今日はいろいろとご馳走の日

昨日と比べるとだいぶんに暖かい日だった。
午後から整体に行って体をほぐしてもらった。つるかめカイロ整体院は3回目でだいぶ慣れた。ぼつぼつと話もしている。つるかめさんがひとりでやっている店で今日は5年目の記念日だそうだ。
膝の悪いのは治せなくても、太ももを鍛えたらだいぶ歩くのがラクになるそうだ。だから椅子に座っているときは足を動かしてなさいって。なのでパソコン前で足を伸ばしたりぶらぶらさせたりしてる。これは長続きしそうだ。本を読んでるときは無理かな。

夕方からは冷えてきた。
相方がすごい忙しさから少し開放されたので今日はご馳走。ワインを開けて、カツオのカルパッチョと温野菜(ジャガイモ、ニンジン、ブロッコリ、タマネギ、モロッコササゲ)とチーズとフランスパン。たまに魚を食べるとうまい。たまだからうまいのだろうね。ワインちょっとで真っ赤っかになってしまった。
デザートは妹が送ってくれたバウンドケーキ。自閉症者の作業所で作ったもので、以前もらってうまかったのでリクエストしたもの。

起きていて整体の影響が減ったらもったいないから、早めに寝て熟睡を満喫することにしよう(笑)。

サガンを読む雨の土曜日

寒い土曜日、気がついたらいつのまにか雨が降っている。こんな日は静かに読書ですね。フランソワーズ・サガンの本を引っ張り出した。
この本はもういらないと整理するつもりが、やっぱり捨てるのはもったいない置いておこうとなる。サガンの本は60年代から出たのをみんな買っていた。おおかた捨てたがすこしだけ残してある。
いちばん好きなジョゼの物語が「一年ののち」「すばらしい雲」「失われた横顔」とあって、2冊はわりとよく読んでいるが「失われた横顔」は最近読んでないので開いてみた。もしおもしろくなかったら捨てよう。この続き物語は3冊目はかなり後になって出たと記憶しているが、サガンはジョゼを幸せにして物語を終らそうと思ったみたいに理想的な相手が出てくる。それを思い出して、もう読まないなら捨てようかなと思ったのだが、微妙なところで置いておくことにした。まわりくどくてすみません。

ジョゼはアンニュイな雰囲気のパリに住む女性で恋のアバンチュールにこと欠かない。結婚したのは金持ちのアメリカ人のアランで病的に嫉妬深い。ジョゼがいくら逃げても執拗に探し出す。いまジョゼとアランはパリへ来て社交界に顔を出している。アパルトマンに帰るとアランはジョゼが話をした相手のことなど執拗に責める。
ジョゼをアランから引き離すのに手を貸して、別れた後の生活を支えてくれたのが社交界の大物である実業家のジュリュスで、彼もまたジョゼに執着する。自由と思ったのは大きく広げた男の手の中にいただけだった。そしてついにほんとうの愛を手に入れて物語は終る。

よしながふみ『西洋骨董洋菓子店』全4巻

長い間少女マンガを愛読していて「別冊マーガレット」とか「少女コミック」を買っていた。それらが単行本になったのをけっこう買っていたがいつのまにか処分してしまった。少女マンガはそこまでで、その後は「ビッグコミックオリジナル」を毎号買っていた時代が長くあった。それから「攻殻機動隊」があって、それ以来ご無沙汰している。

わたしよりはずっと若い40代の人たちも、大島弓子、萩尾望都、竹宮恵子を読んでいるけど、あの時代の熱狂とはちょっと違うだろうなと思う。いま思い出したが、倉田江美「栗の木のある家」好きだったなあ。サガンみたいで。そういえば主人公と友人がサガンの小説が好きよというシーンがあったなあ。切り取って綴じてあったが、紙が古くなってたので切り抜きを整理したとき捨てたんだった。ああもったいない。

さて、よしながふみ「西洋骨董洋菓子店」。
よしながふみのマンガは「大奥」を出たときに借りて読んでいた。あまり好みでなかったのですっかり忘れてた。今回はすごく気に入って楽しく読んだ。
「西洋骨董洋菓子店」は4人の男性がケーキ屋を開く話である。お坊ちゃんだった橘がケーキ店をやろうと計画し、ゲイですぐに若い子に手を出してその店に居られなくなる天才パティシエと、元プロボクサーだがボクシングができなくなった青年が弟子となってパティシエを目指す。橘の実家で家政夫をしていた小早川がやってきて4人になる。
「西洋骨董」というのはケーキ屋の店名である。おいしそうなケーキがどんどん出てくる。どれもこれも食べたくなるケーキ。そして美形が4人。
(新書館1-3巻 520円+税 4巻 530円+税)

