ノーラ・エフロン監督『ユー・ガット・メール』

何回も見ている大好きな映画。好きな映画の20番目くらいにはいるかも。ラブ・コメディ大好きだが押し付けがましいのに当たるとがっかりする。なかなか難しいところをクリアしている映画を見るとうれしくなる。そういう映画である。

メグ・ライアンほどラブコメディに向いた女優はいない。美女ぶらない好ましい美人。相手役のトム・ハンクスは男前とは言えないが好ましい男ナンバーワン。二人がインターネットでメールを交わす。実際にも会っている仲だがお互いがわからないところから話がはじまり、だんだん惹かれあっていく。

要するに「高慢と偏見」現代ニューヨーク版である。実際にメグ・ライアン扮するキャスリーンはいつも「高慢と偏見」を抱えていて、待ち合わせのカフェで読んでいる。ちょうど映画が封切られたころ、わたしも「高慢と偏見」を20回くらい読んでいると言ってた。ここ数年はなぜか読んでなくて、コリン・ファース演じるダーシーさんのDVDもしまい込んだままである。暖かくなったら出番がくる予感がする。

ジョン・ マクティアナン監督『プレデター』

知人のブログを読んでいたら今日は映画の話だった。アーノルド・シュワルツェネッガーの「プレデター」が好きで100回くらい観ていると書いてあったのでびっくりした。わたしはその題名は知っていたけどどんな映画か知らないのだから。
1987年のアメリカ映画ということは28年前か、ブログの人は少年時代から見て感激しっぱなしだそうだから、どんなのか気になる。これは見なくては。

わたしが「エイリアン」を最初に見たのはまだ泉ヶ丘に住んでいたときで(35・6年前の話)、通勤電車が難波駅に入るときに看板が目の前にあった。毎日看板を見ているうちにだんだん見に行く気になったのを思い出す。終わってからうなぎを食べに行こうと言っていたが、うなぎの気分にならなかったことが忘れられない。

検索しているうちに〈映画『プロメテウス』『エイリアン』『プレデター』『エイリアンVSプレデター』のストーリー時系列まとめ〉というのがあって勉強になった。次は「プレデターズ」を見ることになりそうだ(笑)。そのあとにも続々とあるじゃん。あっ、「プロメテウス」は見ていたっけ。

アーノルド・シュワルツェネッガーは好きではないが、寡黙で強い軍人を演じてぐんぐん引き込むところはやっぱりすごい俳優だ。高度な技術を持つ地球外生命体・プレデターに襲われて戦う。腕の太さ、首のたくましさ、そして走り泳ぐ肉体の強さは好きではないがすごい。

フォレスト・ウィテカー監督『微笑みをもう一度』

日曜日だけどいつもと同じくパソコン相手にぼちぼちなんかやっている。今夜は日曜日らしく映画でも見ることにしよう。
ということで、フォレスト・ウィテカー監督3作目の「微笑みをもう一度」(1998)を見ることにした。サンドラ・ブロック主演でその母親役にジーナ・ローランズ(どういうことで出演することになったのか気になる)。
フォレスト・ウィテカーはクリント・イーストウッド監督・製作の「バード」(1988)でジャズサックス奏者のバードことチャーリー・パーカーを演じてすごくよかった。そのとききちんと名前を覚えた。評判になったニール・ジョーダン監督の「クライング・ゲーム」は映画館に行ったのだがあまり好きではなかった。
いま検索したらたくさん出演作があって、最初のほうのはかなり見ているがどの役とか覚えがない。わたしには「バード」のフォレスト・ウィテカーだ。

始まりはテレビの公開番組で親友が夫と愛し合っていると告白したのを夫も肯定し、なにも知らなかったバーディ(サンドラ・ブロック)はショックを受ける。
彼女は小学生の娘を連れてシカゴから出身地のテキサスの田舎町にもどる。母(ジーナ・ローランズ)は暖かく迎えて娘と孫の様子を見守る。
町の人はみんなテレビを見ていて事情は知れ渡っている。昔から好いてくれていたジャスティン(ハリー・コック・ジュニア)はいまも独身で大切に接してくれる。

