会報作り、最後の頑張り

今月も会報(VFC NEWS)の出来上がりが20日を過ぎる。今夜やってしまうが、真夜中を過ぎてポストに行くのもなんやから、明日起きたら投函しに行こう。今月はカンパしてもらった切手がたくさんあるので切手を貼って出す。
いま12枚24ページのA4用紙を綴じているところ。中腰でやるから腰にくるので、休み休みやっている。先に封筒に切手を貼ったから綴じさえすれば入れて封をするだけだ。

ヴィク・ファン・クラブ(VFC)は1991年にはじめたので23年になる。なんともすごい。最初からずっと会報を出してきた。いろんな形式で出してきたが、いまのA4でホッチキス止めがいちばん早くてラクなのでずっとそのかたちである。原稿がたくさんあるので、だだだっとやっている。それでも締め切りから10日かかってしまうが、仕事を少々、家事も少々、姉の世話を少々、本を読みたい、映画DVDを見たい、なのでこれ以上早くは無理だ。

印刷はゼロックスコピーでやってきた。仕事用に入れたのを借りているわけだが、仕事でコピー機を使うことがほとんどなくなったのでもう高価なマシンは入れない。今年末がリース延長の期限なので、それでこのクソしんどい綴じ作業ともおさらばする。

その後の会報はごく限られたページをパソコンのプリンタで出して会員限定とする。
そして連載の原稿などは「VFC会員サイト」を作って載せていく。
変わったことをやろうと思うとがぜん頑張る(笑)。
VFCの会員はいつでも募集中です。興味を持ったらメールをください。当ブログの「kumikoのプロフィール」に連絡先あります。

猫のシマちゃんが死んだ

昨夜姉に定期便の電話をしたら、いまにも泣き出しそうな声で「シマが死んでしもた」と言った。昨日の午後、姪の親子が来ていてしゃべっている間に隣室の座敷机の下で冷たくなっていたって。いつもの獣医さんに来てもらって処置していただいた。花を買いに行く時間がなく先日わたしが持って行ったトルコキキョウの白い花をつけてやったそうだ。

2年ほど前に庭にやってきた野良猫がこの家を終の住処に決めた。グレーと白の縞なのでシマちゃんといつの間にか名前がついた。姉の猫はもう1匹アカトラのチャーがいるが、いとも鷹揚にシマを受け入れて2匹は仲が良かった。
2匹とも野良猫出身だから年齢がわからない。2匹ともいいトシだと獣医さんが言っているけど、顔が可愛いので老猫とは思えない。でも最近は体調が悪くて医者にかかることが多くなった。
うちの猫の花子は去勢手術以外は医師の厄介にならなかったので、姉の猫を見ると過保護だなあと思う。でも、うちはマンション猫だから怪我をすることもなかった。元野良猫はデートや会議に行ったり喧嘩したり大忙しである。夜になると2匹ともどことも知れず出て行って深夜に帰宅する。姉はその顔を見ないと眠れない。

そんな暮らしが続いてきたが、ここでちょっと変わるかな。まあ先輩の1匹はいるのだからそんなに変わらないか。この1カ月くらいは口内炎やら食べ過ぎやらで部屋を汚されるわ、臭いわで大変だったのはなくなった。

昨夜の姉の頼りなげな電話で心配になって今日ばたばたと姉のところへ行ってきた。白とピンクのトルコキキョウをたくさん買って行って、死んでいた場所の机の上に生けてやった。シマちゃんも天国で見てるでしょう。