整体と内田百閒『おからでシャムパン』

今日は整体の2回目に行った。からだが柔らかくなったみたいな気持ち。時間を見たら1時間経っていた。眠っていたのかぼーっとしていたのか気持ちよくてあっと言う間だったなあ。いまもこのまま横になったらすやすや眠ってしまいそうだ。
先週治療してもらってから、膝や腰の調子が上向いているような気がする。おととい姉の家から帰ったときも以前の疲れ方からするとだいぶマシだった。いい整体院を見つけてラッキー。それがご近所さんなのもラッキー。

昨日も読んでいた内田百閒の「猫の耳の秋風」に入っている「おからでシャムパン」を再読。
うちの晩ご飯もおからがついたから。うちのおからはわたしの自慢料理で以前は海老や椎茸を入れたりしていたが、最近はシンプルにニンジンとゴボウと薄揚げとネギだけである。薄いベージュっぽい色のおからにニンジンのオレンジ色がよく似合う。よく炒ったおからはほんとにうまくて、機嫌良く食べているのだが、百閒先生のはもっと高雅なのである。
おからを布巾に包んで水を流しよく揉む。水を切ってすり鉢に移してすりこぎで摺る。それからおからに色がつかないように味付けする。入れるのは銀杏だけで、最後にレモンをしぼる。
お膳におからの小鉢とシャムパン(シャムパンがお膳に上がるまでの話があるのだがここでは省略する)で一献。

うちはその他に4品のおかずがついてうまい晩ご飯だった。いくら百閒先生推薦でも、おからはうちのがいいなと言いながら食べた。おからを洗ったら栄養が抜けるんとちゃうかという意見が出たが、布巾がはずれてみんな流してしまうというのがアタリかも。
(六興愛蔵文庫 内田百閒作品集)

内田百閒『猫の耳の秋風』

積み重ねてある本の中に内田百閒が見えたので掘り出した。ずいぶん昔に読んだままで置いてあった。昭和57年発行ということは1982年、へえっパンク・ニューウェーブに夢中の時代に買ったのか。そういえばパンク少年少女たちには読書家が多かった。うちの本棚を物色していたミュージシャンがいたっけ、と遠い目。

わたしが百閒先生の本を最初に読んだのは父親が買っていた文芸雑誌で「阿呆列車」。なにがおもしろいのかわからんのにおもしろかった。その後、夏目漱石の弟子であることや造り酒屋の実家が破産してお金が無くなって借金の名人ということなど知った。ノラという猫が行方不明になったことも知っていたが、この話が身にしみたのは猫の花子がうちに来てからだ。ノラやクルを親身に思うようになった。

タイトルになっている「猫の耳の秋風」は愛猫クルへのせつない愛があふれていて涙が出そうになった。それと同時になんともエエカゲンとしかいいようのないお話もあって笑える。
先生が奥さんを「アビシニア国女王」と呼んでいる一編もある。タイトルも「アビシニア国女王」である。最後は哀愁漂う一編。
【なにげなく「アビシニア国」で検索したら1ページ目は内田百閒がずらりと出てきた。その他にこんなのがあった。大阪時事新報の1925年の記事「アビシニア王国 (上・下)」。(データ作成:2005.2 神戸大学附属図書館)】

狸を騙した話もおもしろかった。
話のおもしろさもあるけど、語り口のおもしろさがなんともいえない。
小型でしゃれた装丁で12冊出ているようだ。わたしはこれ1冊しか持ってない。全集を買ったような気がするのだがどこへ行ったやら。青空文庫には入っていない。
(六興愛蔵文庫 内田百閒作品集)