ホットチョコレートのちラブコメ〜アン・フレッチャー監督『あなたは私の婿になる』

用事で四ツ橋まで行ったので帰りに堀江散歩してきた。お正月から散歩に行きたかったのが1月終わりにようやく実現。ベースでホットチョコレートを飲んで店主手作りのケーキをお土産に買った。次にセレクトショップ ジョローナで布カバンと贈り物用石鹸を買った。どっちも久しぶりなのでよくしゃべって楽しかった。
帰ったら晩御飯ができていた。根菜の煮物とけんちん汁と漬物の簡素なご飯だったけどうまかった。

コーヒーを淹れてケーキを食べながらラブコメディを見ることにした。先日見た「ミレニアム」で気持ちが煮詰まっているからほぐさないと・・・。で選んだのがこの映画なのだが、タイトルがナンギ、原題は「The Proposal」(2009)。
サンドラ・ブロックは好きな女優だ。宇宙で苦労するのもよかったが、どっちかというとラブコメに出ている彼女が好き。
ニューヨークの出版社の管理職マーガレットは孤独に育って猛烈に働き40歳でいまの地位にいる。カナダ生まれのためビザの申請がいるのを忘れていて国外退去を命じられる。部下のアンドリューは3年間彼女の部下として働いてきた。マーガレットは扱いやすい彼と擬装結婚して難を逃れようと企む。
二人はアンドリューの故郷アラスカに向かう。実家は大金持ちで大家族だった。祖母と母に暖かく迎えられ偽装の夫婦の間はだんだんと近づていく。
一波乱も二波乱もあってうまく落ち着いた。

ニールス・アルデン・オプレヴ監督『ミレニアム2 火と戯れる女』『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』

2009年の作品だから5年前だ。そのころ評判はいっぱい見聞きしていたが、なんとなく見る気が起きなかった。口コミで推す人が周囲にいなかったのもわたしの弱点だけど、みんなが騒ぐものは見ないという天邪鬼、これも弱点やね。
スウェーデンのミステリはたくさん読んでいるが、その中でもいちばん読まれている本を読んでいなかったと反省しきり。いまは映画でお腹がいっぱいになったので、落ち着いたら全巻買って読もう。

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」ではジャーナリストのミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)が主人公で、彼が苦闘しているのをネットで知った天才ハッカーのリスベット(ノオミ・ラパス)が連絡してきて、ミカエルが命がけでやっている仕事に協力する。命を賭けて得た信頼と愛で事件を解決したが、ミカエルにはジャーナリストの恋人がいた。リスベットは大金を手にして国外に出る。

「ミレニアム2 火と戯れる女」「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」を昨日と今日とで見てようやく落ち着いた。
リスベットは外国から戻ってきた。
ミカエルはリスベットのあまりにもひどい生い立ちや不運を知り巨悪を暴こうと立ち上がる。その悪は現在にもつながっていて、ミカエルや雑誌社を脅かす。
ミカエルの妹が弁護士でしっかりとフォローして裁判闘争を進める。
リスベットの父親と腹違いの兄があまりにもひどい。そして後見人の弁護士のリスベットへの強姦がひどい。特殊機関の老人たちがリスベットを殺そうと襲いかかる。そして真実を知ったミカエルと雑誌社にも襲いかかる。
瀕死の重傷を負ったリスベットが病院で回復していく。担当医の毅然とした態度と善意とユーモアにほっとした。このお医者さんまでやられたら救いがないところだ。
リスベットは150センチ40キロという小柄である。わたしとたいして変わらないからスウェーデンではほんまに小さいやろな。
小柄な体で大男どもの暴力に挑むリスベットが素晴らしい映画だった。