カーター・ディクスン「九人と死で十人だ」

本棚の前に物が置いてあるという状態で長いこと経って、先日ようやく物をどけたら出てきた本の山の中にあった。国書刊行会の世界探偵小説全集が10册ばかり。1999年刊行だから15年ほど前になる。行きつけの書店に頼んでおいて毎月とりに行っていた。
またわたしのミステリ歴を書くけれども、こどものころから探偵小説が身近にあって、ハードボイルドも本格もいっしょくたに読んでいた。
70年代になってネオハードボイルドに目覚めたら女性探偵がたくさん現れた。そんなときにあえて本格ものを読みたくなったのだ。ところが読んだのは名前を知っていた作家で、同じ全集の中でも、アントニイ・バークリー、フィリップ・マクドナルド、シリル・ヘアー、レオ・ブルース、そしてエドマンド・クリスピン等は別にお気に入り本棚に並んでいる。あとは積んだまま忘れてた。

ああ、すみません、読んでみます、と今回出てきた本に向かってお辞儀して言って、1册とったのが本書だが、カーター・ディクスンはまたの名ジョン・ディクスン・カーである。なんで積んどく本に入れたのかな。愛してやまない「皇帝のかぎ煙草入れ」は何度読んだことか。「火刑法廷」のすごさ。「夜歩く」は父が好きで読めと言われた。

おとといと昨日と今日と本書を読んでとても楽しかった。恋愛小説でもあるのだ。「皇帝のかぎ煙草入れ」を思い出してまた読もうと思った。想い合う男女の心の動きがステキだから。

第二次大戦中の話で、軍艦と同じ色に塗られたイギリス商船がニューヨークを発ってイギリスの某港へ出航する。船は軍需品の輸送も担っていて爆薬や爆撃機も積載されている。乗客は9人。元新聞記者マックスの兄はこの船の船長である。
女性が二人乗っている。40代はじめと思われる美貌のブロンド、エステル・ジア・ベイ夫人。毛皮のコートから出たハイヒールの足がすらりと伸びている。もう一人はヴァレリー・チャトフォード嬢で、マックスが酔ったエステルに抱きつかれているところを見て嫌悪の表情。その後もマックスとヴァレリーはケンカするシチュエーションばかりだが、お互いに気になってしかたがない。
エステルが殺され、乗船員全員の指紋をとることになる。

船は潜水艦警戒水域を航行して行く。H・Mことサー・ヘンリー・メリヴェールが活躍して犯人を見つける。
(駒月雅子訳 国書刊行会 世界探偵小説全集26 2400円+税)

アレハンドロ・アメナーバル監督『オープン・ユア・アイズ』

去年の8月に見たトム・クルーズ主演の「バニラ・スカイ」のオリジナル版、スペイン映画の「オープン・ユア・アイズ」(1997)。「バニラ・スカイ」も良かったけど「オープン・ユア・アイズ」のほうがずっと良かった。主演のエドゥアルド・ノリエガの美しさがなんといっても効いている。いまもトム・クルーズ大好きやねんけど、主演の美青年はやっぱり若いほうが良い。

セサール(エドゥアルド・ノリエガ)は美青年で独身で金持ちで、一度つきあった女とは二度目はないと決めている。自分の誕生日パーティで友人ペラーヨといっしょに来たソフイア(ペネロペ・クルス)に一目惚れして部屋に連れ込む。それを見ていた前の彼女のヌリアは嫉妬して、自分の車に乗るように仕向け、暴走する。大破した車で生き残ったセサールは美しい顔がめちゃめちゃになる。
いまの技術ではここまでしかできないと言われ、むごたらしい手術跡のある顔になり、その上にマスクをかぶることを薦められる。
バーで傷跡のある顔を見たバーテンが驚くがすぐに酒をおごると言って注ぐとあとはどんどん飲んで泥酔して道路で寝込む。翌朝路上で寝ている耳元にソフィアが「オープン・ユア・アイズ」と囁いて手を握った。ソフィアとベッドで抱き合って眠りにつき、目が覚めたとき横に寝ていたのはヌリアだった。

アレハンドロ・アメナーバル監督ショートフィルム『ルナ 月は見ていた』

昨日見た「オープン・ユア・アイズ」のDVDについていたおまけを続けて見た。主演がさっきまで見ていた「オープン・ユア・アイズ」のエドゥアルド・ノリエガである。モノクロ画面でものすごく美しい。すっごく美しいからドラマの終わりはどうなるのか心配になる。
1995年の作品で監督自身がカフェのウェイターをやっている。