メアリ・バログ『秘密の真珠に』

ロンドンの夜。ドルリー・レーン劇場の芝居が終わって歩いたり馬車だったりと客たちは帰って行く。歩くからと知り合いの馬車を断ったアダム・ケント(リッジウェイ公爵)は暗がりの中にひとりの女性が立っているのを見つけた。客にありつけなかった街娼のようだ。暗い色のマントを着て身じろぎもしない。
彼は一夜の相手をしてもらえるかと問い女はうなづいた。
彼はワーテルローの戦いに参戦して顔から足までからだの片側に走る傷を負った。女はじっと彼を見つめていた。フルールと名乗った女は処女だった。
彼は充分な金を与えて消え去ったが、なぜか女を忘れられない。
「秘密の真珠に」はこんなドラマチックな出だしで物語がはじまる。
読み出すとリッジウェイ公爵の孤独な家庭生活、美しいが冷たい妻に優しく接しようと努力する姿が浮かび上がる。実は弟と妻の間の子である娘パメラを可愛がりパメラも実父だと信じている。

フルールは男爵令嬢だったが両親が早く亡くなり、親戚は世話をせずに冷たくあたる。大嫌いな従兄弟のマシューから求婚されて断るが、結婚しないと生きていけないような仕打ちを受ける。殺人と盗みの罪を巧妙に押し付けられたのだ。
家出したフルールはロンドンへ出たが働き口も推薦者もなく、一文無しになって娼婦になった。最初の客がアダムだった。
アダムの優秀な秘書ホートンは、フルールを探し出す。アダムは彼女を娘パメラの家庭教師に雇う。同じ屋敷に住むことになった二人は惹かれ合いつつも道徳心をもって礼儀正しく振る舞っている。フルールはありがたく思いつつも公爵が恐ろしい。しかしフルールが弾くピアノフォルテに公爵が魅せられ、一緒に馬を走らせているうちにだんだん好意を持つようになる。

そこへ現れたのがフルールの従兄弟マシュー。求婚と逮捕をちらつかせてフルールに迫る。フルールは早朝に屋敷を出て自分の屋敷へ逃げもどる。自分の育った家から逃げないでここで決着をつけよう。

「高慢と偏見」のダーシーさんみたいなアダム・ケント・リッジウェイ公爵は、同じように大きなお屋敷に賢い家政婦がいて、召使いを家族のように気遣う。ロンドンと田舎の屋敷を行き来する社交生活。「ジェーン・エア」のようなちょっと怖いが折り目正しい男性と可憐だけど気丈なヒロイン。映画「ゴスフォード・パーク」の主たちと召使いたちの姿が思い出される屋敷の日常生活。
すごく楽しく読んだ。全体を読んでからいいところを何度も読んだ。好きなんです、ロマンス小説。寝る前に読むとぐっすり眠れる。
(山本やよい訳 原書房 ライムブックス 990円+税)

整体初体験

整体という言葉は「野口整体」とか健康関連の本で知っていたが、治療を受けたのは今日初めてだ。
ずっと肩こりと膝痛をもっているので鍼治療や整骨院にけっこう通っている。この日記を遡ったら下新庄まで通っていたこともあり、部屋でこけて堀江の整骨院へ通っていたこともあった。その後は近所の整骨院で肩こりを診てもらっていたのが閉院したのが最後で、もう2年くらいはどこにも行ってなかった。整骨院での待ち時間や電気をあててもらってもなあと思うともひとつ腰が上がらない。

先週の夜突然頼まれて姉の家に一泊したときどうも体を冷やしたらしい。明け方に寒くて目が覚めパジャマの下に下着を着て靴下を履いたのだが、気がついたらカシミヤの毛布をぐるぐる巻きにしてた。昔の平屋は寒い。畳の下から冷気が上がってくる。
夜の休息時間に出かけたのも体によくなかったし、あの日は昼間は暖かかったが夜にぐっと冷え込んだ。あれ以来どうも体調がよくない。
ヴィク・ファン・クラブの会報の途中だったので、もどってからまた取りかかった。最後の綴じ仕事がしんどかった。
どっか鍼でも整体でも行って治療してもらおう。

姪が気に入って通っている整体院が梅田にあって姉も連れて行ってもらったという。紹介してもらおうかと思ったが近所で探してみることにした。
ネットで探したら駅からの案内があってそれはうちのほうだ。あっとおどろく近所にその整体院はあった。さっそく電話して空いている時間を予約して行ってきた。
初めての整体はめっちゃ気持ちよかった。すごい肩こりと腰が歪んでいるそうで、よくガマンしてましたねと言われた。

スーザン・ヒル『雪のかなたに』

プロローグ、「ゆうべ、雪が降った」と何度も繰り返す年取った女性の独り言からはじまる。父も母も兄も村の人たちもだれももういない。みんな亡くなってしまって残ったのはわたしだけ。
ずっと昔、9歳の少女のわたしは牧師館で両親と兄と暮らしていた。いたずら好きの兄は妹をからかうが仲のよいきょうだいだった。ドーセットの枯れ草色のわびしい丘、お屋敷があり主人たちはぬくぬくとしていて、使用人たちは屋根裏部屋で寒さに凍えていた。