ニールス・アルデン・オプレヴ監督『ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム 完全版』

デビッド・フィンチャー監督が好きだから彼が監督した「ドラゴン・タトゥーの女」(2011)を見たのだが、見ると欲が出てスウェーデン版も見たくなった。ところが3部作があって、他に「完全版」(2010)がある。どうなっているのと調べたら最初の1作目は153分で、完全版は27分の追加があって186分あるって。もちろん完全版を見るっきゃない。見終わったらこんな時間になった。
スタイリッシュなアメリカ版に比べてぐっと地味だけど真実味のあるスウェーデン版だった。
リスベット役はアメリカ版(ルーニー・マーラ)はちょっと美貌すぎて、スウェーデン(ノオミ・ラパス)のほうが現実味があった。
40年前に失踪したハリエットが見つかるところが全然違うが、どっちもうまい脚本だ。
主人公のミカエル(ミカエル・ニクヴィスト)はお腹が出ているし美男子ではないが誠実さがあった。この役でダニエル・クレイグとどっちがいいいかと聞かれたらこっちだな。
世界中に男性による暴力にあふれているんじゃないかと思ってしまう展開だが、スウェーデンの女性たちはそれぞれが強く生きている。
続きが見たい。

デビッド・フィンチャー監督『ドラゴン・タトゥーの女』

評判になった本も読んでないし、映画はどっちも見てなかった。ただデヴィット・フィンチャー監督が好きなのでいつか見たいなと思っていた。「セブン」と「エイリアン3」を映画館で見たときから気になる監督だったから。その系列の映画だったのですごく満足。
ダニエル・クレイグは犯人に捕まってあやういところを天才ハッカーのリスベットに助けられるなど007と違った演技力を見せていた。ドラゴンのタトゥーをいれたルーニー・マーラは「ソーシャルネットワーク」の学生だったのがわからない激しい演技力を発揮していた。昔ちょっとインテリ好みの映画に出ていて大好きだったロビン・ライト(そのころはロビン・ライト・ペンだった)が出ていた。

あまり評判なので敬遠していたが、これから原作小説スティーグ・ラーソン「ミレニアム」第1部「ドラゴン・タトゥーの女」第2部「火と戯れる女」第3部「眠れる女と狂卓の騎士」の三部作を買って読む。それからスウェーデン映画「ミレニアム」を見る。

アニエス・ジャウィ監督『みんな誰かの愛しい人』

今年初めて見る映画(DVDだが)はフランスの女性監督アニエス・ジャウィの「みんな誰かの愛しい人」(2004)にした。70年代までのフランス映画を語らせたらちょっとしたものと自負しているけど、最近はさっぱり見ていないので語るなんてとんでもない。
お借りしているDVDから1枚出して、タイトル見てもわからない。おもむろに検索して、これおもしろそうじゃんと見始めたら大当たりでよかった、よかった。

父親(ジャン=ピエール・バクリ)が有名な作家で、美人の若い奥さんと小さな女の子がいる。前妻の娘ロリータ(マルリー・ベリ)は肉付きがよすぎてコンプレックスいっぱい。若い男の子が側に寄ってきたら父への頼みごとがあるのだと経験からわかっている。いまの彼氏もそうだ。
ロリータは声楽を習っていて父に自分の歌をカセットテープに入れて聞いてもらおうと思うが、父はほったらかしたまま。声楽の先生(アニエス・ジャウィ)はロリータを持て余し気味だが、父親が作家だと知ると目をかける。そして彼女のつれあいの売れない作家を紹介する。
たまたまロリータの足元に酔っ払って倒れた青年セバスチャン(カイン・ボーヒーザ)に自分のコートをかけてやったのがきっかけで、二人はつきあうようになる。セバスチャンはロリータを好きになるが、ロリータの話題は父親のことばかり。
セバスチャンは友人といっしょに仕事をはじめるつもりだったが、父親が知り合いを紹介することになり、それを知ったロリータは「またか」と思う。セバスチャンは去っていく。しかし、セバスチャンが紹介を断ったことを父から聞いて暗闇の中を自転車で走る、走る。
たどり着くとセバスチャンはベンチに座っていた。セバスチャンのひとこと「疲れる子だよ」は実感がこもってた。