仕事の帰りに車が故障したアルベルトは15分ほどかかってようやくヒッチハイクできた。運転していたのは若い女性(ニエベス・エランス)で最初はとりとめない会話をしつつ進んで行く。女性がスタンド横のカフェでお茶を飲もうと誘う。アルベルトは妻がいるので早く帰りたいが、しかたなくカフェに立ち寄る。カフェのウェーターは女性を見ていやな顔をする。
テーブルでお茶しながら女性はどんどんアルベルトに迫ってくる。返す言葉を切り返し、言葉でアルベルトをしばろうとする。
早く帰りたくて「明日会おう」と逃げると、電話番号を聞かれ嘘の番号を言うとそれも見破られ、トイレに行っている間に妻に電話するとそれも立ち聞きされ・・・ウエィターからはあの女には気をつけろと忠告されるが、どうしたらいいものやら。
むごい最後を月は冷たく照らしていた。
女は怖い。気をつけてね、あなた。

アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』(2)

この家に引っ越して来たとき、前の住まいに忘れたものを知り合いが持ってきてくれた。普通に礼をいい冗談を言いあって彼は帰った。それを窓から見ていた夫のグリムルは、お前はまるで売女のように体をくねらせていたとなじり殴った。彼女は吹っ飛ばされ口の中が血だらけになった。なにが起こったかまったくわからない。それからの年月、彼女は何度もこのときのことを思い出した。自分が悪いから彼が怒るのだ、すべて自分が悪いのだと自分を責めるのではなく、家を出ていればどうなっただろう。知り合った頃は真面目な人だったのだ。
彼女の前の夫は船乗りで船が転覆して溺死した。小さな娘ミッケリーナを連れて働いていたが、熱心に求婚するグリムルと結婚した。娘は新しい父親になじまなかった。
息子が二人できたが、子どもたちにも暴力をふるう。たまに人間らしくなって優しいときもある。ミッケリーニが病気になり体が動かなくなった。二人の弟は姉の世話をしていっしょに遊ぶ。ようやく声が出るようになったがグリムルに対しては恐怖しかない。こうして恐怖の生活を母と3人のこどもは続けてきた。

エーレンデュルの娘エヴァ=リンドは胎盤剥離でお腹の子を失い、病院のベッドに意識不明で横たわっている。昏睡状態でも側で話す父の言葉は聞こえているから話すようにと医者に言われてエーレンデュルは話し続ける。自分のこどものときのことを話すのは自分のためにもなった。

シングルデュル=オーリが4年越しの恋人ベルクソラと結婚について言い合いしたとき、CDを探してこの歌をかける。マリアンヌ・フェイスフルが主婦ルーシー・ジョーダンの思いを歌っている。Marianne Faithfull – Ballad of Lucy Jordanいつかパリでオープンカーを飛ばすことを夢見ている主婦ルーシー。「俺たちもパリへ行こう」とシングルデュル=オーリが言った。
(柳沢由実子訳 東京創元社 1800円+税)

エドガー・ライト監督『HOT FUZZ ホット・ファズ – 俺たちスーパーポリスメン!』

明日は雨のようだから今夜はなにかおもしろい映画を見ようと、ちょっと屁理屈ですが(笑)。

先日ネットで映画感想を読んでいたら、エドガー・ライト監督の「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」(2013)を待っているとあった。これはちょっと見たいなとT氏のDVDを探したら、前篇の「HOT FUZZ ホット・ファズ – 俺たちスーパーポリスメン!」(2007)があった。
エドガー・ライト監督の映画を1本も見たことがないのでいい機会だと見ることにした。すっごいおもろい映画で笑ってばかり。

