皮はむかない、あく抜きもしない

家にいるクセがついてしまったみたいで、この3連休もどこへも行かずだった。寝ているか本を読んでいるかの怠け者生活。外食をめったにしなくなったから2食の支度には時間と手間をかけている。基本的に昼ご飯は相方の係で晩ご飯はわたしの係になっている。以前はその日食べる魚を買いに毎日スーパーへ行っていたが、菜食だと買い込んだ野菜を眺めて献立を決める。

いま気に入っている料理の本は、先日も書いた藤城寿美子「玄米食養クッキング」だ。
「皮はむかない、あく抜きもしない——生きた素材を丸ごといただく」という章がある。そうか〜と目からウロコ。栄養的にもだけど、わたしの場合は皮をむく手間が省けてラッキー(笑)。

昨日はレンコン、ニンジン、サツマイモ、カボチャ、満願寺唐辛子の素揚げをした。みんな皮つきでうまかった。今日はレンコン、ニンジン、ゴボウ、サトイモを炊き合わせた。ゴボウとサトイモはタワシでこすった。

「皮はむかない、あく抜きもしない」って人間でいうと、まるで「わたしじゃん」と思うのであった。顔を洗うだけで化粧したこと生まれてから一度もなし。お陽さん向いて笑ってばかりいたから、素顔でそんなことしたらトシ取ってシミになるよと言われた。まさにトシ取ったいまはシミだらけだが、人間そのものはあか抜けていると勝手に思っているのである。

SUBで心地よい時間

一カ月ぶりのSUBは相変わらず居心地がよかった。しかし、月一はあかんな、もう少し行かないと常連といわれへんな。にも関わらず店主の長谷川さんが話し相手になってくれた。今度はケーキがあるらしい午後のお茶の時間に行こう。

今日の演奏は竹田一彦さんのギター、荒玉哲郎さんのベース、途中から長谷川朗さんのサックスが入って、よい演奏を聞けた。竹田さんが若者二人の演奏を気に入ってにっこりするシーンが何度もあった。リズムに身を任せ心地よいのだが緊張感もあって、快く目が覚めているとても気持ちのよい時間だった。荒玉さんのベースははじめて聞いたが自然で心地よかった。心地よいと何度も書いているけど、ほんとに心地よい時間を過ごせて幸せだった。

終わってからの雑談も楽しく、常連客の若者とどうでもいいようなことをしゃべって笑って上機嫌。
荒玉さんに、1961年1月10日に西山さんと竹田さんとわたしがフェスティバル・ホールでアート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズを3人別々に聞いていたと話した。竹田さんはそれに足して当時の大阪の音楽状況を話された。西山さんが「そやったそやった、みんな若かったなぁ」と天国で笑ってはるでしょう。

帰ってツイッターを読んでいたら、関電前の抗議集会で逮捕者が出たというツイートが。IWJのユーストを見て、不当逮捕に対するいろんな人の意見を読んだ。

長谷川和彦監督『青春の殺人者 』

先日見た「太陽を盗んだ男」(1979 長谷川監督第2作)は2012年に見てぴたっとくる映画だった。ほんまにびっくりした。それでもう1本「青春の殺人者」(1976 長谷川監督第1作)を翌日見たのだが、わたしには刺激がきつすぎてその日に感想が書けなかった。
解説によると、実際に起きた親殺しを下敷きにした中上健次の短編小説「蛇淫」をもとに田村孟が脚本化したもの。
わたしはどうも中上健次が苦手で、この映画もかなり苦手なのだが、苦手以上のものに引っ張られてのめり込んで見た。

父緒が建ててくれたスナックを経営している順(水谷豊)は幼なじみのケイ子(原田美枝子)に手伝ってもらっている。両親(内田良平と市原悦子)はケイ子が気に入らなくて、順が実家に帰ったときしつこく別れるように迫る。最初に父と口論しもみ合ううちにスイカを切っていた包丁で刺してしまう。血だらけの父が床に倒れている。そこへきた母親は怒るよりもいっしょに逃げようと言ったり、息子に頬ずりして迫ったり。結局はうざくなって母も殺してしまう。
それからケイ子と協力して死体を処理して海に投げ込むまで緊迫感のある場面が続く。そこにはさまるケイ子が無花果を木からむしって食べる初々しいシーン、アイスキャンデー売りの父親が肩に順を乗せ自転車を引きながら海辺を行くシーンがあってほっとする。

