いまざっと読み終わったところなので全体の感想はまだ。おもしろくて付箋を貼ったところを書いて楽しむことにする。
ダルジール警視が日曜日に警察署に行くとウィールド部長刑事とシャーリー・ノヴェロ刑事が仕事をしていた。ダルジールが「アイヴァー(ノヴェロの愛称)コーヒー」とどなると、若い女は「いえ、けっこうです、警視。さっき飲んだばかりなので」と答える。ウィールドの顔に“にやり”としたようなもの(ウィールドの醜男ぶりの描写)が浮かぶ。「今!すぐ」そして「女を警察に入れてやる理由がほかにあると思うのか?」とすごい差別発言。でもそれからの展開でダルジールがどんなに部下を気遣っているかわかる。(76ページ)
退職した警官の話をしていて「退職なんてするもんじゃないぜ。仕事をしているときは、死ぬ暇がない・・・」そのとおり。(108ページ)
ホテルのテラスで。「濃いヨークシャー・ティーをポットで頼む。あと、パーキンもいいな」。パーキンは〈ヨークシャー名物の生姜と蜂蜜のケーキ〉と註がある。パーキン食べてみたい。(230ページ)
ウィールドはゲイであることを長年かくしてきたと思っていたが、ダルジールは騙されていなかった。
【振り返ってっみると、巨漢がどれだけ自分を保護してくれていたか、だんだんわかってきた。人権だの、リベラルな宣言など、あからさまなことはいっさいない。ただ彼の周囲に、目に見えない円が描かれ、“この男はわたしの仲間だ。手を出すならそれなりの覚悟をしろ”というしるしになっていた。】(268ページ)
ダルジール、パスコー、ウィールドの世界に入り込むと浮き世のしんどさを忘れてしまう。