ロンドンの首都警察で働くニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)は大学を首席で卒業、警察学校でもトップ、検挙率もトップで何度も表彰されたエリート警察官。あまりにも仕事ができすぎて周囲の人間に煙たがられ、田舎町のサンドフォードに左遷される。
サンドフォードに来たエンジェルは超真面目なスタイルを崩さずというかそれが自然体なのである。村人のちょっとした違反を許さず検挙するから、同僚にも上司にもけむたい存在だ。村の支配者たちの集団には警察の上部の人間も入っていて自分たちの利益のためにがっちり固めている。
相棒のダニー(ニック・フロスト)は警察映画マニア。ともに動くと周りは敵だらけで、ダニーはエンジェルに車をやるから帰れと言い、一度はロンドンに帰る。

ロンドンへ帰る途中で考え直してもどってきたエンジェル。サングラスをかけ武装して、なんと白馬にまたがっている。これってクリント・イーストウッドの「ペールライダー」じゃんと思ったら、そのあとはハリー・キャラハン刑事みたいな活劇だったり、西部劇のシーンだったりとすっごく楽しませてくれた。
イギリスの活劇はおもしろくて楽しい。

アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』(1)

友だちが「緑衣の女」がよかったと教えてくれたので買って読んだらすごくよくて、読み終ってすぐに前作の「湿地」を買って読んで先日感想を書いた。
「エーレンデュル警部シリーズ」で翻訳があるのがこの2冊である。そしてもう一度「緑衣の女」を読んだ。捜査官エーレンデュルの私生活や性格がよくわかった。部下の二人の警察官のことも、アイスランドの首都レイキャヴィクのこともわかってきた。

新しく開発された住宅地で、こどもの誕生日パーティが開かれている。騒ぎは最高潮に達していて、親が留守で弟の面倒を見ている若者は手持ち無沙汰にソファに座っていた。彼はこの家の赤ん坊が手にしたおもちゃのようなものを見て人間の骨だと気がつく。人間の肋骨の一部だ。そんなはずないと怒る赤ん坊の母親に、自分は医学生だからわかると言った。母親の質問に一人の子どもが自分が拾ったと言い、その場所へとみんなでぞろぞろ行くと、指差されたところからあごの骨と歯が見えた。
その発見の第一報を受けたのは女性警察官のエリンボルグだ。一見年齢不詳、40歳から50歳の間、太ってはいないが美食家で、離婚して4人のこどもを育ててきた。1人は養子ですでに独立しており、3人のこどもと再婚相手と暮らしている。ちょうど食事に人を招いていて帰るところだった。
エリンボルグからのポケベルがシングルデュル=オーリの脱いだズボンのポケットで鳴った。ポケベルはなによりも優先する。彼は恋人のベルクソラの下から這い出した。
エーレンデュルは家庭料理を出すレストランで食事をはじめたところだ。
45分後に3人は骨の発見場所で会う。古い骨なので考古学者が仕切っていて鑑識課の係員たちは手伝ってもいいと言う。
エーレンデュルは新興住宅地を見回した。反対側の湖の方面の草地にスグリの木が4本ある。こんなところに誰が植えたのかとエーレンデュルは不思議に思った。
エーレンデュルは考古学者たちが建てたテントに入って掘ったところに降りてみた。ゆっくりと歩いていると靴先に当ったのは人間の手で指が突き出されている。「生きたまま埋められたのか?」
そのとき、携帯電話に娘のエヴァ=リンドの声で「助けて、お願い」と聞こえ、そこで電話は切れた。
現在の話の中に過去の話がはさまれる。読者はそれで詳細を知ることができるが、警察官たちは調査と頭脳で核心に迫っていく。
(柳沢由実子訳 東京創元社 1800円+税)

アーナルデュル・インドリダソン『湿地』(1)