水谷豊って姉の家に行ったときにテレビで「相棒」を何本か見ている。若いときってこんなんやったんか。市原悦子はわざとらしいところがあってちょっと困った。俳優座の看板女優だったときいろいろ舞台を見たっけ。白川和子は昔から好意をもっていたのでなつかしかった。
長谷川監督はこの2本しか映画を撮っていないそうだ。

こういうときの読書、レジナルド・ヒル『完璧な絵画』

昨日は関電前抗議行動で一人の男性が警察に不当逮捕された。今日は天満署前で抗議集会が行われた。わたしは膝が悪いから何時間も立っているのがしんどいし、なにかあれば足手まといだから行かなかった。だが、昨日も今日もIWJによりユーストで報道されているから家のパソコンで見られる。その上にツイッター上でいろんな目撃者の体験談やそれをふまえた意見が読める。家で気をもんでいると気持ちがざわざわする。
今日はツイッターを読むほかはミステリを読んでいた。なんや、いつもと変わらんやん(笑)。

ずっと精神安定用に読んでいた本は少女小説だったが、最近はレジナルド・ヒルの本が多い。どの本でも効くのだが特に「完璧な絵画」がいい。ヨークシャーの田舎エンスクームに派遣されている巡査が行方不明になる。いろいろあってウィールド部長刑事、パスコー主任警部、それにダルジール警視までが出向く。
お伽噺に出てくるようなエンスクームの村、そしてそれまでばらばらだった男女が最後にはお伽噺のように結びつく。うっとおしいやつと思っていた相手のことがだんだんわかって恋になる。
孤独に暮らしているゲイのウィールドと村で古書の通信販売をしているディッグウィードとが最後には誤解が解けていっしょに住もうと決めるところがすごく好き。ウィールドに幸せになってほしいと願う乙女心(笑)。

あちこちめくって最後のところを読んで気分がよくなって家事をやって買い物に行った。それからは新しい本、ヘニング・マンケル「ファイアーウォール」を読み出した。これが最初っからおもしろくってたまらない。クルト・ヴァランダー刑事は健在。
(レジナルド・ヒル「完璧な絵画」秋津知子訳 ハヤカワミステリ 1400円+税 / ヘニング・マンケル「ファイアーウォール 上下」 柳沢由美子訳 創元推理文庫 各1200円+税)

長谷川和彦監督『太陽を盗んだ男』

「太陽を盗んだ男」(1979)を近所のレンタル店で借りてきた。原爆がテーマであること沢田研二がいいと知ってたけど見ていなかった。原発事故がなかったら見なかっただろう。

中学物理教師の城戸(沢田研二)は毎日満員電車で通勤している。風船ガムというあだ名で生徒になめられているが、休み時間にはいろんなスポーツをやって体を鍛えている。
アパートに帰ると宇宙服のような服装に着替えて原爆を着々と作っている。機材だらけの部屋の中に猫が入ってくるとミルクをやる。この猫の演技がすごい。
生徒たちとバス旅行の帰りに武装した一人の老人にバスジャックされる。そのときにバスに乗り込み、犯人を逮捕し生徒たちを救出したのが山下警部(菅原文太)。山下と城戸はのちにいっしょに表彰される。まだそのときは城戸が犯人だとはわかっていない山下。
城戸は東海村の原子力発電所に忍び込みプルトニウムを盗む。体を鍛えてきた甲斐あり。
城戸は国会議事堂に女装で潜入し、女子トイレに原爆の模造品を置いて出て来る。政府に電話し交渉相手に山下を指名する。逆探知しようにもその前に電話を切ってしまう賢いやつ。でも要求はナイター放送の延長、次はローリング・ストーンズを日本へ呼べというもの。
原爆の材料費をサラ金に借りていたのをほっといてサラ金に追い回されて、警察と違ったと大喜びして、次は現金5億円を要求。
部屋をごろごろしていた猫が死ぬ。城戸も髪が抜け歯茎から血が出る。
5億円はビルの屋上からばらまくように要求。
最後は壮絶なカーチェイスと格闘シーン、沢田研二と菅原文太のカーチェイスと会話と格闘と。