アニエス・ジャウィとジャン=ピエール・バクリ、素晴らしいカップルがいるのを今日知った。二人がアラン・レネ監督と組んだ作品「スモーキング / ノースモーキング」(1993)「恋するシャンソン 」(1997)を見たい。

アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ監督『ザ・ウォーカー』

戦争で破壊され文明が崩壊した地球を一人の男イーライ(デンゼル・ワシントン)が世界にただ1冊残った本を抱えて30年ひたすら歩いて西へ向かう。ちょっと変わった近未来SF映画。
すごい武器を持っていて強盗くらいなら軽いもの、本に手を出そうとする者は即座に殺してしまう。
旅の途中で立ち寄った町は独裁者カーネギー(ゲイリー・オールドマン)によって支配されている。カーネギーは辺り一帯の支配拡大のために異常にその本を欲しがり、あの手この手で本を取り上げようとする。情婦の娘ソラーラ(ミラ・クニス)が誘惑しようとしても手を出さないイーライだが、ソラーラは本の内容の一端を聞き取りカーネギーに告げる。それはカーネギーが探している本だった。
出発したイーライを追いかけるソラーラ、二人をカーネギーの屈強な子分たちが追いかける。応戦するも多勢に無勢でイーライは最後に本を取り上がられ半殺しにされる。それでも起き上がって西を目指すイーライとソラーラは目的地に辿り着く。本の内容は何度も読んで覚えているから大丈夫。

西へ西へと歩いて30年、着いた先は〈西方浄土〉ではなくて、生き残った人たちが未来に届けようと人類の文化を伝えるために頑張っている場所だった。
デンゼル・ワシントンを久しぶりに見たが汚れっぱなしにも関わらず清潔な印象。
なつかしや、マルコム・マクダウェルが最後のほうで出てきた。

アレハンドロ・アメナーバル監督・脚本『アザーズ』

ようやく映画DVDを見る余裕ができた。T氏にお借りした中から選んだのはトム・クルーズが製作総指揮に加わっているアレハンドロ・アメナーバル監督・脚本「アザーズ」(2001)。
検索したら原作が「ねじの回転」で、原作者が アレハンドロ・アメナーバルとヘンリー・ジェイムズとなっている。「ねじの回転」が原作では見ないわけにはいかない。お屋敷にこどもたちの幽霊が現れるのかしら。ニコール・キッドマンは家庭教師かなと期待に胸がはずむ。さすが彼女は世間ずれしていない家庭教師ではなく、その屋敷に住むことになった美しい母親の役だった。

第二次大戦が終わりかけたころ、英国海峡に浮かぶチャンネル諸島のジャージー島を舞台にした物語。
広大なお屋敷に美しい母(ニコール・キッドマン)と二人のこども(女の子と男の子)が住んでいる。こどもたちは色素性乾皮症という難病を患っており、光があたると大変なことになるので、いつもカーテンを閉めっぱなしで明かりもランプである。
そこへ家政婦と女中と庭男の3人が面接にやってきて雇われ、常にドアに鍵を閉めておくようにきつく言われる。
閉ざされた暗い屋敷と、エキセントリックな母とこどもたちに優しい家政婦は救いのようだが、実は彼らも謎の存在だった。
雇人を信じられなくなった主人公は神父に会いに行くと門を出たが歩いているうちに霧に囲まれてしまう。そこへ戦争に行っていた夫が現れる。

ヘンリー・ジェイムズの世界をアメナーバル監督が映像で表現しているなあとため息して見終わった。