アイスランドの作家アーナルデュル・インドリダソンの「エーレンデュル警部シリーズ」でいま翻訳があるのは3作目の「湿地」(2000 翻訳2012)と4作目の「緑衣の女」(2001 翻訳2013)の2冊。
さきに「緑衣の女」のを読んだらすごくよかったので、前作の「湿地」を買って読み終った。

アイスランドの作家の本を読んだのははじめてで、アイスランドといえば歌手のビョークしか知らなかった。そして2008年金融危機のニュースでアイスランドの経済だけでなくどんな国かを知った。同性婚が認められているとか、人名には姓がなく電話番号だって名前で登録されているとか。広さは北海道と四国を合わせたくらいで人口は32万人。

エーレンデュル警部は首都レイキャヴィクの犯罪捜査官で50歳、かなり前に離婚している。娘エヴァ=リンドと息子のシンドリ=スナイルがいるが、別れた妻にずっと会わせてもらえなかった。エーレンデュルは妻がつけたこどもたちの名前が嫌いだ。大きくなってから二人は父を探して会いに来たが二人とも問題を抱えていた。特に娘がやっかいだ。いま彼女は妊娠していてクスリから離れようとしている。

レイキャヴィクの北の湿地にあるアパートで老人の死体が発見された。老人ホルベルクに部屋に入れてもらった者が殺して逃げたらしい。死体の上には「あいつはおれ」というメッセージを書いた紙が置いてあった。

エーレンデュルと同僚のエーリンボルグとシングルデュル=オーリの3人が捜査にあたる。シングルデュル=オーリはアメリカの大学で犯罪学を学んだ秀才で、背が高くエレガントでいつもきちんとした服装をしている。エーレンデュルと正反対だ。シングルデュル=オーリがプロファイルを作るべきと言うと「なんだ、それは、プロフィール(横顔)のことか」というぐあいだ。女性警察官のエーリンボルグの個人生活は出てこないが、エーレンデュルの捜査法に対して批判的になるときがある。

ホルベルクには家族がいない。部屋に残されたものを調べると引き出しの下から古い写真が出てきた。古い墓石の写真でウイドルという女の子の名前、亡くなったときは4歳。そこからエーレンデュルの引くことのない捜査がはじまる。
(柳沢由実子訳 東京創元社 1700円+税)

アーナルデュル・インドリダソン『湿地』(2)

墓石の少女ウイドルとその母コルブルンについて、エーレンデュルはかつての先輩で定年退職した警部マリオンから話を聞く。コルブルンはホルベルクに強姦されたことを警察に訴えたが当時の担当者は受け付けず、かえって訴えた女性に恥をかかせたという。
エーレンデュルはコルブルンの姉エーリンを探し出して話を聞く。コルブルンは強姦された結果妊娠したが、生まれたウイドルを可愛がって育てた。だがウイドルは3歳で脳腫瘍で亡くなってしまい、コルブルンは自殺した。

1963年、3人の女性がバーで楽しく飲んでしゃべり踊った。一見インテリっぽく見えるホルベルクは一人の女性を家まで送り家に入り込み強姦し、もう一人の女性は家まで後をつけて入り込み強姦した。
一人はコルブルン。もう一人の女性を捜すのにエーリンボルグとシングルデュル=オーリは苦労するが、ついに見つける。結婚して二人のこどもがいたカートリンは強姦されたことを誰にも言わずこどもを産み、夫の子として育ててきた。末っ子として可愛がって育てた三男のエイナルだ。

その夜飲んでいた三人組の男のうち、ホルベルクが殺され、もう一人は刑務所にいる。あとの一人は25年前に姿を消したままだ。

墓を堀り、遺体の臓器を調べ、上司の非難をものともせずに湿地に立つアパートの床下を掘り死体を見つける。
そのかたわら、別れた妻の依頼で結婚式場から消えた花嫁の行方も調べる。これも原因は家庭内DVにあった。そして娘のエヴァ=リンドに心配のあまりどなりつけたりもする。
(柳沢由実子訳 東京創元社 1700円+税)