せっかく原爆を作ってみたもののどう利用していいかわからない城戸。
政府のえらいさんは北海道に家族を逃がしたというところがあって、東京の全員を避難させるのは大変ですからというセリフ、笑いごとではない。実力俳優による政府の人たちの姿はいまの政府の人間たちと変わらないと思った。

サラ・パレツキー『ナイト・ストーム』(3)

放っておいてほしいとシャイム・サランターに言われたヴィクだが、彼女は事件を追いかけ、いろんな人から話を引き出していく。サランターは孫娘が行方不明になり深夜にヴィクの住まいを訪ねる。
読んでいてサランターってジョージ・ソロスに似たとこがあると思った。ソロスはハンガリー系のユダヤ人でアメリカに渡って財を成し、慈善活動や政治活動に大金を使っている。サランターも東欧出身のユダヤ人であり、財団をつくって移民を助ける事業をしたり文化的な活動をしている。

サランターの過酷な少年時代がヴィクの部屋で語られる。
リトアニアから東へ向かった父と兄はパルチザンとともに戦ったが、スターリンの強制収容所で最後を迎えたのが、のちに何年もかけて調べてわかった。残った母は姉とサランターの命を助けようと、警察の補助組織の男(リトアニア系ユダヤ人の絶滅作戦に協力したリトアニア人)の慰みものになって耐えたが、結局、母と姉は殺された。
13歳のサランターは過酷な日々を生き延びて脱走し路上生活ののちにスウェーデン行きの貨物船に乗せてもらい、そこからシカゴにやってきた。

おそろしく過酷な捜査を続けるヴィクの物語にひととき温かい光がふりそそぐ。恋人のコントラバス奏者ジェイクのひとこと「ヴィクトリア・イフィゲネィア。ぼくの生涯のなかで、きみのように美しい人を見たのは初めてだ——たぶん」二人は午前2時の閉店時間まで踊って食べてベッドに入り翌朝ジェイクは演奏旅行へ。
ヴィクはすぐに仕事へ。

それにしても体を動かす調査活動とコンピュータを使っての調査と、私立探偵も大変な時代になったものだ。少女たちだってたいしたもの。家族の過去をネットで探ろうとしたり。
ヴィク・ストーリーをずっと読んできて思うんだけど、最初は電話とファックスだったがパソコンを使いこなすようになる。最初はさまざまな機関の知り合いに電話で秘密情報を教えてもらったりしていたが、いまや検索で間に合うことが多い。最初はウィンドウズだったけど、かなり早くからMacになった。40歳のときはヴィクを慕っている若者ケンがパソコン関連を手伝ってた(バースデイ・ブルー)。
いつのことだったか、ヴィクがパームを使っていた。わたしもパームが欲しいと思ったことがあったと思い出す。(パームって名前がいま出てきてびっくり)

サラ・パレツキーさんとお会いしてから2年経つ。奈良駅内の喫茶店でiPadを出して写真を見せてくださった。あれは最初のiPadだった。わたしが買ったのはiPad2だ。
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1160円+税)

サラ・パレツキー『ナイト・ストーム』(2)

物語は従姉妹のペトラからの深夜の電話からはじまる。
ペトラはロティの紹介で移民と難民を援助するマリーナ財団で働くようになり読書クラブを担当している。ヴィク(V・I・ウォーショースキー)は赤いドレスで長い知り合いのジャーナリストのマリとパーティに行っていたが、そこから出る口実ができたのは大歓迎だった。少女たちはナイトクラブにでも行ったのかと思い探しに出ると、墓場から声が聞こえた。少女たちは輪になって月の光を受け詠唱をはじめた。ヴィクが近づくと少女たちはパニックを起こす。
シカゴ市は17歳以下の夜間外出を禁止している。それが12歳ともなれば警察の注意をひくし、移民の子であればなおさら困ったことになる。生け贄役をしていたタイラーが輪から外れて石段の方へ行ったのだが背筋も凍りそうな叫び声をあげた。彫像のように見えていたのは人間の男性だった。胸には金属の棒のようなものが刺さっていた。
警察に知らせる前に少女たちを立ち去らせようとヴィクは全員を導いて歩き出した。
少女たちの中にはシカゴ有数の大金持ちの孫と上院議員候補の娘が入っている。不法入国者の娘も入っている。