巡ってきたうれしいクリスマスの日、ファニーは母に新しく作ってもらったマフを手に教会に行く。帰るとご馳走ができていてお客さんや使用人と楽しい食卓を囲む。
その最中に村の男性が亡くなった知らせがあり、別の家では子どもが産まれた。牧師の父は両方の家に行き遅く帰ってきた。翌日、ファニーは父について亡くなったおじさんの家に行き遺体に別れを告げる。その近所の家では昨日生まれた赤ちゃんを抱っこさせてもらう。

クリスマスの3日間は楽しいことだらけだった。
年が明けて春に父は街の教会に転任する。街ではクリスマスになってももうあの村でのようなクリスマスは訪れなかった。あのときわたしは9歳だった。
(野の水生訳 パロル社 2004年発行 1400円+税)

スーザン・ヒル『ガラスの天使』

スーザン・ヒルとなにか結ばれているものを感じる。久しぶりに行った図書館の棚で目についたのが「ガラスの天使」と「雪のかなたに」の2冊のクリスマス物語だった。パロル社の美しい挿絵の入った小型の本だ。

「ガラスの天使」をまず手にとった。
ティリーは母と二人で屋根裏部屋で暮らしている。父は戦争で死んでしまった。
母はお屋敷のお嬢様のドレスを縫う仕事をもらった。お嬢さまは結婚式のドレスや付き添いの人たちのドレス、新婚旅行用の物も母に依頼してくれた。母が仮縫いに行くのにティリーはついて行き、母の仕事が終わるまでじっと待っていた。暖かい部屋で待っているのは苦にならない。
帰り道は土砂降りになった。重い荷物を持った母と歩いて屋根裏部屋へ。
翌日も雨、学校はクリスマス劇の練習で楽しい。家に帰ると母はお嬢様のドレスの生地を部屋いっぱい広げていて、ティリーは台所の隅でおやつを食べる。
階下のマクブライドさんはティリーに自分の過去のことやいろいろなことを話してくれる大人の友だちだ。
お母さんは学校のバザーに出すために人形を作ってくれた。ヴィクトリア・アメリアと名付けたこの子はくじ引きでルイーザのものになった。

母はひどい風邪を引き寝込んでしまう。ひどい雨漏りで縫いかけのドレスがびっしょり。ティリーは駆けてお屋敷へ。
けなげな母と子への周りの人たちからのさりげない贈り物に彩られたクリスマス。
(野の水生訳 パロル社 2004年発行 1400円+税)

お彼岸なのにこの寒さ

昨夜は早寝と言いながら結局は2時過ぎまで起きていた。
久しぶりに妹に電話したら長電話になって、夫の介護が長かった経験からディサービスのことなどいろいろと教えてもらった。姉の場合は姪のひとりがヘルパーのベテランなのでまかせておけばいいのだが。
ミクシィの書き込みに反響があったので返信したり、ツイッターや本を読んでいるうちに眠気が飛んでいった。こういうときのロマンス本(笑)、訳者の山本やよいさんからいただいたばかりのメアリ・バログ「秘密の真珠に」(原書房)を読んでいたら時間を忘れた。

睡眠が特技のわたし、ロマンス本が精神安定剤。ぐっすり熟睡8時間一度も目が覚めなかった。
昼ご飯を食べ終ったら兄(昨日メールがあった甥の親)から電話があり、姉の家にいるという。姉はどうしてるのか聞くと「こたつで猫を膝に乗せとてうつらうつらしとる」のこと。日常生活にもどれてよかった。兄は鼓のお稽古を犠牲にしてきたんやと恩にきせてたけど。
昨日も今日もご近所さんが様子を見に寄ってくれている。お風呂で救急車という話題が近所を駆け巡っていることであろう。

夕方から出かけたが寒くてダウンコートを出した。ダウンなんてもう着たくないけど、この寒さではね。
阪神百貨店で食べ物を買い、L・L・ビーンにも寄った。気に入った春着があってよかった。
そして晩ご飯はシャーロック・ホームズ。賑やかな店内で寒さを忘れた。相方はギネスの1パイントを3杯飲みました。わたしは1/2パイントを1杯。