属製の上げ蓋を開けて石炭を放り込めば斜面をなだれ落ちて行く。
※わたしは細野ビルヂングでこの装置を見たことがあるので、興味深く読んだ。細野さんにビルを案内してもらったときに、細野ビルの裏側に鉄の蓋がしてあるところがあった。ここに暖房用の石炭を落とし込んだという。地下室に降りてみたら、ビルの隅に石炭を受ける場所があった。その石炭をボイラー室で燃やしてビル中の暖房がされていた。

皆川博子『開かせていただき光栄です』

土曜日から読みはじめてさっき読み終わった。わたしとしてはすごく早いペースだ。日曜日なんか夜になると目がしばしばしてたのに離せず、月曜日の外出でひと休みしたのが目に優しくてうれしかった(笑)。
ツイッター等で評判が良いので読んでみようと思ったのだが、皆川さんの本を読むのははじめて。しかも変わったタイトルにためらったが買おうと決めてからはさっさと書店で見つけた。買ってよかった、読んでよかった。

18世紀のロンドンが舞台で、ディケンズの時代より少し前になるが、ロンドンの雰囲気は同じようにというか、ディケンズの世界にいるような気がしていた。それに登場人物表の名前が全部カタカナというのが翻訳探偵小説を読む雰囲気である。そしてはじまった物語は翻訳小説っぽいけれども、すこし古い時代の日本文学、例えば泉鏡花や中野重治を思わせる。すべて印象だけだけど。

物語の舞台はロンドン聖ジョージ病院の外科医ダニエル・バートンの私的解剖室。5人の弟子たちに囲まれてバートン医師が妊娠した女性の遺体を解剖している。誰かが来たという連絡で作業を中止し、弟子たちはかねてから作ってあった隠し戸棚に解剖途中の遺体を隠す。来客はジョン・フィールディング判事の部下の犯罪捜査犯人逮捕係たちで、今回バートンが墓あばきから買い取ったのは準男爵の令嬢エレインだという。妊娠6ヶ月のご令嬢のことを弟子たちはなにも知らぬと言い張る。彼らが帰った後に判事の義妹で助手のアンとその助手の逞しいアボットがくる。当時は働く女性は下働きの貧民だけで中流以上の女性は家庭にいるので、アンは男装して、判事の目になって活躍している。アンの目は鋭い。
アンとアボットが帰った後、隠し穴から顔を砕かれた死体が見つかる。

舞台が変わる。17歳のネイサン・カレンは駅馬車で長旅をしてロンドンに着く。彼は文学で身を立てようと、教区の牧師が彼の才能を認めてくれたのを励みに出てきたのだ。道を尋ねながら歩いているとき二人の青年と出会う。バートンの弟子エドと解剖のスケッチ画を描くナイジェルだ。意気投合してカフェで話し合う。下宿したネイサンは出版社へ行く。そこにエレインがいて知り合う。その後、喫茶店で「マノン・レスコー」を音読するように頼まれ、短くも楽しい日々を過ごす。

解剖台にのっていた妊娠中の女性はネイサンが敬っていた貴族の令嬢エレインだったのが早くからわかるが、物語はネイサンにかかわるところと、エドとナイジェルにかかわることが交差して進む。
判事と助手のアンの活躍、いかにも18世紀の悪いやつっぽい悪漢。娼館薔薇亭の賑わい。わくわくと読んだ。
(早川書房 1800円+税)

皆川博子『開かせていただき光栄です』を読みはじめた

今日はヴィク・ファン・クラブの例会日、1時間早く梅田へ出てジュンク堂へ行った。翻訳ミステリで欲しいのはあるのだが、今日はこっち、皆川博子「開かせていただき光栄です」(早川書房)を買った。今年7月に初版発行の本であちこちで評判が良いので気になっていた。あとは書棚前の散歩をしてシャーロック・ホームズへ行き、さっそく読みはじめた。
いやー、おもしろい。18世紀のロンドンの話でディケンズみたいなの。ギネスとサンドイッチその他をむしゃむしゃ食べながら読み続けた。まるで翻訳小説を読んでいるよう。感じとしてはマイケル・コックス「夜の真義を」が近いかな。
みなさん先月の賑わいで満腹したのかだれもやって来ない。これ幸いと読み出して2時間半。コーヒーを頼んで女主人と雑談するまで読み続けた。
帰ってから相方が本を開いて「翻訳ミステリちゃうん?」と聞く。登場人物表がカタカナ名前ばっかりだからね。この本はこうこうで皆川さんはこういう人でと説明した。ほんまにすばらしい作家がいるものだ。変わった題名だと思っていたが、これしかないよね。
これだけ一生懸命読んでもまだ1/4である。帰ってからは雑用ばかりで数ページしか読めていない。明日から楽しみ〜
(早川書房 1800円+税)

ナンシー・アサートン『ディミティおばさまと村の探偵』

優しい幽霊シリーズの6冊目。このシリーズの約束事はすでに亡くなっているディミティおばさまとの会話。ロリの周辺になにごとかあって相談したいときや行き詰まったときにノートに書くと、旧書体の文字で返信が書かれる。ロリのこども時代の孤独の友であるぬいぐるみ、うさぎのレジナルドは古ぼけもせず。

ロリはディミティおばさまがコッツウォルズのフィンチ村に遺してくれた家に夫のビルと男の子の双子と住んでいる。年明けにビルの実家のボストンで3カ月間過ごして帰ってきたところだ。ビルはロンドンで仕事中。
帰って早々に牧師夫人がやってきて甥のニコラスの面倒を見てほしいと頼む。先日この村に住んで3カ月のフーバーさんが殺されたという。この村の住人たちの間にはウワサがどんどん広がるのだが、誰も殺された人を気の毒に思っていない。それほど人に好かれない女だった。
そのあと隣家の厩舎長キットが馬を飛ばしてやってきた。キットは村人から殺人事件の犯人と指差されていると語り、疲れ果てている。キットがくつろいでいるとニコラスが来る。ニコラスのことをこどもだと思っていたら立派な大人だったのロリはびっくり。
なんやかんやでロリとニコラスは一緒に犯人探しすることになるが、村人は不倫のウワサをするし、ロリ自身もまんざらではないところもあり、読むほうはまたかと(笑)。
(朝月千晶訳 RHブックス+プラス 800円+税)