最初から吸血鬼伝説の世界に読者を引っ張り込む。そして次は殺人、その次は殺人か自殺か不明。
死体で発見されたのは私立探偵のヴフニクだった。なにを探っていたのか、だれに雇われていたのか、ヴィクは翌日から調べはじめる。
そこへ旧友の弁護士レイドンから電話で呼び出される。ヴィクが行くとレイドンはチャペルの石段近くで倒れていた。救急車、警察、レイドンの冷酷な兄との話をすませ、優しい主席司祭と話す。そしていま会いたいという強引なサランターに会いに血の付いたドレスのまま次の面会へ。
シカゴ有数の大金持ちであるシャイム・サランターから指定されたクラブにつくと、身繕いをするように一室に案内される。髪を整えバンドエイドを貼ったりしてようやく人前に出られるようになり面会。なんとサランターの頼み(命令)は「この件は放っておいてもらいたい」だった。
【「放っておく?」わたしの声は半オクターブ高くなった。「ヴフニク殺しの結果として、今日、あなたの財団が襲撃されたというのに?」サランターは首をふった。「財団が襲撃されたのは、移民を排斥しようとするこの国のヒステリックな感情のせいだ。男が殺されたせいではない」】
(山本やよい訳 ハヤカワ文庫 1160円+税)

マイケル・ウィンターボトム監督『めぐり逢う大地』

昨日から台風がくると騒いでいたのだが午後の大雨と強い風が終わると静かな夜になった。月が見えるかもと窓を開けたが薄い雲がかかっていて今日の月見は無理だ。と思っていたら1時過ぎてから素晴らしい月が見られた。

晩ご飯を早めにすませて、また映画。まだあるマイケル・ウィンターボトム監督の「めぐり逢う大地」(2000)を先入観なしで見た。彼の監督ならきっといいはずだがタイトルが「めぐり逢う大地」とはなんだ。原題は「The Magdalene Sisters」。

はじまりは雪また雪の上に建っている小屋で妻と赤ん坊を渡して金を得る男のシーン。
1867年のカリフォルニア洲、キングダム・カムという町はかつてゴールドラッシュで金鉱を掘り当てた大金持ちディロン(ピーター・ミュラン)が支配している。荒っぽい男たちがいて酒場と娼館がある。娼館を経営しているのはディロンの情婦ルチア(ミラ・ジョヴォヴィッチ)。
そこに来ているのが、西と東から鉄道を敷きアメリカ横断を夢見ている鉄道技師たちとリーダーのダルグリッシュ(ウェス・ベントレー)。彼らといっしょにエレーナ(ナスターシャ・キンスキー)と娘のホープ(サラ・ポーリー)がやってきた。エレーナは重病でホープがずっと看病している。
ルチアはホープがピアノを弾けるので舞台で自分が歌うときの伴奏をさせ詩を朗読させる。じっと聞き入るディロン。そのあとディロンはもう一度やりなおそうとエレーナに求婚する。ホープに実の娘だということは、妻と娘を売ったと言わねばならないとエレーナに言われて、黙ってホープを見守っている。ダルグリッシュとホープは惹かれあう。
鉄道技師たちは馬にダイナマイトの荷を引かせて山を登り鉄道を敷く場所を選んでいく。やがてキングダム・カムに鉄道を敷くことができないことがわかる。
鉄道が通るところに新しい町が建設される。
一代で富を築き最後はすべてを失ってしまうディロン。

昔の西部劇と同じような酒場と娼館が出てきたので懐かしい気持ちがわいたが、建物の外は深い雪なのですぐに消えた。
原作はトマス・ハーディの小説『カスターブリッジの市長』だって。わたしはハーディの作品は「テス」しか読んでない。それもうんと若いころだしあまり好きでなかったしで、いま検索してあらすじを読んできた。
この物語を鉄道建設の物語として映画化するってすごい。
ウィンターボトム監督の「日陰のふたり」と「めぐり逢う大地」と去年製作された「トリシュナ」(未見)。3本の映画がハーディ原作である。ハーディの小説を読みたくなった。

マイケル・ウィンターボトム監督『いつまでも二人で』

「いつまでも二人で」(1999)というタイトルを見て、ベタなタイトルやなって使ったことのない言葉が浮かんだ。(原題は「With or Without You」)

北アイルランドの首都ベルファーストといえば、小説も映画もIRAがからむものしか知らないから、映画がはじまったときはうれしかった。29歳になるロージー(デヴラ・カーワン)は大きなホールの受付をしている。夫ヴィンセント(クリストファー・エクルストン)は警官を辞めてロージーの父が経営するガラス店で働いている。二人はこどもが欲しくてセックスに励むが恵まれずに病院に相談に行っている。
そこへロージーの昔のペンフレンド、ブノワ(イヴァン・アタル)がフランスから訪ねてきたので泊めることにする。ブノワは音楽が好きで料理がうまく、ロージーは夫にない文化の香りに惹かれていく。自分が若いときに出した手紙を見せられて女心が揺れる。
音楽会のクラシック演奏ではじまり、ロージーとブノワがヴィンセントの車で家出するときはU2の曲がかかる。海岸を走る車のシーンがよかった。

ヴィンセントはカウチでビール瓶を手にサッカーを楽しむ快男児である。ただデリカシーに欠けるのでブノワのようなタイプが横にいると気分で負ける。
どこの国にも愛し合う男女がいて音楽がある。気持ちのよい映画だった。

マイケル・ウィンターボトム監督『ひかりのまち』

マイケル・ウィンターボトム監督の映画は以前に「日陰のふたり」「24アワー・パーティ・ピープル」を見たことがわかった。それと今回貸していただいたDVDで「GO NOW」と「ウェルカム・トゥ・サラエボ」を見てウィンターボトム熱があがった。

今日は友人が好きだという「ひかりのまち」(1999)を見た。とても温かい気分になった。
ロンドンで暮らす一家の物語。最初はひとりひとりの物語が別々にあるので戸惑ったが、だんだん繋がってきた。ちょっと郊外に暮らす両親は夫婦仲が悪い。息子は黙って出て行ってしまい、姉妹3人はナディアがカフェのウェイトレス、デビーは美容師で夫と別れ小学生の息子と暮らし、元教師のモリーはもうじきこどもが産まれる。それぞれが自立して暮らしている。
モリーは夫のエディが仕事を辞めたがっているのを知らずにいる。ナディアは伝言ダイヤルで男性と知り合ってはデートしている。スリルのあるデートで危ういときもある。ロンドンの二階建てバスに乗って帰宅するときもしつこく声をかけられたり。デビーも閉店後の店に男を連れ込んだり奔放な生活。別れた夫が息子を迎えにきてサッカーと花火に連れて行く。モリーの夫は仕事を辞めたのがばれて家を飛び出す。デビーの夫はサッカーから帰ると息子をほったらかしで飲みに行き、息子は一人で夜の街へ出てひどい目にあう。
モリーは翌朝、姉に泣きついて3人姉妹はカフェで話すが、モリーは産気づいて病院へ。
両親は不仲なのだが、どうやら母親に原因があるらしい。父親は待たせてもらった近所の女性の家でお酒をよばれ、ダンスをして若返る。

3人の姉妹がそれぞれ個性が強く自立している。モリーがこどもを産むシーンが長いのが心やさしいウィンターボトム監督のメッセージのような気がした。
ロンドンに住む庶民のお話だが、お金がなさそうなのに生活が豊かなのだ。物価が安くてパブにも行きやすいのだろうと思う。